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2025年6月13日

離島の課題を解決する企画とは?「実践プロジェクトa」の授業で近畿日本ツーリストに出された課題への最終プレゼンが行われました。

実践プロジェクトa(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)で、5月23日(金)に近畿日本ツーリスト株式会社とのコラボ授業が行われました。企業から出された課題に対しプレゼンテーションをするこの授業。課題は「東京諸島の課題にパートナー企業と連携してブレークスルーを起こせ!」。この日は中間発表を経ていよいよ最終プレゼンを行います。学生たちは緊張しながらも、練りに練った提案を、自信をもって発表していました。

自然の美しさをどう使う?

企業側からは近畿日本ツーリストの橘清志氏と小宮めぐみ氏のほか、東京諸島観光連盟の小出詩織氏も来校。
プレゼンテーションは各班7分です。発表後は、企業のみなさんから直接フィードバックをいただきます。

トップバッターは小笠原諸島チームから。
「心のデトックスと新たな自分の発見」と題し、心と体の健康になる旅を企画。体重計メーカーとコラボし、島の特産品を使った食事メニューを開発します。
小笠原諸島に行くには24時間かかるフェリーでしかアクセスできない環境を利用して、デジタルデトックスとダイエットを体験できる6日間のツアーを行うと説明しました。

次は神津島チーム。
この島の魅力と言えば、星空保護区に認定されたほどの美しい夜空と自然です。
そこで「壊さない旅始めよう」をテーマに、自然派コスメブランドやグランピング施設とコラボを提案。企業として自然保護を大事にしている会社をピックアップしました。
木を傷つけずに設営できるツリーハウスで宿泊してアスレチックで遊び、ハンモックで夜空を楽しめるというまさに自然を体感できるツアーです。
発表後、小宮氏は「壊さない旅というコンセプトは島民にもささるのでは」と評価。
橘氏も「島の特徴であるエコをしっかりとらえ、うまくビジュアル化していました」と感想を話しました。

若者に人気なコンテンツで人を集めよう!

3番手は新島チームです。
若者と島をつなぐ新しいフェスの形として、「NEW FES」を企画。大型イベント運営会社とタッグを組み、Z世代をターゲットにした音楽イベントを開催します。
新島が年中温かいことに目を付け、冬の11、12月に行うことで他のイベントと差別化。
小規模ですが、アーティストとの距離が近いことも売り。島全体に会場やアクティビティをちりばめ、島全体を回ってもらえるような工夫をします。

4番目は三宅島チーム。
人気ゲームとのコラボレーションを提案しました。ゲームのステージのなかに三宅島を出し、PRに繋げます。
ゲームをきっかけに三宅島に来た観光客向けに、コラボ商品やゲームの限定アイテムを配布するとしました。ARも活用し、キャラクターと写真を撮れるなど仕組みなども作成。
新たな顧客層の開拓を狙います。
橘氏は「ARの紹介などプレゼンの中にも工夫があった」と感心されました。

持続可能な企画にするために

続いては八丈島チームです。
島民と島外の人の新たなつながりを創ろうと、「浜辺結婚式」を企画。挙式サービス事業の会社とコラボして、八丈島でのウェディングプランを提供するとしました。
島民にも出し物や飾り付けの協力を依頼しつながりを創ります。また、八丈島の名産・黄八丈の生産会社との連携。島内の企業にも仕事が発生するように考えました。
橘氏は「中間発表からブラッシュアップされていた。島の連携企業を入れてくれたのも良かったですね」と評価されました。

最後は伊豆大島チーム。
「大島島民になってみよう」をコンセプトに、親子三世代にそろって来島してもらう企画を考えました。
菓子製造企業の工場やホテルを誘致し、地熱発電を使った温水プールやサウナを展開。高齢者だけでなく、若者にも来てもらえるようなイベントを提案しました。
小宮氏からは「拡大可能性がある。さらに細かく練っていくととてもいい企画になりそうです」と褒められました。

もっと島について知ってほしい

発表が終わると橘氏と小宮氏は審査へ。
その間に東京諸島観光連盟の小出氏からもコメントをいただきました。
「どの班も新しいアイデアがありました。それぞれの島の課題は、私たちも考えていることと同じことを気づいてくれているなと思いました」と学生たちの発表に感心された様子でした。
「みなさんこの課題に取り組むときは島のことは知らなかったと思います。私も大学生のときは全然知らなかった」と、リゾートバイトをきっかけに島に関心を持っていくようになったと話しました。
「皆さんも今回をきっかけにもっと島のことを知ってもらえると嬉しいと思います」と話されました。

チームワークや「掛け算」の楽しさを知る

そしていよいよ優秀賞の発表です。
発表の前に橘氏は「今回の課題はとても難しいテーマで大変だったと思います」と学生たちの頑張りをねぎらいました。
「企業と地域を組み合わせることで、ひとつではできない掛け算の楽しさを感じてもらえていたらと思います」と語り、「社会人になると知らないことは欠点になりますが、学生のうちはまだ知らないと言える強みでもある。どんどん知らないことに興味を持って、引き出しを増やしていってください」と話されました。

優秀賞は三宅島チーム、2位は八丈島チームがそれぞれ受賞。
橘氏直筆の絵の入った賞状もいただき、学生たちも和んだ表情になっていました。
八丈島チームの学生は「中間発表から練り直すのが大変でしたが、頑張って良かった。楽しかったです」とコメント。
三宅島チームの学生も「チームのみんながたくさん準備してくれたので、選ばれて嬉しいです」とほっとした顔で話しました。

企業さながらのプレゼンテーションを経て、学生たちもさまざまに成長した授業となりました。

担当教員からのメッセージ

1年生に対象を絞って行われている「実践プロジェクトa」も、今年は6年目を迎えます。近畿日本ツーリスト様には、本講座スタートから継続してご支援いただいています。毎年、テーマも変えていただき、1年生が真剣に取り組んでいる授業です。この授業がきっかけで、その後、様々な活動に参画する学生が拡大しており、この講座の狙いである「主体性」が磨かれていることを実感します。

また、本学の講座には、過去履修してくれた学生たちがSAとして参加してくれており、自身の経験を通じて後輩へのアドバイスも行ってくれています。コラボいただいている企業、先輩、そして履修している学生が一体となって展開している講座は、年々グレードアップされており、本授業を履修している学生の成長には凄まじいものがあります。毎年ご支援いただいている近畿日本ツーリストの橘さん、小宮さんには、心から感謝申し上げます。

2025年6月6日

「たった一杯で幸せになるコーヒー屋」とは?「演習Ⅱa」の授業で猿田彦珈琲とのコラボがスタートしました。

企業から直接課題が出され課題解決に取り組む、学生たちに人気の社会連携授業。4月30日の「演習Ⅱa」(Lクラス担当:人間社会学部ビジネス社会学科 篠﨑香織教授)の授業で、猿田彦珈琲との特別コラボが始まりました。代表取締役の大塚朝之氏からコーヒー店を立ち上げた思いなどお話を伺いました。授業の最後には学生たちに課題が出され、後日グループでプレゼンテーションに挑みます。

じぶんごとに捉えて取り組もう

授業の冒頭には、篠﨑先生からこの授業にかける熱い思いが。猿田彦珈琲を知ろうとフィールドワークをするうち、どんどん好きになり広島の店舗まで回るほどのファンになったと告白されました。
自分の体験を踏まえた上で、学生たちに「今回の課題をぜひ『じぶんごと』として取り組んでください」と強調。ただの課題と思わず、自分に引きつけて考えることの大切さを伝えました。

そして猿田彦珈琲創設者の大塚氏が登壇。学生たちの手元にはコーヒーが配られ、リラックスした雰囲気で講義は始まります。
大塚氏は「たった一杯で幸せになるコーヒー屋」をコンセプトに猿田彦珈琲を創設した経緯について話し始めました。

良いモノを作るためサスティナビリティを考える

猿田彦珈琲はスペシャルティコーヒーの専門店。2011年6月に恵比寿でオープンしたのが始まりです。
スペシャルティコーヒーとは、風味豊かで個性的な味わいのあるコーヒーのこと。検査で高得点を付けたコーヒーだけが名乗れるもので、全体の5%ほどしかないと言われています。
そしてもうひとつの基準はトレーサビリティがしっかりしているものであること。トレーサビリティとは「その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」が明確なことです。コーヒー豆の栽培管理から収穫、選別などまで徹底して品質を管理された厳選されたものだけがスペシャルティコーヒーを名乗れるのです。
大塚氏は「サスティナビリティがあることも大事。生産者に安定してお金が入れば設備を整えより良い環境でコーヒー豆を生産できます。現在気候変動によりどんどんコーヒー農園がなくなっている。」と話しました。

大塚氏は学生たちに、配られたホットコーヒーを飲んでみるよう勧めました。
そして「苦いですか?すっぱいですか?」と問いかけます。
苦みよりもほのかな酸味を感じる学生が多数。
大塚氏は頷いて「このコーヒーはベリーのような酸味がありますよね。いいコーヒーであればあるほどコーヒー以外の様々フレーバーを感じるんです」と話しました。

コーヒーに救われた青年時代

大塚氏は若いころ俳優として活動されていました。毎日のようにオーディションに行くも、落とされたり受かっても次の仕事をすぐに探したりせねばならない日々。
「お金もなく本当につらかった」と言います。
ついにはふさぎ込み、人とのコミュニケーションをうまく取れなくなってしまいました。

コーヒーに出会ったのはそのころ。
たまたま寄った有名コーヒーチェーン店で、店員から気さくに話しかけられ、居心地よい空間にとても安心しリラックスできたと話します。
その後、俳優の道を諦める決心を固めた頃に友人からコーヒー豆店で働かないかと声をかけられ、コーヒーに魅了されていきます。美味しいコーヒーの淹れ方を実演販売することで売上を格段に伸ばし、自信も深めていきました。
コーヒー店に救われた経験から、自分でも美味しいコーヒーを提供したいという思いを実現するため独立し、猿田彦珈琲を立ち上げたのです。

やりたいことを言語化し周囲に伝えよう

恵比寿店をオープンしたあと、2014年には清涼飲料メーカーから声がかかり缶コーヒーの監修を手掛けます。商品は大ヒットし、現在もペットボトルコーヒーや美術展とのコラボなど幅広く事業を展開しています。
店員からはバリスタ大会のチャンピオンを輩出するなど、コーヒー専門店としてゆるぎない信頼を得るようになりました。

缶コーヒーを手掛けた際、業界からは批判もあったといいます。大塚氏も迷いがあったと告白されました。
しかし、手掛けたことで店は有名になり、融資を受けることにもつながります。
大塚氏は「やりたいことへの純粋さとお金のバランスを両立させることが大事」と話し、一生懸命やることの大切さと、それを周囲に伝えるために言語化することを伝えました。「自分が究極なにをやりたいのか、それを伝えて利他的に行動すれば周りは応援してくれます」と話しました。

猿田彦珈琲のファンになってもらうSNSの投稿とは?

授業の最後にいよいよ課題の発表です。課題は「猿田彦珈琲のSNSについて考えよう」。ターゲットは20代。
猿田彦珈琲との距離を縮め、長期的にファンになってもらえる投稿を提案します。良い発表案は実際に公式アカウントで採用される可能性も。
学生たちはそれぞれInstagramとXを担当する班に分かれ、グループワークを重ねて1か月後の発表に臨みます。

担当教員よりメッセージ

猿田彦珈琲“推し活”中の篠﨑です。
猿田彦珈琲の存在は以前から知っていましたが、私の生活圏に店舗がなかったこともあり、実際にお店に足を運んだのは、この連携授業を担当することになってからでした。

もともと珈琲に強いこだわりがあり、「美味しい珈琲を提供するカフェ」という印象を持っていたため、店舗でいただく珈琲の満足度は非常に高く、今では自宅で飲む珈琲も猿田彦珈琲社のものに変わりました。

私自身の例のように、「良いもの」が必ずしも選ばれるとは限りませんが、何かのきっかけで状況が一変することがあります。SNSは、その“きっかけ”になり得るのでしょうか。

当該授業の履修学生は、6チームに分かれてInstagramあるいはXを用いた投稿案の検討に取り組んでいます。現在は、猿田彦珈琲社がこれまでに行ってきたInstagramやXでの投稿内容やその手法について考察し、特徴を把握する段階まで進んでいます。今後は、猿田彦珈琲 道玄坂店でのフィールドワークを経て、中間発表に臨む予定です。女子大生ならではの視点と分析力に基づく提案が、大きなうねりとなって広がっていくことを、私自身とても楽しみにしています。

連携授業の初回には、大塚社長をはじめ、播田様(取締役 フード&ビバレッジ クリエイティブディレクター)、田岡様(マーケティングディレクター)、平岡様(広報)、上田様(マーケティンググループ)をお迎えしました。
 ご多忙の中、本学までお越しくださいまして、誠にありがとうございました。
 また、冷たいカフェラテと温かいエチオピアコーヒーをご提供いただき、重ねて御礼申し上げます。

2025年5月21日

2025年度「実践プロジェクトa」で近畿日本ツーリストの課題への中間プレゼンが行われました

5月9日(金)に実践プロジェクトa(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)で近畿日本ツーリスト様とのコラボ授業が行われました。今回は、提示された課題に対する中間発表が実施されました。中間発表後は各グループに丁寧なフィードバックをいただきました。

「実践プロジェクトa」

この授業は前半後半にわたり2社の企業とコラボし、提示された課題に対してグループワークで答えを出し、プレゼンテーションを行う内容。学部学科を問わず一年生から受講することができ、実際に企業が認識している課題をグループワークのテーマとして提示いただき、実際の社員の立場を疑似体験する極めてリアリティの高い内容が特徴です。

今年の前半のコラボ企業は近畿日本ツーリスト様。地域活性化・課題解決を担う旅行会社の社員として、東京諸島の個性豊かな地域資源と各島が抱える地域課題を、自分たちで考えたパートナー企業のサービスを組み合わせて、新しい顧客体験や課題を解決する企画を考えます。

提示されたお題は「東京諸島の課題にパートナー企業と連携してブレークスルーを起こせ!」です。

今回の中間発表は、授業として初めてのグループワークの成果を発表する機会。プレゼンテーションのあとは、課題をいただいた社員の方から直接フィードバックをいただきます。

学生は6つのグループに分かれ、2週にわたってワークを行いました。

島をもっと良くしていくためには?

発表のトップバッターは新島チーム。新島の抱える問題点を分析し「知名度」と「高齢化」に焦点を当て、Z世代をターゲットにした音楽フェス「ニューアイランド」を提案。「海と音楽による非日常体験」をコンセプトに掲げ、海岸でのライブやプロジェクションマッピングを企画しました。SNSでの拡散を狙い、若者の来島を促進することで、新島の知名度向上と観光客増加を目指す内容となっており、具体的な方策として抽選でドリンクチケットが当選する「SNS投稿キャンペーン」が提案されました。

2番目は三宅島チーム。三宅島の抱える「少子高齢化」と「設備維持」の問題解決には「認知度の向上」と「経済活性化」が必要とし、三宅島と人気ゲームとのコラボレーションを提案しました。この人気ゲームは、離島を舞台にしたライフシュミレーションゲーム。ゲームと現実の離島コラボという話題性を狙います。具体的なコラボレーション施策として、ファミリー層向けの自然体験ツアーと限定コラボグッズの販売を企画。実際のゲーム画面を動画で編集しプレゼンテーションに組み込みながら、新たな顧客層の開拓を狙います。

本当に行きたくなるプレゼン

3番目は八丈島チーム。「島の活性化」をおおまかな問題点としてあげ、「知名度向上」「経済活性化」を解決すべき問題としました。そして、Z世代をターゲットに設定し、高校生の恋愛リアリティ番組とのコラボと、オリジナルTシャツの制作を提案しました。この番組は「運命の恋と青春の修学旅行」がコンセプト。離島旅行と修学旅行を重ね、八丈島でロケーション撮影を提案。番組視聴者層への知名度向上を狙います。さらに、番組とコラボした限定オリジナルグッズを販売することで、「SNS映え」の心理をくすぐり「経済活性化」につながると提起。実際にロケ地とコラボしたグッズを販売した例をあげ、期待される経済効果を説明しました。

4番目は伊豆大島チーム。「観光客・宿泊客の減少」を課題にあげ、有名スイーツ店とのコラボレーションによる特産品開発と、ホテルとの業務提携による宿泊プランを提案しました。この企業を選んだ理由は「伊豆大島に甘いものを売っている場所がすくない」こと、「経営理念に自然を生かすことがある」ことの2点。企業にとってもイメージアップや認知度向上につながるとし、コラボする企業の必然性を説明しました。特産品開発として島の特産である大島牛乳を使用したプリンを、宿泊プランとして星空観測とスイーツ食べ放題を組み合わせた内容を提案しました。宿泊プランは、親子三代で楽しめる内容にすることで、若い子供連れやその親世代まで幅広い年齢層に認知してもらうことを狙います。また、宿泊施設で生活の類似体験をしてもらうことで、将来的な移住につなげることも提案されました。

ならではの要素

5番目は小笠原諸島チーム。「島と本州の人に継続的なつながりがないこと」「移動に24時間かかること」「コンビニやファストフード店がないこと」を問題点にあげ、島内でのダイエットプログラムを提案し、旅行会社との連携により、健康と観光を組み合わせた新しいプランを提案しました。提携する旅行会社は「旅で幸せになる人が増えること」を企業理念に据えた企業を提案しました。理由として旅で人生が豊かになる仕組みを創りたいと考えている理念と、今回の提案プラン内容の一致を説明しました。今回の24時間かかるフェリーでしかアクセスできない環境を利用し、参加者が逃げられない状況を作り出すことでダイエットと向き合う時間を確保するという、問題点を逆手に取ったユニークな提案。島でのアクティビティとして島民との農作業体験を取り入れ、カロリー消費と共に島民との交流を狙います。

最後は神津島チーム。豊かな自然の中でも星空保護区に指定された夜空に焦点を当て、グランピング施設の展開と自然派コスメブランドとのコラボレーションにより、都市生活で疲れた人々への癒しの提供を提案しました。液晶画面の眺めすぎによる眼精疲労や、デスクワークによる肩こりなど現代社会人ならではの悩みを、グランピングで味わえる手軽な非日常感と神津島の自然とのふれあいを通じて癒してもらうことを狙っています。さらに、自然派コスメブランドとコラボレーションし、神津島名産のパッションフルーツを使用した商品開発を行いブランドの店舗でPRすることで、集客効果を高めたいと考えています。 

よりよくしていくためには

中間発表終了後、近畿日本ツーリストの橘氏からアドバイスの記載された資料が配布されました。「皆さんが考えている企画自体もダイヤモンドの原石なので、どんどんブラッシュアップしていってもらいたいなと思っています」と語られたのち、全体に向かって改善点をアドバイス。「島の価値、中で生活している人のことも想像してみて」「自分がそのコラボする企業のプロジェクトマネージャーや企画の担当者だったらどうかなっていう目線をもっと考えて欲しい」「スピーチではなく、相手へのプレゼンテーションを意識した発表に」と、三つの要点と具体的な改善方法・調査方法を提示されました。

その後発表順に各グループのテーブルを回り、発表内容のフィードバックがありました。ひとつひとつ細かく丁寧なフィードバックに対し、学生も質問を重ね、有意義な時間となりました。

中間発表から二週間後の5月23日には最終プレゼンテーションが行われる予定です。

担当教員からのメッセージ

キャリア教育の中でも初年次教育として実施している「実践プロジェクトa」
今年も多くの履修希望者の中から34名の1年生が挑戦してくれています。
さらに今年度は、科目等履修生として、実践女子学園高等学校の3年生2名も加わり、
総勢36名での授業がスタートしました。
ご支援いただく企業様は、今年も、近畿日本ツーリスト様とサントリーホールディングス様です。
早速、近畿日本ツーリスト様からのお題が提示されました。今年は、さらにハードルの高い課題が
提示されています。
大学1年生が、いきなり社会人1年生の立場で、企業のリアルな課題解決にチャレンジします。
今年も、アウトプットがとても楽しみです。
なお、本講座は、一般社団法人フューチャースキルズプロジェクト研究会が、バックアップしています。

2025年4月8日

京都市と「Jミッション」を実施しました!

 本学では、低学年向けキャリア支援を強化すべく、2019年度より企業や自治体との産学連携プログラム「Jミッション」を実施しています。本取り組みは、大学1年生・2年生を対象に「良質な経験・学修の場」を提供することで、学びに対する意欲や自己肯定感の向上を目的としております。学生だけで構成されたチームで、企業や自治体からのミッション(課題)に取り組み、最終的には企業担当者の前で発表を行います。今回は、2019年に本学との連携協定を締結した京都市様のご協力のもと、首都圏で感じられる「京都らしさ」を発掘し、TikTokでPR動画の作成を行いました。

実践女子大学×京都市(2025年2月~3月実施)

 初日のキックオフでは、京都市様から京都市の紹介や若者の観光客が少ないといった課題について説明していただきました。また、都内には京都の伝統工芸品や和菓子を扱うお店、京都出身の方がオーナーを務めるお店など京都にゆかりのあるサポーターショップが100件以上あるとの説明がありました。その後、各チームは取材を担当するサポーターショップを決めるドラフト会議を行いました。
 2日目は、企業や自治体のブランディング動画やプロモーション動画の制作を手掛ける、シェイクトーキョー株式会社の代表取締役汐田様より、動画作成に関する講義をしていただきました。TikTokの特徴や検索アルゴリズムのお話など、戦略的に視聴数を稼ぐためのコツをプロの視点で解説いただきました。
 2日目終了以降、各チームサポートショップへのアポ取り、現地取材、素材撮影を行い、中間発表に向けて動画作成を行いました。
 3日目の中間発表では、各チーム作成した動画を京都市様、汐田様に向けてプレゼンしました。汐田様からは、「ここから1週間でクリエイティブジャンプを起こしそうなチームが多く、完成形が楽しみ」というご講評をいただきました。

 最終発表では、中間発表でのフィードバックを参考に各チームがブラッシュアップした動画のプレゼンを行いました。生菓子実演が見学できる和菓子店や金継ぎ・茶道が体験できるお店、都内の神社の紹介など、どのチームも京都が存分に感じられる動画に仕上がっていました。映像はもちろん、テキストの入れ方や、音声の入れ方など細部にまでこだわったクオリティの高い動画ばかりでした。
 審査は難航しましたが、京都市様から最優秀賞の発表があり、チーム「うめとしゃけ」が見事最優秀賞に輝きました。
 このチームは、京都市出身のオーナーが経営する鉄板居酒屋を動画内で紹介し、食事ではなくオーナーの人柄に焦点をあてた動画が高く評価されました。

 都内で開催された「高輪桜まつり2025」の京都の伝統工芸ワークショップ会場内で学生が作成した動画が放映されました! また、最優秀チームは京都市公式TikTokアカウントに動画が投稿される予定です。

【参加学生の声】

・ミッションを通して、チームで協力しながら動画作成やパワーポイントの制作、訪問などを行い、チームワークの大切さを実感しました。また、発表に向けて分かりやすく伝える工夫をしたことでプレゼンテーション力が向上し、訪問や準備の過程で予想外の修正点が出た際には、チームで話し合いながら柔軟に対応することで、課題解決力も身についたと感じています。

・このミッションを通じて大きく自己成長することが出来たと感じました。まず、コンセプトを作り上げ、全体的なテーマを具体的なコンテンツに落とし込む力などの企画力から、分析して伝える力など様々な力をつけ成長に繋げられました。

・アポ取りや動画制作という今までやったことがないことに挑戦させていただいて、動画1本を作るのにたくさんの時間と労力をかけていることが改めて理解できました。ひとつのことに対して掘り下げる力というのは全体を通して身についたと思います。

2025年2月14日

女子大生に流行るキャラクターをつくろう!現代生活学科の授業で株式会社クロス・マーケティンググループ、株式会社トキオ・ゲッツとのコラボ授業が行われました。

現代生活学科の授業ビジネスプランニング(担当:上野亮助教、倉持一准教授)で株式会社クロス・マーケティンググループとグループ企業の株式会社トキオ・ゲッツとのコラボ授業が行われました。「女子大生に好まれるキャラクター作り」をテーマに、班に分かれてグループワーク。コンセプトを一から考え、イメージ画像まで作成しました。2クラスに分かれて行われたプレゼンテーションの様子をご紹介します。

自社オリジナルのキャラクターを考えよう!

株式会社トキオ・ゲッツは、IPを活用した企業プロモーションや商品の企画開発、イベント企画などを行う会社で、主に他企業や作品とのコラボやタイアップを専門に手掛けています。
事業を拡大させていくにあたり、自社のオリジナルキャラクターを作成し商品化を展開していきたいと考えており、学生たちへの課題となりました。

テーマは「女子大生に好まれそうな新しいキャラクターとそれを活用した商品展開」です。
学生たちは9班に分かれ、それぞれグループワークを開始。
市場分析からキャラクターのコンセプトを考え、キャラクター名や画像を創作します。PRに使用するSNSにどういった内容を投稿するかや、どのような商品を売り出していくのかまで細かく考えました。
プレゼンテーションは、クロス・マーケティンググループの日下部将氏や、トキオ・ゲッツ代表の小笠原亨氏を始め、企業の皆様もリモートで参加されました。

キャラと一緒に推し活をしよう

上野先生のクラスは1班から5班が発表を行いました。

1班は推し活の写真撮影の際に映りこませられるキャラクターを考案。
与件整理から動物モチーフのキャラが人気であると分析し、イリナキウサギをモチーフに「イリぴぃー」を作り上げました。ふわふわでまんまるな目がかわいい癒し系です。
トレーディングカバーの収納フレームや缶バッチケースなどで商品展開を考えています。
発表後の質疑応答では、「キャラクターを細かく作りこまれている。イリナキウサギというモチーフは珍しいですが、元々知っていた?」と質問され、学生は「かわいい動物で、まだキャラクターになっていないものを探しました」と、一からリサーチしたことを回答しました。

2班はカフェやアニメが好きな女子大生向けにキャラクターを作成。
女子大生は週一以上カフェに行く人が多いというデータや、人気のアニメキャラを分析。「ビタベル」と「シュガリーナ」というカフェの女子店員を提案しました。
SNSではキャラクターから接客を受けているような動画や、チャット機能を使ってユーザーの悩みを相談したり雑談したりできる展開を考えています。
質問で「女性がターゲットで、なぜ男性キャラではなく女性にしたのですか?」と聞かれ、「女子大生はカッコいい女性への憧れがあり、共感を呼ぶと考えました」と答えていました。

キャラクターも成長するアプリ

次の3班は推しと共に成長するキャラクターを提案しました。
独自で女子大生へアンケートを取った結果、推しに抱く感情の1位は「かわいい」だと判明。そこで赤ちゃんをモチーフにしたキャラクター「ベベたん」を考案しました。
キャラクター育成ゲームと推し活機能を兼ね備えたアプリを作成し、アプリを使うことでキャラクターがしゃべったり食事を出来るようになったり成長する機能を付けます。
企業の方からは「独自でアンケートを取っていたのがいい。私たちが普段やっている方法に近いですね」と感心されました。

4班は励ましてくれるパートナーとしてのキャラクター。
かわいいだけではなく、インパクトのあるキャラクターを目指しちょっとキモカワのウサギとリス、「オン」「オフ」を考案しました。お互いに悩みを相談し励ましあう動画をSNSで流し、LINEスタンプを展開するとしました。
発表後の感想で「LINEスタンプとの相性はすごくいいと思いました。よく考えられている」「ロジックが緻密でよくできている企画でした」とお褒めの言葉が聞かれました。

5班はまず既存の人気キャラクターを分析。
かわいいというビジュアルだけでなく、癒されるといった内面的要素も大事だと説明しました。作ったのはブルーチーズの妖精「ぶるちぃ」。
可愛らしい外見ですが、毒舌でネガティブ。そして落ち込むとカビが増えるという特徴を考えました。人気のキャラクターに動物モチーフが多かったため、あえて食べ物をモチーフでキャラクターを作成。
ブルーチーズはカビが生えていて、臭いが強いというマイナス面があることから、キャラクターの性格に結び付けました。

女子大生の共感を得るキャラとは

倉持先生のクラスでは6班から9班が発表しました。
6班は合言葉を「省エネライフ」として、ナマケモノをモチーフにした「ノロちゃん」を考えました。
きらきらした日常を演じていますが実はメイクやおしゃれは面倒、という性格で女子大生の共感を呼ぶことを狙います。SNSではノロちゃんが部屋でぐうたらしている動画を展開。
さらにバスボムや食器スポンジなど、面倒臭くなりがちなお風呂や家事が楽しくなるような商品を出していきます。
発表後は企業の方から「しっかりコンセプトも考えられていた。商品展開までストーリーがつながっていました」と感心されました。

7班はカプセルトイで観葉植物の植木鉢や机に置けるフィギュア展開から発展。地球外生命体で一つ目のうさぎ「もののん」を考えました。
質疑応答で「なぜ一つ目なのですか?」と聞かれ、一人の学生がマイクを持ちました。
「実は、私が5歳のときに考えたキャラクターです。目をハートの形で作りたかったので、一つ目にしました」と回答すると、「そんな愛着のあるキャラクターなのですね」と企業の方も笑顔に。

女子大生の日常に寄り添う

続いての8班はキャラクターを考えるなかで、女子大生は情緒が不安定なときもあると考え、ネガティブな気持ちに寄り添うコンセプトに定めました。
フェネックをモデルにした丸くて小柄なふんわりした「ペソ」を作成しました。SNSでショートアニメを配信したり、落ち込んだユーザーを肯定するようなポエムを投稿したりすることで訴求します。
企業の方からは「商品展開案がとてもまとめられていて分かりやすかったです」と感想がありました。

最後の9班は「ときめきと季節」をテーマにキャラクターを4体作成。四季をテーマに、うさぎの「こはる」、猫の「なぎさ」、ヒツジの「あかね」、熊の「こぐま」を考えました。
女子大生は恋愛や趣味、美容などの会話で盛り上がることをデータから分析し、話題にしやすく日常に溶け込むキャラクターにしたのです。キャラクター同士で恋愛や趣味の話をする4コマまんがやアニメーションをSNSで発信。
季節モノの商品とコラボし、カレンダーやマフラー、文房具などの商品展開を考えています。また、オーディション番組が若者に人気であることをヒントに、グッズを買うことで投票できる仕組みなども提案しました。
発表後には「商品展開の戦略に実現味があり、マーケターがいるのかと思うほど作りこまれていました」と企業の方も感心されました。

全班の発表後、企業の皆様から総括をいただきました。
日下部氏は「素敵な発表をありがとうございました。それぞれの班で別々の魅力がありました」と学生たちの頑張りをねぎらわれました。
「女子大生は推し活のほか、日常への共感が必要なのだと分かりました。マーケティングに活かせたらと思います」と話されたあと、「緊張したと思いますが、アイデアを考え資料にまとめて発表するというのが社会人になると増えていきます。今後も頑張って行ってください」と学生たちにエールを送りました。

担当教員よりメッセージ

2022年度より開始した、株式会社クロス・マーケティンググループの皆様とのコラボ授業
も3年目となりました。今年度の授業では、株式会社クロス・マーケティンググループに
加え、株式会社トキオ・ゲッツのご協力のもと、新しいキャラクターを考案し、そのキャ
ラクターを活用した、商品企画も考えるという課題に取り組みました。キャラクターを考
えるだけでなく、それをビジネスとして実現する方法まで考える。そして、その内容を企
業の方たちに対し、プレゼンするのは大変だったはずです。しかし、大変だった分だけ、
その経験は大きな学修成果となります。今回、経験した内容は実際に社会に出た後も活か
せる内容です。学生達にはこれからの学修活動にも、この貴重な経験を活かした活躍をし
てもらえればと思います。最後になりますが、この度はこのような貴重な機会を頂きまし
た、株式会社クロス・マーケティンググループ、株式会社トキオ・ゲッツの皆様に、この
場を借りてお礼を申し上げます。

2025年2月3日

冬休みにはこれがおすすめ!ゼミ「演習ⅡB」でサイバーエージェントの川越氏をお迎えしてプレゼンテーションが行われました。

12月24日に「演習ⅡB」(担当:人間社会学部人間社会学科 粟津 俊二教授)のゼミでプレゼンテーションが行われました。テーマは「これから迎える冬の休暇におすすめの活動、遊びを紹介する」。学生たちはグループに分かれ資料を作成。株式会社サイバーエージェントの川越寛之氏をゲストに迎え、行われた発表の様子をご紹介します。

自然巡りでリラックス

最初はD班から。
自然がストレスを軽減するという先行研究を調べ紹介。
例えば自然の音には、人間が一番心地よく感じられる「1/fゆらぎ」があり自律神経が整うことなど、自然でリラックスできるのは科学的にも明らかであると伝えました。
この冬オススメの場所としては白川郷と箱根をピックアップ。特に箱根は都心からアクセスが良く、山や湖、温泉など自然が豊富なのでぜひ行ってみてほしいと紹介しました。

各班の発表後には川越氏からコメントをいただきました。
「たくさん要素を集めていて、会話がたくさん生まれそうな内容でした。もっとアピールする点をしぼっても良かったです」とアドバイスも交えて感想を下さいました。

体験×LUUP

次のB班はみんなでLUUPに乗った体験の動画から発表をはじめました。
LUUPとは電動キックボードのシェアサービス。
短距離移動用の乗り物として浸透してきましたが、LUUPを遊びに使うことでいつもと違った景色が見られ、非日常さを感じられるとアピールしました。おすすめとして目黒川沿いをLUUPで移動しながらお店巡りをするコースを紹介し、体験の良さを伝えます。

LUUPを「しょっちゅう使います」と言う川越さんは、「知りたい情報が全部入っていた。入りの動画も掴みとしてとても良かった」と感心したコメント。
「LUUPだからこそできる、というところがもっとあれば」と改善点も伝えました。

行こう!サウナ・岩盤浴へ!

A班は一見分かりづらいサウナと岩盤浴の違いを解説し、自分のニーズの合う方を楽しむことを提案。
どちらも体を温める施設ですが、サウナは蒸し風呂。リフレッシュ、疲労回復に向いており、低血圧やスポーツする人におすすめです。岩盤浴は石の遠赤外線を利用し時間をかけて体を温めるもの。リラックスでき冷え性改善に効果があります。
最後にサウナと岩盤浴のそれぞれおすすめの施設を紹介。メンバーが通っている施設も紹介しました。

発表後、川越氏は「なぜどちらかにせず2つ紹介したんでしょうか」と質問。
学生は「メンバーにサウナ派と岩盤浴派がいて、なにが違うんだろうという疑問から始まった」と回答しました。
川越氏は「それならいっそ対決型にしたら、もっと面白く解像度の高い発表になったかも」と、内容はそのままでも、さらにブラッシュアップできると伝えました。

おうち映画館はじめませんか?

E班はまず、教室の電気を消し全員にお菓子を配ります。
提案は、自宅で映画館のような環境を作って映画を楽しむこと。
プロジェクターや良いスピーカーなどがなくても、部屋を暗くしてスマホを切り、お菓子と共に楽しむだけでも雰囲気を楽しめるとアピール。ポップコーン、チョコ、スナック菓子などお菓子別におすすめ映画を紹介し、最後に1分ほどの短篇映画を流し「配ったお菓子を食べながら楽しんでください」と気分を盛り上げました。
川越氏は「取り上げているテーマがすごくいい。電気を消すなども良い演出でした」と褒められました。

四国自然旅

最後はC班。
自然を楽しめる場所として、離島を紹介しました。そのなかでも温暖でSNS映えする離島が多い四国をピックアップ。
四国はアクセスが悪いと思われがちですが、神戸や大阪など地方都市も近く足を伸ばすのも良いとアピールします。アートの直島、グルメの小豆島などアクティビティを紹介しました。

川越氏からは、「情報を網羅していて資料も見やすい」とお褒めの言葉があったあと、「ただ、情報よりもみなさんが何故行きたいと思ったかが大事。どこに魅力を感じたのか、もっと友達に話すように伝えましょう」と強調されました。

もっと自分たちの感性を大事にしよう

授業の終わりには、学生間での投票の結果発表。
最多はE班でした。
この日はクリスマスイブということもあり、賞品として先生からクリスマスプレゼントが。学生たちはほっとした表情で喜んでいました。

川越氏からの総評では「僕が大学生だったときとは比べものにならないくらい全員素晴らしかったです」とねぎらいのコメントをいただきました。
今回のプレゼン資料には生成AIを使った班も。
「AIで構成を考えたりすることもできるので、どんどん使ってみてください」と話されました。
そして「最後にひとつだけ」と、付け加えます。
「何度かコメントでも言いましたが、ただの情報よりもみなさんの体験の方が断然価値が高いです。今後プレゼンをするときは、もっと自分たちの考えや感性を信じてやると良いと思います」
自分の意見をどう伝えるか、プレゼンテーションの面白さと奥深さを知れる授業となりました。

担当教員よりメッセージ

大学では、調べた情報をまとめて論理的に伝える練習が、多くの授業で行われます。今回は、せっかく川越様に見ていただく機会を得られましたので、魅力や面白さを伝えるという課題にチャレンジしてもらいました。表現する内容も方法も少し違いますので戸惑いもあったようですが、様々なアイデアを出しながら最後まで頑張ってくれました。伝えるということについて、普段とは違う視点から考える良い機会が得られたと思います。川越様には、この場を借りて、心より御礼申し上げます。

2025年1月29日

自分たちで考えた施策を実現させよう!「キャリアプロジェクト演習」の授業で最終プレゼンテーションが行われました。 

12月24日に「キャリアプロジェクト演習」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業の最終プレゼンテーションが行われました。この授業は、今年度から文学部キャリア科目群の一つとしてスタートした文学部のみを対象としている本学でも特徴あるキャリア教育科目の一つです。自ら問いをたてることに始まり、最終的には授業内で「実践」まで取り組むことのできる内容となっています。
学生たちは授業を通し、身近な社会課題を解決する施策を考え、実現に向けて取り組んできました。10月の中間発表を経て、この日はこれまでの成果を発表します。渡部卓明氏(当時、資生堂ジャパン株式会社)、株式会社ベネッセi-キャリアの東山高久氏、株式会社オリエンタルランドの横山政司氏のメンター3名を前に発表に臨みました。

生理の問題、知ってる?

今回はメンター側からの要望で、なるべく手元の資料やスマホに目を落とさずに発表することを求められました。
学生たちは自分たちの言葉で発表していきます。

最初は4班。
学内のフードロスから転換し、生理貧困をなくすことを目標にしました。
急に月経が来てしまったとき、人にナプキンを借りづらい問題を解決するため、ナプキンを無料提供するサービスの導入を目指します。
しかし大学側に交渉したところ、費用が掛かることを理由に許可は下りず。学生大会に案を出し、学校を動かしたいと考えています。
講評では東山氏が「問題背景も納得性が高かったので、学生大会でぜひ頑張ってもらいたい」と励まされました。

5班は、ハンドドライヤーの設置希望から「Climate Clock」の認知を広めることに目標を変更。
Climate Clockとは気候時計のことで、パリ協定の目標実現までに残されたタイムリミットを表示しているものです。渋谷では観光案内所にありますが、あまり知られていません。
そのため学内でClimate Clockを展示し、気象問題に危機感や関心を持ってもらうようアンケートを取っています。
東山氏は「すでに展示を行い、一歩が踏み出せている。今後の広がりについて、もう少し具体的に計画を立ててぜひ後日談を」とこれからに期待しました。

子ども食堂を知ってもらうには

続いて2班。
子ども食堂の認知度を広げようと試行錯誤しました。本当に必要な人のために、を考え料理教室を行うのはどうかと発案しましたが、時間や場所などの問題で実現には至らず。
そこで子ども食堂へヒアリングを行い、どんな施策が必要か現状を調査。ボランティア不足を知り、今後ボランティア活動を体験しボランティアを増やしていきたいと考えています。
渡部氏は「活動のなかで多くの気付きを得たんだなと分かりました。なぜボランティアする人がいないのか課題を探るといい。単なる呼びかけに終わらないように頑張って下さい」と応援しました。

1班は渋谷を過ごしやすい街へ、をコンセプトに街中にゴミ箱の設置を目指しました。
最初は見た目が可愛いゴミ箱などを考えましたが、アンケート結果から機能性重視に転換。ゴミを圧縮できるゴミ箱を開発した企業に取材し、まずは学内設置に向けて動きましたが設置に費用が掛かるため課題を残しています。
東山氏から「だれを対象にアンケートを取りましたか」と質問があり、学内で収集したと学生が回答したところ、「渋谷にはいろんな人がいる。もっといろんな人に聞くとさらに具体性が出てきます」とアドバイスが。
渡部氏からも「みんなが最初に考えたエンタメ性のあるゴミ箱の方が、渋谷はアートな街というコンセプトと結びつくかも」とアイデアが出されました。

渋谷を過ごしやすい街に

次の3班は渋谷のオーバーツーリズムに注目。
2024年は渋谷にも外国人観光客が増えましたが、滞在時間が短く観光地のみに偏っていることを課題としました。
そこでおすすめのお店をSNSで発信。飲食店と交渉し掲載許可をもらい、渋谷区役所の広報と連携し発信しました。
すでに外国人からのフォローもあり、「いいね」も付いています。今後はラジオ出演も予定され、プロジェクトを進めていきます。
東山氏は「すでに実績も積みつつある。せっかく流れに乗れているので、始めたからには一過性に終わらせず、できれば長く続けていってほしい」と話されました。

最後は6班です。
人が多く治安が悪い印象がある渋谷を、落ち着いて過ごせる街として再発見することを目標としました。
落ち着いてくつろげるカフェを紹介するパンフレットを作成し、大学内で配布。店はメンバーが足を運んで選定、掲載許可をもらいました。
渡部氏は「出版やメディアの人たちがやっていることを一通りやっている」と感心されました。
東山氏からは「カフェを紹介するだけでなく、渋谷は過ごしやすいと思ってもらう、イメージを変えること。解決したい課題に立ち返ることを忘れずに」と今後の課題を伝えました。

人を巻き込んで実現するための思考力

全班が発表後、横山氏からお菓子のプレゼントが。学生たちの顔に笑顔や広がりました。なごやかな空気になり、最後にメンターの皆様からの総評をいただきました。

東山氏は「今回私たちはあくまで皆さんをサポートする立場で参加しました。自分たちで考え行動したことは皆さんにとって非常に貴重な経験になります。この経験をより実になるものにするために、どう振り返りかも大切です」と話しました。
渡部氏からは「最初は心配でしたが皆さんを信じて本当によかった」と学生たちをねぎらわれました。
横山氏は「渋谷の魅力や生理の問題など、皆さんが動いてくれたことで自分も視野が広がりました」と話し、「この授業は思考力を鍛えるのが目的。実現するためにはどうしたらいいのか考えることです。思考力を鍛えるためには、論理だけではなく自分のやる気スイッチをどれだけ入れられるかも重要です」とコメント。
今後に対しても期待を寄せました。
実際にプロジェクトを実現する大変さと楽しさを知れる貴重な授業となりました。

担当教員よりメッセージ

2024年度に設置された文学部キャリア科目群の先頭を切って、1年生科目である「キャリアプロジェクト演習」が、29人の文学部の学生が参加し行われました。この授業においても、3人の企業人にご支援いただきましたが、特徴は、あくまでもメンターの役割であるところです。もともとこの授業では、問いを立てるところから学生自らが考えます。従って今までのPBL授業のように、企業さんからお題を与えられることはありません。「渋谷×社会課題」というテーマのみが提示されました。わずか14コマの授業の中で、問いを立て、テーマを決めて、行動計画を立て、実際に「実践」することが求められる、1年生には極めてハードルの高い授業でした。
しかし、29人の学生たちは、6つのキューブに別れ、果敢に挑戦。見事に、実際の「実践」のフェーズまで
やり遂げてくれました。最終的に取り上げてくれたテーマは、いずれも世界規模で考えるべき重要なテーマ
ばかり、学生たちの無限の可能性を感じました。メンターとして伴走いただいた、横山様、渡部様、東山様に、この場を借りて心から感謝申し上げます。
※なお、本講座は、私が理事長を務めるフューチャー・スキルズ・プロジェクト研究会が構築した内容を基本に構築している講座です。

2025年1月27日

地域活性化の施策を考えよう!「実践キャリアプランニング」の授業でJALとコラボし、学生たちがプレゼンテーションを行いました。

「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)で、日本航空株式会社(以下、JAL)との特別授業が行われました。JALから課題が出され学生たちは10班に分かれてグループワークに取り組みました。テーマは「地方が地域活性化する施策を考える」です。学生たちは、地域選びから自分たちで行い調査し施策を考案。12月に2週に渡り臨んだプレゼンテーションの様子をご紹介します。

JALの強みを生かして若者を呼ぼう

発表はJAL 産学連携担当の田中氏、細野氏、白川氏の皆様を前に行われ、学生たちは緊張した面持ちで発表を始めました。

トップバッターは10班。
北海道旭川市をピックアップしました。
教育機関が少なく就職先が限られるため若者の流出が起きていることを課題に上げ、JALの航空学校の設立を提案。専門知識を学びたいと考える若者を呼び込むことを狙います。

各班の発表のあとには、別班の学生が感想を発表。
「学校を作ることにより、実際に若者が増えるのではと思いました」と話しました。
また、JALの皆様からもフィードバックをいただきました。
田中氏は「教育現場の不足と過疎の問題は密接につながっています、発想として良い」と着眼点の良さを褒められました。

次の4班は秋田県にある鶴の湯温泉の旅行プランを考案。
自然好きな若者をメインターゲットとして、田沢湖やかまくら体験、地元の食材やきりたんぽを楽しむツアーを紹介しました。また秋田出身の芸能人にツアー動画を撮影依頼しSNSで訴求します。

細野氏から「ツアーの紹介で終わってしまった印象なので、地域活性化として持続可能であるようにどうするかをもっと知りたかったです」とアドバイスされました。

特産品を推す!

5班は和歌山県北山村に注目。
メンバーの祖母の家がある地域で調べることに。
北山村でしか育てられていない柑橘類「じゃばら」を押し出し、じゃばらジャムを挟んだクッキーを機内で配り、空港で販売することを提案しました。

白川氏は「よくこの特産を見つけてくれました。身近な人からの課題にアプローチしていました」と現地の魅力を発見したことに感心されました。

続いて1班は沖縄県を選びました。
すでに観光地として有名ですが、人気の地域に観光地が集中しているという課題があります。
知られていない地域へ誘導するため、現地の人のおすすめの場所や店を載せたパンフレットを作成。空港などで配ります。
また機内でルートビアを販売したり、座席モニターで方言クイズなどを流したり現地への関心を高める案です。

田中氏は「方言に目を付けたのが良いですね。歴史も学べ、現地の人と交流の機会も増える案です」とコメントしました。

前半最後は9班。
北海道帯広市のツアープランを考えました。
女子旅、家族向け、ペット連れツアープランをそれぞれ作成。食や歴史、ばんえい競馬などの文化も楽しめるルートを多数考えました。
またプランに含まれる店で買い物をすることでポイントを貯められる施策で経済効果アップを見込みます。

別の班の学生からは「マイルに焦点をあてているのが新しい視点と思った」と感想が。
白川氏からは「プレゼンテーションの組み立てが上手。それぞれターゲットを設定していていい」と感想がありました。

特産品で新しい商品を

後半は6班から。
島根県出雲市の名物出雲そばに注目しました。そばは抗酸化作用、保湿効果があることに注目し、そば粉を使った歯磨き粉やコスメを作る施策を提案。
JAL提携のホテルにアメニティとして置き、訴求します。
細野氏は「出雲ならではの他の環境資源と結び付けてもらえるとさらによかったです」と話されました。

8班は静岡県。
静岡に行くには新幹線を利用するイメージが強いため、飛行機を使ってもらうことを考え、空港で対象商品のお茶を買うと県内で使えるクーポン券配布する施策を提案しました。
お茶菓子も取りそろえ機内で販売します。
白川氏からは「新幹線ではなく飛行機で行くというところからわくわく感がある。全体的に良く構成されていました」とプレゼンテーションの良さも感心されました。

デジタルデトックスで若者にアピール

3班は山口県を取り上げました。
若者を呼び込むためインターンを提案。
ホテルや旅館でインターンを行い、ホスピタリティの仕事を学べると訴求しました。街の活性化や人手の確保にもつながります。
学生の感想も「インターンというアイデアは今までになく良いと思った」と好感触。
白川氏も「持続可能としてインターンはとてもいい」と話されました。

次の7班も山口県で勝負。
瓦そばやふぐなど魅力的な食べ物を食べられる格安ツアーを考案しました。
観光協会と共同運営でPRを行い、SNSで若い世代にアピールします。
田中氏からは「ただの格安旅行ではなく、体験型ワークショップなど次もまた来ようと思える工夫があると良かったです」とアドバイスがありました。

最後の2班は北海道を舞台にデジタルデトックスツアーを考案。
スマホを預かり、自然やアクティビティを堪能してもらうツアーです。スマホで写真が撮れない代わりに、チェキを配布し思い出作りもばっちり。
また、それぞれのアクティビティや観光地でチェキを撮るミッションを設置します。クリアするとさらにチェキのフィルムをもらえる、というシステムで楽しんで特産物や観光地に親しんでもらえるとしました。

学生からも「ミッションという発想が面白い」と感想がありました。
細野氏も「ミッションがあるというゲーム性があるのは面白く、デジタルデトックスというのも現代に特化した悩みにアプローチしています」と話されました。

持続的に地方活性化を考えていこう

それぞれの週で、優秀な発表された班にはJAL賞が与えられました。

前半は北山村を紹介した5班。
田中氏は評価ポイントとして「地域の魅力を掘り起こし、どう活性化するかを考える持続可能な観点がありました」とコメントがありました。
5班の学生は「メンバーがコロナになってしまって大変でしたが賞をいただけて良かったです」と話しました。

後半は静岡県を取り上げた8班でした。
田中氏からは「非常に練られていた。プレゼンテーションも明るく聞いていて興味を持てました」と表現力も評価ポイントだったと話されました。

「地方を調べるという機会がなかったのでたいへんでしたが、自分たちが面白いなと思ったことを盛り込めた」と8班の学生も安心したように話しました。

それぞれの班には賞状とクリアファイル、ステッカーセットが贈呈されました。

授業の最後には総評として田中氏からコメントをいただきました。
「難しいお題だったと思うけれど、どのチームも個性豊かでした。素晴らしい発表ありがとうございました」と学生たちの努力をねぎらいます。
「少子高齢化、人口減少とは言葉では知っていたと思いますが、実際に地域を調べて理解が深まったと思います。同時に地方それぞれに魅力があることも知ることができたでしょう。社会に出てから、自分になにができるのか考えていくきっかけになっていれば嬉しいです」と、地方の課題を自分事にして考えることの大切さを伝えられました。
学生たちにとって、より広い視野を持つことの大切さを実地で学ぶ授業となりました。

担当教員よりメッセージ

毎年、大変お世話になっている日本航空様とのコラボ講座、今年からは1年生科目となった英文学科の「実践キャリアプランニング」にて実施させていただきました。今年のテーマは、「地域の魅力を掘り起こし、新しい企画(商品開発や新規事業など)を提案してください。〜JALとして6次産業化を支援しよう〜」でした。大変ハードルの高いテーマでしたが、日本航空の社員の皆様が、とても丁寧にご説明、そしてご指導をいただいたおかげで、素晴らしい提案に漕ぎつけることができたと振り返っています。学生のレポートからも、このお題に取り組ませていただいたおかげで、企業のことを知れたり、グループワークの大切さを感じたり、プレゼンテーションの重要性を認識したり、多くの学びに繋がったことを実感しております。この場を借りて、3回にわたってご支援いただいた日本航空様に、心から御礼申し上げます。

2025年1月24日

女性活躍を後押しする企業を調べよう!「実践キャリアプランニング」の日本ロレアルとのコラボ授業で学生たちがプレゼンテーションを行いました。 

共通科目の「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で日本ロレアル株式会社との特別コラボが行われました。ロレアル パリの女性活躍に対する思いや活動を学び、同じように「女性をエンパワーメント(勇気づけ後押しする)する活動を行っている企業や団体を調査する」という課題が出されました。学生はそれぞれ班に分かれグループで調査を進め、いよいよプレゼンテーションです。
最終プレゼンは12月13日と20日の2回に分けて行われ、それぞれ6チームずつ発表しました。

学生にも身近な企業の活動は?

トップバッターは6班。
大手の家具量販企業のをピックアップしました。最初に強調したのは社会や職場の男女格差について。
管理職の女性割合は平均10%のところ、その企業は50%を達成しています。女性もリーダーシップを発揮できる環境を整え、トレーニングや選考システムがしっかり作られています。ワーキングマザーについてのサポートやフレキシブルな働き方も積極的に取り入れ、母親ならではの視点も大切にしています。
発表後にはロレアル パリのみなさまから質疑応答が行われました。
加藤氏からは「なぜこの企業を選んだのでしょうか」と質問が。
学生は「日本でも有名な企業で若い世代にも親しみがあるから」と回答しました。

続いては4班です。
ある化粧品ブランドが行っている乳がんキャンペーンを取り上げました。
女性に一番多いがんですが、早期発見すれば90%完治します。しかし自覚症状がないため定期的な乳がん検診が推奨されています。
この企業は1992年にキャンペーンを開始し、シンボルのピンクリボンを配布したり売り上げの一部を協会へ寄付したりといった活動を行っています。
ただ、女性が検査に行くまでになかなかたどり着かないといった課題も挙げ、解決法として乳がん検診をさらに受けやすくするサイトやSNSの宣伝法など改善点を提案しました。

8班はボディケアなどのブランドを調査しました。
日本の10代女性は、世界で最も容姿に自信がないと言われています。
このブランドは「セルフエステームプロジェクト」という、容姿への自信と自己肯定感を高められるように、中高生向けのワークショップを行っています。
しかし、「可愛さの定義なんてない」ということを広めようとした広告ポスターが逆に「美の基準があるように周知してしまった」と批判を浴びました。広告は意図しない方向で広まってしまうこともあるという課題を指摘しました。

世界的企業もアクション

次の1班はある世界的化粧品ブランドに注目しました。
このブランドは国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)と連携し、女性が男性同様に活躍する社会になるためのイベントを開催。
東京でも女性活躍についての講演や、女子大生たちとディスカッションが行われたと紹介しました。
奥田氏は「あまり知られていない活動を良く調べていますね」と感嘆されました。

11班も化粧品大手の企業を紹介。
内閣府の「女性に対する暴力をなくす運動」に賛同し立ち上げた「パープルリボンプロジェクト」を調べました。
日本のDVはパートナーからの受ける被害も多いのが現状。
つい我慢してしまう人が多いなか、相談を促すキャンペーンです。売り上げの一部を寄付したり、ミヤシタパークを紫の電飾で染め上げたりといった啓発活動を行っています。
奥田氏は「一つの企業を越えてアクションをし、体現している。ロレアル パリもここまで目指したいと思いました」と話しました。

前半最後の3班は外資系のコーヒー販売店を取り上げました。
男女の労働力人口の差は世界的課題であるとして、女性の就労について紹介しました。
コーヒー豆を栽培するコロンビアでは女性も雇用し、家族へ清潔な水を提供するなど支援しています。また店舗ではシニア雇用など年齢に関係なく、ライフステージによる働き方が可能な制度を整えているとしました。

内面の美しさを大切にしよう

後半の週の発表は2班から。
飲料メーカーの企業を紹介しました。
この企業は女性活躍に優れた上場企業を示す「なでしこ銘柄」にも選定されています。その働きやすさは、直近5年で離職率1%未満という数字にも表れていると言えるでしょう。
出産や子育てにより会社を離れても、同じ役職に復帰できる「ウェルカムバック制度」などはその筆頭。経営層の女性比率も40%以上を達成しています。

続いて9班。
ボディケアのブランドを取り上げました。100%ありのままの美を伝えるため、写真の加工などを行っていないことを紹介しました。
また、アメリカで行われた「リアルビューティスケッチキャンペーン」ではFBIと協力し、自己イメージと他者からみた自分のイメージをそれぞれ似顔絵にすることで「自分が思っている以上に美しい」と伝える広告を打ち出したことを取り上げました。

12班は化粧品ブランドを取り上げました。
「女らしく」といった固定概念をなくすため男性をイメージモデルに起用するなどしてきました。
また高校生を対象にしたプログラムでは、内面の美しさを大切にすることを教えています。ただ、社会に出ると年齢関係なく身だしなみに対する意識が求められ、固定概念も強くなるとし、中高年向けにもあるといいのではと提案しました。
加藤氏から「男性が化粧品のCMに起用されるのはどう思いますか」と問われ「良いと思います。私の親も男性が化粧するのをよく思っていませんでした。テレビなどで目に留まれば価値観を変えられると感じました」と経験を交えて回答しました。

企業以外の取り組みも調査

続いて10班はあるファッションブランドにフォーカス。
1班と同じく女性支援のイベントに注目し、恵まれない環境にある女性へのアプローチなどを紹介しました。
課題として日本ではあまり知られていないこと指摘し、もっとSNSなどで発信するべきだと提案しました。

7班はコスメバンクを取り上げました。
一般社団法人による活動です。化粧品会社と提携し、余剰や型落ちした化粧品を集め、経済的に困窮している女性に無償提供しています。協賛企業にはロレアル パリなども名を連ねます。
企業側としてもエコに繋がりPRになるためwin-winの関係を作りつつ、女性への支援を行っています。
加藤氏から「あまり知られていない活動ですが、どうやって見つけたのでしょうか」と質問され、学生は「ロレアル パリが取り組んでいる活動を調べました」と回答しました。

ラストの5班は日本の化粧品ブランドを取り上げました。
2024年「女性の働きやすい企業」1位に選ばれ、女性管理職の割合も全体で58%を達成しています。
女性が自分らしさを表現し自信を持つことを後押しするメッセージ性はCMなどでも表現され高い評価を得ています。社員向けの子育て支援も充実しており、ベビーシッター制度や、新米パパママ向けのプログラムなども。
仕事と育児の両立を支援しています。
加藤氏は「プログラムに女性だけでなく男性も含まれているのは、資生堂が一歩進んでいるように感じました」とコメントしました。

女性として活躍するために

発表後は前後半それぞれで優秀だった班が選ばれました。
前半は乳がんキャンペーンを取り上げた4班。
奥田氏から「構成力、プレゼンテーション、資料のビジュアルとすべてよかった。良い所だけでなく、課題も合わせて改善点まで考え、自分たちの考えが落とし込まれていたと思います」と評価しました。
学生からは「期間が短くなかなかメンバーが集まれないなか分担し、協力してできてよかった」と安心したコメントがありました。

後半はコスメバンクを紹介した7班でした。
「あえて企業でなく取り組みにフォーカスしようと思い調べたので、賞をいただけて嬉しいです」と学生から喜びの声が聞かれました。
両班には、ロレアル パリから賞品としてヘアケアセットが贈呈されました。

最後に奥田氏から総評をいただきました。
「どの班も素晴らしかったです。他社のCSR活動を見ることはなかなかないので勉強になりました」と学生の頑張りをねぎらいました。
「これから社会に出て、女性として大変なこともたくさんあるかと思います。でも社会は変わってきている。女性であることを理由に何かを諦めることは絶対しないでください」と女性の先輩として学生たちに熱いエールを送り、授業は終了しました。

担当教員よりメッセージ

毎年、ご支援をいただいてるロレアル パリ様には、2024年度は、2年生英文学科の実践キャリアプランニングの授業においてご協力いただきました。今年度は、前述の課題解決型プログラムに入る前に、メイベリン ニューヨーク(様)のメンタルヘルスサポート講習BRAVE TALKやロレアル パリ様提供のSTAND UPプログラムも実施いただき、ワークショップ型の授業とともに女子大学で学ぶことの特徴を生かした立体的な構成を構築いただきました。女性のエンパワーメントをテーマとしたワークショップでは、広い視野で考えた内容が次々と提案され学生のポテンシャルの高さを改めて感じました。詳細は前述の通りです。そして、今回取り組んだことは、来年から就職活動が始まる学生にとって、企業分析の大切な視点について自らの力で、深く学べた点も、とても意義あることになったと振り返っています。多くの時間を割き、ご指導いただきましたロレアル パリの奥田様、加藤様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

2025年1月15日

缶で受験生の悩みを解消!?「演習Ⅰ」の授業で東洋製罐株式会社とのコラボ授業が行われ学生たちがプレゼンに臨みました。

1年生対象の「演習Ⅰ」(担当:人間社会学部ビジネス社会学科 篠﨑香織教授)の授業で、12月16日に東洋製罐株式会社との特別コラボ授業が行われました。今年で3回目になるこのコラボでは、毎年学生たちが「実践女子大学を受ける受験生の悩みを解決する缶」を考えるという課題にチャレンジしています。この日は東洋製罐のみなさまを前にプレゼンテーションに臨みました。

プレッシャーに負けないで!

司会進行とタイムキーパーも学生たちが行います。

トップバッターはC班:チーム「女子大調査隊!」
公式サイトや説明会では分かりづらい、リアルな女子大生活を伝えることで不安を解消しようと考えました。
リアルな声として、実践女子大生にアンケートを実施。
恋愛事情やバイトをどの程度やっているかなどの回答結果を紙にまとめ、缶に詰めます。缶にはおみくじと手作りのお守りも入れる予定です。


各班の発表後には質疑応答が行われました。
「缶におみくじを詰める意義は?」という質問には、「おみくじの棒が入っている筒と缶の形が似ていることから連想して考えました。おみくじにはハッピーになれることを書いた大吉を何種類か入れる予定です」と回答しました。

次のE班:チーム「超ポジティブ⭐︎宣伝部」は共通テストを控える受験生にフォーカス。
プレッシャーを吹き飛ばせるような日めくりカレンダーを考えました。
共通テストまでの日数分用意し、1日ずつポジティブになれるメッセージが書かれています。紙はリングで通すため破らず使え、共通テストが終わって本命校を受ける際も見返すことが可能。
「ポジティブなメッセージとは具体的には?」という質問に、学生は「つらいときが一番成長しているとき」や「現在は未来へのプレゼント」など頑張っている受験生を応援するメッセージを入れると回答しました。

体の不調を解消しよう

続いてA班:チーム「むちむちぷりん」です。
受験期は運動時間が減り運動不足になることに着目し、運動不足解消グッズの詰め合わせを提案しました。
スローガンはスペイン語の別れの挨拶とストレスをかけ「アディオストレス!」としました。
ストレッチバンドとひのき玉をいれ、マッサージやリラックスに使えるようにします。
東洋製罐の方からは「発表の構成順がすごくきれいだった。受験に限らず需要がありそうな内容だと感じました」とコメントをいただきました。

D班:チーム「受験生応援隊」は女子の大敵である冷えに注目。
体が冷えて集中できないなどのストレス解消を狙い、靴用カイロを入れることを考えました。
また計画的に勉強を進められるようto doリストもいれ、自分の目的を確認できるようにします。
なぜ靴用カイロなのかという質問には、学生の一人が「高校生はローファーで、受験日も足が寒くて困った」という自身の経験からきた発想だと回答すると全員が納得。
缶のパッケージデザインは生成AIで作成し、企業のみなさまも感嘆していました。

風邪は受験の大敵!

B班:チーム「somnia」は高校生のうち8割が、睡眠が足りていないというアンケート調査をもとに、仮眠をとれるアイテムを詰めることを提案しました。
アイマスクとネックピロー、耳栓をセットにして仮眠でも質の高い睡眠を取れるようにという思いを込めました。缶に入れてまとめて持ち運べるため、どこでも使えることもメリットです。
東洋製罐の方からも「睡眠に苦労した覚えがある」とコメントがありました。

ラストのF班:チーム「ミストメーカーズ」は缶の防湿性を活かして簡易加湿器を考案。
蛇腹折にしたコーヒーフィルターを詰め、開けた缶に水を入れてコーヒーフィルターを差して使います。乾燥する冬の風邪予防に使ってもらえるよう考えました。コーヒーフィルターの耐久性も学生たち自ら検証し2週間と判明。
説明書に書くことで気軽に使ってもらえるようにします。
企業の方も「とても面白いアイデア。検証したのも素晴らしい」と感心されていました。

人を巻き込みツールを使って時代に合ったプレゼン

発表を終え、東洋製罐の原様から総評をいただきました。
「それぞれ特徴がありましたね」と個性豊かな提案に感心されました。
そして「それぞれアンケートを取ったり検証をしたりしていて素晴らしかった。人を巻き込んでいく力があると感じました。データもしっかりしらべられていたし、生成AIなどのツールも上手に使っていて勉強させてもらいました」と学生たちの頑張りをねぎらいました。
そして、「コロナ禍を経て、価値観が大きく変わるパラダイムシフトが起きています。今後皆さんもそのことを念頭に置いて、社会のニーズを捉え表現の仕方を模索していってもらいたいと思います」と話されました。

今回の発表のなかで優秀作は「CAN詰めプロジェクト」として、実際に実現化される予定です。

担当教員よりメッセージ

 缶の用途を広げることと、受験生の悩みを解決することの2つの課題に取り組む目的でスタートしたCan詰めプロジェクト。今年は10月のキックオフの際に技術開発統括室の原拓也様と千地早紀様をお迎えし、東洋製罐の活動概要や缶の特徴などについて説明をしていただきました。その後はグループワークを行い、どのような受験生をターゲットに、どのような悩みを何で解決するのかの検討を行いました。最終発表会には、前述の原様と千地様に加えて、メタル技術開発部加飾開発グループの高橋ほのか様と、基盤技術開発部プラスチック素材開発グループの三宅雄太様をお迎えし、受験生の悩みを解決できるのか、缶を使う意味があるのか等の観点から評価をしていただきました。
 学生による相互評価と東洋製罐の皆さまの評価を合わせて高評価を得たチームのアイデアは、東洋製罐にて缶詰めにしていただき、次年度のオープンキャンパスで配布する予定です。「このプロジェクトに取り組みたくて実践女子大学に入学した」という受験生に会えることを楽しみにしています。
 東洋製罐の皆さま、ご協力ありがとうございます。