2026年2月12日

データを社会に役立てる!「データ時代の女性キャリア開発」の授業でNTTデータ数理システムの取締役による特別講義が行われました。

人間社会学部開講科目「データ時代の女性キャリア開発」の授業で、株式会社NTTデータ数理システム取締役の小木しのぶ氏による特別講義が12月2日に行われました。「自分の道を自分で選ぶために」と題し、デジタルサイエンスを活用して人生を生き抜く力を身に付けていく大切さを力強く語りました。

データで課題を解決する企業とは?

NTTデータ数理システムは1982年に「株式会社数理システム」として設立しました。
「数理科学とコンピューターシステムで社会のあらゆる分野の問題を解決する」というビジョンを掲げ、データを活用したシステムの開発、推進をしてきました。
2012年にNTTデータグループ加入し、より幅広い企業とデータを通してビジネスを拡大しています。

統計解析ソフトウェアやデータ分析ツールの開発などのほか、大量のテキストデータから情報やパターンを抽出する「テキストマイニング」ツールの開発にも力を入れています。
テキストマイニングは、たとえば社員満足度向上のためのデータ分析に使われています。自由記述のテキストを分析することで社員のニーズを深堀するのです。
「企業の中にも悩みがある。それを解決するにはどの技術を使えばいいか考え、企業に合わせてシステムを作ります」と小木氏。技術が実際の業務に役立っている例を交えて話されました。

自ら道を切り開くキャリア

小木氏は「プログラミングがしたい」と新卒入社。
しかし最初の配属は半導体シミュレータの開発でした。
「実は数学の公式が苦手でした」と振り返り、他部署に行きたいと強く思うように。その後、UI開発や当時はまだ珍しかったロボット画像認識、テキストマイニングなど興味のある開発に挑戦していきます。
しかし、良いシステムを作るだけでは知ってもらえないことに気づき、自ら営業へ異動。営業企画や広報にも携わりました。

さらにビジネススクールに通いMBAを取得。
小木氏は「せっかく取ったので取締役に立候補しました」と話します。推薦者に自ら声をかけ、取締役に就任したのです。
「興味を持ったことに首を突っ込み、やりたいと言うことが大切」と自らキャリアを切り開いてきた経験を語りました。

生成AI時代の人の役割とは

現在のデータ利用市場では、AIを使った解析システム開発が主流となり、特に最近の1〜2年は生成AIの台頭が加速しています。生成AIはデータの読み込みや分析が得意。
「ではAIがあればデータサイエンスは不要なのでしょうか」と小木氏は問いかけます。確かに統計や機械学習の基礎知識がなくてもプログラムでき、渡したデータを深く分析してくれます。

しかし小木氏は「不要にはならない」と断言します。
たとえば最適なシステム選択や課題設定などのビジネス理解は人間の役割。また生成AIが出した結果が正しいかを判断するのも人間です。
「統計や機械学習の知識だけでは武器にならない。それをどう使うか考える力が求められています」と語りました。

総合格闘技のような感覚で必要な力を身につけよう

「データサイエンスに限らず、専門家+アルファを目指そう」と小木氏は語り掛けます。
小木氏はそれを「総合格闘技」と表現しました。総合的に物事を考えられると、スピーディに物事を解決したり、さまざまな角度からリスクを避けることも出来たりします。
「生成AIに仕事を奪われないために、したたかに生き残りましょう」と小木氏は話しました。

「総合格闘技」に必要なものとして「自分の力を把握する」「なんにでも興味を持つ」「視座を高く持つ」を挙げます。
得意なことを見つけ、役立つ場を探す。視座を高く持ち全体を見渡すことで、次にやるべきことが見つかると話します。
「私もあれこれ取り組んできたからこそ、自分の道を選べている。自分で道を選ぶため、総合格闘技の力を身に付けましょう。ぜひいろんなことにチャレンジしてみてください」と講義を締めくくりました。

「やってみる」が拓く未来

講義のあとは質疑応答の時間が設けられました。
先生からも「取締役に就任してどうでしたか」と質問が。
小木氏は「同じ会社なのに、自分の知らないことがたくさんありました。なってよかったと思います。なんでもやってみるのはおすすめです」と回答されました。

また、また、「生成AI事業が大きく伸びている理由は何だと思いますか」という問いには、「いまの企業は生成AI導入に予算が付きやすい。社会に出れば使うようになりますので、大学でも積極的に利用しリテラシーを身に付けるべきだと思います」と述べました。
そのうえで「社会に出て突き当たるのは、生成AIに聞いても答えが出ない問題です。どのように技術を使うのか、うまく使える力を身に付けましょう」と話しました。
学生たちにとって、これからの時代を生き抜くヒントを得られた講義となりました。

担当教員からのメッセージ

本授業「データ時代の女性キャリア開発」では、企業の第一線で活躍されている方をお招きし、社会の中でデータがどのように課題解決に活かされているのか、また女性がどのようにキャリアを切り拓いてきたのかを、ご自身の経験を交えながら語っていただいています。

今回の講義では、データで社会や企業の課題解決に取り組む現場のお話に加え、「実は数学の公式が苦手だった」という意外なエピソードや、そこから実務の中で力を身につけていった過程も紹介されました。学生にとっては、得意・不得意に関わらず挑戦することの大切さを実感できる機会になったのではないかと思います。また、キャリアを積み重ね、取締役として活躍されている現在に至る歩みも、大きな刺激になったようです。

生成AIが急速に発展する時代においても、最終的に課題を見つけ、判断し、人と協力して解決へ導くのは人間の役割です。講義の中で示された「総合格闘技のように、さまざまな力を組み合わせて身につけていくことが大切」というメッセージは、これから社会に出ていく学生にとって非常に印象的だったと思います。

この授業を通じて、「自分にできるだろうか」と考える前に、まずは「やってみる」ことが未来を拓く一歩になると感じてもらえればと考えています。本授業が、学生一人ひとりにとって自分の可能性に気づき、新しい挑戦に踏み出すきっかけになることを期待しています。