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2024年11月20日

生成AIを使ってみよう!ゼミ「演習ⅡB」でサイバーエージェントとのコラボ授業が行われました。 

10月1日に「演習ⅡB」(担当:人間社会学部人間社会学科 粟津 俊二教授)のゼミで、株式会社サイバーエージェントの川越寛之氏による特別授業が行われました。広告事業に生成AIの利用を積極的に取り入れている企業の方から、生成AIの使い方を学びます。学生たちは実際に動かしてみながら、仕組みや注意点を確認しました。

広告はAIで作る時代

サイバーエージェントは、100以上の関連子会社を持つ企業。
主にインターネット広告・メディア・ゲームの3つの事業を主にビジネスとしています。メディアやゲーム事業ではインターネットテレビ局「ABEMA」や人気ゲームが次々にヒット。
川越氏はもう1つの柱であるインターネット広告事業に携わっています。
「ゲームなどと比べあまり身近ではないかもしれませんが、広告代理店の仕事です。皆さんのSNSに流れているような広告などを作っている」と話しました。

サイバーエージェントでは広告事業部のなかに「AIクリエイティブ部門」があり、川越氏はその統括をされています。
「7、8年前からすべてAIで製作しています」と、デザインや映像製作にとどまらず、広告の効果の予測や、広告文の作成などに至るまでさまざまな場面でAIを活用していると話しました。

AIはこれからどんどん身近に

いまは「毎日AIのニュースが流れてくる」時代と川越氏。技術の進歩は特に目覚ましく、この前までできなかったことがどんどん出来るようになっています。
川越氏はサイバーエージェントのアルバイトの大学生の作った動画を紹介。「バイトをはじめて2ヶ月くらいの学生でも、AIを使って動画やアニメーションが作成できる」と話しました。
そして、今後スマートフォンなどに次々に搭載され「これから皆さんAIを知らない間に使うようになる」と、どんどん身近な存在になると語りました。

「ただ、AIは危険なんじゃないの?と考える人もいると思います」と、安易にAIを利用することの危険性にも言及。
著作権や肖像権の問題などは、あいまいだったり未解決な部分、規制が進んでいないことが理由のひとつ。
「AIは便利ですが、きれいなものだけで出来ているわけではない」と語りかけました。

AIを使って画像を作ろう

「‎Gemini」と「話して」みることに。
チャットスタイルで文字を打ち込むと、すぐに文章が返ってきました。
知りたいことやただの雑談、旅行計画の相談など、学生たちはそれぞれAIと会話をしていきます。「渋谷でおすすめのランチを教えて」と聞いた学生は、いくつかお店が出てきて役に立ったようですが、「お菓子が食べたい」と話しかけた学生は「甘いものを食べたいときの対処法」など少し見当違いな回答も。

まだ的確な回答をするのは難しい場合もありますが、コツとして、文章で条件を細かく指定していくことを教えてくださいました。数字を指定したり具体例を出してもらうようにしたりすると、より正確に出てくる確率が高まります。
「会話をしてだんだん慣れていくと、思い通りのものが出てくるようになります」と話しました。

次に「Image FX」を使って、画像を作ってみることに。
テーマは「昭和と令和を掛け合わせたおもちゃ」です。かわいいブリキ人形や、近未来的なコマなどユニークな画像が、10分ほどで生成されました。学生たちは互いに見せ合い、感想を言い合っていました。

AIとの付き合い方は?

半導体などの技術が進み、普段使っている自然な言語で、AIと会話できることを実感した学生たち。
「では、生成AIは考えることはできるんでしょうか」と川越氏は問いかけます。
答えは「今はできない」です。
生成AIは学習した大量のテキストデータをもとに予測をして、確率が高い返答をしています。
このため、AIは「嘘をつく」ことも。AIは絶対的な事実を聞くには向いていません。
間違った情報をもっともらしく生成してしまうことをハルシネーションと言い、「これはものすごくよく起きる。」と川越氏。
「ハルシネーションは当面はなくならない。気を付けて使うしかないんです」と語りました。

最後に川越氏はAIのメリットを話しました。
「AIを使う一番の良さはスピードです」と、読むのが大変な大量の資料を読み込ませて要約させる使い方や検索方法を紹介。
「AIは何度聞いても怒らないし疲れない。便利に使うことで努力のしどころが変わってくる」と語り、「ぜひたくさん使ってみて、慣れていってください」と講義を終えられました。
最初はAIを難しく考えていた学生たちも、実際に使うことで身近に感じられるようになる授業となりました。

担当教員よりメッセージ

生成AIは急速に普及し、その生成物を見聞きする機会も増えてきています。様々なデバイスやサービスに組み込まれて行っていますので、今は使ったことのない学生も、遠からず、どこかで使うことになるでしょう。今だからこそ、長所も短所も、問題点も将来性も、積極的に体験して欲しいと思っています。今回は川越様に、最先端の使い方の一端をご紹介頂けました。生成AIについて、知識だけでなく実際の使い方も知ることができ、貴重な学びの機会が得られたのではないかと思います。川越様には、この場を借りて、心より御礼申し上げます。

2024年4月5日

”服装自由”の時は何を着る?「演習IIB」で青山商事とコラボ授業!
就活生の服装の悩みを解決するプレゼンテーションに挑戦しました。

2年生対象の「演習IIB」(担当:人間社会学部人間社会学科 広井多鶴子教授)の授業で、12月19日に青山商事株式会社(以下、青山商事)とのコラボ授業が行われました。11月に、就活生の服装の悩みに向き合う「#きがえよう就活」プロジェクトの一環として「就活服の悩みをどう解決するか」というテーマが出されており、学生たちは6グループに分かれ、課題解決法を考案。この日は、青山商事から6名、株式会社ニューズピックスから1名の方々が来校され、学生たちは皆様の前でプレゼンに臨みました。

自分らしさをどう表現する?

最初のグループ①は「オフィスカジュアルのサブスクリプション」と題して発表を行いました。
オフィスカジュアルとはどのような格好をしたらいいのか分からないという就活生の悩みに注目。女性に人気のファッションサブスクを参考にして、青山商事が就活生向けサブスクを展開することを提案しました。
若者向けのトレンドを抑えたオフィスカジュアルが、月に2回届く仕組みです。
青山商事の方からは「まさに若者たちが着たいと思う服を社内でブラッシュアップしているところなので、背中を押された気持ちになりました」というコメントがありました。

グループ②は、就活で結局黒スーツを選んでしまうのは、悪目立ちしたくないなどの保守的な意見が多いからと分析し、「就活は学生が企業を選ぶ側でもある」という自信を持つべきだと考えました。そこで、服装自由な企業にプロジェクトのロゴマークを提示してもらうことを提案。
就活生がロゴマークを見て企業を選び、安心して個性の出せる服装ができるようにします。
青山商事の方からは「自分が企業を選んでいくんだという意識を作っていく案になっている」と評価されました。

オフィスカジュアルって難しい!

続くグループ③は、SNSを利用する案を考えました。就活生の多くは、企業がどのような意図で服装自由にしているのか分からずに不安を感じていることに着目しました。
服装で評価が変わると思っている学生と、服装はそれほど重視していない企業の意識の隔たりをなくすため、大学生の約8割が利用しているInstagramを活用し、「#きがえよう就活」のタグを広めることを提案しました。
「服装の例として画像を上げるのに、Instagramは相性がいい。ぜひ検討させていただきたい」と青山商事の方から前向きなコメントをいただきました。

グループ④は、メンバー全員が黒スーツで就活をするつもりでいたことを告白。スーツ以外を選ぶためには、オフィスカジュアルを気軽に購入できることが必要だと考えました。
そこでアパレル企業等に協力してもらい、サンプルとして載っている服装の中から購入できるサイトを考案。
また服装についての疑問やレビューを書いたり投票できたりする機能を付け、就活生と企業との双方向のコミュニケーションが取れるようにしました。
講評では「レビューや質問で学生からもアクションできるのがいい。みんなが知りたいことがわかる仕組みになっている」と着眼点について高く評価していただきました。

服装の基準を分かりやすく

グループ⑤はクールビズにフォーカスしました。
就活生は夏の面接やインターンでスーツを着用しなければならないことに不満を持っていることに着目。クールビズに明確な定義がないことが原因と分析しました。提案は服装のピクトグラムを作成すること。
企業の採用ページにピクトグラムを提示してもらいます。
青山商事の方からは「悩みの解決方法が分かりやすく、最後まで筋の通った良いプレゼンでした」「賛同企業を増やすためにも、ピクトグラムは取り入れやすくて良いと思いました」というコメントをいただきました。

最後のグループ⑥は、服装自由が言われる一方でスーツで来てほしい企業もあることが就活生を悩ませている原因と分析。企業から就活の服装の例を挙げてもらうことを提案。採用ページに面接時の服装や、面接官の服装を載せてもらうようにします。
また、Instagramで「#インスタ就活プロジェクト」のタグを作り、各企業に就活向けの情報や服装を発信してもらいます。
青山商事の方からは「認知を広げるにはInstagramは相性がいい」「面接官の服装は確かに就活生が気になるポイントだ」という感想が寄せられました。

これからの就活が楽しくなるように

全発表終了後、優秀なプレゼンのグループが表彰されました。
「#きがえよう就活」賞に選ばれたのはグループ④。
受賞した学生からは「中間発表の後、一から考え直しましたが、賞をいただけてよかったです」「内容は難しかったがみんながそれぞれ自分の役割を果たしました」と喜びのコメントがありました。

「#きがえよう就活」賞を受賞したグループ④

もう一つの青山商事賞は、グループ⑤でした。
受賞した学生は「途中企画倒れになりかけてどうなるかと思いましたが、形になって良かったと思います」「スーツ以外で就活してみたくなりました」などとコメントしました。

青山商事賞を受賞したグループ⑤

最後に青山商事の平松氏から「みなさん、まじめに課題と向き合ってくれました」、「SNSなど学生目線の提案が、大変参考になりました」というコメントがありました。
そして、「今回の課題を通して、就活が少しでも楽しくなったらいいなと思います」ということばで、授業を締めくくってくださいました。

担当教員からのメッセージ

人間社会学科 広井多鶴子

当初、学生たちは、就活は黒のスーツが当たり前と思っていましたが、調べ、考え、話し合う中で、自分たち自身の固定観念に気づき、新たな考えをまとめていきました。そして、「自分たちは企業に選ばれるだけの存在ではなく、自分たちが企業を選ぶ存在だ」というように発想を転換!! 当たり前だと思っていることを問い直すことのおもしろさと重要性を実感できたのではないかと思います。

最終のプレゼンテーションは、中間発表よりもかくだんに完成度が高くなっていました。学生たちは、ほんの数週間でみちがえるように視野を広げ、根拠と説得力のあるプレゼンへと作り替えました。

それは、青山商事のみなさんの仕事への熱意と真摯さが学生たちに伝わったからだと思います。

学生からは、「本格的な産学連携授業は初めてで、実践的な学びが得られた」「企業の方から直接アドバイスをもらえる貴重な機会だった」といった感想が寄せられました。
何度も大学に足を運び、丁寧で的確なアドバイスをしてくださった青山商事のみなさんに、心より感謝いたします。