タグ: 企画

2026年3月18日

デザイン思考で挑戦!実践プロジェクトbの授業にてTANZO、ゼクシィとコラボした連携授業の最終発表が行われました。

1月14日(水)、実践プロジェクトb(担当:美学美術史学科下山肇教授)の授業にて、鍛造指輪株式会社(以下、TANZO)常務取締役 曽我石 龍之介氏と株式会社リクルートのゼクシィ編集部(以下、ゼクシィ) Divison総括本部 マリッジ&ファミリーDivision 朝賀しお莉氏、鈴木莉乃氏をお招きし、学生の提案の最終発表が行われました。

授業と企業連携について

実践プロジェクトbは、2年生以上の学年を対象に開講されている共通教育科目です。問題解決(PBL)型授業で、企業から渡される課題に対して、学生が解決策の提案を行います。この授業では、課題に対する解決策を考える方法としてデザインの考え方を取り入れています。

今年度はTANZO、ゼクシィとの企業連携が行われ、ブライダル分野の課題に挑戦しました。TANZOは婚約指輪や結婚指輪を中心にオーダーメイドの指輪を製作・販売を、ゼクシィは結婚に関する総合的な情報発信を行っています。

授業のあゆみ

初回授業では、曽我石氏、朝賀氏、鈴木氏が来校し、〈新しい出会いの手段を創造する〉という課題が発表されました。その後、それぞれの企業の紹介とブライダル業界が抱える課題点が共有されました。学生には、課題として既存の出会い方にとらわれない「新たな出会いの手段」を見つけ出すことが求められていると伝えられ、大学生ならではの柔軟な発想への期待が寄せられました。

その後、まずは学生自身が「自分が出会いたい人」のイメージを出発点としてイメージボードを作成。完成後は学生間でイメージボードの交換が行われ、自分ではなく、『クライアント』の求める人物と出会える場の企画の考案を進めていきました。キーワードの抽出・整理を行いながらアイデアを発展させ、中間発表での企業からのフィードバックをもとに企画内容を具体化。その間、AIを思考の壁打ち相手として活用しながら企画を段階的に検討し、『出会いの手段』の提案へとまとめていきました。

中間発表でのフィードバックを受け、企画のブラッシュアップを行った学生たち。それぞれのクライアントが求める『出会いたい人物』に出会える場をテーマに、企画の最終発表が行われました。

学生の発表

ニャン・テリジェンス

クライアントの求める”出会いたい人物像”と、既存のマッチングサービスにおける「外見や条件は分かる一方で、人の価値観が見えにくい」という問題点に着目し、外見や条件だけでなく内面の相性を重視した出会いを目指す、AIを活用したマッチングプラットフォーム〈ニャン・テリジェンス〉を提案しました。

イメージボードから『多趣味』『清潔感』『対話力』の3点を要素として抽出し、AIとの対話による性格分析やAIが話題を提供するテーマトークを通して、データに基づくマッチングと実際の対話の両面から相性を確かめられる仕組みを設計しています。特に『清潔感』の要素として姿勢の良さに着目し、カメラの情報をAIが分析して姿勢が悪くなると猫の鳴き声で知らせる機能を提案しました。

さらに、参加者を連携企業に勤める社会人に限定することで、サービスの信頼性向上と安定した参加者確保を図り、企業価値の向上にもつなげる点を特徴としています。

曽我石氏は「ネーミングが素敵です。AIの要素が加わることで、分析とフィードバックのサイクルが実現可能だと想像できました」とコメントしました。朝賀氏は「異なる人に惹かれる側面もあると思うので、『価値観が同じ』だけではない、多様な出会いをサポートできるとさらに良くなると思います」とフィードバックしました。

教えあい料理教室

クライアントの求める人物像を表したイメージボードから『誠実な人間性』『食に対する興味』の二点に着目し、出会いにおいて表面的な情報だけでは分かりにくい相手の本質を短期間で知ることができる“出会いの場”として〈教えあい料理教室〉を提案しました。

買い出しから片付けまでを参加者自身が担い、レシピを教えあいながら交流する点が特徴です。集合後は買い出しから始まり、調理や食事、片付けまでの流れを共にすることで自然なコミュニケーションが生まれるように設計しました。また、一連の作業を通して食の好みや性格、ライフスタイル、指示の出し方など、参加者の本質を知ることができるとしました。

体験価値を重視する大学生や20〜30代社会人を対象に集客し、本気度を担保するため月額3,000円の会費を設定しました。料理を通して参加者の本質的な部分を知ることができる企画として説明されました。

曽我石氏は「出会ったあと、実際に付き合ってみたときに感じるズレが少なそうです」とコメントしました。朝賀氏は「初心者歓迎の部や、逆に食べるだけの人の枠を設けるなど、参加者の条件はさらに展開できそうです」とフィードバックしました。鈴木氏は「慣れてきたときに人の本質が出る気がするので、3回以上の参加を必須にするなどの条件を付けるとよいのではないでしょうか」とコメントしました。

仮想協働生活アプリ〈OUR LIFE〉

クライアントの「出会いたい人」の要素を示したイメージボードから、『優しくて笑顔が柔らかい』『想像力豊かで思いやりがある』『たばこを吸わない』という点に注目し、「相手に誠実に向き合う姿勢」「第三者との関わりから見える本来の性格」「健康的な生活」の三点を“出会いの場で見極めたい要素”として抽出しました。

既存の出会いの手段では実際の生活に関する情報が不足しているという課題を踏まえ、人を選ぶのではなく“確かめる”場として仮想生活マッチングアプリ〈OUR LIFE〉を提案しました。企画はAIによる自己分析とマッチング、共同生活、卒業の三段階で構成され、共同生活では献立や食事、子どもと遊ぶ体験、ストレスイベントなどのタスクを通して金銭感覚や健康意識、対応力を見極める仕組みとしました。

期間は1日・1週間・1カ月から選択可能とし、本気の出会いの場として月額3,600円の参加費用を設定しました。

朝賀氏は「“ゲーム=攻略”と捉える人もいるため、より“出会い”にフォーカスした方向性で展開していくと、マッチングアプリとしての安全性が高くなると思います」とコメントしました。

鈴木氏は「スマートフォンの歩数と連動して移動距離が見られたり、ステータスとしてポップが表示されたりするなど、リアルと連動した機能があるとよりよいのではないでしょうか」とフィードバックしました。

〈SYNC TO UNLOCK〉

クライアントのイメージボードにある『気遣いができる、ユーモアがある、韓国風ストリートファッション』といったキーワードから、コミュニケーション能力の高さ、視野の広さ、トレンドへの敏感さを出会いの場に必要な要素として抽出しました。これらを踏まえ、ファッションブランドに焦点を当てたイベント型POP UP SHOP〈SYNC TO UNLOCK〉を提案しました。

本企画では「脱出ゲームをクリアしなければ商品を購入できない」という制約を設け、初対面の参加者同士が協力せざるを得ない状況を生み出すことで、自然な交流を促します。さらにゲーム内容も、求められる人物像の要素が発揮されるよう設計しました。脱出後には参加者ごとに異なるクーポンを配布し、共有することで全員が利用できる仕組みとすることで、参加者同士のコミュニケーションを促し、連絡先交換などイベント後の関係形成にもつなげる企画として説明しました。

朝賀氏は「ファッションブランド以外のコンテンツでも実施できそうな内容だと思いました」とコメント。曽我石氏は「実施することでアパレルブランドに対する愛着も上がり、ビジネスとしても成り立つ企画だと思います」と話しました。

バーチャルとリアルをつなぐマッチングアプリ

クライアントのイメージボードから、「趣味を一緒に楽しめる人」という要素に注目しました。物事に取り組む姿勢や態度を知ることができ、同じ趣味を持つ人と出会える場として、シミュレーションゲームとマッチングアプリを組み合わせたサービスを提案しました。

このサービスでは、理想の暮らしをシミュレーションしながらタスクをこなすことでポイントが付与される仕組みを採用しています。アプリの登録者は、好きなコンテンツのタグ付けや、過去に参加したライブチケットの登録などを行い、「好き」を通じたマッチングが行われます。

また、タスクには生活における価値観に関する内容を設定し、同じ物事に対する取り組み方や姿勢を判断できる設計としました。さらに、タスクをこなして得られたポイントは、実際のライブチケットやグッズと交換できるようにすることで、オンライン上で協働した相手とリアルで出会うための導線を確保しました。

朝賀氏は「同じ趣味を持つ友達のコミュニティを広げる目的でもできそうです。チケットやグッズ目的の人もアプリを使用すると思うので、出会い目的を確実にするシステムがいると感じました」とコメント。鈴木氏は「ポイント交換チケットの転売対策も必要だと思いました」とフィードバックしました。

朝食コミュニティ

クライアントのイメージボードにある「いただきますが言える人」「細身の体形の人」「自己管理ができる人」という要素に着目し、「朝ごはん」を共に食べる食事会を出会いの場として提案しました。

ターゲットは25〜39歳の会社員とし、1日の始まりである朝を整えることで自分自身や仕事の調子を整えたいと考える人々を想定しています。参加者は出社前に会場へ集まり、到着後は各自のタイミングで「いただきます」をして食事を開始する仕組みとすることで、自発的に挨拶ができる人物かどうかを確認できる点を特徴としました。さらに参加条件にBMI23未満を設定し、「細身の体形」という要素を満たす設計としています。食事はグラム単位での事前申請制とし、完食をおかわりの条件とすることでフードロスにも配慮しました。最後に参加者全員で「ごちそうさま」を言うことを合図に終了する企画として説明しました。

曽我石氏は「中間発表からより詳細な内容が詰まっていて、具体的なイメージがつきました。グラム単位で指定するということは、美意識が高い人たちが集まりそうですね」とコメント。朝賀氏は「休日プランやランチ会など、様々なパターンがつくれそうです」と企画の発展性について指摘。鈴木氏は「クライアントの要望通り、『いただきます』を自然に発生させるシステムがきちんと設計されていてよかったです」と評価しました。

授業の終わりに

曽我石氏は「授業で終わらせることがもったいなく感じるくらい、社会につながる提案でした」とコメント。朝賀氏は「就職活動のエントリーシートに”学チカ”として十分かけるような、充実した発表でした」と話しました。鈴木氏は「アイデア出しやスライド作成など、提案を考える過程も参考になりました」と話しました。

今回の授業は学生にとって、デザインの考え方を取り入れながら、アイデアを企画として具体的な形にしていく過程を実践的に学ぶ貴重な機会となりました。クライアントの要望をもとに考え、試行錯誤を重ねながら企画を磨き上げていく経験を通して、発想力だけでなく、相手のニーズを捉えて形にする力を養う機会となりました。

担当教員からのメッセージ

【生成AIの活用と他者視点の融合】

今回の授業では、主に二つのポイントを設定しました。

第一は、生成AIを活用したデザイン思考の実践です。第二は、自分自身ではなく「他の履修者」をクライアントとして想定し、企画を構想することでした。

まず生成AIについてですが、現在はまだ技術の過渡期にあり、その利用については賛否さまざまな意見があります。しかしデザイン分野においては、今後重要なツールになると考えられるため、学生には早い段階で実際に体験してもらうことを重視しました。

ただし、生成AIは使えばよいというものではなく、使い方によっては単なる作業の効率化にとどまってしまいます。そこで授業では、「どのようにAIを使うのか」という思考の組み立て方そのものを学習の中心に据えました。まず自分自身の発想を起点にアイデアを練り上げ、その過程で資料やデータの収集、調査や取材を重ねます。その上で、ある程度まとまった構想を生成AIに投げかけ、返ってきた提案や視点を再び思考の材料として検討し直す、という往復を行いました。こうした過程を通して、AIに依存するのではなく、自分の構想を軸にしながら活用する姿勢を体験的に学ぶことができたと考えています。

もう一つのポイントである「他履修者をクライアントとすること」についてですが、通常の課題制作では、自分自身から発したものやことをテーマとして考えることが多くなります。しかしその場合、主観的な考えから抜け出せず、発想が行き詰まったときに突破口を見出しにくいという側面があります。そこで今回は、自分ではない「他履修者」から発した題材を元とすることで、より客観的な視点から問題設定や提案を行う方法を試みました。デザインは本来、自分ではなく常に自分以外の 「何か・誰かのために」行う行為であり、その実践的な思考方法を体験することが目的でした。

結果として、協働企業の方々からは非常に高い評価をいただきました。企画内容についても、「ここで終わらせるのはもったいない。さらにビジネス化の可能性を検討し、次のフェーズへ進めたい」というご意見をいただくことができました。

学生の持つ高いポテンシャルと、生成AIなどの現代技術を組み合わせた方法論によって、実社会と接続した充実した授業を実現できたと考えています。

2026年3月11日

おせんべいの可能性を探る!生活環境学セミナーにて商品企画の最終発表が行われました。

2月13日(金)生活環境学セミナー(担当:環境デザイン学科 安齋 利典教授)にて、株式会社金吾堂製菓(以下金吾堂)から商品企画室 小谷氏、山﨑氏、株式会社ロッケン(以下ロッケン)から小笠原氏をお招きし、コラボプロジェクトの最終発表が行われました。

コラボ授業の歩み

生活環境学セミナーは、環境デザイン学科の3年生を対象とした専門科目です。意見交換や討論を通じて学生同士が学び合うゼミナール形式で実施されており、安齋教授のもと、計12名の学生がプロダクトデザイン(工業製品のデザイン)について日々学びを深めています。

今年度の授業では、老舗米菓メーカーの株式会社金吾堂製菓と、金吾堂のパッケージデザインを担当しているデザイン事務所の株式会社ロッケンとコラボを実施。「Z世代をターゲットに、厚焼のセカンドラインとして若年層に響く商品の企画立案」をテーマに、商品の「パッケージデザイン」「味のバリエーション」「せんべいの形」と、「Z世代のライフスタイルに合った商品展開」を考案が行われました。

課題発表の様子はこちらの記事から→https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/9463/

コラボ授業初回の様子
中間発表の様子

課題の発表が行われた10月の初回コラボ授業後、金吾堂本店への現地調査や調査から判明した情報の分析などをへて、11月に学生の企画の中間発表が行われました。その後、さらなる企画のブラッシュアップやデザインデータやプロトタイプ(試作)の制作を経て、2月の最終授業で発表が行われました。


最終発表には、金吾堂から商品企画室 小谷氏と山﨑氏、ロッケンから小笠原氏をお招きし、学生たちは調査や試作を重ねた4カ月の成果として、それぞれの視点から新たな商品企画を提案しました。発表の後には、ゲストから企画に対するフィードバックと意見交換が行われました。提案は、シェアを前提とした商品や、勉強・作業中に食べやすい設計など、Z世代のライフスタイルに寄り添った多様なアプローチが見られました。

シェアするためのおせんべい

“分け合いながら楽しめるおせんべい”をコンセプトに、〈おひとつどうぞ〉と〈しぇあ煎?〉の2種類を提案しました。〈おひとつどうぞ〉は中華レトロをテーマに、パッケージと味の両面で中華風の要素を取り入れ、Z世代に流行する麻辣湯に着目した麻辣醤油味や黒糖五香など新たなフレーバーを展開しました。

小笠原氏は流行を取り入れた点を評価し、プロトタイプについても立体化によりイメージが具体的に伝わると講評しました。

PariっとPizza

“外でも食べやすいパッケージ”をコンセプトに、薄型三角形の煎餅〈PariっとPizza〉を提案しました。公園でお菓子を持ち寄った自身の体験から小学校高学年をターゲットに設定し、ピザ箱風の大きく開くパッケージや「トマト」「バジル」「チーズ」の新フレーバーで親しみやすさを意識しました。

小谷氏から箱形状の変更理由については、分けやすさを考慮したと説明。煎餅の薄さや大きさもターゲットに合っていると評価されました。

薬膳五性の煎餅

書店でのアルバイト経験から薬膳本の売れ行きに着目し、“お煎餅でつなぐ物語”をコンセプトに〈薬膳五性のおせんべい〉を提案しました。体を温める・冷やすといった性質に基づき食材を選ぶ薬膳五性の考え方を取り入れ、市場調査を踏まえて本の装丁を思わせる文庫本サイズのパッケージを採用しました。

ゲストからは経験からアイデアを考案した点が評価され、具体的な味についての質問に学生は「“かに”など身近な食材を想定している」と説明しました。

煎餅を身近に!

“持ち運びしやすく、インパクトのあるパッケージ”をコンセプトに、ターゲットの異なる2商品を提案しました。16〜26歳のデスクワーク層向け〈スティックせんべい〉は自立式の箱型パッケージで“ながら食べ”に対応。2〜3歳向け〈まるっこせんべい〉は減塩醤油を用い、せんべいデビューを意識しました。

小笠原氏は発表の完成度を評価し、小谷氏も購入者目線で味やデザインの分かりやすさを高く評価しました。

エビ塩煎

“かわいらしく、思わず食べたくなる”をコンセプトに、勉強のお供となる一口サイズの煎餅を提案しました。昭和レトロ調のパッケージでエビの香ばしさや温かみを表現し、丸・星・ハートの形で楽しさを演出。星形の透明窓を設けて中身を見せ、興味を引く工夫も施しました。

山﨑氏は、「一目で何味かわかることは大切。大きな文字で味を明記した点が分かりやすく優れている」と評価しました。

はちみつバターおせんべい

“甘さを中心とした新しいお煎餅”をコンセプトに、10〜20代女性向け〈はちみつバター味おせんべい〉を提案しました。はちみつの小袋を付け、バター味の煎餅にかけて味わう新しい食体験を設計。試食で塩味との相性も検証しました。

ゲストからは幅広い層に訴求できる点やデザイン性が評価され、山﨑氏からも「写真の臨場感が食欲をそそる」とコメントがありました。

星空の煎餅

“星降る夜に、ひとくちのやすらぎを”をコンセプトに、自宅で映画を観る時間に寄り添う煎餅を提案しました。マット素材のパッケージにネイビーと金色を配し、星形の一口サイズを個包装で展開。味や形状だけでなく、楽しむシーンまで含めて設計しました。

小笠原氏は企画の切り口を評価し、山﨑氏は「煎餅の形が個包装でも皿に出しても写真映えする」と好意的にコメントしました。

幸せおせんべい

既存パッケージのプラスチック容器の音に着目し、“静けさを包む、やさしいデザイン”をコンセプトに、場所を選ばず食べられる煎餅を提案しました。静音素材や再封可能な形状、コンパクトなサイズを採用し、勉強や作業中でも配慮できる設計としています。あえて「おせんべい」と明記しないデザインも特徴です。

小笠原氏は「自分の着眼点を企画に落とし込んでいる」と着想を評価しました。また、小谷氏の問いかけをきっかけに音を巡る活発な意見交換が行われました。

ひとくちキャラメル煎

“手軽で食べやすく、新感覚な煎餅”をコンセプトに、片手でつまめるサイコロ型のキャラメルコーティング煎餅を提案しました。三角形パッケージに音が出にくいマット素材を用い、和と洋を調和させたデザインに仕上げています。コンパクトで一口サイズとし、“自分へのご褒美”需要を想定しました。

山﨑氏は「硬めの煎餅を使う想定と聞き、小さいサイズでも食べる満足感が得られそうです」とコメントしました。

しおあじせんべいと塩辛せんべい

“持ち運びやすく、食べやすい”をコンセプトに、割れにくい筒状パッケージの煎餅を提案しました。味は塩味と塩辛味の2種で、塩辛味は「味は好きだが食感が苦手」という意見を逆手に取った企画です。波のイラストで塩の風味を表現しました。

小谷氏は「パッケージのイカの可愛らしさが手に取りやすい」と評価し、○○氏は、「味は塩味と塩辛味の2種類で、まずは定番を試し、その後にユニークな味へ進む流れができていると感じた」とコメントしました。

授業の終わりに

今回のコラボ授業の総括として、ゲストの方から一人ずつコメントをいただきました。また、初回授業と中間発表にご来校いただいた、金吾堂 常務取締役 碓田憲司氏からも、お手紙でコメントをお寄せいただきました。

金吾堂 碓田氏のコメント

「課題に真剣に取り組んでくださり、本当にありがとうございました。皆さんと意見交換をする時間は、私にとっても学びの時間となりました。ものづくりをする人は、企業と消費者の間に立ちます。数字を見ることも大切ですが、数字の先にいる”誰か”を想像できるかどうかにその本質があると考えます。ものづくりの先にあるのは商品ではなく、商品が運ぶ笑顔や会話です。”自分が成長することが、会社の成長につながり、会社の成長は社会への価値につながっていく”循環を信じて、ぜひ挑戦を続けてください。皆さんがこれから生み出すものが、誰かの心を少しでも温かくするものであることを願っています。」

金吾堂 小谷氏のコメント

「4カ月間ありがとうございました。リアルな大学生の声を直接きいて、私も勉強になることがたくさんあり、改めて”どういうものが刺さるのか”考えを深めるきっかけになりました。これから社会に出る中で、自分の感覚を大切にしながら、誰かの心を想像できるものづくりを続けていっていただけたらと思います。今回の課題を通して少しでもお煎餅が身近に、そして好きになっていただけたら嬉しいです。」

金吾堂 山﨑氏のコメント

「お客様目線にしっかりと立っている提案が多く、本当にこのまま商品化できるのではないかなと思うものばかりでした。自分が気にしていなかった点が皆さんには”気になる”とフックになっていたり、新たな視点を勉強させてもらいました。このようにすばらしい提案ができる皆さんなら、将来様々なところで活躍できるんじゃないかなと思います。これからも頑張ってください」

ロッケン 小笠原氏のコメント

「提案の中に本当にいいアイデアがたくさんありました。今回の商品企画でそれぞれの視点を出発点に、さまざまな要素を考えながら完成までもっていったことが素晴らしいと思います。市場調査やニーズ把握の観点で言うと、『仲いい友達の好みを聞くこと』と『世の中のニーズを理解すること』は少し似ていると感じていて、全く知らない人のことを考えると難しいけど、その人たちを知っていけば、何を求めているか分かります。商品開発でも同じように、調査と分析で求めているものを明確にし、デザインなどに落とし込んでいく。今回のプロジェクトで一連の流れを経験していただけたかなと思います。ありがとうございました。」

授業の最後には、学生に金吾堂公式キャラクターである「あつや きんごろう」のオリジナルグッズがプレゼントされました。

4カ月にわたる企業とのコレボレーションを通して、学生たちは自身の経験や学科で学んできた知識を社会に通じる企画へと落とし込む力を磨きました。煎餅という具体的な対象の商品企画として、味、形、パッケージなどを一貫して設計するプロセスは、総合的なデザイン力を培う貴重な機会となりました。

担当教員からのメッセージ

学生たちにとっては、大変良い経験になったと思います。
このプロジェクトの課題は、「Z世代をターゲットに、厚焼のセカンドラインとして若年層に響く商品の企画立案」と言うことで、まさに対象は学生そのもの。
デザインは他人(ユーザー)のために開発するものですが、かなり自分ごととして捉えることができたのではないかと思います。
・具体的に検討すべき要素は「パッケージデザイン」「味のバリエーション」「せんべいの形」「ライフスタイルに合った商品展開」の4点。
・「面白くカジュアルに」「Z世代にうけそうな新たなフレーバー」などの方向性を目指す。
・課題の参考として「①カラフルでモダン」「②SNS映え」「③キャラクター活用と環境配慮」の3点が考えられ、
 「カラフルで差別化された、思わずSNSに投稿したくなるパッケージ」や「環境配慮素材を用い、その点を明示して社会的責任にも訴求する」
 戦略を念頭に展開する。
など、具体的な指標を提示いただき、学生もアイデア展開がしやすかったと思います。
実際の製品開発についての動画や、中間発表の議事録などで、とても適切なアドバイスをいただき、学生にとっては、企業のデザイン・製品開発の実情を知ることができて大変良い経験となったと思います。
金吾堂製菓様、ロッケン様、この度は、大変ありがとうございました。

2026年2月19日

ファン獲得施策の提案!国文学科実践キャリアプランニングの授業にて、アンファー株式会社とコラボした課題の最終発表が行われました。

2025年12月12日、19日(金)に実践キャリアプランニング(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)にて、アンファー株式会社(以下アンファー)から発表された課題に対する、学生の発表が行われました。アンファーはスカルプDで広く知られている化粧品・健康食品メーカーです。

授業と企業連携について

「実践キャリアプランニング」は、1年生を対象とした必修の共通教育科目です。学生は、企業からのゲスト講師や在学生の先輩によるキャリア講演、企業と連携したPBL型課題などを通して、社会人基礎力を養い、多様化する女性のキャリアへの理解を深めていきます。

国文学科クラスでは、企業から提示される課題に学生がグループワークで取り組み、解決策を導き出す「課題解決型授業」として、アンファーとの連携を行っています。今回学生が取り組んだ課題は「〈スカルプDまつ毛美容液〉のリピート対策&新規顧客獲得の施策提案」です。

発表には、元アンファー株式会社常務取締役であり、現在もアンファー系列会社で相談役を務める中溝幸生氏と、まつ毛美容液担当部署から宇田川氏を迎え、講評やコメントが行われました。

発表の表彰として「アンファー賞」と「努力賞」が用意され、アンファー賞は2つのグループに、努力賞が1つのグループに授与されました。
受賞したグループには副賞として〈スカルプDまつ毛美容液〉シリーズが人数分贈呈されました。

この記事では、受賞した3つの班の発表内容をご紹介します。

【アンファー賞①】4班

4班は、商品の継続利用を支援する施策として、スマートフォン向けアプリを提案しました。独自に行ったアンケート調査の結果から、まつ毛美容液のユーザーには「毎日塗るのを忘れてしまう」という課題があることが分かり、継続をサポートする仕組みとしてアプリの活用を考えました。

アプリの機能としては、①使用を促すリマインド機能、②他のユーザーと交流できるコミュニティ機能、③継続日数に応じてバッジを獲得できる専用バッジ機能、④悩みに合わせた美容液の提案を行う診断機能の4つを提案しました。塗り忘れを防ぐだけでなく、達成感を得られる仕組みや他のユーザーに相談できる場を設けることで、まつ毛の変化が実感できないことへの不安の解消と継続利用の後押しを目指しました。

また、4班は「アプリのインストール自体が最大のハードルになる」と指摘し、商品パッケージにインストール画面へ直接アクセスできるQRコードを印刷することや、インストール特典としてクーポンを配布する施策もあわせて提案しました。

中溝氏は「課題の背景を深堀し、それに対応した施策をしっかりと論理的に提案してくれました。施策の内容にとどまらず、どうやったらそれが実行できるかという実現性の部分まで考えており、受賞の決め手となりました」とコメントを寄せました。

【アンファー賞②】7班

7班は、継続利用の促進策として、写真記録&比較機能やリマインド機能をもったまつ毛美容液専用アプリを、新規顧客の獲得策として「推し活」を活用したコラボレーション戦略を提案しました。

新規顧客獲得に向けた施策では、アイドルグループやキャラクターなど、人気のあるコンテンツとパッケージコラボレーションを行うことで、これまでまつ毛美容液を購入したことのない層にも、商品を手に取るきっかけをつくるとしています。さらに、アイドルやタレントが実際に使用しているコスメをSNSで紹介する「メイクレシピ」が注目を集めている点に着目し、「知名度の高い人物に紹介してもらうことで、商品の認知度拡大につなげる」と説明しました。

また、コラボレーションをきっかけに商品を購入した新規顧客に対し、限定グッズのプレゼントや、お渡し会など特別イベントへの参加権をアプリの継続特典として設定することで、使い続ける動機づけを図りました。特典を目指した継続的な利用を通じて、まつ毛美容液のファンになってもらうことを目指しました。

中溝氏は「論点が非常にわかりやすかった」とフィードバック。また「資料を見ながら発表を聞いていて、一番納得感がありました」と受賞の理由を紹介しました。

宇田川氏は「皆さんがコラボしてほしいコンテンツは何ですか?」と学生に質問。学生はアイドルグループの名前を回答しました。ウタガワ氏は興味深そうにうなずきながら「参考にさせていただきます」と話しました。

【努力賞】8班

8班は、「リピート率が低く、継続購入につながりにくい」という課題の要因を「実感の不足」「単調なケア」「塗り忘れ」の3点に整理しました。
これらを解決する施策として、①継続購入特典(ステップアップ割引)、②ゲーム感覚で続けられる記録アプリ、③SNSや有名人とのコラボレーション、④まつ毛サロンとの連携 の提案を行いました。

①の継続購入特典では、「使い続けるほどお得になる」仕組みを明確にするため、購入回数に応じて割引率が上がるステップアップ割引制度を提案しました。また④では、スカルプDの強みである「低刺激・色素沈着が起こりにくい」という特徴が「まつ毛パーマやエクステ後のデリケートなまつ毛に適している」と紹介。サロンと提携し、施術後に「お試しセット」を手渡すことで自宅でのケアを促し、商品の認知度向上と定期的な商品購入につなげるとしました。

中溝氏は「発表の起承転結も、資料もとてもわかりやすかったです。認知拡大とリピート対策の2つを同時に提案する内容でしたが、それぞれの提案内容のバランスもよかったです」とフィードバックを寄せました。

授業の終わりに

ゲストのお二人から総括のコメントをいただきました。

中溝氏は「長い時間をかけてアンファーからの課題に取り組んでいただきありがとうございました。私たちもとてもいい勉強になりました」と話しました。また、学生の発表に対して「課題の発表の中で、『新規顧客がつかない』『リピーターが増えない』など、問題の現象に対して言及している班は多くありました。それがどうして起こったか背景に至る部分まで分析し『どうしたら解決できるか』まで突き詰めていただくと、解決策が見えてきます。思考のプロセスとして、次回以降の経験に活かしていただければと思います。」と、全体のフィードバックを寄せました。

宇田川氏は「普段社内では考えられないような新たな視点を皆さんからいただきました。今後のプロモーションに活かせればなと考えています。また、私の学生時代に、企業の方と授業で関わり、課題から具体的なアクションまで思考する授業はありませんでした。企業として関わっている私としても、学生のみなさんにとっても、いい経験になったと思います。」と話しました。

今回の授業は、多くの学生にとって初めての社会連携授業、問題解決型授業となりました。
企業とコラボした課題を通じて、学生生活の先に広がっている社会へのつながりを実感する貴重な機会となりました。

担当教員からのメッセージ

今年の授業では、アンファー様にご支援をいただき、
まつ毛用美容液のマーケティングについて考えるワークセッションを行いました。
学生にとっては、身近な化粧品であるものの、リピート施策を立案することは
かなりハードルが高かったと思います。しかし、最後まで懸命に取り組んで
くれている姿は、本当に素晴らしく、プレゼンのスキルを含めて、
大きなポテンシャルを感じることとなりました。
なお、ゲストの中溝さんは、私の資生堂勤務時代の先輩であり、
今回は、多大なるご支援をいただきました。中溝様をはじめ、ご協力いただきました
アンファー株式会社の皆様方に、心から感謝申し上げます。

2026年2月17日

女子大生が使いたくなる文房具とは?「ビジネスプランニング」の授業でマーケティング企業の課題に応えるプレゼンテーションが行われました。

「ビジネスプランニング」(担当:現代生活学科 上野亮助教)の授業で、1月14日に株式会社REECH(以下、REECH)との特別コラボ企画が行われました。REECHはクロス・マーケティンググループの子会社で、インフルエンサーマーケティングなどを手がける広告企業です。この日は企業から提示された課題に対するプレゼンテーションを実施。テーマは「女子大生に好まれる文房具を考える」です。REECHの一木氏、石田氏、佐山氏、織田氏、池田氏、クロス・マーケティングの日下部氏もリモートで参加し、学生たちの発表を見守りました。

頑張りを見える化できるふせん

発表は1班からスタート。
提案したのは「重ねて完成!クッキングふせん」です。
絵の一部が印刷された透明のふせんを重ねることで、パフェやカップケーキ、マカロンなどが完成する仕組み。試験勉強や資格取得に励む学生をターゲットに、参考書など何度も使う教材に貼ることを想定しています。
問題を解くたびにふせんを重ねていくことで、学習の成果が見える化され、自信や達成感につながるとしました。
発表後には企業の皆さまから講評をいただきました。
石田氏は「資料に描かれていたイラストがとても可愛く、内容が分かりやすかったです」とコメント。
イラストが学生の手描きであることにも感心されていました。
一方、佐山氏からは「とても魅力的なアイデアですが、類似品との差別化や、大学生が手に取りたくなる決め手がもう少し示されるとさらに良くなると思います」との助言がありました。

続く2班は、大学生にはルーズリーフ派が多い点に着目し、カスタマイズできるバインダーを提案。
小さなミラーが付属し、表紙はクリア仕様。トレーディングカードやフォトカードを入れて推し活にも使えるデザインです。
YouTubeやSNSでの発信に加え、大学の購買で販売することで認知度向上を狙います。
一木氏からは「データの使い方が分かりやすく、説得力のある発表でした」と評価の言葉が寄せられました。

かわいらしさでモチベアップ

3班は「HEISEI Marker Pen」と題し、平成レトロをテーマにしたマーカーペンを提案しました。
実用性よりも自己表現やモチベーションアップを重視した商品で、現在の女子大生が小中学生の頃を思い出せるどこか懐かしいデザインが特徴です。キラキラしたラメやチャーム付きのマーカーペンにすることで、コレクション性の高いアイテムを目指しました。
店頭ポップも平成風にデコレーションし、SNSでの口コミ拡散を狙う戦略も盛り込みました。
石田氏は「私も平成女児グッズが好きなので、とても気になりました」とコメント。
一木氏からも「子どもから社会人まで、幅広い世代をターゲットにできそうですね」と評価がありました。

続いての4班は、ペンクッションです。
ネイルをしている女子大生はペンを持つ際に爪が手のひらに当たって痛かったり、持ちにくかったりするという不便さに着目。ペンを持つときに一緒に握り込めるペンクッションを考案しました。
販売形態はガチャガチャを想定し、傘やペン、バッグなどに付けられる目印チャームとして展開します。デザインはケーキなどのスイーツモチーフで、思わず集めたくなるかわいさを意識しました。
石田氏は「類似品があまりなく、流行りそう」と着眼点を評価。
佐山氏からは「とてもユニークで面白い商品だからこそ、実際に使ってもらえるかどうか、サンプリングを通して検証することが大切だと思います」と実践的なアドバイスが送られました。

発想力ゆたかに新しい商品を考案

5班はPCケースに着目しました。
現在市販されているものはビジネス向けの地味なデザインが多いため、持ち歩くことで気分が上がる商品を提案。学校のあと、そのまま遊びに出かけても違和感のないアースカラーやレザー、フェイクファー素材を採用しました。
充電器やマウスが入る多機能設計に加え、前面をクリア仕様にして推し活グッズを入れられるスペースを設けるなど、自己表現も楽しめるようにしています。
一木氏は「ニーズをしっかり理解できていて、とても良いと思います」と評価しました。

最後の6班は名付けて「ぺたぽんポーチ」です。
文房具を持ち歩く機会が減った女子大生に向け、必要なときにさっと使えるコンパクトな小物ケースを考えました。
スマホケースに取り付けられ、シャーペンや修正液などを収納可能。吸盤で壁に貼り付けることもでき、自撮りの固定やスマホスタンドとしても使えます。宣伝方法として学食のトレイを活用する案も示しました。
一木氏からは「コンセプトが面白いですね」と、発想力に感心されました。

リサーチや与件整理、資料作成と取り組んできた学生たち。
この日も時間ぎりぎりまで発表が行われ、努力の成果を示す貴重な機会となりました。
実際の企業プレゼンさながらの課題をやり切り、学生たちはほっとした表情を見せていました。

担当教員からのメッセージ

2022年度より開始した、株式会社クロス・マーケティンググループの皆様とのコラボ授業も、今年で4年目となりました。例年、取り組む課題を変えている授業ですが、今年度は株式会社クロス・マーケティンググループに加え、株式会社REECHのご協力により、女子大生に好まれる文房具を考え、更にそのプロモーション方法を提案するという課題に取り組みました。新しい文房具とそのPR方法という二段階の提案を求められる内容のため、なかなかに難しい課題だったかと思います。しかし、苦労して考えた内容を企業の方たちに対し、プレゼンし、その評価を得るというのは貴重な経験になったはずです。今回、経験した内容は実際に社会に出た後も活かせる内容です。学生達にはこれからの学修活動でも、この貴重な経験を活かした活躍をしてもらえればと思います。最後になりますが、この度はこのような貴重な機会を頂きました、株式会社クロス・マーケティンググループ、株式会社REECHの皆様に、この場を借りてお礼を申し上げます。

2026年2月13日

3カ月の成果のお披露目!英文学科プロジェクト科目bにて、映像制作会社ピクス(P.I.C.S.)とのコラボ授業で制作された動画の完成披露試写会が行われました。

2026年1月6日(火)にプロジェクト科目b(担当:文学部英文学科 鹿島千穂専任講師)にて、株式会社ピクス(P.I.C.S.)(以下、P.I.C.S.)プロデュースのもと、イリエナナコ氏、浜根玲奈氏によるコラボ授業で制作された動画の完成披露試写会が行われました。完成披露試写会では、学生が制作した動画のお披露目の他、動画に込めた意図や制作のこだわりの紹介がプレゼン形式でおこなわれました。

授業と企業連携について

この授業は文学部英文学科の専門科目として開講されており、メディア広報活動として英文学科のインスタグラム公式アカウントの運営と、そこに投稿する動画の制作を行います。

動画制作のテーマは「高校生に向けた、実践女子大学英文学科のPR動画」です。制作した動画は、実際に公式アカウントに投稿され、SNS広報として配信されています。

コラボの初回授業では、実際に動画制作のクリエイティブディレクターとしてご活躍のイリエナナコ氏から、制作のプロセスについて解説をしていただきました。その後、学生は3つのグループに分かれて動画企画を考案し、イリエ氏と映像作家の浜根玲奈氏を招いて企画の中間発表を実施しました。発表後には、お二人からフィードバックやアドバイスが寄せられました。同日には、浜根氏による動画制作の進め方に関するレクチャーも行われ、これを皮切りに本格的な制作がスタートしました。撮影や編集方法について、一つひとつ丁寧なフィードバックを受けながら、約3カ月にわたりともに動画制作に取り組みました。

コラボ授業最終回となるこの日にはイリエ氏と浜根氏をお招きして完成披露試写会が行われ、お二人から完成した動画への感想とフィードバックをお寄せいただきました。また、ゲストのお二人は審査員として最優秀賞の”イリハマ賞”を選定。選ばれた班には賞状が授与されました。

中間発表や制作の様子

チームぱ~ぷる

チームぱ〜ぷるは、英文学科に対する堅苦しいイメージや大学生活への不安を解消し、高校生に大学生活を身近に感じてもらうことを目指し、Vlog(ビデオブログ)風の動画を制作しました。学生の実際の一日の過ごし方に沿って動画が展開していき、学生とキャンパスのリアルな雰囲気を伝えています。授業紹介のシーンでは、先生との距離の近さや英文学科ならではの学びを取り上げることで、学科での学生生活を表現しました。大学生が実際に学内で過ごす様子を伝えることで、楽しそうな大学生活への興味を喚起することを狙っています。

学生は動画のこだわりや制作背景について、「伝えたい内容がブレないように意識して制作しました。また、撮影するシーンに応じて撮影モードを変更したり、食事の場面ではカメラをぐっと近づけて撮影したりするなど、撮影方法に工夫を凝らしました」と話しました。

イリエ氏は、「Vlog風の動画企画として完成度が高いです。全体的に安定した信頼感があり、『英文学科の公式SNSに掲載する』というオフィシャルな動画としても安心感があります」と評価しました。さらに、「授業や学食など校内の様子を風景として伝えるシーンが、動画ならではの手法だと感じ、とてもよかったです」とコメントしました。

浜根氏は、「全体的に大人っぽい雰囲気で、紹介内容も充実していました。主人公のプロフィール情報などがあると、視聴者が動画をより自分事として捉えることができ、情報にも厚みが出ると思いました」とフィードバックを寄せました。

チームYUKIPOYO

チームYUKIPOYOは、コーディネート紹介を通して等身大のJJ(JISSEN Joshidai)生を身近に感じてもらうことを目的に、Vlog風の動画制作を企画しました。学生目線のリアルな日常シチュエーションごとに、学生の私服を用いたコーディネートを設定し、友達同士の会話を再現した台本や会話シーンを多く取り入れることで、親近感のある構成を工夫しています。「寝坊した日」「デートの日」などの何気ない日常の一場面を切り取ることで、実践女子大学に通う学生の自然体な姿や、リアルな大学生活の雰囲気を伝えました。

動画制作のポイントとして、学生は「動画の撮影者も会話に加わることで、演じている学生がより自然体になり、視聴者にも参加しているような親近感を持ってもらえるようにしました」と紹介しました。また、「企画の意図から離れない動画にするため、編集のテイストも明るくかわいい雰囲気に統一しました」と、企画段階から一貫したコンセプトで制作したことを話しました。

イリエ氏は、「制作過程の中で『コーディネート紹介』と企画の軸を明確に定め切ったことがよかったと思います。班で設定した動画制作の目的も達成できていると感じました」と評価しました。さらに、「渋谷という立地を『いろいろな場所にデートに行ける』と表現している点も、この班ならではの視点で、視聴者が大学生活を具体的に想像できるフックになっていてよかったです」とコメントしました。

浜根氏は、「動画を制作していく中で、新しいアイデアや編集技術について積極的に質問し、取り入れてくれて、とても柔軟なチームだと感じました。制作途中で出てきた課題点をうまく改善し、動画全体として完成度の高い形にまとめてくれたと思います」とフィードバックを寄せました。

チームむきぐり

チームむきぐりは、受験生に英文学科に親しみを感じてもらうことを目的に、インタビュー形式のQ&Aとキャンパス紹介を組み合わせた動画を制作しました。実践女子大学の魅力を発信するため、渋谷キャンパスのきれいな内装を映し出しながら、英文学科に通う学生の明るく元気な姿を伝えています。写真のコラージュと合成音声が印象的な動画の冒頭に続き、前半のQ&Aパートでは、通学鞄の紹介など、リアルな大学生像を知ることができる質問が用意されており、後半のキャンパス紹介では、画面左上にワイプで大学生が登場し、座談会形式で映像の紹介が進みました。全体を通してテンポ感を重視した、視聴者の関心を引く構成となっています。

学生は、「高校生が見ていて飽きない構成で実践の魅力を伝えることを意識しました。また、動画編集の際には字幕を入れることを想定した画角や、白々しくならない話し方にこだわりました」と、力を入れたポイントを説明しました。

イリエ氏は、「動画全体に楽しさがあり、テンポの良さが何よりも魅力的だったと感じました。高校生というターゲットに対して『見ているときに飽きないように』と想像力を働かせて工夫してくれた結果だと思います」とコメントしました。さらに、「編集のテンポ感やテロップの使い方などから、動画全体の世界観を感じることができました」と評価しました。

浜根氏は、「制作途中で動画の内容を追加する場面もあったと思いますが、企画の軸がしっかりしていたからこそ、全体のコンセプトがブレることなく進んだと感じました。内容追加に伴う企画の練り直しや編集作業にもスピード感があり、『企画の軸をしっかり立てておけば、後からの追加作業にも対応できる』という制作の進め方は、私自身にとっても参考になりました」と話しました。

授業の最後に

イリエ氏と浜根氏によって、イリハマ賞が選出されました。

選考の結果、受賞はチームむきぐりに決定。イリエ氏は「動画の完成度の高さはもちろん、情報バランスがいい点が決め手でした。楽しさや動画で伝えたい英文学科の良さはもちろん、高校生がどのような情報を欲しがっているのか、知りたい内容が詰まっているところがよかったです」と受賞理由を説明しました。

全体のまとめとして、イリエ氏は「チームで動画制作を行うことを通じて、自分の得意なことだったり、相手の得意なことだったり、やってみてわかった部分があるのではないでしょうか。全員が同じ能力を持っている必要はなく、それぞれができることに対してお互いリスペクトしあって制作すると、チームとして楽しく制作ができるとおもいます。動画制作だけにとどまらず、今後に活かしてもらえれば」と学生に伝えました。

学生は、今回の企業連携を通じ、動画制作の基本的なスキルはもちろん、企画をつくるプロセスの理解や、チームで協働する大切さを学ぶ貴重な機会となりました。

担当教員のコメント

半期にわたるプロジェクトで、無事に3チームの動画が完成しました。学生が自らの学び舎を紹介する動画等を制作する試みは、メディアを学ぶ学科ではさほど珍しいことではありませんが、文学部英文学科の授業としてはあまり例のない取り組みではないでしょうか。

履修生たちは、ターゲット絞り込んで企画を練り、絵コンテ作成、撮影、編集作業、発表会…と、限られた時間の中で力を合わせてそれぞれのチームの動画を完成させました。その中で、単に動画制作のノウハウを学ぶだけでなく、効果的な表現方法や音楽著作権への配慮、グループでの協同作業の難しさ等、さまざまなことを学びました。 完成動画は英文学科の公式Instagramで公開され、履修生たちはまさに“英文学科の広報大使”としての役割を果たしました。これもひとえに株式会社P.I.C.S.ならびにイリエ監督、浜根監督のお力添えによるものです。この場を借りて心より感謝申し上げます

2026年1月27日

ひとり親家庭へ衣類を提供!渋谷キャンパスでNPO法人グッドネーバーズ・ジャパンとBEAMS・NOLLEY’S・ABAHOUSEによる特別イベントが行われました。 

12月26日・27日の2日間、本学の渋谷キャンパス内「JISSEN PLAY BASE」にて、ひとり親家庭を対象に企画された衣類の無料提供イベントが行われました。NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン (GNJP) と大手セレクトショップが連携して開催され、本学の学生たちもボランティアとして参加しました。

特別な服選び体験

GNJP運営のフードバンク「グッドごはん」を利用するひとり親家庭を対象とした衣服無料提供イベントであるこの企画にはBEAMSをはじめ、NOLLEY’S(ノーリーズ)、ABAHOUSE(アバハウス)のアパレル3社が参加しました。各社が提供した洋服がずらりとラックに並び、会場には試着室も設けられるなど本学のスペースがこの期間だけの特別なセレクトショップへと生まれ変わりました。
アウターやトップスだけでなく、バッグや小物なども選べます。
各ブランドのスタッフも多数参加し、一人ひとりに寄り添ったコーディネート提案を行うなど、丁寧なサポートが印象的でした。

本取り組みは「Happy Family Day」として5月に開催した際にも大きな反響を呼び、今回は抽選枠を増やしての実施となりました。
参加者は「グッドごはん」の利用者の中から、中高生の子どもを持つひとり親世帯が対象です。
当日は家族そろって来場し、服を選んだり試着したりと、楽しそうな会話の聞こえてくるなごやかな時間が流れていました。

コーディネートも体験して思い出を

イベント開催にあたり、GNJPの綿貫氏にお話を伺いました。
「衣類提供会自体はおととしから続けている取り組みですが、実践女子大学さんとのコラボは5月に続き今回で2回目です。
それまでは事務所で実施していましたが、どうしても手狭でした。
今回お借りしているこのスペースは、本物のお店のような空気があり、とても魅力的ですね。
本イベントの特徴は、洋服を渡すだけでなく、店舗のようにコーディネートを提案してもらえる体験ができることです。生活に困難を抱えるご家庭の中には、ゆっくり買い物をする機会が少ない方もいます。
この機会にお店で選ぶ楽しさを味わってもらえたらと思っています。年末年始はイベントの多い時期でもあります。クリスマスプレゼントや家族の思い出として、楽しい冬を過ごすきっかけになればうれしいですね」

学生たちも積極的に参加

当日は学生たちもボランティアとして参加しました。
ショッピングバッグを手渡したり、商品を包んで袋詰めをしたりと、来場者と直接コミュニケーションを取りながら運営をサポートしていました。

参加した学生たちに、今回ボランティアに応募した理由を聞くと、「以前からボランティア活動に関心があり、経験してみたかった」という声や、「5月のイベントのときから気になっていたのですが応募が間に合わず、今回はぜひ参加したかった」といった声など、全員が前向きな思いで参加を決めていました。
また、「親戚にひとり親世帯がいて、苦労を身近に感じている」と、個人的な経験から関心を持った学生もいました。
学生たちは、全員がファッション大好き。
「大学とブランドが連携して洋服を提供する取り組みだと知り、社会貢献につながると感じて参加しました。洋服だからこそ届けられる楽しさがあると思います。新しいファッションとの出会いで、少しでも笑顔になってもらえたらうれしいです」と話してくれました。

企業同士も連携して良い相乗効果に

各ブランドの皆さまからも、衣類提供会を開催する意義についてお話を伺いました。

BEAMS 経営企画本部 サステナビリティ推進部 本間氏
「5月の開催後、社内でも反響が大きく、今回は少しパワーアップしてお届けしています。実践女子の学生の皆さんはとても品がありますね。運営の手伝いも楽しみながら取り組んでくださっている印象です」

NOLLEY’S(ノーリーズ) 室氏
「当社は中高生向けのブランドがあまりないため、最初は少し勝手が違うかもと緊張していましたが、ご家族連れが多く楽しく接客ができています。実践女子の学生さんはとても前向きでしっかりされている。こちらが指示しなくても自ら考えて動いてくれます。大学とコラボする機会は貴重なので、今後も継続して連携できればと思います」

ABAHOUSE(アバハウス) 坂田氏
「ファミリーセールのような取り組みは社内でも行っていますが、ボランティアを含めた活動は自社だけでは難しいこともあります。5月にBEAMSさんから声をかけていただいたとき、ぜひ参加したいと思いました。実際に手に取って喜んでいただける姿を見て安心しています。今回のイベントが少しでもリフレッシュにつながればうれしいですね。大学と連携することで、学生の皆さんの姿勢から学ぶことも多く、私たち自身も刺激を受けています」

本学は今後も、企業や地域との連携を通じて、学生が社会課題に向き合い学びを実践する機会を創出してまいります。