2026年6月1日

JALふるさとアンバサダーってどんな仕事?「実践プロジェクトa」の授業でJALとの特別コラボ授業が始まりました。 

5月11日に日野キャンパスにて、「実践プロジェクトa」(担当:村山 浩一特任教授)の授業で、株式会社JAL航空みらいラボとの特別コラボ授業が開始されました。この日はオリエンテーションとして、日本航空株式会社(以下、JAL)の地域活性化の取り組みについて学びました。授業の最後には企業から課題が出され、学生たちはグループワークに取り組みます。

社員の幸福を大切にする

JAL航空みらいラボは、2024年に設立されたJALグループの新会社。航空分野で培った知識や経験を活かし、大学との連携にも力を入れています。
今回登壇したのは、長年客室乗務員として活躍されている戸田亜希氏、塩崎雅子氏、そして札幌からオンライン参加した水上みのり氏の3名。
塩崎氏は「学生の皆さんと関わることで、新しい発想に刺激を受けています。私たちにとっても学びの多い時間です」と話し、講義がスタートしました。

まず戸田氏から、JALについての紹介がありました。
JALは1951年に設立。現在は日本航空で初となる女性社長が経営を担っています。
主な事業は航空運送ですが、物流や金融など幅広い分野にも挑戦しています。
「コロナ禍で旅客需要が大きく減少した経験から、航空以外の事業強化にも取り組んでいる」と話されました。

さらに紹介されたのがJALの企業理念。
その中には「全社員の物心両面の幸福を追求する」という言葉があります。
戸田氏は「利益だけでなく、社員がやりがいや誇りを持って働けることを一番に大切にしている」と説明しました。
安全運航を支えるためにも、社員一人ひとりが前向きに働ける環境づくりが重要。そのためにも、社員全員の幸せが大切だと考えているのです。

JALが取り組む地域活性化とは?

JALでは、サステナブルでウェルビーイングな未来を目指し、「JALビジョン2035」を掲げています。
テーマは「安全・安心」「心に響く出会いと体験」「関係・つながりの創造」の3つ。
今回の授業は、その中の「関係・つながりの創造」に大きく関わります。
戸田氏は「地域活性化とは何をすることだと思いますか?」と学生たちに問いかけます。地域活性化とは、単にイベントなどで盛り上げることではありません。地域で安心して暮らせる環境を整え、将来にわたって活力ある社会を維持していくことだと説明しました。

では、なぜJALが地域活性化に取り組むのでしょうか。
戸田氏は「航空業界は、人やモノの移動によって成り立っています」と話します。地域が元気になることで移動も増えることは、JALにとっても大きなメリットがあります。
JALの強みである「移動」を活かし、人と地域をつなぐ役割を担っているのです。

JALふるさとアンバサダーって?

JALが行う地域活性化の取り組みのひとつに、「JALふるさとアンバサダー」があります。
これは、地域のために働きたいという思いを持つ客室乗務員のこと。各地に移住しながら地域の魅力発信や活性化に取り組む活動を行っています。
ここからは、実際に札幌でアンバサダーとして活動する水上氏がオンラインで登壇しました。
水上氏は客室乗務員として全国を飛び回っていましたが、地域事業本部への異動をきっかけに観光開発に携わるようになると、「もっと地域に深く関わりたい」と感じるように。
その思いから、出身地である札幌のふるさとアンバサダーに手を挙げたと話しました。

JALふるさとアンバサダーは2020年に始まり、現在は23名が全国各地で活動しています。実際にその土地で暮らしながら、地元では当たり前になっていて気づかれていない魅力を掘り起こしていくのが大きな役割。
水上氏は「地域のリアルな声を大切にしながら、CAとして培ったおもてなしの経験を活かしています」と話しました。

活動内容は、地元食材を使った商品開発や観光PRなどさまざま。
特徴的なのが、生産から加工、販売までを一気通貫で行う「6次産業」である点です。アンバサダー自ら実際に現地へ何度も足を運び、人とのつながりを築きながら、新たな地域の価値を生み出しています。

地域の未来を考える課題に挑戦!

水上氏は学生たちへ「もし皆さんがJALふるさとアンバサダーだったら、地域のために何をしますか?」と問いかけました。地域活性化は「楽しかった」で終わらせず、その後もどう継続していくかを考えることが大切です。
そのため「今回の課題でも、どうすれば人に楽しんでもらえるかと、どうすれば持続可能な取り組みにできるかの両方を意識してほしい」と呼びかけました。

続いて戸田氏から課題内容が発表されました。
テーマは「JALふるさとアンバサダーの視点で、地域に寄り添いながら魅力を発信する企画を考える」というもの。
地域選びから学生自身が行い、「なぜJALが関わる意味があるのか」「地域にどんなメリットがあるのか」まで考える必要があります。
さらに、既存のアイデアではなく、独創性のある企画であることも求められました。

なかなかの難問に、学生からは「理想的なアイデアを、持続可能なビジネスとして成立させるにはどんな視点が必要ですか」という質問も。
これに対し塩崎氏は、地域名産を使った商品の包装作業を障害のある方に依頼し、新たな雇用につなげた事例を紹介。
「その商品だけで利益を出すのではなく、地域にどんな価値を生み出せるか、どんな課題解決につながるかを考えることが大切」とアドバイスされました。

学生たちは3班に分かれ、地域の魅力や課題について議論を重ねながら企画づくりに挑戦。
7月の最終プレゼンテーションに向け、グループワークを進めていきます。

担当教員からのメッセージ

「高校の授業とは全く進め方が違っていて驚いた」「実践的な授業を初めて受け、大変有意義に思う」――。戸田亜希様、塩崎雅子様、水上みのり様にきめ細かくご指導いただき、学生にとって大変よい刺激となりました。受講生は、いずれも実践女子大学に入学したばかりの1年生。実践的な学びを楽しんでいます。
戸田様をはじめ3名の方々からは、「地域に寄り添い、地域の魅力を伝える企画を考える」という課題をいただきました。これに対して、学生らは「人とのつながりを大切にしながら、長期的な地域活性化につながるアイデアを練っていきたい」と意気込んでいます。キャリア自律が重視される時代に、このような社会連携プロジェクト型の授業に協力いただき、心から感謝申し上げます。