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2026年3月17日

生成AIとクリエイティブ!サイバーエージェントとのコラボ授業で、学生の制作物の最終発表が行われました。

2025年12月23日(火)演習Ⅱb(担当:人間社会学部人間社会学科 粟津 俊二教授)にて、株式会社サイバーエージェント(以下サイバーエージェント)から川越寛之氏をお招きし、制作物の最終発表が行われました。

授業と企業連携について

「演習Ⅱb」は、人間社会学部の2年生を対象に開講されている専門科目です。学科での学びをさらに深めるための基礎知識を身につけることを目的としています。粟津教授が担当するクラスでは、「生成AIを活用し、社会連携推進室を紹介するポスターを制作する」という課題に取り組んでいます。授業では、Web広告事業でAIを用いたクリエイティブを行っている株式会社サイバーエージェントと連携し、生成AIの活用方法を実践的に学んでいます。
コラボ授業初回の様子はこちら→https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/9598/

これまでの授業で、川越氏や粟津教授から生成AIの活用方法のレクチャーを受けてきた学生たち。5つのグループに分かれ、生成AIを活用しながら制作を行いました。今回の授業では、川越氏のほか、社会連携推進室の職員2名も授業に参加しました。学生はこれまでの制作をパワーポイントにまとめ、発表を行いました。最優秀賞と優秀賞に、サイバーエージェントと粟津教授から記念品の授与が行われました。

これまでの授業で、川越氏や粟津教授から生成AIの活用方法のレクチャーを受けてきた学生たち。5つのグループに分かれ、生成AIを活用しながら制作を行いました。今回の授業では、川越氏のほか、社会連携推進室の職員2名も授業に参加しました。学生はこれまでの制作をパワーポイントにまとめ、発表を行いました。最優秀賞と優秀賞に、サイバーエージェントと粟津教授から記念品の授与が行われました。

本記事では、授業の発表順に班の成果物を紹介します。

B班:社会連携を手のひらサイズで

B班は、トランプカードをモチーフにしたコンパクトな宣伝カードを制作しました。表面は桜のマークを中心に配置した左右対称のデザインで、シンプルな線や配色がトランプの図像を想起させます。裏面にはQRコードを大きく配置し、受験情報や企業ロゴを分かりやすく掲載しました。裏表でイメージを統一したデザインには、生成AIが活用されています。

B班は現状の課題として「認知度が低いこと」を挙げ、「どのように伝えるかが重要である」と分析しました。大学の魅力を補強するツールとして、見る人が自ら情報を得たいと思える掲示物の制作を目指したといいます。宣伝カードはスマートフォンのケースに挟めるサイズで、学生は「手に取った人が自分事として捉えられるように設計した」と意図を説明しました。

また、QRコードを読み取ってもらうための工夫として、独自に行ったアンケート結果をもとに、「『読み込めば得になる』と感じたときに、QRコードを読み取る人が多いことが分かった」と説明。QRコードの先にある情報への興味を高めるため、カード上の文字情報は最低限に抑えたといいます。制作物は、オープンキャンパスでの配布に加え、構内に設置されているデジタルサイネージでの掲示を想定しています。

川越氏からは「思わず見直したくなるデザインで素敵です。配布物としての役割が明確で、とても良いと思います」とのフィードバックがありました。職員からも「社会連携プロジェクトに参加する、未来の芽を育てる制作物だと感じました。学生だけでなく企業の方にも配布できそうで素敵です」とコメントが寄せられました。

E班:実践の場をもっと多くの学生へ!

E班は、コミックストーリー型の紹介ポスターを制作しました。A4サイズの用紙を縦に使用し、上部三分の二には四コマ漫画、下部三分の一にはキャッチコピー、紹介文、社会連携ホームページのQRコードを配置しています。

四コマ漫画は女性を主人公とし、アメリカンコミック風のタッチで描かれています。漫画の内容は、社会連携プロジェクトに参加する過程で生じる感情の変化を表現しており、1コマ目では参加前の不安な気持ちを、2〜4コマ目ではプロジェクト参加を通してポジティブな経験を得ていく様子を描いています。漫画の下部には、「『面白そう!』を、未来の自信に。座学だけじゃ終わらない大学生活へ」というキャッチコピーが配置されています。

E班は、社会連携プロジェクトに未参加の学生が多いという資料を引用し、入学後にプログラムの存在を知らなかった学生や、参加経験のない在学生をターゲットに設定しました。参加につながっていない要因として、社会連携プログラムの内容や魅力が十分に伝わっていないことがあると分析しました。参加に対する後ろ向きな先入観を前向きな印象へと変えることを目的に、ポスターを制作しました。漫画を用いて感情に訴求することで、参加意欲の向上や、プロジェクト参加への不安解消を狙っています。

職員からの「漫画の作成はAIですか?」という質問に対し、「イラストはGeminiで生成し、コマ割りは自力で行いました。細かい部分は手直しをしています」と回答しました。川越氏は「学校内にはあまりないテイストの掲示だと思います。掲示を見てもらうためのフックとして効果的だと感じました」とコメントを寄せました。

A班:高校生の未来をひらく!

A班は、お守りの形をしたリーフレットを制作しました。リーフレットはA4横置きサイズで、右開きの三つ折り形式です。表面には「合格」の文字と校章を配置し、お守りをモチーフにした装飾が施されています。開いた内側には、過去の社会連携プロジェクトの紹介や、社会連携の魅力が掲載されています。さらに、リーフレットを一枚開くと絵馬の印刷が現れる点が大きな特徴です。

このリーフレットは、受験を控える高校生をターゲットに制作されました。高校生にとって親近感のある企業を中心に、有名企業と連携した事例を紹介することで、社会連携プロジェクトを身近に感じてもらうことを狙っています。また、紹介文を短く簡潔にまとめることで、気軽に読んでもらえる構成としました。夏のオープンキャンパスでの配布を想定しています。

リーフレット活用の提案として、学生は「オープンキャンパスに来場した高校生が、願い事を書いた絵馬をリーフレットから切り取り、専用ブースに貼ることを想定しています。また、貼る際のサポートを在校生や職員が行うことで直接的な交流につなげることができます」と説明しました。

川越氏は「コンセプトがいいですね。リーフレットをお守りの形にするというアイデアのような、形そのものを変える手法は実際にダイレクトメール広告の手法としても有効です」と評価しました。

また、職員からは「説明会参加者に特典のような形で配布を行い、説明会を聞いた後にスペースに貼りに行く、という導線もできそうですね」といった声もあがりました。

C班:文字と動画の合わせ技

C班は、動画のQRコードを配置した社会連携プログラムの紹介ポスターを制作しました。A3サイズを縦に使用し、社会連携プログラムの目的や実績など、客観的な情報を中心に構成しています。文章は、ポップな形のタイトルとともにカラフルなボックス内に配置され、背景のグリッド柄と組み合わさることで、親しみやすさを感じられるデザインとなっています。

現状の課題として「認知度が低いこと」を挙げ、「大学生目線で制作する」ことをコンセプトに設定しました。ターゲットは在学中の大学生です。社会連携プログラムを初めて知る人でも全体像をつかみやすいよう構成を工夫したほか、参加学生数などをデータで示しました。ポスターの視認性の高さや直感的に理解しやすい特徴に着目し、エスカレーター付近やエレベーター内など、ふと目に入ってしまう場所への掲示を想定しています。

QRコードから視聴できる動画は、学生が社会連携プログラムへの参加経験を語る内容となっており、「実際の経験者の話を加えることで、ポスターに記載した内容の説得力を高めたい」と制作意図を説明しました。

川越氏は「情報のまとめ方がわかりやすく、文字情報をしっかり載せる戦略が活かされていると思いました」と評価した上で、「文章にもう少し学生の人間味やリアルな声が反映されると、さらに良くなると思います」とフィードバックを行いました。

粟津教授は「学内に掲示する際は、どの時期に貼るかが重要だと感じました。4月など、履修登録を行う時期に掲示すると、より効果が高いのではないでしょうか」とコメントを寄せました。

D班:オリジナルキャラクターで伝える!

D班は、オリジナルキャラクターを活用したパンフレットを提案しました。A4サイズを横置きにして二つ折りにした、冊子のような形状をしています。紫とピンクを中心とした淡いパステルカラーを基調とし、D班が考案したオリジナルキャラクターであるウサギの妖精〈コラボン〉のイラストが随所に描かれています。リボンやハートマークなど、キュートな装飾も特徴です。

D班は、現状の課題を「認知度が低いこと」と設定し、受験生となる高校生をターゲットに、持ち帰ってもらえるパンフレットの制作に取り組みました。オープンキャンパスや文化祭での配布を想定しています。デザインは親しみやすさを重視し、流行色のパステルカラーを用いることで手に取りやすい印象に仕上げています。紹介内容として、過去の事例のほかに参加を通して身に付くスキルなどを記載することで、参加するメリットが伝わる構成としました。

また、「みんなの夢を応援する存在」としてオリジナルキャラクター〈コラボン〉を設定し、キャラクターのコメントを随所に配置することで、より親しみやすく、読み進めたくなる工夫を施しています。コラボンの制作については、「下書きのイラストをAIに読み込ませ、プロンプトでアレンジを加えました」と、制作過程も紹介されました。

川越氏は「キャラクターや色選びの理由など、なぜそれを選んだのかが丁寧に説明されており、発表がとても分かりやすかったです」とコメントしました。

職員からは「パンフレットは置いてあっても、なかなか手に取ってもらいにくいものですが、手に取るきっかけとしてキャラクターは十分だと感じました」と評価が寄せられました。

授業の最後に

すべての班の発表が終了したあとは、川越氏、粟津教授、職員による賞の審査の時間が設けられました。

審査の結果、最優秀賞を受賞したのはA班。絵馬を書いて飾る一連の企画の独創性と、社会連携推進室の拠点である〈JISSEN PLAY BASE〉に足を運んでもらうための強力なきっかけになる点が評価されました。

優秀賞はD班に授与され、オリジナルキャラクターの制作という新しい視点と、パンフレットの内容の完成度の高さが評価されました。

受賞した2班には、サイバーエージェントからAbemaグッズの授与が行われました。

授業の総括として、社会連携推進室職員から「大人が考えると硬くなってしまう情報を、受験生や大学生に分かりやすく非常に上手に作っていただいたなと思います。賞の受賞に問わず、みなさんに発表していただいた制作物のアイデアは、社会連携を発信する広報に活用させていただきます」とコメントが寄せられました。

この授業を通して、企画の提案プロセスを経験した学生たち。プレゼンスキルにとどまらず、新しい技術を柔軟に受け入れ活用していく力を身に着けることができました。

担当教員のコメント

今回の授業では、生成AIをツールとして活用し、学内部署が実際に抱える問題の解決に有効な成果物を作ることを目指しました。実際の現場で通用するモノや仕組みを作り上げるのは、単なるアイデア提案よりも様々なことを考える必要があります。学生にとっても、得難い経験になったでしょう。

2025年10月23日

生成AIを制作パートナーに!サイバーエージェントとのコラボ授業が始まりました。

2025年10月14日(火)演習Ⅱb (担当:人間社会学部人間社会学科 粟津 俊二教授)にて、株式会社サイバーエージェント(以下サイバーエージェント)から川越寛之氏による特別授業が行われました。

授業と企業連携について

「演習Ⅱb」は、人間社会学部の2年生を対象に開講されている専門必修科目です。学科での学びをさらに深めるための基礎知識を身につけることを目的としています。粟津教授が担当するIクラスでは、「生成AIを活用し、社会連携プログラムの紹介物を製作しよう!」という課題に取り組んでいます。授業では、Web広告事業でAIを用いたクリエイティブを行っている株式会社サイバーエージェントと連携し、生成AIの活用方法を実践的に学んでいます。

今回の授業では、Geminiを使用し、さまざまな生成機能やAIのカスタマイズについて実践的な演習を行いました。

授業の初めに

川越氏はまず、サイバーエージェントについて紹介しました。
同社は東京都渋谷区に本社を置き、インターネット広告・メディア・ゲームの3事業を主軸としています。川越氏はその中の「インターネット広告事業本部 AIクリエイティブ部門」の統括を担当しており、「生成AIの進化によって、数年前と比較し数倍の業務量をこなせるようになった」と述べました。

続いて「この授業で使用するAIは、Google社のGeminiとNoteBook LMです。コンテンツ制作の過程でどうしても作業量が増える、資料の読み込みや内容の抽出、構成の決定といった工程をAIに任せていきます」と説明し、「出力された結果のうち、どれを選び、どう活かすかは皆さん自身の判断と責任によるものです」と呼びかけました。

実践!Geminiに親しもう

川越氏は8月下旬にリリースされた画像生成機能「Gemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)」を紹介しました。「この機能では、AI画像生成において革新的な“キャラクターや被写体の同一性を保持する技術”が実装されています」と説明。続けて「人物の写真を使って“○○風アート”を生成してみましょう」と呼びかけ、ワークが始まりました。

学生たちはそれぞれ自分の画像を使い、ステッカー風の加工など、簡単な指示を入力して画像を生成・変換する体験を行いました。川越氏は「同様の技術は、ファッションECサイトなどで“モデルの写真をAIで差し替え、服だけを変更して見せる”といったかたちで実用化が進んでいます」と述べ、現場での活用例を紹介しました。

続いて、OpenAI社が2024年12月に公開した動画生成AI「Sora2」についても触れました。「動画生成AIも急速に進化しており、短く簡単なプロンプト(指示文)を入力するだけで、質の高い動画を生成できるようになっています」と説明。また、Geminiにも動画生成機能は備わっていて、日々アップデートされて精度が高まっていると補足しました。

川越氏は、「サイトとの連動予約など、昨年AIにはできなかったことが今年は可能になっています。一年で技術が大きく進化している」と語り、AI技術の成長スピードの速さを強調しました。

生成AIのしくみ

川越氏はまず、AIの技術的背景について簡単に解説しました。

AIの研究分野の一覧を示しながら、「生成AIは、機械学習の一分野であるニューラルネットワーク(人間の脳の仕組みを模した情報処理のしくみ)と、その技術を応用したディープラーニング(コンピューターが大量のデータから自動的に特徴を学習する技術)を基盤としている」と説明しました。

さらに、「AIが考えて回答しているのではなく、AIが予測した候補の中から最も適切だと思われるものを選んで出力している」と、その仕組みを紹介しました。

ハルシネーションとその対策

続いて川越氏は、生成AIがあたかも事実のような誤情報を生成する現象(ハルシネーション)と、その防止策について紹介しました。

具体的な対策として、
① 信頼できる情報源をAIに読み込ませること、
② 回答に根拠や出典の提示を求めること
③ Geminiの「Deep Research」など外部検索を活用することの3点を挙げました。

これらにより、AIが回答を生成する際の情報源を明確にすることが、より適切な生成につながると説明しました。また、Deep Research機能については、「投げかけたテーマに関する情報を、根拠を示しながらレポート形式でまとめる機能」と補足しました。

プロンプトとメタプロンプト

さらに川越氏は、「良いプロンプト」の書き方についても解説し、「誰に向けて」「何文字以内で」「どのように説明するか」を明確に指定することで、期待に近い回答を得られると紹介しました。

続けて「これを毎回行うのは大変です。そのため、このプロンプト自体をAIに作ってもらおうと思います」と述べ、AIの動作指示を定義する“根本の設計文”ともいえるメタプロンプトを紹介しました。「これから皆さんには、このメタプロンプト(=プロンプトを書くためのプロンプト)を作成する準備を行ってもらいます」と述べました。

実践!Geminiをカスタマイズ

川越氏の指導のもと、学生たちはDeep Research機能を活用して出力された結果をもとに、Gem(特定の役割・話し方・回答形式などをあらかじめ設定できる機能)を設定し、メタプロンプトを生成するための環境を作成しました。

さらに川越氏は「AIの性格を考えて、自分の好きなように設定してみましょう」と呼びかけ、やり取りのスタイルを自由にカスタマイズするよう促しました。学生たちは考えた性格を設定に読み込ませ、自分専用のGemを作成。

この設定を行うことで、「抽象的な指示から的確なプロンプトを自動で生成できるため、自分でプロンプトを考える必要がなくなる」と説明しました。

また、AIの人格形成について川越氏は「特に指示や設定を行わなくても、やり取りを重ねる中で自然に形成されていく」と述べ、「これから何度もやり取りを行うため、チャットしやすい人格を設定することが大切」と話しました。

学生たちは、今回作成した自分専用のカスタマイズ設定を用い、今後の制作に取り組んでいきます。

担当教員からのメッセージ

生成AIを制作パートナーとするこの挑戦は、人間社会学部の学生にとって、社会で通用する実践力を養う貴重な機会になります。生成AIを使いこなして、社会連携の意義を伝える魅力的なコンテンツができることを期待しています。