学生が動画制作にトライ!英文学科プロジェクト科目bにて、映像制作会社ピクス(P.I.C.S.)とのコラボ授業が始まりました
2025年10月7日(火)にプロジェクト科目b(担当:文学部英文学科 鹿島千穂専任講師)にて、株式会社ピクス(P.I.C.S.)(以下、P.I.C.S.)プロデュースのもと、イリエナナコ氏をお招きし、動画制作の基本について講義が行われました。

授業について
この授業は文学部英文学科の専門科目として開講されており、メディア広報活動として、英文学科の公式インスタグラムに投稿する動画の制作を行います。
アカウントはこちら→https://www.instagram.com/jissen_eibun/
動画制作のテーマは「高校生に向けた、実践女子大学英文学科のPR動画」です。制作した動画は、実際に公式アカウントに投稿され、SNS広報として発信される予定です。
学生たちは今回の講義を通して、動画制作の流れや具体的な作業内容について、制作事例の紹介やミニワークを交えながら実践的に理解を深めました。
動画制作の基本
講師を務めたのは、クリエイティブディレクターのイリエナナコ氏。学生と同じ目線で机に座り、「カジュアルにいきたいですね」と笑顔で語りかけながら講義をスタートしました。イリエ氏は早速「最近好きだった動画は?」と学生たちに質問。「K-POPアイドルの動画」「配信の切り抜き動画」など、スマートフォンを見ながら答える学生たちに対し、イリエ氏は「今挙げてもらった動画には、ショート動画もあればロング動画もあります。動画にはさまざまな種類があるんです」とコメント。そこから、動画を構成する客観的な要素や魅力について、分かりやすく解説を始めました。
動画の種類を決定づける四つの基準「①制作がプロか個人か ②公開方法 ③コンテンツ内容 ④技術や形式」について解説し、各項目の詳細を説明したうえで、「今回制作する動画は、どの分類に当たるでしょうか」と学生に問いかけます。学生たちは「公式(プロ)による発信」「SNSでの公開」「広告・ブランディング」「ショートまたはロング動画」に該当することを確認しました。

その後のミニワークでは、「この分類に近い事例を探してみましょう」と呼びかけがあり、学生たちは検索に少し時間をかけながら、「アパレルブランドのInstagramリール」や「応援しているタレントが出演する飲食店のPR動画」などを例として挙げました。イリエ氏は「普段は自然に目にしているけれど、探そうと思うと意外に難しいものです。制作するものに近い“視覚的な参考例”を見つけておくことは、とても重要な工程です」と説明。「プロも夜な夜なこうした作業をしています」と付け加え、実際の制作現場でも欠かせないプロセスであることを強調しました。
実際の制作の流れ
授業では、PR動画「東京宝島」の事例をもとに、実際の動画制作の流れが紹介されました。
制作は〈①企画を考える ②プレゼン ③撮影 ④編集 ⑤確認・修正 ⑥公開〉の6つのプロセスで進行し、この講義では特に①~③の工程について詳しく解説が行われました。

①企画を考える
企画立案では「受け手にどんな行動を起こしてほしいか、どんな印象を与えたいかを考えながら、テーマ・メッセージ・構成を練ります」と説明。「どんな人に、どんな行動をしてもらうかを考えることも企画の一部です」と紹介しました。
②プレゼン
企画書や絵コンテを用いて、動画の流れや世界観をチーム全体で共有する工程です。セリフの内容やタイミング、使用するBGMやカメラの動きなど、資料から撮影現場が想像できるほど詳細かつ具体的につくりこみ、チーム内やクライアントと「共通の完成イメージを共有すること」を目的としています。
イリエ氏は「目的に沿った内容づくりの大切さ」を強調。学生たちは、提示された条件ごとにCM出演者を考えるミニワークを実施し、「誰に何を届けるか」によってキャスティングが変わることを体感しました。
さらに「大学に入って初めて知った言葉を思い出してみてください」と問いかけ、学生からは「空きコマ」「単位」「オンデマンド」など学生生活に関する言葉が挙げられました。イリエ氏は「みなさんが高校生の時と同じように、動画のターゲットとなる高校生はこれらの言葉を知らないということです。動画はターゲットに伝わる言葉や内容で構成しなければいけませんが、それには想像力が必要です」と語りました。
続くミニワークでは、「CMのナレーションを考える」「ロケ地を選ぶ」「衣装を決める」といった課題に取り組み、選んだ理由とともに発表。イリエ氏は「実際の制作でも同じように、“理由づけ”をしながら細部を決めていきます」と述べました。


③撮影
撮影において重要な要素として「構図」「カメラの動き」「光の当たり方」の3点を紹介。イリエ氏は「撮影を完璧に行うため、事前にロケハンを行い、絵コンテと照らし合わせながら試し撮りをします」と説明しました。さらに「カメラの動かし方やキャストの視線の方向まで、すべて事前に考えたうえで撮影に臨みます。その場の判断で調整することも多いです」と、リアルな現場の様子を伝えました。
チームと役割
講義の最後には、動画制作を支える多様な役割について、イリエ氏作の「診断テスト」を交えながら紹介。企画を担うプランナー、映像を編集するエディターなど、それぞれの専門職の特徴を説明しました。イリエ氏は「現場では常にいろんな人とグループワークしているような感覚です」と話し、「これから自分がどんな役割でチームに関わっていきたいかを考えてみてください」と学生に呼びかけ、講義を締めくくりました。

担当教員からのメッセージ
本授業は、学⽣が主体となって英⽂学科のメディア広報活動を行うプロジェクト科目です。実は、過去には英文学科のInstagram動画作成が正課外活動として実施されていた時期もありましたが、今年度より正式なキャリア教育科目としてスタートしました。
SNSでのコミュニケーションが日常となった今も、効果的かつリテラシーをもって発信する知識や技術を持ち合わせていないのが現状です。学生たちは映像制作の第一線で活躍するクリエイターから撮影・編集の⼿法を習得し、チームの仲間と協働して英文学科の公式Instagram動画を完成させます。
この授業回の翌週には、チームごとにプロデューサー、ディレクター、編集者、出演者、コピーライター等の役割分担が終わり、企画立案が始まりました。どのような案が出て、それをどのように映像化していくのか、楽しみです。


