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2026年6月15日

金融業界をもっと身近に!三菱UFJモルガン・スタンレー証券とのコラボ授業が実施されました。

5月1日、キャリア実践演習(担当:国文学科 深澤 晶久教授)にて、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社から飯村隆太氏と髙橋真一氏をゲストにお招きし、金融業界について学ぶコラボ授業が行われました。学生たちは、物々交換とお金を使った売買の両方を体験できるオリジナルゲームや講演を通してお金が持つ価値や役割について学びました。

授業と連携企業について

キャリア実践演習は、文学部3年生以上の学年を対象とした共通教育科目です。ゲストとして登壇する企業について主体的な事前調査を行い、企業のプログラムに挑戦します。

今回の授業では、手と頭を動かす体験型の講義を通じて金融業界の役割やお金に関する基本的な知識を身に付けました。

飯村氏は「金融業界と聞くとあまりなじみがないかもしれませんが、この授業を通じて少しでも身近に、そして就職活動の選択肢の一つになればいいなと思っています」と話し、講義がスタートしました。

お金の役割を体験しよう!物々交換ゲーム

講義では早速、飯村氏考案のオリジナル物々交換ゲームが行われました

ゲームは、食材カードを使って料理を完成させることが目標です。学生たちは班ごとに配られた手札を確認し、どの料理を作るか話し合いました。作戦会議では、「あと何の材料があれば完成するか」を考えながら、必要な食材の洗い出しを進める班の姿も見られました。

その後の交換タイムでは、学生同士による食材カードの交渉がスタート。少人数のグループに分かれ、それぞれが希望する食材を求めて交渉を行いました。スムーズに交換が成立する場面もあれば、「一旦保留で」と交渉を持ち帰る場面もあり、各班が試行錯誤しながらゲームに取り組んでいました。

交換終了後には、手元の食材カードを使って完成した料理を発表。すべてのカードを活用できた班もあれば、一部の食材を余らせてしまった班もありました。

飯村氏は「残った食材は腐ってしまいます。腐ってしまった食材は捨てるしかありません」と説明。料理に活用できなかった食材は価値を失ってしまうことを学生に伝えました。

お金の導入!第2フェーズ

続いてゲームの第2フェーズでは、「お金」の概念が導入されました。注文シートと特設カウンターが設けられ、学生たちは食材カードを売買できるようになります。学生たちは配られた食材カードを確認しながら、「この料理が作れそう」「これは売却しよう」などと相談し、売買を前提とした新たな作戦を立てていました。

ゲームが始まると、不要な食材カードを売却して資金を確保し、そのお金で必要な食材カードを購入する学生たちの姿が見られました。予算ぴったりで購入する班もあれば、余裕を持って資金を残す班もあり、各班がそれぞれの戦略でゲームを進めていました。また、購入後に改めて手札を見直し、再び売買に向かう班や、一度売却した食材を買い戻す班も見られました。

ゲーム終了後、学生からは「お金を活用することで、いらないものを手放してほしいものを手に入れることができました。交渉も『ほしいもの』同士で行わなくてよいので楽でした」「売買リストが事前に共有されていたため、作戦が立てやすかったです」といった感想が聞かれました。

飯村氏は「お金に変えることで価値を腐らせることなく手元に置いておくことができます。食材と比べると、価値が落ちるスピードははるかに遅いです」と説明。ゲームを通して、物々交換と比較した際のお金の利便性や役割について解説しました。

学生たちは2つのフェーズを通して、物々交換とお金を用いた取引の違いを体験的に学びました。 ゲームの後にはお金の歴史や、その仕組みを支える金融業界について解説が行われました。

お金の歴史

飯村氏は「お金って考えてみると意外と深いもので、お客様とお話しているときも盛り上がったりします。これからお話しする内容も、実際にお客様にお話している内容です」と述べ、お金の成り立ちについて紹介しました。

かつては金そのものが価値を持つものとして物品の交換に使用されていましたが、紀元前7世紀頃になると、金属を用いた貨幣が登場。その後、11世紀頃には金と交換できる「引換券」として紙幣が誕生し、17世紀頃に紙幣が広く定着したと説明しました。

続いて紙幣と信用の関係性について解説がありました。

飯村氏は紙幣の成り立ちについて「もともとは金と引き換えることができる引換券」と表現し、現在の日本の1万円札が約25円で製造できることを紹介。「紙幣は製造コストだけを見るとお札の価値は数十円程度ですが、社会全体がその価値を『1万円』だと信じて認めているため、紙幣として買い物に使用できる」と、紙幣そのものの価値と、社会の中で認められている価値は異なることを説明しました。

この、社会の中で認められている価値を〈信用〉と呼び、クレジットカードやキャッシュレス決済も〈信用〉を活用したお金の形の変化だと話しました。

金融業界の役割

飯村氏は「金融業界は、お金を『集める・貸す・増やす・守る』ことをしています」と説明し、「『集める・貸す』は銀行、『増やす』は証券、『守る』は保険が担っています」とそれぞれの役割を紹介しました。

銀行は利用者から預かったお金を住宅購入者や企業などに貸し出すことで経済を支え、証券は株式や投資信託などへの投資を通じて資産形成や経済の活性化に貢献しています。また、保険は多くの人がお金を出し合い、事故や災害などで大きな損失を受けた人を支えることで、安心を提供する仕組みであると説明しました。

学生たちは、金融業界という一言でまとめられる業界の中にも、それぞれ異なる役割があることを学びました。

金融業界のやりがい

飯村氏は「新卒で商社に入社したのち、外資系銀行を経験して現職となっています。現在はお客様の資産運用のお手伝いが業務の中心です」と自身の経歴を紹介しました。

また、仕事を通じて得られたものとして、「お客様としてさまざまな方とお会いできることがおもしろいです。また、マネーリテラシーが身に付き、結婚や学費など自身のライフプランニングにも役立っています。周囲にも相談しやすい環境があります」と説明。さらに、「外資系企業も多い業界のため、転職を含めたキャリア形成がしやすい点も魅力です」と話しました。

学生たちは、物々交換ゲームや飯村氏の講演を通して、お金の仕組みや金融業界について理解を深めました。

担当教員からのメッセージ

本年から開講のキャリア実践演習については、金融、
エンタテインメント、ヘルスケアの3社のご支援をいただき
文学部キャリア科目群の3年生向け科目としてスタートしました。

その冒頭にお願いしたのが、金融リテラシー講座です。
キャリアを考える上で、決して外せないのがファイナンシャルプランニング
であると考え、三菱UFJモルガン・スタンレー証券様にご協力をお願いしました。

金融リテラシーと聞くと、難しいイメージがありましたが、ゲーム方式を
取り入りていただき、学生は、とても楽しく、「マネーの基礎」について学ばせて
いただきました。こうした知識を知っておくかどうかは、彼女たちの将来に
大きく影響することと思います。
この場を借りて厚く御礼申し上げます。

2026年6月1日

JALふるさとアンバサダーってどんな仕事?「実践プロジェクトa」の授業でJALとの特別コラボ授業が始まりました。 

5月11日に日野キャンパスにて、「実践プロジェクトa」(担当:村山 浩一特任教授)の授業で、株式会社JAL航空みらいラボとの特別コラボ授業が開始されました。この日はオリエンテーションとして、日本航空株式会社(以下、JAL)の地域活性化の取り組みについて学びました。授業の最後には企業から課題が出され、学生たちはグループワークに取り組みます。

社員の幸福を大切にする

JAL航空みらいラボは、2024年に設立されたJALグループの新会社。航空分野で培った知識や経験を活かし、大学との連携にも力を入れています。
今回登壇したのは、長年客室乗務員として活躍されている戸田亜希氏、塩崎雅子氏、そして札幌からオンライン参加した水上みのり氏の3名。
塩崎氏は「学生の皆さんと関わることで、新しい発想に刺激を受けています。私たちにとっても学びの多い時間です」と話し、講義がスタートしました。

まず戸田氏から、JALについての紹介がありました。
JALは1951年に設立。現在は日本航空で初となる女性社長が経営を担っています。
主な事業は航空運送ですが、物流や金融など幅広い分野にも挑戦しています。
「コロナ禍で旅客需要が大きく減少した経験から、航空以外の事業強化にも取り組んでいる」と話されました。

さらに紹介されたのがJALの企業理念。
その中には「全社員の物心両面の幸福を追求する」という言葉があります。
戸田氏は「利益だけでなく、社員がやりがいや誇りを持って働けることを一番に大切にしている」と説明しました。
安全運航を支えるためにも、社員一人ひとりが前向きに働ける環境づくりが重要。そのためにも、社員全員の幸せが大切だと考えているのです。

JALが取り組む地域活性化とは?

JALでは、サステナブルでウェルビーイングな未来を目指し、「JALビジョン2035」を掲げています。
テーマは「安全・安心」「心に響く出会いと体験」「関係・つながりの創造」の3つ。
今回の授業は、その中の「関係・つながりの創造」に大きく関わります。
戸田氏は「地域活性化とは何をすることだと思いますか?」と学生たちに問いかけます。地域活性化とは、単にイベントなどで盛り上げることではありません。地域で安心して暮らせる環境を整え、将来にわたって活力ある社会を維持していくことだと説明しました。

では、なぜJALが地域活性化に取り組むのでしょうか。
戸田氏は「航空業界は、人やモノの移動によって成り立っています」と話します。地域が元気になることで移動も増えることは、JALにとっても大きなメリットがあります。
JALの強みである「移動」を活かし、人と地域をつなぐ役割を担っているのです。

JALふるさとアンバサダーって?

JALが行う地域活性化の取り組みのひとつに、「JALふるさとアンバサダー」があります。
これは、地域のために働きたいという思いを持つ客室乗務員のこと。各地に移住しながら地域の魅力発信や活性化に取り組む活動を行っています。
ここからは、実際に札幌でアンバサダーとして活動する水上氏がオンラインで登壇しました。
水上氏は客室乗務員として全国を飛び回っていましたが、地域事業本部への異動をきっかけに観光開発に携わるようになると、「もっと地域に深く関わりたい」と感じるように。
その思いから、出身地である札幌のふるさとアンバサダーに手を挙げたと話しました。

JALふるさとアンバサダーは2020年に始まり、現在は23名が全国各地で活動しています。実際にその土地で暮らしながら、地元では当たり前になっていて気づかれていない魅力を掘り起こしていくのが大きな役割。
水上氏は「地域のリアルな声を大切にしながら、CAとして培ったおもてなしの経験を活かしています」と話しました。

活動内容は、地元食材を使った商品開発や観光PRなどさまざま。
特徴的なのが、生産から加工、販売までを一気通貫で行う「6次産業」である点です。アンバサダー自ら実際に現地へ何度も足を運び、人とのつながりを築きながら、新たな地域の価値を生み出しています。

地域の未来を考える課題に挑戦!

水上氏は学生たちへ「もし皆さんがJALふるさとアンバサダーだったら、地域のために何をしますか?」と問いかけました。地域活性化は「楽しかった」で終わらせず、その後もどう継続していくかを考えることが大切です。
そのため「今回の課題でも、どうすれば人に楽しんでもらえるかと、どうすれば持続可能な取り組みにできるかの両方を意識してほしい」と呼びかけました。

続いて戸田氏から課題内容が発表されました。
テーマは「JALふるさとアンバサダーの視点で、地域に寄り添いながら魅力を発信する企画を考える」というもの。
地域選びから学生自身が行い、「なぜJALが関わる意味があるのか」「地域にどんなメリットがあるのか」まで考える必要があります。
さらに、既存のアイデアではなく、独創性のある企画であることも求められました。

なかなかの難問に、学生からは「理想的なアイデアを、持続可能なビジネスとして成立させるにはどんな視点が必要ですか」という質問も。
これに対し塩崎氏は、地域名産を使った商品の包装作業を障害のある方に依頼し、新たな雇用につなげた事例を紹介。
「その商品だけで利益を出すのではなく、地域にどんな価値を生み出せるか、どんな課題解決につながるかを考えることが大切」とアドバイスされました。

学生たちは3班に分かれ、地域の魅力や課題について議論を重ねながら企画づくりに挑戦。
7月の最終プレゼンテーションに向け、グループワークを進めていきます。

担当教員からのメッセージ

「高校の授業とは全く進め方が違っていて驚いた」「実践的な授業を初めて受け、大変有意義に思う」――。戸田亜希様、塩崎雅子様、水上みのり様にきめ細かくご指導いただき、学生にとって大変よい刺激となりました。受講生は、いずれも実践女子大学に入学したばかりの1年生。実践的な学びを楽しんでいます。
戸田様をはじめ3名の方々からは、「地域に寄り添い、地域の魅力を伝える企画を考える」という課題をいただきました。これに対して、学生らは「人とのつながりを大切にしながら、長期的な地域活性化につながるアイデアを練っていきたい」と意気込んでいます。キャリア自律が重視される時代に、このような社会連携プロジェクト型の授業に協力いただき、心から感謝申し上げます。

2026年5月20日

韓国便のサステナブル機内食を考えよう!「演習Ⅲa」の授業でJALとの特別コラボが始まりました。 

4月28日に、「演習Ⅲa」(担当:人間社会学部ビジネス社会学科 角本伸晃教授)にて、日本航空株式会社(以下、JAL)との特別コラボ授業が開始されました。この日はオリエンテーション。JALが航空業界だけでなく、広く社会課題に取り組んでいることを学びました。授業の最後には数か月にわたって取り組むグループワークの課題も発表され、学生たちは新しい学びに積極的に取り組んでいます。

空の仕事から学ぶチーム力と前向きさ

登壇したのは、現役の客室乗務員でもある吉村真紀氏。
「地球320周分、月まで16往復分ほど飛行機に乗っている」と語り、学生たちも驚きの表情。長時間乗務を続ける秘訣は「笑顔で前向きにいることと、チームの力」だといいます。
「飛行中には救急車も消防車も来ません。すべて自分たちで対応します。だからこそ前向きに取り組むこと、そして大変なときに支えになる仲間の存在が大切です」と、チームビルディングの重要性を語りました。

もう一人登壇したのは鈴木茂樹氏。
運航管理などの空港現業、機内食の開発などに携わり、著名なレストランとのコラボレーションメニューやサステナブルな食材を機内食に取り入れるための交渉などを担当されていました。

自己紹介の後はJALクイズが出題。
JALのフラッグシップであるエアバスの機体カラーに込められた思いや企業理念、オリジナルドリンクなどに関する問題に、学生たちは手を挙げて積極的に参加しました。
楽しみながら学べる時間となり、「クイズを通して大切にしていることが伝われば嬉しいです」と締めくくられました。

JALの価値観と目指す未来像とは

ここからはJALの経営ビジョンについて。
JALが目指すのは、航空会社の枠を超えて社会課題に向き合うことです。安心・安全な空の旅に加え、お客様の心に響く出会いや体験の提供を大切にしています。
その実現のために策定されたのが「JALフィロソフィ」。
これは、社員全員が共有する意識・価値観・考え方をまとめたもので、部門や職種を超えた連携を支える重要な指針です。

そして吉村氏は「皆さんにとってのウェルビーイングは何ですか?」と問いかけました。ウェルビーイングとは、自分にとって心地よい状態のこと。
学生からは「モチベーション高く勉強できているとき」や「課題を終えたときの達成感」などの声が挙がりました。
吉村氏は「心地よさは人それぞれ。JALもお客さま一人ひとりに『いいね』と思ってもらえる価値を提供できるよう変化しています」と語りました。

「六方よし」のためのウェルビーイング

JALは企業として利益を出し続ける必要がありますが、利益だけを追うのではなく、すべてのステークホルダーに誠実であることを重視しています。
これはESG経営と呼ばれ、環境や社会課題に企業として向き合う考え方です。

たとえば気候変動への取り組みでは、機体をカーボンで作ることで軽量化し、CO2排出量を減らす工夫を行っています。
面白いところでは、家庭や飲食店の使用済み食用油を回収し、燃料に再利用する取り組みも。「渋谷区でもスーパーなどで集めていますので、皆さんもぜひ」と紹介されました。

多様性の面でも、障がいのある社員の活躍推進や男女差の解消に取り組んでいます。
昔は、客室乗務員は子どもが出来たら定年、なんて言われていた時代もありました。今は子育てしながら働くのも当たり前。
これは放っておいたら変わったわけではありません」と吉村氏。
制度は自然に変わったのではなく、その都度の社員が、これがウェルビーイングなんだということを示していくことで少しずつ制度が整っていったのだと語りました。

またJALは「六方よし」の精神を大切にしています。
世間、売り手、買い手がwin-winになる従来の「三方よし」に加え、作り手や環境、未来にも価値を届けることを目指しているのです。

韓国便のサステナブル機内食を考えよう!

いよいよ課題の発表です。
テーマは「JALグループのビジョンを体現する『サステナブル・韓国便ミール』の企画」です。
韓国便のフライトは約2時間と短く、提供時間に余裕がありません。
手早く出せるボックスミール形式で考えます。温めて提供することはできないので、冷たくても美味しいものを考えるのもポイントの一つです。

鈴木氏は「コストや食材など考えることは多いですが、私が機内食を考えるときは、『一番大事な人に食べてもらって笑顔になるか』をイメージしました」とアドバイス。家族や友人を思い浮かべ、楽しんでもらえるメニューを考えてほしいと語りました。
吉村氏も「韓国はZ世代に人気の文化が多い国。ぜひ皆さんのウェルビーイングを感じるアイデアを提案してください」と期待を寄せました。

学生たちはグループで課題に取り組み、2か月後のプレゼンテーションに向けて準備を進めていきます。

担当教員からのメッセージ

角本ゼミではこれまで「観光」をメインテーマとしてきましたが、今年度はJAL航空みらいラボ様とPBLを行うことになりました。目的地への移動で航空機を利用する場合は長時間、閉鎖空間で過ごすために、機内食を楽しみにされている方が多いと思います。

今回のテーマは韓国便での機内食の提案ですが、その前提には「JALフィロソフィ」や「ウェルビーイング」があり、それを具現化する「サステナブルな機内食」をという趣旨説明を聞いて、ゼミ生たちも取り組む意欲がさらに高まったと思います。学生らしい型にはまらない提案を期待しています。

JAL航空みらいラボについて詳しい内容はこちら→https://www.jalaviofuture.co.jp/

2026年3月31日

人工石の指輪の認知を広めるには?「実践デザインラボⅠ」の授業でBrillarとの特別コラボが行われ学生たちが施策を提案しました。

「実践デザインラボⅠ」(担当:人間社会学部社会デザイン学科 標葉 靖子教授)の授業で、12月19日に株式会社Brillar(ブリジャール)との特別コラボ授業が行われました。この日は1か月前に出された課題に対するプレゼンテーション。テーマは「人工石の指輪をひとつのライフスタイルや自己表現として広めるための具体的な施策を考える」です。学生たちはグループワークを経て発表に臨みました。

レンタルサービスで良さを広めよう

Brillarの代表取締役である小原亦聡氏も来校し、「楽しみにしてきました」とコメント。
「店にも来てくれたと従業員から聞いています。シャープな質問もあったそうですね」と、学生たちの調査力に感心していました。
さらに「成長過程にあるブランドとして良い施策があれば取り入れたい」と、提案に期待を寄せました。

いよいよ学生たちの発表です。
トップバッターは「カメレオン」チーム。
人工石に関する意識調査では、人工石が指輪の素材として使用されていることを知らない人が83%にのぼり、まだ十分に知られていない現状や、従来の価値観によるイメージが課題だと整理しました。
そこで提案したのが、名付けて「Brillar select」というレンタルサービスです。
記念日や結婚式などで指輪やネックレスを1週間貸し出し、利用している様子をSNSに投稿するとクーポンが使える仕組みにして、人工石ジュエリーの認知向上と抵抗感の軽減を目指します。

発表後、小原氏から「以前、婚約指輪の購入者向けに結婚式でのレンタルサービスを行ったことがあります」と実例が紹介されました。
過去に類似の取り組みも行っており、その可能性と課題の両面について意見交換が行われました。

SNSで若い世代にアプローチ

続いての「こしあん」チームはSNSの活用を提案しました。
意識調査では、天然石を選ぶという従来の価値観が根強く、人工石を積極的に選びたいひとは少ないことを確認。
そこで、SNSで情報を得ている若い世代にアプローチし認知度アップを狙います。利用するSNSは「X」で。
バズっている投稿を検証し、画像や情報の発信方法などを具体的に提案しました。

「この仕事はInstagramから始めたので、いまでもInstagramに投稿が偏っているかもと感じました」と小原氏。
「他のSNSへの対応やインフルエンサーへのオファーなどにも力を入れるべきかもしれませんね」とコメントされました。

「自分らしさとは何か」を問いかける

次のチーム「長女」は、人工石を宝石ではなくファッションとして提案するプレゼンを行いました。
商業施設でミニランウェイを開催し、実物を見る機会を増やします。展示の場ではサステナブルな価値も訴求しやすいと説明しました。
さらに銀座などの駅で、デジタルサイネージ広告を展開。イメージ動画も自分たちで作成しました。
「自分らしさとは何か」を問いかけることで、新しい愛の表現としての選択肢を提示しました。

小原氏は「動画も作り込まれていて、完成度の高い発表でした」と感嘆されました。
「主体的に選んでいるつもりでも、社会的なイメージに影響されていることは多い。新しい自己表現としての切り口はとても良いですね」と語りました。

キャラクターとコラボして展開

最後は「プリキュア6」チームです。
意識調査から、ジュエリー選びの基準は「知っているブランド」であることが重視され、価格も大きな判断材料になると分かりました。
宝飾業界は定番ブランドの基盤が強く新規参入が難しい一方、手に取りやすい価格帯であれば選択肢に入ることにも着目。
そこで若者への認知拡大策として、ポップアップストアの実施を提案しました。カスタムチャーム作りやサンリオなど既存キャラクターとコラボすることで、ブランドをより身近に感じてもらう狙いです。

小原氏は「百貨店でポップアップを行ったことはありますが、若者向けではありませんでした」と振り返り、「キャラクターの力を借りるのも一つの有効な案ですね」とコメントしました。

意識調査からしっかりと

発表の締めくくりには、小原氏から総評がありました。
「意識調査など大変だったと思いますが、どの班もしっかり調べていて素晴らしかったです。ありがとうございます」と、学生たちの努力をねぎらいました。
さらに「気になってはいたもののやっていなかったところも指摘され、やはり力を入れるべきと気付かされました」と、学びの多い発表だったと振り返りました。

小原氏(株式会社Brillar代表取締役)からのメッセージ

今回の取り組みを通じて、モアサナイトという新しいジェムストーンに対する若い世代の率直な声に触れ、その可能性を改めて強く実感しました。既存の価値観にとらわれず、自分自身の基準で「美しさ」や「選ぶ意味」を判断する姿勢は、これからのジュエリーの未来そのものだと感じています。
ブリジャールは、創業9周年を迎える中で、日本におけるモアサナイト市場を切り拓いてきました。
まだ一般的ではなかった時代から、モアサナイトの持つ本質的な美しさと価値を信じ、発信し続けてきたからこそ、今こうして次世代の共感に繋がっていると考えています。
モアサナイトは、単なるダイヤモンドなどの代替素材ではなく、これからの時代にふさわしい新しい選択肢であり、新しいスタンダードです。
今回得られた若い世代のリアルな視点を大切にしながら、その魅力をさらに広げ、次の時代のジュエリー文化を形づくっていきたいと思います。

担当教員からのメッセージ

今回の社会連携プロジェクトでは、学生たちにとって実地調査や資料作成を通じて、立案に至るまでのプロセスを体験的に学ぶことのできる機会となったのではと思います。

あらためて学生にこのような貴重な機会をご提供いただいた小原様をはじめとするBrillarの皆様に厚く御礼申し上げます。

2026年3月17日

法律の最前線!食品衛生学の授業で、消費者庁食品表示課による特別講義が行われました。

2025年10月24日(金)、食品衛生学a(担当:食生活科学科 白尾美佳教授)にて、消費者庁食品表示課(以下消費者庁)の正木陽子氏、森川健佑氏をお招きし、食品表示法に関する特別講義が行われました。

授業と社会連携について

食生活科学科健康栄養専攻で開講されている専門教育科目「食品衛生学a」において、消費者庁食品表示課の方々をお招きし、食品表示に関する特別講義を実施しました。

健康栄養専攻では、栄養士資格の取得を目指し、人体の仕組みや食品の栄養、給食経営管理など、食と健康に関する専門知識を体系的に学びます。「食品衛生学a」は、食品の安全性を確保するための基礎知識を学ぶ科目であり、栄養士として食品を適切に取り扱うための重要な基盤となる授業です。

今回は、消費者庁食品表示課 企画第一係長 正木陽子氏、法令係 森川健佑氏にご来校いただき、食品表示制度の概要や最新の制度動向について講義を行っていただきました。食品表示法の運用に実際に携わっている方々から直接話を伺うことができ、学生にとって大変貴重な学びの機会となりました。

身近な食品表示のルール「食品表示法」

食品表示法は、すべての食品に共通する「表示のルール」を定めた法律です。食品パッケージの裏面に記載されている原材料名、内容量、原産地などの情報は、この法律に基づいて表示されています。

この法律は、消費者が商品を選ぶ際に、食品の内容や産地などについて正しい情報を得たうえで判断できるようにすることを目的としています。そのため、食品を製造・販売する事業者には、必要な情報を適切に表示する義務が課されています。

食品表示法では、表示項目の内容だけでなく、表示の順序や記載方法などについても細かく定められており、食品に関わる仕事に携わるうえで理解しておくべき重要な制度です。

消費者庁の役割

講義では、食品表示制度を所管する消費者庁の役割についても紹介されました。

森川氏は、消費者庁について「消費者に直接関わる政策を、消費者の視点に立って進める役割を担う行政機関です」と説明されました。主な業務として、消費者の安全な暮らしのための対策、公正な取引の推進、消費者教育などがあり、表示ルールに違反する事業者に対して指導を行う役割も担っています。

食品表示についても、以前は複数の法律や省庁によって管理されていましたが、食品の異物混入を含む消費者事故など、消費者に関わる深刻な社会問題が相次いだことを背景に、消費者庁が設立されました。この設立を契機に制度が整理され、「食品の表示」という観点から統合されたものが現在の食品表示法であることが紹介されました。

食品表示法の基本「義務表示」

食品表示には、消費者が適切に商品を選択できるよう、必ず表示しなければならない「義務表示」があります。

生鮮食品では、名称や原産地などを容器や包装の見やすい場所に表示する必要があります。一方、加工食品では表示項目が多く、「一括表示」と呼ばれる形式で原材料名や内容量、製造者などの情報がまとめて記載されています。

講義では、一括表示の項目の内容や、それぞれの表示が設けられている理由について、具体的な食品表示を例に挙げながら解説が行われました。

「消費期限」と「賞味期限」の違い

食品の期限表示には、「消費期限」と「賞味期限」の2種類があります。

消費期限は、比較的傷みやすい食品に表示されるもので、「期限を過ぎると安全性が低下する可能性があるため食べない方がよい期限」を示しています。一方、賞味期限は日持ちする食品に表示され、「おいしく食べることができる期限」を示すものです。

森川氏は、「賞味期限が過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません。状態を確認しながら食品ロスの削減にもつなげていただければと思います」と説明され、食品ロスの問題にも触れられました。

アレルギー表示と制度の見直し

食物アレルギーを引き起こす可能性のある原材料については、症例数や重篤度を踏まえて表示制度が定められています。

現在、義務表示の対象となる特定原材料は8品目、推奨表示の対象は20品目となっています。

講義では、2023年にくるみが新たに義務表示の対象となったことや、現在、カシューナッツを義務表示に、ピスタチオを推奨表示に追加する検討が進められていることなど、制度の最新動向についても紹介されました。

これらの制度は、約3年ごとに実施される国の調査結果をもとに見直されており、症例数の変化に合わせて制度も更新されていることが説明されました。

栄養成分表示について

栄養成分表示は、食品に含まれる栄養素の量を示すもので、2020年からすべての加工食品で表示が義務化されています。

表示が義務付けられているのは、熱量(カロリー)、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量の5項目です。

管理栄養士の資格を持つ正木氏は、「栄養成分表示では『100gあたり』や『1食分あたり』など表示の単位が異なるため、食品を比較する際には注意が必要です。将来、栄養指導を行う際にも、ぜひその点を伝えてください」と学生に呼びかけました。

また、近年の取り組みとして、パッケージ前面に栄養情報を分かりやすく表示する「包装前面栄養表示」についても紹介され、日本でもガイドラインの整備が進められていることが説明されました。

今回取り上げた内容のほかに、食品添加物の種類や指定の流れ、原料原産地表示についてなど、制度に関する詳細な解説が行われました。

学生からの質問も活発に

講義の最後には質疑応答の時間が設けられ、学生からは食品添加物や遺伝子組換え食品の表示制度などについて質問が寄せられました。

正木氏と森川氏は、制度の仕組みや実際の運用について丁寧に説明され、学生にとって理解を深める貴重な機会となりました。

今回の特別講義を通して、学生たちは食品表示制度を「生活に密接に関わる実践的な知識」として学ぶことができました。

質問をする学生

担当教員からのメッセージ

今回の講義では、食品表示制度の基礎だけでなく、包装前面栄養表示の取り組みやアレルギー表示の見直しなど、最新の制度動向についても学ぶことができました。

食品表示制度の運用に携わる行政担当の方々から直接お話を伺うことができ、学生にとって大変有意義な学びの機会となりました。

この場をお借りして、消費者庁食品表示課の正木様、森川様に心より御礼申し上げます。

2026年3月6日

制度が支える女性活躍!経営学概論の授業にて、ダイドードリンコ株式会社による連携授業が行われました。

2026年1月7日(水)、経営学概論(担当:人間社会学部ビジネス社会学科 篠﨑香織教授)にて、ダイドードリンコ株式会社(以下ダイドードリンコ)の連携授業が行われました。

授業と連携企業について

経営学概論は、人間社会学部1年生を対象に開講されている専門科目です。経営学の基礎を学習することを通して、企業の仕組みや活動についての理解を深めます。また、消費者、労働者やパートナー企業など多様な視点から企業との関わり方を考え、課題を通じて情報収集、分析などの行動力を養っていきます。

今回の授業ではダイドードリンコから大植あかね氏、奥川美優氏にご登壇いただき、「働く女性の本音〜理想の働き方と福利厚生を知る〜」というタイトルで、ダイドードリンコの経営、制度、女性活躍についてご講演をいただきました。また、講義の後半には事前学習として学生が取り組んだ課題「こんな自販機があったら」の内容共有と、ゲストからのフィードバックが行われました。

人材重視のマインド

奥川氏からはじめに、ダイドードリンコの企業概要が紹介されました。ダイドードリンコは、1950年代にドリンク剤を販売していた大同薬品工業を起源とし、現在はダイドーグループホールディングスの中で清涼飲料事業を担う企業です。本社は大阪府にあり、売上の約90%を自動販売機が占めていること、コーヒー飲料に強みを持つこと、そして自社工場を持たないファブレス経営であることの三点が、事業の特徴として説明されました。

奥川氏は、工場を持たないという事業特性から、「ダイドードリンコにとって最大の資源は人材です」と話し、働く人にかかわる福利厚生や制度の充実に力を入れていると説明しました。また、優秀な人材に自分の意思でこの会社で働きたいと感じてもらうこと、そして人と人との組み合わせによって組織力を高めていくことを目指していると語られました。こういった考え方は、働く人をコストではなく価値を生み出す存在として捉える「人的資本経営」という考え方にもつながっています。

人を尊重する制度

続いて、ダイドードリンコで実際に導入されている制度や福利厚生について、具体的な説明が行われました。とくに、労働時間に関する制度として、時短勤務制度とスーパーフレックス制度を紹介しました。奥川氏は「時短勤務は、子どもが小学校を卒業するまで利用できる点が特徴です。また、スーパーフレックス制度では、所定の時間内で自ら勤務時間を調整することが可能です。病院や家族に時間を使うことはもちろん、『推し活』に使う人もいます。働く時間を柔軟に活用できることで、日々の過ごし方の幅が広がります」と、労働時間の多様性によって、多様な働き方につながっていることを話しました。

また、週4回までテレワークが可能であることが紹介され、会社の制度が一人ひとりの意思や状況に寄り添った働き方を支えていることが伝えられました。

社内制度と社員

休暇制度の紹介として、〈D休暇〉と呼ばれる独自の休暇制度についても説明がありました。D休暇とは、生理や更年期、不妊治療など、公にしにくい身体的・個人的な事情で休暇を希望する際、理由を申請せずに取得ができる制度です。休暇を取得する際の心理的な負担を軽減し、気兼ねなく休暇を取得できるよう配慮された制度であることが伝えられました。

このD休暇は、社員が年に一度、ビジネスプランや施策を提案できる〈チャレンジアワード〉を通じて生まれた制度であること、奥川氏自身が人事総務部の同僚とともに企画・提案を行い、実際に制度として採用されたと紹介がありました。社員の声が制度として形になる社内風土から、人材への意識の高さが感じられ、学生たちは、制度を「使うもの」として捉えるだけでなく、働く人の声によってつくられていくものとして考える視点を得ました。

女性の社会進出と企業の取り組み

大植氏は、女性活躍推進の背景には、男女格差是正のための法改正の歴史だけでなく、日本の人口減少に伴う労働力不足という社会的課題があることを紹介しました。

2010年のダイドードリンコでは女性管理職の不在や、社員の男女比率の大きな偏りなど、「働きにくいと感じる女性が多くいらした」と話し、2016年の女性活躍推進法をきっかけに、改善の動きが進み始めたといいます。大植氏は「営業職が社員の約6割を占めていたことや、女性総合職の採用が2010年から始まったため、女性社員を育成できるマネジメント層が十分にいなかったこと、さらに柔軟な働き方に対する理解が進んでいなかったことなどから、当初は女性が働きやすい環境が整っていませんでした。」と当時の社内状況を説明しました。

女性が働き続ける環境づくりのため、初めに育児・介護を目的として在宅勤務制度を導入。段階的にその利用を拡大するとともに、フレックスタイム制度を導入し、制度整備により、多様な働き方が可能な環境が整えられていきました。さらに、女性が働きやすい環境を整えるため内勤の営業職部署である〈インサイドセールス部門〉を設立。女性社員が営業職として積極的に配属されており、実際に所属されている大植氏は「プライベートや子育てと仕事が両立しやすく、非常に働きやすいと感じています。また、制度を使って子どもの学校の行事に参加したり、自分の習い事に時間をつかったりすることができています」と話しました。

さらに、女性営業職の成長支援の活動として、〈BLOOM〉が紹介されました。〈BLOOM〉は、営業職として働く女性が勤務地を超えて集い、交流会や研修を通じてスキルアップと横のつながりを深める取り組みです。大植氏は「〈BLOOM〉には全国の女性営業職30人弱が所属しています。女性の営業職は、営業職全体人数の10%ほどですが、片手で数えることができた過去から比較すると急増しているんです。」と話しました。社内で女性が活躍できる環境が整えられた結果、実際に仕事で力を発揮する女性が増えてきていることが紹介されました。

また、組織的な意識改革として、社内に〈ダイバーシティ推進グループ〉が設置されていることが紹介されました。専門家を招いてSDGsやダイバーシティに関する研修を行う他、グループの働きの一つに「女性にとって働きやすい環境づくりがある」と話し、グループから企画として提案された『女性ヘルスケア応援自販機』を紹介しました。大植氏は「『女性ヘルスケア応援自販機』は、飲料と共に生理用品も販売する自販機です」と概要を紹介し、本学渋谷キャンパス9Fにも設置されていることを話しました。事業を通じて多様性を包み込む姿勢が表れていることが語られました。

こうした制度によって実現されている多様な働き方は、近年注目されている「人的資本経営」という考え方とも重なっています。奥川氏は、「従業員一人ひとりを企業の価値を生み出す存在と捉え、その力が発揮される環境を整えることが、企業全体の成長につながる」と説明しました。また、企業には利益の追求だけでなく、社会や関係者全体の幸せを考える姿勢が求められていると話しました。

学生の考える「自動販売機の新たな活用例」

授業の後半では、学生が事前課題として提出していた「自動販売機の新たな活用例」について、東京営業部の松本英康氏からのフィードバックと意見交換の時間が設けられ、学生が提出した課題に対してみんなで考えを深めていきました。ここでは2例紹介します。

スタディサポート自販機

学生は「図書館の設置を想定し、ラムネのお菓子やカフェイン飲料を販売し、目的買いを狙います」と発表。松本氏は「学生向けという視点はありませんでした。勉強の気分転換で自販機に向かったとき、何を買うか品ぞろえから選びやすいと思いました」とコメント。篠崎教授は「冬は受験を控えた学生が勉強に力を入れる時期。塾などに設置するのはいかがでしょうか」と話しました。

味変飲料の販売

学生は「購入者が自分で時間とシーンに合わせて味の変化ができる缶を自販機で販売します」と提案。松本氏は「気分転換に使用できそうですね。自分好みに変化を加えるという発想もとてもいいと思います」と話し、篠崎教授は「組み合わせによるカスタマイズで味を作っていくシステムが、女子にうけそうだなと思いました。コーヒー缶の購入者層を増やすことができそうです」と意見を寄せました。

今回の講演は、学生にとって福利厚生や社内制度を活用する人の目線で捉える視点を学び、働く社員と企業の関係性をより自分事として考えるきっかけとなりました。また、課題のフィードバックの時間では、自販機の企画を担当している社員と直接意見交換が行われる貴重な機会となりました。

担当教員からのメッセージ

今回の連携授業は、
①「働きやすさ」を意識して企業内制度について考えること
②「あったらいいな、こんな自販機」を提案すること
の二本立てで実施しました。

せっかくダイドードリンコの皆さまにお越しいただく機会ですので、履修者が「働く」ということを具体的にイメージできるお話を伺えればと考えておりました。また、ダイドードリンコ社の自動販売機は柔軟性が高く、履修者から生まれるであろう斬新なアイデアとの親和性も高いのではないかと想定しておりました。

100分の授業でこの二点をやり遂げるため、年末の授業ではビジネスモデルや戦略に関するトピックスを扱い、それ以前の授業でも「働く」というテーマを折に触れて取り上げてきました。

当日は、奥川様、大植様よりダイドードリンコ社の制度や職場環境について詳しくお話を伺い、後半は、特にユニークな自動販売機のアイデアをもつ履修者の代表が発表を行いました。その後、松本様とのQ&Aおよび講評をいただく時間を設けていただきました。

なかでも「誰かと分け合える商品が自動販売機から出てきたら面白いのではないか」という提案については、履修者全員で具体化を試みました。将来的には、学生のアイデアが実際に自動販売機を通じて形になる可能性も感じられる貴重な機会となりました。

本授業の履修者は主に1年生ですが、数年後にはその中からダイドードリンコ社で活躍する学生が生まれるかもしれません。

お忙しい中、大阪本社ならびに東京営業所よりお越しいただき、誠にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

2026年2月25日

将来のリーダーを育成!2025年度「キャリア開発実践論」の締めくくりが行われました。

2026年1月20日(火)、本学客員教授である株式会社リーダーシップコンサルティング代表の岩田松雄氏と、共同代表の鷲見健司氏をお招きし、キャリア開発実践論の最終授業が実施されました。キャリア開発実践論は、先行きが不透明な時代においても社会で主体的に活躍し、リーダーシップを発揮できる人材の育成を目的とした、本学のキャリア教育科目を代表する授業の一つです。授業前半ではチームごとにこれまでの経験を振り返りが実施され、後半には岩田氏によるミニ講演と質疑応答も行われました。

授業について

キャリア開発実践論は、3年生を対象に開講されている共通教育科目です。「将来のリーダーを育成する」ことを目的に、リーダーシップのスキルアップを図る授業として開講されており、社会人基礎力の中でも「ミッション」「リーダーシップ」「ファシリテーション」の三点を中心に、重点的に学びを深めます。

例年、夏休みに集中講座形式で実施されており、今年度も本大学で客員教授を務める株式会社リーダーシップコンサルティング代表の岩田松雄氏と、共同代表の鷲見健司氏をお招きし、企業研修レベルの内容でご講義いただきました。参加学生には、昨年8月に実施された合宿後から、自身が定めた“ミッション”を実践する約5か月間の期間が設けられました。

今回の授業では、その実践期間中の経験を振り返り、さまざまな経験を通して得た自身の変化や学びを言語化する、授業の総括が行われました。振り返りと発表は、合宿時に編成した5つのチームに分かれて実施され、それぞれが「合宿を経て変わった自分」や「大切にする価値観」について共有しました。

また本授業では、元スターバックスコーヒージャパンCEOでもある岩田氏による、“ミッション”に関するミニ講演と、学生からの質疑応答が授業後半に行われました。

学生の振り返り

8月の合宿で、リーダーシップに関するさまざまな内容を知識としてインプットした学生たち。
ファシリテーターの鷲見健司氏は、「合宿で皆さんが学んだことのその後の実践状況と、実践から得た気づきを共有し、互いに学びを深め合いましょう」と語り、8月に学んだリーダーシップやファシリテーション、宣言したアクション等の実践に関する具体的な振り返りが行われました。

学生は、手元の資料を見ながら個人の活動内容を報告し、その後、班ごとに用意されたホワイトボードに意見をまとめていきました。

メンバーの発表に対し、思わず納得した様子で椅子に背中を預けたり、深くうなずきながら共感したりする姿も見られ、各チームともリラックスした雰囲気の中で共有が進んでいきました。

その後はホワイトボードの前に集まり、お互いの意見を確認しながら、チームとしての振り返り内容を整理していきました。

全体での班発表では、チーム内でまとめた振り返りの内容に加え、話し合いの中で生まれた疑問点が共有されました。

全体共有では、自分で定めたミッションが、日常生活や将来の選択において「判断の軸」となっていたことが、多くの班から語られ、とくに就職活動において自分らしさを発揮することや、主体的な行動を起こすきっかけになったという声が紹介されました。

また、「ミッションを言語化したことで意欲が明確になった」と報告する班もあり、「その結果、リーダーシップの発揮やファシリテーションを自ら担うなど、主体的な行動につながった」「具体的な言葉として可視化することで、継続的な行動につながることを実感した」といった意見も述べられました。さらに、自ら行動を起こすことが周囲を巻き込むリーダーシップにつながったと紹介する班もありました。

疑問点としては、「ミッション達成へのモチベーションをどのように維持し続けるか」や、「リーダーという役割でない人が主導し始めた場合の対応方法」など、実践的な経験を重ねる中で生まれた問いが多く共有されました。

こうした学生の気づきを踏まえ、授業後半では岩田氏からのフィードバックとミニ講演が行われました。

”ミッション”のとらえ方

岩田氏は、学生の発表内容に対するフィードバックを交えながら、ミッション・ビジョン・バリューの定義について説明しました。

「ミッションは、『なんのために自分は生かされているのか?自分が、この世に生まれてきた理由です。仕事を通じて同世の中に役立っていくかです。学生の段階ですぐに見つかるものというよりは、これからキャリアを積み重ね、一生かけて見えてくるものです」と学生に説明しました。

その上で、学生が設定した多くの“ミッション”は、“バリュー(信条や行動指針)”に近い内容であることにも触れ、岩田氏自身もまた、長い時間をかけてミッションを見出してきたことを語りました。

その後、ミッション・ビジョン・バリューの違いについて、それぞれの役割を補足しながら詳しく説明しました。岩田氏は「ミッションは『なぜ自分が生かされていのかという、自分の存在理由』、ビジョンは『具体的にイメージできる、自分がなりたい将来像や目標』、バリューは「ビジョンを達成するために定める、日々の行動指針』である」と述べました。

これらの概念をキャリア形成の文脈で語る理由について、岩田氏は「自分の仕事がどのように世の中に役立っているのかを意識することで、同じ仕事であっても、やりがいが大きく変わる」と述べました。

続けて、自身がCEOを務めたスターバックスコーヒージャパンの“ミッション”を例に挙げ、「企業が掲げるミッションを、店舗で働く一人ひとりが胸に抱いて働くことで、単にコーヒーを提供するのではなく、コーヒーを通じて人々に活力と栄養を届け生き生きと働けることにつながっている」と紹介しました。

講演の終わりに

岩田氏はリーダーには指導力や洞察力などいろいろな特質を求められるが、一番大切なのは、「私心のなさ」を挙げました。「『チームのために』という思いが伝わると、自然と人がついていきます。自分のためではなく、チームのため、お客様のためという『無私』の気持ちが大切です」と語りました。

また、キャリア形成については、「例え希望した仕事ではなかったとしても、目の前のことに一所懸命取り組んでいれば、必ず後になって、役に立ちます。人生一所懸命に頑張っている限り無駄なことはありません」と学生にアドバイスしました。さらに、「今後色々と悩みが出てくると思いますが、それは自分が成長しようと努力している証拠です」と、学生にエールを送りました。

質疑応答の時間

講演後には、岩田氏が学生から寄せられた質問に答える質疑応答の時間が設けられました。

ミッション達成へのモチベーションをどう維持し続けるか

岩田氏は「モチベーションを常に保つことは難しい」と率直に語りました。ご自身も壁にぶつかる中で、家族や友人に支えられてきた。また「勇気づけられる言葉や本を読んだり、好きな音楽を聴くことでモチベーションを高めるためのルーティンを持っていることを紹介。「皆さんも、何か自分なりのお気に入りの儀式見つけてみてください」と学生に呼びかけました。

また、挫折したときについては、「無理に立ち上がらなくてもいい。寝そべったままでも、まずは指一本動かせたら十分。少しずつでいいから、やがて起き上がれるようになる」と、段階的に前に進むことと「悩んでいる自分に悩まない」ことの大切さを伝えました。

自己開示の難易度

「相手が自己開示してくれると、自分もしやすくなる」 そのため相手に関心を持ち、「いい質問」をすることが重要だと説明。相手の良いところに注目して話を広げることや、ユーモアや冗談な話題を交えることで相手がリラックスすると自分も自己開示しやすくなると、これまでの経験を踏まえてアドバイスしました。

ファシリテーターではない人が仕切り始めた場合の対応

「ファシリテーターの最終目的は『良い結果を生み出すこと』」と前置きし、「自分が詳しい分野であっても一歩引き、サポートに回ることも必要だが、自分の得意分野なら適当に自分の意見も織り交ぜながら、議論を前に進めることが大切」と答えました。

リーダーという立場でないときに、周囲の人をどう先導すべきか

「役職に関係なく、リーダーシップというスキルを持つことは必要」と回答。「リーダーシップの本質は『周囲に影響を与えること』であり、それは誰にでも発揮できるもの。難しいことだが、リーダーを立てながら、チームを良い方向に向かわしめることが大切」と学生に伝えました。

授業の終わりに

授業の締めくくりとして、岩田松雄氏の著書「リーダーに贈る言葉」が学生に配布されました。思いがけないプレゼントに、学生たちは笑顔を見せながら本を受け取り、教室には温かな空気が広がりました。

この授業を通して学生たちは、8月の合宿で得た知識を、実体験に基づく価値観として言語化するとともに、同じ向上心を持つ仲間との意見交換を重ねることで、リーダーシップとファシリテーションへの理解をより深めました。

また、企業でのリーダー経験を持つ岩田氏と直接意見を交わすこの時間は、学生にとって非常に貴重な学びの機会となりました。

担当教員のコメント

キャリア開発実践論も、過去からの履修者が200人を超える歴史を紡いで来ました。
これもひとえに、熱心にご指導いただきました岩田様と鷲見様のおかげであると思います。大学生ではなくあえて企業人レベルの内容に挑戦することで、大きく成長した多くの学生の姿を見てきました。お二人が、学生一人ひとりに寄り添っていただき、そのポテンシャルを開花させて下さったことを改めて感じます。「ミッション」「リーダーシップ」そして「ファシリテーション」いずれもキャリアを積む上できわめて貴重なものです。

この場を借りて、岩田様、鷲見様に、心から感謝申し上げます。

2026年2月18日

創造と対話を通じてキャリアを考える!グローバルキャリアデザインの授業で、国際的なキャリアを考えるレゴ®シリアスプレイ®ワークショップが開催されました。

2026年1月13日(火)、グローバルキャリアデザイン(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)にて、「レゴ®︎シリアスプレイ®︎の技法と教材を活用したワークショップ」を体験する特別講義が行われました。蓮沼孝氏をファシリテーターにお招きし、学生たちは実際にブロックで手を動かして作品制作と鑑賞に挑戦。様々なテーマにそって制作と鑑賞を繰り返し、視点を変えてみることの大切さを学びました。

授業について

グローバル・キャリアデザインは、3年生を対象に開講されている共通教育科目です。グローバル化が進む社会の中で、自分の将来や働き方について主体的に考える力を養うことを目的としています。授業では、社会で活躍する人による講義やグループワークを通じて、「働くことの意味」や「他者と協力しながら自分の役割を果たすこと」について理解を深めていきます。

今回の授業では、”レゴ®を使って考える、キャリアを見つめる”「レゴ®︎シリアスプレイ®︎の技法と教材を活用したワークショップ」が実施されました。

進行役のファシリテーターとして蓮沼孝氏を迎え、2コマ分の時間を使ってワークショップが実施されました。蓮沼氏は「キャリアで大切なことは、『失敗してもいいから行動すること』です。行動することで偶然の出会いが生まれ、そこからキャリアが開かれていきます。また、ワークショップで大切なことは『視点を変えること』。同じものを見ていても、人によって解釈が異なることが多くあります。違っていていい、ということを出発点にしましょう」と話しました。

頭ではなく手を動かす!

ワークショップは簡単なお題からスタートしました。基本の組み立て方のレクチャーを受けた後、「できるだけ高いタワーを作ろう」というお題に挑戦。その後、自分が選んだ10個のブロックを使い、「不思議な生き物を作る」課題に取り組みました。学生たちは、蓮沼氏の「とにかく手を動かして」というアドバイスに従い、ブロックが入った器の中に手を入れ、もくもくと作業に取り掛かります。作品が完成すると、自分の作品について紹介し、グループのメンバーから質問を受ける時間が設けられました。

学生が一通り感想を言い合ったあと、蓮沼氏は「皆さんが作った不思議な生き物は、実は今日までの自分自身を表しているんです」と語りました。「作品に自分と似ているところはないでしょうか。班で話してみましょう」と問いかけると、学生たちは驚いた表情を浮かべながらも、改めて自分の作品を見つめ直します。すでに形として存在する作品に自分自身を重ね合わせながら、先ほどの発表を踏まえ、作品と自分が重なる点を一つずつ言語化していきました。

発表中のグループでは、「この部分が性格を表しているってこと?」など、色や形をきっかけにした質問が飛び交い、活発な交流が生まれていました。

イメージを言葉で表そう

場が温まってきたタイミングで、次のお題へと進みます。順番に表示された5枚の写真。蓮沼氏は、これらの写真がレゴ発祥の国・デンマーク語で「ヒュッゲ(Hygge)」を表していると説明しました。ゆっくりと切り替わるスライドを、学生たちはじっと見つめます。写真から受け取った印象をもとに、「ヒュッゲ(Hygge)」という抽象的なテーマを作品として表現する課題に取り組みました。学生たちは、つかんだ印象を逃さないようにブロックを選び取り、組み合わせていきます。どう表せばよいか考え込みながら容器をのぞき込み、選び取っては重ね、戻しながら、徐々にヒュッゲを形にしていきました。

作品完成後、蓮沼氏の指示で学生は一つ隣の席へ移動し、作品の持ち主ではない立場から完成品を見つめます。蓮沼氏は「皆さんの感性で、隣の人の作品を紹介してみましょう」と伝え、隣の学生の作品を自分の解釈で紹介する時間が設けられました。学生たちは、自分が感じ取ったヒュッゲのイメージをもとに作品を言葉にしていきます。パーツに暖かい色が使われていることから笑顔を連想するなど、色や形に触れながら一つひとつ説明していきました。ほかの人から語られる自分の作品のイメージに共感したり、驚いたりしながら、意見交換が行われました。

このようにワークショップの前半では、言葉にしづらい感覚や正解のない問いを形として表現し、それを言語化して他者と共有することで、自分の考えや価値観が広がっていく過程を学生が体験しました。

ブロックで表す自分のキャリア

授業の後半では、「海外留学先でウェルビーイングに関する学びを行う」をテーマに、「どの国で、何をしたいか」という自身の考えを作品として表現する活動が行われました。正解のない問いに向き合いながら、学生たちは想像力を働かせて制作に取り組みます。

蓮沼氏は具体例を示しつつ、「ブロックが表している意味をそのまま使うのではなく、別の意味を重ねてメタファー(暗喩)として表現してほしい」と伝え、考えを形にすることを促しました。

制作の序盤、学生たちは何から手を付ければよいか戸惑う様子も見られましたが、ブロックを手に取り、組み合わせや配置を試行錯誤するうちに、次第に作品の輪郭が浮かび上がっていきました。手を動かす中で思考が整理されていくように、学生たちは作業に集中し、教室にはブロックが組み合わさる音だけが静かに響いていました。

作品完成後には、「誰を対象に、どの国で、何をしたいのか」を軸に、自身の作品を整理し、グループ内で発表する時間が設けられました。他者に向けて言葉にし、質問を受けて答えていく過程で、学生自身も気づいていなかった視点や価値観が、次第に明確になっていきます。

発表では、これまでの留学経験から現地で触れた価値観を象徴的なモチーフで表現した学生や、社会問題への関心から「相手を知ること」を意識し、向き合う配置にした理由を語る学生の姿も見られました。対話を重ねる中で、話題は作品そのものから、その背景にある一人ひとりの大切にしている考えへと自然に広がり、より深い他者理解につながる時間となりました。

より発展的な制作へ

続いて学生たちは、チームで一つの作品を制作しました。自分の作品の中から「最も大切だと感じる部分」を抽出し、一度作品から切り離したうえで、それぞれが持ち寄ったパーツを組み合わせていきました。蓮沼氏は「パーツに込められた意味を生かしながら、一つの『プロジェクト(授業)』として再構成してください。完成した作品には、内容が伝わる名前を付けましょう」と指示しました。個々の意味や解釈を持つパーツをもとに、関連性を見出したり、プロジェクトの進行をストーリーとして描いたりしながら、チームごとに作品を再構成していきます。

チーム作品の完成後、蓮沼氏は「このプロジェクトの中で、自分はどのような役割を担いたいですか?」と問いかけました。理想が詰め込まれたプロジェクトの中で、自分がどのように関わり、どのように貢献したいのかを考えることが学生に求められます。蓮沼氏は「それはあくまで『一つの選択肢』としてでも構いません」と添え、考えを固定せず、可能性として言語化することを促しました。「社会問題の現場に行って直接関わりたい」など、すでにある環境の中で自分が何をしたいのか、グループ内で発表が行われました。

その後、グループごとに制作した作品の発表が行われ、班を超えて内容の共有をする時間が設けられました。発表後には質問の時間もあり、制作のポイントや象徴的なパーツについて問いが投げかけられます。発表者が「確かに」と頷きながら言葉を選んで答えたり、聞き手が説明をかみしめるように作品をじっくり見つめたりと、やりとりは終始穏やかで丁寧な雰囲気の中で進みました。同じお題でも全く異なる表現が並ぶことで、学生たちは考え方や視点の広がりを実感していました。

ワークショップのおわりに

まとめとして、蓮沼氏は「自分の人生や社会を主体的に作っていくうえで、自分が何をできるのか。自分が考えている一つの可能性以外にも、多様な視点があることを知ってほしかった」とコメントしました。

今回のワークショップでは、制作と作品の鑑賞を繰り返しながら、自分の考えを形にし、言葉にし、他者の視点を通して捉え直す体験が行われました。作品に意図を込めて制作することで、学生はテーマに対する自分なりの捉え方や価値観を見つめ直すとともに、その価値観が反映された作品を通して、他者から見た自分の考えに触れていきます。他者の意見を受け取ることで、「ものごとの見え方は一つではないこと」や「多様な選択肢があること」を実感し、自分でも気づいていなかった価値観や可能性への理解を深めていきました。

キャリアについて学んでいる学生たちにとって、自分の価値観や考え方を捉え直し、学びを一段階深める貴重な機会となりました。

担当教員のコメント

蓮沼先生には、グローバルキャリアデザインのゲストとしてご支援いただいてから、すでに10年以上が経過いたします。レゴブロックを用いてキャリアを考えるというアプローチは、毎年新鮮でもありますが、気づきの多さも特徴です。
「頭で考えるより、まず手を動かして考える」という考え方は、とても斬新なことですが難しいこと、しかし、学生たちは、あっという間にその世界に対応していきます。
出来上がった作品を見ながらキャリアを考えるということも、とても貴重な経験になっています。
毎年、ご指導いただいている蓮沼先生に、厚く御礼申し上げます。

2026年1月16日

舟山選手と語る、スポーツがくれるウェルビーイングの力。―パリパラリンピックに出場した舟山選手との交流会を今年も開催しました!―

2025年度のJWP(実践ウェルビーイング・プロジェクト)活動の一環として、12月20日(土)に、スポーツ×ウェルビーイングに関するワークショップを開催しました。今年も昨年に続き、2025年10月のアジアパラ選手権大会で優勝し、2026年の世界選手権大会の出場権を獲得した舟山真弘選手をゲストにお迎えしました。当日は、大会での印象的なエピソードから、日々のコンディションづくり、そしてウェルビーイングとの向き合い方まで、幅広いテーマでお話を伺うことができました。

ゲスト:舟山真弘(ふなやままひろ)選手

彼は現在、早稲田大学に通っている大学3年生。 4歳で小児がんの一種である「右上腕骨 骨肉腫」に罹患。1年2か月間入院し、手術と抗がん剤治療を受けました。手術では、利き手であった右腕の肩関節と上腕骨を切除し、足の細い骨を移植しました。右腕は上がらなくなり、細い骨の骨折に細心の注意が必要となりました。

そういったバックグラウンドを持っている舟山選手ですが、実際にお会いするととても明るく、周囲を和ませる笑顔が印象的な方です。

卓球を始めたきっかけは、家族旅行で経験した温泉卓球。その楽しさに心が惹かれたことで、本格的に卓球の世界にのめりこんでいきました。今ではパリのパラリンピックで5位に入賞したり、数々の大会でメダルを取ったりと大活躍で大注目の選手です。

当日のワークショップでは、パラリンピックの試合映像を本人の解説と共に上映しました。メダルがかかった大一番の相手はフランスの選手。開催地がパリということもあり、会場の応援のほとんどがフランス側という完全アウェイの状況だったそうです。それでも、会場にいた日本の応援団や、国籍を問わず良いプレーに拍手を送ってくれる観客の存在が大きな力になったと語ってくれました。その言葉からは、競技の緊張感だけでなく、スポーツが生み出す温かなつながりも感じられました。

◆当日の舟山選手とのワークショップ

今回のワークショップでは、インタビューにクイズ、神業チャレンジ、さらには舟山選手との卓球体験まで、盛りだくさんの内容で会場は終始大盛り上がりでした。

インタビューでは、卓球の技術や試合での心構えはもちろん、学生生活やプライベートの話まで、NGなしでざっくばらんに語っていただきました。同じ大学生とは思えないほど芯のある考え方に、参加者からは「刺激を受けた」「もっと頑張りたくなった」という声が多く聞かれました。

続いて行われたクイズ大会では、舟山選手にまつわる問題が次々と出題され、会場は笑いと驚きに包まれました。見事上位3名に入った参加者には、舟山選手の直筆サイン色紙が贈られ、受け取った瞬間の嬉しそうな表情がとても印象的でした。

そして後半は、いよいよ卓球体験へ。実際の卓球台を使い、台の端に置いたペットボトルを打ち抜くという「神業チャレンジ」に舟山選手が挑戦。なんと一発でクリアし、会場は大きな拍手と歓声に包まれました。その後は参加者も実際にラリーをしたり、スマッシュのコツを教えてもらったりと、プロの技を間近で体感。体を動かす楽しさや、誰かと一緒にスポーツをする心地よさを、まさに全身で味わえる時間となりました。スポーツを通じて生まれるつながりや、体を動かすことで得られるウェルビーイングを、参加者全員が実感できたひとときでした

●当日の質問より(一部抜粋)

Q.舟山選手の特技はなんですか?

A.顔を見ただけで年齢を当てられる特技がある。特技といわれると難しいですが、全く知らないアニメのパンフレットに載っていたキャラクターの年齢を、ピッタリ当てたことがあるので、これが僕の特技だと思います。(笑)

Q.今後の目標はありますか?

A.4年後を見据えた時、メダル獲得だけでは満足しないようにすることです。メダルをゴールにするのではなく、金メダルを目指していきたいです。そのために日々の練習を頑張って、1日1日を大切に過ごしていきたいです。あと1年で学生が終わってしまいますが、ただ受動的に生きるのではなく、誰かに何かを与えられる人間になれるようにこれからは人としてももっともっと成長していきたいです。

●当日の参加者、運営メンバーのコメント

・ウェルビーイングな状態になる手段がたくさんあるということはそれだけウェルビーイングになれる瞬間が多いということというお話が印象的でした。卓球もできて楽しかったです。

・とっても楽しかったです!!卓球もできた上に全く違う生き方をしてきた方の話を聞けて良かったなって思いました。何か好きなこと、芯となるものがある人は強いのだと思え学びが多かったです。

・今年は経験者がいたおかげで、心に余裕を持って準備を進めることができました。

パラリンピックの映像を本人の解説とともに振り返ったり、卓球対戦や「神業チャレンジ」で盛り上がったりと、参加者が楽しみながら刺激を受けることができたのではないかと感じました。アンケートでも好評の声を多くいただき、クイズや体験を通してスポーツとウェルビーイングの繋がりをしっかり伝えられたのではないかと嬉しく思っています。素晴らしいメンバーと共に今年も運営ができ、楽しかったです。

・今年も舟山選手と一緒にwell-beingについて考えることができ、とても嬉しく思います。当日はイレギュラーな出来事が何度も起こり、大変な場面もありましたが、無事に終えることができて本当に良かったです。参加者の皆さんが楽しそうに舟山選手の講話を聞き、一緒に卓球をしている姿を見て、あの時間そのものがwell-beingだと感じました。何度も笑いに包まれた素敵な会を運営することができ、貴重な経験となりました。

木島理事長のコメント

JWP活動の一環として舟山選手との交流が始まり、今年で3回目の開催となりました。

舟山選手は、私が以前から応援しているパラリンピックを目指している卓球選手であり、大学生です。この活動でいつも感心するのは、学生の皆さんの自主運営であること、そしてその内容がいつもきちんと考えられていることです。

well-beingは、一人ひとり異なり、また、昨日と今日、昨年と今年、どんどん変わっていくものだと思います。同じ大学生ではありますが、違う領域で活躍している舟山選手と交流する機会は、学生の皆さんにとってもいい刺激になったと思いますし、舟山選手にとっても、それは言えることだと思います。私もいい刺激をいただきました。

このような交流が長く続くことで、お互いに成長できる機会が続くことを期待しています。

深澤教授からのコメント

2025年度のJWP(実践ウェルビーイングプロジェクト)の活動も折り返し点を迎えました。舟山選手をお迎えしてのイベントを開催することで1年が終わり、また新しい年を迎えることを実感します。

今年も、学生が自主的に手を挙げてくれて企画・運営に携わってくれました。同じ世代の若者同士が会話をし、インタラクティブに交流し、卓球で楽しむという姿は、まさにウェルビーイングなひとときとなります。アスリートから学ぶウェルビーイングについて、参加してくれた学生一人ひとりも深く考えてくれたと思います。

ロスアンゼルス五輪に向けてスタートを切っている舟山選手のさらなるご活躍を心からお祈り申し上げます。

2025年12月18日

人工石の指輪を広めたい!「実践デザインラボⅠ」の授業でBrillar代表取締役の小原氏による特別講演が行われました。 

「実践デザインラボⅠ」(担当:人間社会学部社会デザイン学科 標葉 靖子教授)の授業では、11月14日より株式会社Brillar(ブリジャール)との特別コラボ授業がはじまりました。ダイヤモンドに負けない輝きを誇る人工石を使ったジュエリーブランドで、小原亦聡氏がゼロから立ち上げた現在も成長を続けている企業です。女性一人が手探りで立ち上げた新しいジュエリーの可能性に、学生たちも強い関心を寄せ、真剣に耳を傾けていました。

多様なバックグラウンドを活かして活躍

小原氏はまずホワイトボードに自身の名前を書きました。
「亦聡(いそう)と読みます。珍しいですよね。私は中国の出身なんです」と紹介しました。10歳まで四川省で過ごし、母親の日本留学に伴い来日して以来、日本で生活を続けています。
「子どもは3人います。でも私は仕事が好きで、ずっとキャリアを途切れずに続けています」と子育てと仕事を両立していることを伝え、「女性のロールモデルとしてひとつの参考になれば」と話を始められました。

九州地方で生活していた小原氏は、上京したい一心で猛勉強し京都大学の経済学部に入学。
交換留学でフランスでの生活も経験し、英語や中国語などを話せる語学力を武器にアメリカの大手金融機関へ新卒で入社します。
転機になったのは30代前半。
ふと、自分へのご褒美にダイヤの指輪がほしいなと思ったことだと言います。
しかし調べてみるとダイヤモンド1カラットで200万円もすると知り驚きます。
「技術が進んだ現代なら、きっとダイヤモンドに近いものがあるはずと思って調べたんです」。
すると、アメリカや中国で人工石によるジュエリーが流行っているということを知りました。
それが「モアサナイト」との出会いでした。

副業として始めた事業が急成長

モアサナイトは自然界にも存在する鉱物ですが、アメリカで人工的に生成する技術が確立された人工石として知られています。ダイヤモンドの2.5倍ともいわれる、強く華やかな輝きを持ちながら、ダイヤモンドの約10分の1の値段で手に入ります。手頃でありながら高級感を楽しめる点が大きな魅力です。
小原氏は日本でも必ず需要があると直感し、副業として事業をスタートしました。

最初はSNSで発信し、注文が入ったら職人に依頼するという小規模なものでしたが、半年後にはあっという間に一人ではさばききれないほどのオーダーが入るように。
その矢先、夫の海外転勤が決まり、小原氏は一念発起。会社を辞め、自身の会社を立ち上げたのです。
2017年にオンラインショップを立ち上げ、翌年には宝飾店ひしめく銀座に店舗をオープン。
その後も大阪にも出店など順調に成長を続けています。

人工石を使うことはクリーンな世界につながる

小原氏が事業と並行して力を入れているのが、社会貢献活動です。
「日本に来たばかりの頃、周りの人や支援を受けてたくさん助けてもらった。だからこそ自分で事業をするときはお返しをしたいとずっと思っていました」と小原氏。
売り上げの一部がひとり親世帯へ寄付する「チャリティージュエリー」の展開や、児童養護施設でのイベント開催などを積極的に行っています。
また、「人工石のジュエリーを使うこと自体がエシカルなんです」と続けます。天然ダイヤモンドは採掘を伴うため、環境破壊や児童労働などの問題が指摘されてきました。
一方、人工的に生成できるモアサナイトはこうした課題を避けながら美しさを楽しめ、倫理的な観点からもモアサナイトを支持する人は増えているのです。

仕事と子育てを両立するには?

講演後は質疑応答が行われました。
「ジュエリーのデザインはどうしているのですか」という質問に、小原氏は「デザインは全くの未経験からのスタートでした。始めた当初はオーソドックスでシンプルなものから始めました。いまも専門のデザイナーはおらず、社員でデザインの案を出し合っています。実用性を重視して、台座の高さなどにこだわっています」と回答。

「ビジネスと子育ての両立はどうしていますか」という問いには、
「夫が子育てに協力的で、親サポートしてくれます。また、日本は保育制度が整っているんですよ。助成金や支援を利用して仕事に復帰しました」と話しました。

さらに「経営者として決断をするときの決め手は?」という質問には、
「そのときに一番大事にしているものはなにか。例えば夫の転勤についていくために会社を辞めて起業したときは、家族全員でいられることが最優先でした。そのときに一番大切なこと、楽しそうなことを信じています」と話しました。

人工石を広めるための施策を考えよう!

授業の最後には、次回の課題が学生たちに発表されました。
テーマは「人工石の指輪をひとつのライフスタイルや自己表現として広めるための具体的な施策を考える」こと。
現在の注文のほとんどは婚約指輪です。人工石の指輪に対する意識調査を行い、その結果を踏まえて一般に広まる施策を考えます。
学生たちはチームに分かれて取り組み、1か月後にプレゼンテーションに臨みます。

担当教員からのメッセージ

「実践デザインラボ」は、デザイン&リサーチ技法の基本を学びながら、アイデアをカタチにする創造的プロセスを自分たちで回せるようになることを目指す授業です。そのプログラムの一環として社会連携プロジェクトも実施しています。
今回小原さんには、「”人工石婚約指輪” を一つのライフスタイルや思想表現として広めるには?」というお題をご提供いただきました。
学んだデザイン&リサーチ技法を学生がどう実践していき、どうアイデアをカタチにしていくのか、とても楽しみにしています。