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2026年1月26日

自分のやりたいことへ再挑戦!「女性社会論b」の授業でOGによる特別講演が行われました。 

「女性社会論b」(担当:生活科学部現代生活学科 須賀 由紀子教授)の授業で、12月17日に本学の卒業生による講演が行われました。就職活動での苦労や女性が目的を持って働くことについて、先輩のリアルな声を直接聞ける貴重な機会となりました。学生たちも積極的に質問をしており、自身の将来や就活への理解を深めている様子でした。

卒業生のリアルな体験談

この授業では、これからの社会と女性の働き方について多角的に学びます。多様性が当たり前となる時代にどう暮らしていくか、女性の生活者意識を職場でどう活かすかが問われています。
その中で、直線的ではなく柔軟に人生を選んでいく「ライフシフト」の考え方が注目を集めています。

今回は卒業生の視点から、女性が働くことのリアルな体験談を伺います。
2024年卒の小林さんは須賀ゼミ出身。株式会社良品計画に就職し、埼玉県の店舗で勤務して2年目です。
まずは小林さんから自己紹介がありました。
在学中はJ-STAFFに所属し、オープンキャンパスなどのイベント運営に力を入れていたと話しました。

就活はメディア業界に絞り、4年生の6月に制作会社から内定を得て一度は就活を終了しました。
しかし、なんと10月に内定を辞退。
再び就活を開始し、12月に良品計画から内定を得たと語りました。

悩みぬいた末に再度就活を決意

ここからは須賀先生がインタビュアーとなり、小林さんの経歴を深掘りしていきます。
「メディア業界に行きたいと思ったのはテレビが好きだったから。特に朝の情報番組が好きで興味がありました」と話します。
しかし、一度就活を終えた夏に1か月間アメリカへ語学研修に行ったことが、考えを大きく変えたと言います。

もともと海外に関心はあったものの、コロナ禍でなかなか留学の機会に恵まれなかった小林さん。念願の海外留学は「とにかく楽しかった」と振り返り、「やはり海外で働く仕事がしたい」と決意。
悩んだ末に内定を辞退し、再び就活に挑戦しました。
内定辞退については「相手企業にも驚かれ心配されたので、あまりおすすめはしません」と笑いを交えてコメント。それでも辞退を選んだ理由として「新卒で入社する会社は大切にしたいという思いがあった」と話します。
また、メディア業界は多忙で生活リズムが不規則になりやすいと聞き、自分には合わないと感じたことも一因だったそうです。
「皆さんはしっかり自己分析をして、企業を見るときは働き方まで確認してほしい」と、経験を踏まえて学生にアドバイスしました。

夢は海外で働くこと

再び就活を始めたときの心境について「やるしかないと思って頑張りました」と語ります。
先のことを不安に思う余裕もないほど真剣に取り組んだそうです。そうして出会ったのが良品計画でした。

入社を決めた理由は、海外展開が多いこと。海外拠点も多く「海外で働けるチャンスがあると思った」と話します。
また、無印良品は知名度が高く、人の生活に役立っている実感があることも魅力だったと言います。
現在はレジ業務をはじめ、売り場づくりやアルバイトのシフト作成、勤怠管理など幅広い業務を担当しています。

将来の目標は、やはり海外で働くこと。
そのために大型店での店長経験が推奨されているため、まずはそれを目標に頑張っていると話します。
「良品計画に入って後悔はありません。充実しています」と語り、再度就活に挑戦した選択を前向きに振り返っていました。

考えすぎず、まずは一歩踏み出して

ここで学生たちからも質問を募集。
掲示板形式で集めた質問に、小林さんが回答されました。
「学生時代にやってよかったことは?」という問いには、「語学です。特に第二外国語などは触れる機会が限られ、社会に出てから学ぼうとするとハードルが高い。学生のうちに学べるのは大きいと思います」と答えました。

「就活では行動と熟考のどちらを優先すべきか」という質問には、「通年採用の企業も多く、あとからでもチャンスはあります。良品計画も通年採用でした。早く決めなきゃと焦る必要はないと思います。ただ、行動しないと始まらない。考えすぎて動けないより、まずは説明会に行くなど一歩踏み出すことが大切です」と自身の経験を交えて語りました。

ほかにも就活や現在の働き方について多くの質問が寄せられました。
小林さんは「みなさん就活に不安を感じているのだと思いました。でも私は就活が楽しかった。自分の話ってしっかり聞いてもらえることはなかなかない。でも面接で自分の話が出来るのは貴重な経験でした」と述べ、前向きに臨むことの大切さを伝えました。
学生たちにとって、就活や働く女性像がより身近になった講義となりました。

担当教員からのメッセージ

「お話いただいた100分間とても有意義な時間でした」「実際に働くイメージを掴むことができた。大学時代の経験をきっかけに自分の世界を広げ、その経験を就職活動にも結びつけていた点が印象的」「自分の考えに従い自分の選択に責任を持ち、納得のいく後悔のない道を選ぶ姿勢から強い刺激を受けた」――身近な卒業生の話は、学生たちの心を捉え、講義後の学生からのコメントは、満足感溢れるものでした。自分で実際に見て、触れて、考えたことを大切に、自分の向かいたい方向を持ちながらしなやかに自分らしく生きるという小林さんのお話は、本学科卒業生の姿として誇らしく感じます。学生からの質問にも一問一答、考えながら丁寧に答えてくださり、ありがとうございました。在学生の皆さんにも、ぜひ学生時代に様々な体験をして、自分を広げてほしいと思います。

2024年12月13日

女性がたのしく活躍できる社会をめざそう!サニーサイドアップグループの次原悦子氏をお招きして特別講義が行われました。 

10月21日に「メディアプロデュース論」(担当:生活科学部現代生活学科 行実洋一教授)と「女性社会論b」の合同授業が行われました。株式会社サニーサイドアップグループの代表取締役社長である次原悦子氏をお迎えしての特別講義です。高校生のときから働いて今に至る経緯、PRという仕事のたのしさ、そして女性がもっと活躍していくためにはなど多岐に渡る話題を、ユーモアを交えてお話くださいました。

女子高生で社長に!

PR会社で働いていた母親が独立し、仕事を手伝うよう誘われたことが始まりです。17歳でサニーサイドアップグループの前身となる会社を立ち上げることになり、当時高校生だった次原氏が社長に就任。
「なので、女性起業家!と紹介されることもあるのですが、自分から始めたのとは少し違うんです」と経緯を話されました。
周りの友人たちが大学生活を楽しんでいるのを見て、うらやましいなと思うこともあったそう。
とはいえ「仕事をすることがたのしくて仕方なかった」と言います。「どんな小さな仕事でも世の中に参画しているということが嬉しかったんです」と語りました。

会社は少しずつ大きくなっていき、2008年に上場。今ではグループ全体で450名のメンバーを抱える企業に。
2023年度は過去最高益を記録しています。掲げるスローガンは「たのしいさわぎをおこしたい」。PRの力で人の心を動かし、世の中の空気を変えることで、明るい明日を創り出したいという想いがこめられています。

PR・コミュニケーションの力で人の心を動かす

「私たちはさまざまなニュースの裏にいます」と次原氏。
「ひとりでも多くの生活者にそのモノやコトを知ってもらい、その上でアクションを起こしてもらうことで、世の中の空気を変えること」がPR・コミュニケーションの力だと思います。知ったことにより、欲しい、食べたい、やってみたいと思ってもらうことが大事なのです。
「伝えるだけじゃなく、その人をどう動かすのかを考える仕事」と話しました。

「広告とPRの違いは、伝達の方法」だと言います。
広告は自分で自分たちの商品やサービスをアピールすること。PRは誰か他の人に良さを伝えてもらうことです。
例えばSNSのインフルエンサーや、テレビ番組の特集など、企業が直接働きかけるのではなく、第三者目線で情報を拡散してもらう方法です。
「信頼できる誰かに言われたら信憑性があると感じますよね。情報だけでは人は動かない時代。自ら情報を拡散したくなるようなストーリーを作ることが大事になっています」と語りました。

「PRはアイデア勝負で世の中を大きく変える可能性を持っている」と次原氏。
立ちあげたばかりの会社が小さかったときは、予算がないなかアイデアを出していたと言います。
現在、大企業を相手にするようになってからも、この考えを念頭に仕事をしていると話しました。

女性が活躍することで経済が回る

現在、次原氏は日本経済団体連合会(経団連)のダイバーシティ推進委員会委員長を務められています。
日本企業全体の女性社長の割合は8.3%。上場企業だけでみると0.8%しかいません。
次原氏は「そのうちの一人というのは光栄なことでもあるけれど、海外からみるとジョークを越えてホラーと言われます」とユーモアを交えて表現されました。

次原氏は、購買を決定する割合は女性が7割と言われていることを紹介し、女性が活躍することで経済が動くことを強調されました。
経団連は、2030年までに日本企業の役員に占める女性比率を30%以上にすることを目標に掲げています。
次原氏は「イギリスの大学教授に、女性役員30%をクリアしている会社は確実に成長していると言われました。感情だけが理由ではない、データサイエンスなんだよ、と」と語りました。

働く女性としての「失敗」

上場企業の女性社長として活躍する次原氏は、周りの女性社員を勇気づけるためにも、熱心に仕事に励んでいたと語ります。
しかし「大きな失敗」も経験されました。
2人の子どもを持つ次原氏ですが、一人目の出産は当日まで出社し働いて、2日後には病室でミーティング、その2週間後には完全復帰。海外出張に行ったりと慌ただしく過ごしていたと言います。

妊娠や出産を経ても仕事と両立できることをと示したかったからですが、女性社員は「あなたのようになりたくない」と会社を離れてしまいました。
大変ショックを覚えたと話します。
「頑張っているところを見せるのではなく、それぞれ違うライフステージにいる女性誰もが、働きやすい環境を作らないとと思い直しました」そこでさまざまな福利厚生や制度を整備。
現在は女性が働きやすい会社として世界的にも評価が広まっています。

熱意を持ってアクションを起こそう

講義の最後には質疑応答が行われました。
「結婚した際に苗字を変えることに疑問を感じましたか」という質問には「当時は抵抗なかったのですが、会社が大きくなるにつれビジネスの名前と本名が違うとで不便なことが多かったのは事実。」と自身の経験を話され、選択的夫婦別姓への議論が進むことを望まれました。
また「若い女性であるがゆえに、時に正当に評価されないことがあるかもしれませんが、ビジネスの場でどのように信頼を得てきましたか」という質問には、「人は頼られることが嬉しい。若い子が熱意をもってアクションを起こす姿を見ると応援したくなるもの。みんなも思いがあれば、アクションを起こしてみてください。きっと誠意を持って力になってくれる大人たちとつながれると思います」とエールを送りました。

担当教員のメッセージ

以前からテレビや新聞・雑誌といったメディア業界でしばしば耳にし、話題となってきた会社が「サニーサイドアップグループ」です。いわゆる大手広告代理店とはひと味違った、「クレバー」なPR・コミュニケーション手法を展開する会社として、かなりの注目を集めてきました。
今回、その会社のトップのお話をお聞きして、その訳が分かり納得しました。
卓越した女性経営者ならではの視点や、真摯でユニークな物事への取り組み、そして人間味ある経営方針などが、そうしたオリジナルな良さを生み出していたのだと改めて感じさせられました。
学生の皆さんからすれば、次原社長は遙か遠い星かもしれませんが、将来を照らす希望の星だと思って、多くを学んで欲しい講演でした。