学生が商品企画を提案!〈演習Ⅱa〉の授業で行われた猿田彦珈琲とのコラボ授業で、学生の発表が行われました。
6月24日、演習Ⅱa(Kクラス担当:ビジネス社会学科 篠﨑 香織教授)にて、猿田彦珈琲から代表取締役の大塚朝之氏をはじめとする社員7名をお招きし、提示された課題に対する企画の発表を行いました。今回学生が取り組んだ課題は〈冬でも売れるアイスの提案〉〈1店舗あたり1日10杯のオーダーされるジェラッテ提案〉〈福袋の企画提案〉です。

これまでの授業のあゆみ
初回授業では大塚氏から猿田彦珈琲の理念やコーヒーにかける思いをご講演いただきました。講演後にはフード開発チームの三浦氏、坂本氏、経営企画チームの河村氏から学生が取り組む課題が発表され、授業を通して学生は〈冬でも売れるアイスの提案〉〈1店舗あたり1日10杯のオーダーされるジェラッテ提案〉〈福袋の企画提案〉に挑戦しました。アイスは学生・20代の若年層をターゲットに、11月から3月の販売を想定し、利用シーンなども踏まえて企画を検討しました。またアイスとジェラッテは猿田彦珈琲原宿店での販売を想定し、商品名やPR方法などアイデアを膨らませました。福袋についても、ターゲットやコンセプトを踏まえ、魅力的な商品構成を考案しました。
初回授業の記事はこちら→ https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/10662/
また、授業の一環として猿田彦珈琲 原宿店を訪問し、実地調査を実施しました。実際の商品や店舗の雰囲気、来店客の客層などを調査し、企画に活かすためのヒントを収集しました。




アイスの提案
〈冬でも売れるアイスの提案〉では、学生一人ひとりが、企業から示されたターゲットや販売時期、利用シーンを踏まえながら、「どんなアイスなら売れるか」を考え、アイデアをプレゼンテーションにまとめました。
特に販売想定時期の冬でも「食べたい」と感じてもらえる商品を目指し、さまざまな視点からアイデアが展開されました。提案では「特別感」「ご褒美」「贅沢」をキーワードに、アイスを食べる時間そのものの価値に着目した企画が多く見られました。濃厚な味わいで贅沢感を演出するものや、購入後に仕上げを楽しむ体験型の商品、トッピングによってオリジナリティを生み出すものなど、価値の提供方法にも学生それぞれの工夫が盛り込まれました。また、SNSでの発信を意識し、見た目の華やかさや写真映えを重視した提案も多く発表されました。
フレーバーについては、猿田彦珈琲らしさを表現したエスプレッソやコーヒーを取り入れたものをはじめ、ショコラやチョコレートを使用した濃厚な味わいの商品、定番のバニラを独自の視点でアレンジしたものなど、多彩なアイデアが提案されました。









学生全員の発表の後に、三浦氏と大塚氏から提案に対する全体的なフィードバックが寄せられました。
三浦氏は「店舗調査でお客様としての体験をしっかりと積み重ねたことが伝わってきました。実現性の高い提案ばかりで、新しい視点をもらいました」と評価が寄せられました。
また、大塚氏からは「大学生の提案とは思えないほどレベルが高かった」との言葉に加え、「自身の体験から得た気付きと、市場調査から見えたニーズのバランスが学生それぞれで異なっていて面白かったです。そのどちらの視点も大切にしながら、今後の提案にも生かしてほしいです」と、今後の学びにつながるアドバイスも送られました。
ジェラッテの提案
ジェラッテと福袋はチームに分かれて発表が行われました。
ジェラッテの提案では“1店舗あたり1日10杯のオーダー”を目標に商品アイデアを考案しました。学生は、商品名、フレーバー、価格、PR方法の4点を軸に詳細な内容を考え、プレゼンテーションを行いました。
Cチーム:和もちジェラッテ
Cチームは“まるで飲む和菓子”をコンセプトに、黒蜜、きなこ、わらび餅を取り入れた〈和もちジェラッテ〉を提案しました。
コンセプトの理由について、調査結果を引用しながら「冬に食べたいと感じる人が多いこと」や「原宿店にも多く訪れる外国人観光客に需要があること」を説明。学生は商品のこだわりとして“食感”を提示し、食トレンドにおいて“もちもち”がキーワードであることを示しながら「わらび餅を取り入れることで食感にトレンド性を持たせるとともに、ドリンクのボリューム感向上を狙いました」と話しました。


また、ボリューム感の高さは満足度の向上とともに「スイーツの代わり」としての役割も狙えると説明。具体的に「友達とカフェに来たけど一人だけスイーツを頼みにくいシーン」に需要があると述べました。
PR方法としては店頭の試飲イベントや学割を提案。商品を実際に体験してもらうことで購買につなげる戦略を立てました。価格帯は「満足感や贅沢感と釣り合う680円程度」としました。
Bチーム:シーズンジェラッテ
Bチームは冬季の11月から2月にかけて販売する、冬の季節感を反映した期間限定のジェラッテ3商品と、それらに合わせた商品戦略を提案しました。
11月〜12月上旬に展開する第1弾は〈ドバイチョコチョコジェラッテ〉。SNSを中心にトレンドフードとなったドバイチョコから着想を得て、内容を「ピスタチオ、カダイフ、チョコフローズンにする」と提案しました。第2弾は12月下旬〜2月に展開する〈5層で楽しむ大人のショコラ&ベリージェラッテ〉。コーヒーゼリーとベリー果肉が味わいのアクセントであると紹介しました。第3弾は2月に展開する〈コーヒージェラッテ〉。コーヒーゼリー、ミルクフローズンにダルゴナコーヒーを乗せ、フローズンとダルゴナコーヒーの味わいの変化を楽しむと述べました。



戦略として、第一弾でトレンドに敏感な女子高校生や女子大学生に認知を広げた後、ホリデーシーズン限定の第二弾へ関心をつなげ、最終的に第三弾で猿田彦珈琲のブランドとの接点を生み出す、という段階的な戦略を説明しました。
PR方法としてはSNSを挙げ、「フレーバーの話題性を狙って投稿を行う」としました。価格については「有名コーヒーチェーンの期間限定ドリンクよりも安く、現在販売されているジェラッテと同じくらいの価格帯を狙い、650円に設定した」と話しました。
Aチーム:杏仁パレット

Aチームは〈杏仁パレット〉というジェラッテのフレーバーシリーズを提案しました。“SNS映え”、“新食感”、“毎日の小さなご褒美”をコンセプトに設定し、味は「ごろっといちごみるく杏仁」「冬みかん杏仁」「抹茶ノエル杏仁」「濃厚杏仁ミルクティー」の4種類を提案しました。
学生は市場調査から、杏仁豆腐が「専門店の出店など、注目度が高まっているスイーツ」であること、そしてスイーツの需要として“SNS映え”、“新食感”、“甘すぎない”の3点があることを紹介。杏仁豆腐をジェラッテに取り入れることで「甘すぎない風味と食感を、新感覚スイーツとしてジェラッテに取り入れることができる。また、白い杏仁豆腐がほかの具材と混ざっていくビジュアルの良さを写真映えに活かすことができる」と話しました。
また、複数フレーバーを展開することにより「並べて写真を撮りたくなるビジュアルにすることで、『飲みたい』だけでなく『写真を撮りたい』を購買動機につなげる」としました。PR方法としてSNSやインフルエンサーのPR投稿を提案し、販売価格は1つ700円と設定しました。

福袋の企画提案
福袋の課題では、コンセプトや価格帯、外装・見た目、内容物を具体的に考え、それぞれの設定に至った背景も含めてプレゼンテーションを行いました。
Fチーム

Fチームの発表では、各班のメンバーそれぞれが考案した福袋の企画を一人ずつ提案しました。
学生たちは、年末年始という季節性や課題で設定された20代のターゲットを踏まえ、商品の組み合わせを通じてどのような体験価値を提供できるかを考えました。「新年の目標を立てる」というシーンを想定し、オリジナルロゴ入りの文具を封入した企画や、「慌ただしい時期に家族でほっと一息つく時間」をテーマに、コーヒードリッパーやサーバーに加え、タンブラーやコースターなど実用性の高いアイテムを組み合わせた企画が提案されました。
また、「大人になった節目として少し贅沢なコーヒー時間を楽しむ」をテーマに、ドリップバッグやコーヒー豆の説明書を添え、自宅でもコーヒーへの理解を深めながら楽しめる福袋や、店舗調査で印象に残ったアイスに着目し、「猿田彦珈琲ならではの魅力を味わいながら、ご褒美時間を楽しむ人」をターゲットとしたアイスモチーフの限定焼き菓子を提案する企画も見られました。
さらに、コーヒーのリラックス効果に着目し、カフェインレスコーヒーのドリップバッグとアロマキャンドル、アイマスクを組み合わせることで、コーヒーとともに心身を癒やす時間を提案するなど、学生それぞれが多様な切り口でアイデアを発表しました。
企画には共通して、福袋の外装にポーチやトートバッグなど実用性の高いアイテムを採用し、購入後も日常的に活用できるよう工夫するなど、商品の魅力を高める提案が多く見られました。

Dチーム:新年を前向きに過ごす福袋
気軽に場所を問わずコーヒーを楽しみたい人をターゲットに、年末年始休暇明けの仕事を前向きに頑張れるよう後押しする福袋を提案しました。価格は3,000円と6,000円の2種類を設定し、どちらも猿田彦珈琲のロゴ入りトートバッグに封入する企画です。
3,000円の福袋には、「コーヒー豆」と「豆を挽くグラインダー」を組み合わせました。学生は、「新しい趣味を始めたい」という新年の気持ちに着目し、「グラインダーがあることで、さらに挽く豆が欲しくなる」と、福袋をきっかけに猿田彦珈琲のコーヒー豆の購入につなげる狙いを説明しました。


一方、6,000円の福袋には、「ポータブルブリューボトル」を提案。販売メーカーに商品コラボの実績があることも紹介しながら、「どこでも淹れたてのコーヒーが楽しめるボトル」として、仕事の合間や外出先でも手軽にコーヒーを楽しめる点をアピールしました。
また、どちらの福袋にも「朝昼夜のシーンに合わせた味わいのドリップバッグ」「デザインランダムコースター」「楽しみ方カード」を封入。特に「楽しみ方カード」は、初めてコーヒー豆を購入する人でもコーヒーの楽しみ方を知り、より特別な体験を味わえるよう工夫されていました。
Eチーム:日常に寄り添うご褒美福袋
Eチームは、福袋のコンセプトを「一年頑張った自分へのご褒美」に設定しました。企画の背景として、年末年始は自分へのプレゼント需要が高まることや、特に女性にその傾向が強いことを調査結果をもとに説明しました。
福袋には、外装を兼ねたトートバッグのほか、ポーチ、タンブラー、カフェラテシロップ、ステッカーなど、実用性の高いアイテムを封入。グッズはベージュやブラウンを基調としたシンプルなデザインとし、日常生活に取り入れやすいことを意識して企画されました。


学生は、「温かみのある雰囲気と猿田彦珈琲らしさ、そして年代を問わず普段使いしやすいデザインを意識した」と説明しました。さらに、ポーチとタンブラーは3色展開とし、どの色が入っているか分からないランダム仕様を採用。福袋限定デザインの実用的なアイテムをランダムで封入することで、「特別感」「実用性」「わくわく感」の3つの価値を提供する工夫が盛り込まれました。
価格は6800円。学生は「『頑張ったから買おう』と思いきって購入ができる価格に設定した」と話しました。価格は6,800円に設定。学生は、「一年頑張った自分へのご褒美だからこそ、思い切って購入できる価格を意識した」と、その価格設定の理由を説明しました。
授業の最後に
社員の皆様から発表に対する総括のコメントをいただきました。
フード商品開発チーム 坂本氏
「あらかじめシーンコンセプトという共通の前提はありましたが、班ごとの発表には個性が光り、それぞれがまとまりのある内容に仕上がっていました。ここまで考えてくれるとは思っていなかったです。今回取り組んでくれた企画の考え方はいろんな仕事に役立つと思います。タイミングをみて、皆さんと一緒に商品開発にむけて動けたら嬉しいです」
経営企画チーム 河村氏
「コーヒー屋なので、コーヒーにまつわるタンブラーとかマグカップでなければいけないという概念が自分の中にありましたが、雑貨やリラックスするためのアロマキャンドルなど『そういうものもアリなんだ』と、皆さんが提案していただいた内容がすごく新しい発見でした。発表の中には現在考えている企画と通じるようなものもあり、デザインやコンセプトなどがとても参考になりました。ありがとうございました。」
代表取締役 大塚氏
「今年もすごく勉強になりました。我々としても学びの場であり、どちらの企画も商品化に向けて進めていきたいと思います。今回の企画を考えるような、背景を深堀して商品を考えていく思考方法は、今後必ず参考になると思います」



担当教員のコメント
4月末から6月末にかけて、駆け足ではありましたが、学生たちは「アイス」「ジェラッテ」「福袋」という3つの商品企画に取り組み、提案を行いました。
まず、カフェの利用や「おいしさ」に関する論文のレビューを行い、スイーツや福袋についての情報収集、店舗でのフィールドワークなどを重ねました。その上で、アイスは個人で、ジェラッテと福袋はグループで企画をまとめました。
個人とグループ、それぞれのワークの良さや難しさを経験するとともに、単に「面白いアイデア」を考えるだけではなく、猿田彦珈琲社が実際の商品として世に送り出すことを想定して、ターゲットや価格、商品内容、伝え方などを考えることの難しさと面白さを学ぶことができました。学生にとって、大学の授業で考えたアイデアが、実際の商品につながる可能性を持つという経験は、大きな刺激になったと思います。
これから迎える秋・冬シーズンにおいて、学生たちの提案のどのような部分が実際の商品に活かされるのか、私たちも猿田彦珈琲社の商品展開を楽しみにしています。
学生の提案を、単なる授業内の発表で終わらせるのではなく、企業の皆様に実際に検討していただき、その可能性を検証できる企業連携授業は、決して多くありません。このような得難い機会を与えてくださいました大塚社長をはじめ、猿田彦珈琲社の皆様に、心より御礼申し上げます。
また、授業のたびにおすすめのドリンクをご用意いただきましたことにも、重ねて御礼申し上げます。毎回、今日はどんなドリンクをいただけるのか、学生とともに楽しみにしていました。4月はカフェラテ、5月は蜂蜜のラテ、6月はお抹茶ラテをいただきました。どれも大変おいしくいただきました。ごちそうさまでした。










































































































