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2026年2月17日

女子大生が使いたくなる文房具とは?「ビジネスプランニング」の授業でマーケティング企業の課題に応えるプレゼンテーションが行われました。

「ビジネスプランニング」(担当:現代生活学科 上野亮助教)の授業で、1月14日に株式会社REECH(以下、REECH)との特別コラボ企画が行われました。REECHはクロス・マーケティンググループの子会社で、インフルエンサーマーケティングなどを手がける広告企業です。この日は企業から提示された課題に対するプレゼンテーションを実施。テーマは「女子大生に好まれる文房具を考える」です。REECHの一木氏、石田氏、佐山氏、織田氏、池田氏、クロス・マーケティングの日下部氏もリモートで参加し、学生たちの発表を見守りました。

頑張りを見える化できるふせん

発表は1班からスタート。
提案したのは「重ねて完成!クッキングふせん」です。
絵の一部が印刷された透明のふせんを重ねることで、パフェやカップケーキ、マカロンなどが完成する仕組み。試験勉強や資格取得に励む学生をターゲットに、参考書など何度も使う教材に貼ることを想定しています。
問題を解くたびにふせんを重ねていくことで、学習の成果が見える化され、自信や達成感につながるとしました。
発表後には企業の皆さまから講評をいただきました。
石田氏は「資料に描かれていたイラストがとても可愛く、内容が分かりやすかったです」とコメント。
イラストが学生の手描きであることにも感心されていました。
一方、佐山氏からは「とても魅力的なアイデアですが、類似品との差別化や、大学生が手に取りたくなる決め手がもう少し示されるとさらに良くなると思います」との助言がありました。

続く2班は、大学生にはルーズリーフ派が多い点に着目し、カスタマイズできるバインダーを提案。
小さなミラーが付属し、表紙はクリア仕様。トレーディングカードやフォトカードを入れて推し活にも使えるデザインです。
YouTubeやSNSでの発信に加え、大学の購買で販売することで認知度向上を狙います。
一木氏からは「データの使い方が分かりやすく、説得力のある発表でした」と評価の言葉が寄せられました。

かわいらしさでモチベアップ

3班は「HEISEI Marker Pen」と題し、平成レトロをテーマにしたマーカーペンを提案しました。
実用性よりも自己表現やモチベーションアップを重視した商品で、現在の女子大生が小中学生の頃を思い出せるどこか懐かしいデザインが特徴です。キラキラしたラメやチャーム付きのマーカーペンにすることで、コレクション性の高いアイテムを目指しました。
店頭ポップも平成風にデコレーションし、SNSでの口コミ拡散を狙う戦略も盛り込みました。
石田氏は「私も平成女児グッズが好きなので、とても気になりました」とコメント。
一木氏からも「子どもから社会人まで、幅広い世代をターゲットにできそうですね」と評価がありました。

続いての4班は、ペンクッションです。
ネイルをしている女子大生はペンを持つ際に爪が手のひらに当たって痛かったり、持ちにくかったりするという不便さに着目。ペンを持つときに一緒に握り込めるペンクッションを考案しました。
販売形態はガチャガチャを想定し、傘やペン、バッグなどに付けられる目印チャームとして展開します。デザインはケーキなどのスイーツモチーフで、思わず集めたくなるかわいさを意識しました。
石田氏は「類似品があまりなく、流行りそう」と着眼点を評価。
佐山氏からは「とてもユニークで面白い商品だからこそ、実際に使ってもらえるかどうか、サンプリングを通して検証することが大切だと思います」と実践的なアドバイスが送られました。

発想力ゆたかに新しい商品を考案

5班はPCケースに着目しました。
現在市販されているものはビジネス向けの地味なデザインが多いため、持ち歩くことで気分が上がる商品を提案。学校のあと、そのまま遊びに出かけても違和感のないアースカラーやレザー、フェイクファー素材を採用しました。
充電器やマウスが入る多機能設計に加え、前面をクリア仕様にして推し活グッズを入れられるスペースを設けるなど、自己表現も楽しめるようにしています。
一木氏は「ニーズをしっかり理解できていて、とても良いと思います」と評価しました。

最後の6班は名付けて「ぺたぽんポーチ」です。
文房具を持ち歩く機会が減った女子大生に向け、必要なときにさっと使えるコンパクトな小物ケースを考えました。
スマホケースに取り付けられ、シャーペンや修正液などを収納可能。吸盤で壁に貼り付けることもでき、自撮りの固定やスマホスタンドとしても使えます。宣伝方法として学食のトレイを活用する案も示しました。
一木氏からは「コンセプトが面白いですね」と、発想力に感心されました。

リサーチや与件整理、資料作成と取り組んできた学生たち。
この日も時間ぎりぎりまで発表が行われ、努力の成果を示す貴重な機会となりました。
実際の企業プレゼンさながらの課題をやり切り、学生たちはほっとした表情を見せていました。

担当教員からのメッセージ

2022年度より開始した、株式会社クロス・マーケティンググループの皆様とのコラボ授業も、今年で4年目となりました。例年、取り組む課題を変えている授業ですが、今年度は株式会社クロス・マーケティンググループに加え、株式会社REECHのご協力により、女子大生に好まれる文房具を考え、更にそのプロモーション方法を提案するという課題に取り組みました。新しい文房具とそのPR方法という二段階の提案を求められる内容のため、なかなかに難しい課題だったかと思います。しかし、苦労して考えた内容を企業の方たちに対し、プレゼンし、その評価を得るというのは貴重な経験になったはずです。今回、経験した内容は実際に社会に出た後も活かせる内容です。学生達にはこれからの学修活動でも、この貴重な経験を活かした活躍をしてもらえればと思います。最後になりますが、この度はこのような貴重な機会を頂きました、株式会社クロス・マーケティンググループ、株式会社REECHの皆様に、この場を借りてお礼を申し上げます。

2026年2月12日

データを社会に役立てる!「データ時代の女性キャリア開発」の授業でNTTデータ数理システムの取締役による特別講義が行われました。

人間社会学部開講科目「データ時代の女性キャリア開発」の授業で、株式会社NTTデータ数理システム取締役の小木しのぶ氏による特別講義が12月2日に行われました。「自分の道を自分で選ぶために」と題し、デジタルサイエンスを活用して人生を生き抜く力を身に付けていく大切さを力強く語りました。

データで課題を解決する企業とは?

NTTデータ数理システムは1982年に「株式会社数理システム」として設立しました。
「数理科学とコンピューターシステムで社会のあらゆる分野の問題を解決する」というビジョンを掲げ、データを活用したシステムの開発、推進をしてきました。
2012年にNTTデータグループ加入し、より幅広い企業とデータを通してビジネスを拡大しています。

統計解析ソフトウェアやデータ分析ツールの開発などのほか、大量のテキストデータから情報やパターンを抽出する「テキストマイニング」ツールの開発にも力を入れています。
テキストマイニングは、たとえば社員満足度向上のためのデータ分析に使われています。自由記述のテキストを分析することで社員のニーズを深堀するのです。
「企業の中にも悩みがある。それを解決するにはどの技術を使えばいいか考え、企業に合わせてシステムを作ります」と小木氏。技術が実際の業務に役立っている例を交えて話されました。

自ら道を切り開くキャリア

小木氏は「プログラミングがしたい」と新卒入社。
しかし最初の配属は半導体シミュレータの開発でした。
「実は数学の公式が苦手でした」と振り返り、他部署に行きたいと強く思うように。その後、UI開発や当時はまだ珍しかったロボット画像認識、テキストマイニングなど興味のある開発に挑戦していきます。
しかし、良いシステムを作るだけでは知ってもらえないことに気づき、自ら営業へ異動。営業企画や広報にも携わりました。

さらにビジネススクールに通いMBAを取得。
小木氏は「せっかく取ったので取締役に立候補しました」と話します。推薦者に自ら声をかけ、取締役に就任したのです。
「興味を持ったことに首を突っ込み、やりたいと言うことが大切」と自らキャリアを切り開いてきた経験を語りました。

生成AI時代の人の役割とは

現在のデータ利用市場では、AIを使った解析システム開発が主流となり、特に最近の1〜2年は生成AIの台頭が加速しています。生成AIはデータの読み込みや分析が得意。
「ではAIがあればデータサイエンスは不要なのでしょうか」と小木氏は問いかけます。確かに統計や機械学習の基礎知識がなくてもプログラムでき、渡したデータを深く分析してくれます。

しかし小木氏は「不要にはならない」と断言します。
たとえば最適なシステム選択や課題設定などのビジネス理解は人間の役割。また生成AIが出した結果が正しいかを判断するのも人間です。
「統計や機械学習の知識だけでは武器にならない。それをどう使うか考える力が求められています」と語りました。

総合格闘技のような感覚で必要な力を身につけよう

「データサイエンスに限らず、専門家+アルファを目指そう」と小木氏は語り掛けます。
小木氏はそれを「総合格闘技」と表現しました。総合的に物事を考えられると、スピーディに物事を解決したり、さまざまな角度からリスクを避けることも出来たりします。
「生成AIに仕事を奪われないために、したたかに生き残りましょう」と小木氏は話しました。

「総合格闘技」に必要なものとして「自分の力を把握する」「なんにでも興味を持つ」「視座を高く持つ」を挙げます。
得意なことを見つけ、役立つ場を探す。視座を高く持ち全体を見渡すことで、次にやるべきことが見つかると話します。
「私もあれこれ取り組んできたからこそ、自分の道を選べている。自分で道を選ぶため、総合格闘技の力を身に付けましょう。ぜひいろんなことにチャレンジしてみてください」と講義を締めくくりました。

「やってみる」が拓く未来

講義のあとは質疑応答の時間が設けられました。
先生からも「取締役に就任してどうでしたか」と質問が。
小木氏は「同じ会社なのに、自分の知らないことがたくさんありました。なってよかったと思います。なんでもやってみるのはおすすめです」と回答されました。

また、また、「生成AI事業が大きく伸びている理由は何だと思いますか」という問いには、「いまの企業は生成AI導入に予算が付きやすい。社会に出れば使うようになりますので、大学でも積極的に利用しリテラシーを身に付けるべきだと思います」と述べました。
そのうえで「社会に出て突き当たるのは、生成AIに聞いても答えが出ない問題です。どのように技術を使うのか、うまく使える力を身に付けましょう」と話しました。
学生たちにとって、これからの時代を生き抜くヒントを得られた講義となりました。

担当教員からのメッセージ

本授業「データ時代の女性キャリア開発」では、企業の第一線で活躍されている方をお招きし、社会の中でデータがどのように課題解決に活かされているのか、また女性がどのようにキャリアを切り拓いてきたのかを、ご自身の経験を交えながら語っていただいています。

今回の講義では、データで社会や企業の課題解決に取り組む現場のお話に加え、「実は数学の公式が苦手だった」という意外なエピソードや、そこから実務の中で力を身につけていった過程も紹介されました。学生にとっては、得意・不得意に関わらず挑戦することの大切さを実感できる機会になったのではないかと思います。また、キャリアを積み重ね、取締役として活躍されている現在に至る歩みも、大きな刺激になったようです。

生成AIが急速に発展する時代においても、最終的に課題を見つけ、判断し、人と協力して解決へ導くのは人間の役割です。講義の中で示された「総合格闘技のように、さまざまな力を組み合わせて身につけていくことが大切」というメッセージは、これから社会に出ていく学生にとって非常に印象的だったと思います。

この授業を通じて、「自分にできるだろうか」と考える前に、まずは「やってみる」ことが未来を拓く一歩になると感じてもらえればと考えています。本授業が、学生一人ひとりにとって自分の可能性に気づき、新しい挑戦に踏み出すきっかけになることを期待しています。

2026年2月12日

子どもと遊べる紙の遊びを考えよう!「幼児教育法」の授業で子育てアプリ「at Claps(アットクラップス)」のコンテンツを考える実習が行われました。 

幼児保育専攻科目「幼児教育法」(担当:生活科学部生活文化学科 井口眞美教授)の授業で、1月5日に株式会社シーイーシー(以下、シーイーシー)との特別コラボが行われました。子育てアプリに実際に登録する、子どもと触れ合える『紙の遊び』作りに挑戦します。学生たちは楽しくも真剣に作品作りに取り組みました。

保育の学びは企業にも活かせる

机の上には白い紙と色鉛筆やマーカーが並べられていました。学生たちは少し高揚した様子で席に着きました。
机にはシーイーシーのノベルティも置かれており、その中にはクマやうさぎのイラストが描かれたクリアファイルも。
学生たちからは「かわいい」と声が上がっていました。
子育てアプリ「at Claps(アットクラップス)」の担当者であるシーイーシーの君島雅代氏が登壇され、「このクリアファイルに描かれているキャラクターは保育科出身の社員がデザインしました」と紹介。
「幼児教育の学びは、企業のキャラクターデザインなどにも活かすことができます。幼稚園や保育園、小学校の先生も大切な仕事ですが、企業で保育の知識を活かす道もあります。進路の選択肢の一つとして、企業も考えてもらえたらうれしいです」と学生たちに語りかけました。

シーイーシーは今年で創業58年を迎える老舗のIT企業です。製造・金融・医療・物流・公共分野など、企業や官公庁向けにシステムの開発、運用、保守などを行っています。
そんなシーイーシーの技術力とコンビニ印刷のノウハウが合わさり、「at Claps」が開発されました。
「at Claps」について詳細な情報はこちらから→ https://atclaps.cec-ltd.co.jp/#nav

一人の母の思いから生まれたアプリ

「at Claps」は、ぬりえやペーパークラフトなど、紙遊びのおもちゃを簡単に検索・印刷できる子育てアプリです。
スマートフォンで、遊びたいぬりえやペーパークラフト、幼児教材を選び、全国のコンビニや自宅のプリンターで手軽に印刷できます。
2024年3月にリリースされ、現在は84の企業・団体が無償提供する合計1,000点以上のコンテンツを掲載しています。

開発の出発点となったのは、仕事に追われなかなか娘との時間が取れなかった母親である発案者の思いでした。
忙しい中でも娘とオリジナルの紙遊びをしたとき、心が温かくなるのを感じ「忙しい家庭でも紙遊びを手軽にできる仕組みを作りたい」と、「at Claps」を企画しました。
君島氏も3児の母として、その思いに強く共感したといいます。
二人目がまだ小さかった頃、長女から「お母さん、もっと一緒に遊びたい」と言われた言葉が胸に刺さりました。
そんなときに一緒に楽しんだのが紙遊びです。画用紙や折り紙でクリスマスツリーを作ると、長女はとても喜んでくれたと振り返ります。

ただ、無償の紙遊びコンテンツは多くの企業が提供しているものの、それぞれから遊びたいコンテンツを探す手間がかかることが課題でした。
「材料をそろえたり、アイデアを考えたりするのが負担に感じることもあった」と君島氏。そうした課題を解決する、コンテンツを一元管理するアプリである、「at Claps」に大きな魅力を感じたと語りました。

自由な発想で考えよう

いよいよ学生たちがコンテンツ制作に挑戦します。
お題は「遊びを楽しむことを通しておのずと力が身に付くコンテンツ」です。「at Claps」は家庭での親子遊びだけでなく、延長保育や学童、お昼休みのちょっとした時間など、さまざまな場面で利用されています。
そのため、短時間で取り組めて達成感があり、子ども自身が主体的に楽しめる余白のある遊びが人気です。
君島氏は「これらはあくまでヒントです。自由な発想で、新しい遊びを考えてみてください」と学生たちに呼びかけました。

このコンテンツ制作には、2年前の先輩たちも挑戦しました。
現在掲載されているものには、点をつないでライオンのたてがみを完成させる遊びや、洗濯ばさみを使ってタコの足を作るものなど、発想豊かな作品が並びます。
今回学生たちが制作するコンテンツも、後日プロのデザイナーによってデザインされ、実際に掲載される予定です。
「皆さんのアイデアが、子どもたちの笑顔につながることを期待しています」と、君島氏は学生たちにエールを送りました。

紙の遊びで子どもを笑顔に

学生たちはさっそく制作に取りかかりました。
近くのメンバーと意見を交わしながら形にしていったり、思いつくままに絵を描きすすめていったりと、それぞれが真剣な表情で取り組みました。
おうちを舞台に切り貼りで片付けを学べるペーパークラフトや、お弁当の中身作り、パズル、ちぎり絵、カレンダー、すごろく、ふくわらいなど、多彩なアイデアが次々と形になっていきました。

制作時間は約30分で、授業の最後に数名の学生が作品を画面に映しながら簡単に紹介しました。
紙を切り抜いてポストを組み立てるペーパークラフトを制作した学生は、はがきもセットで用意。切手には子どもが自分で絵を描き、貼って投函できるよう工夫しました。
君島氏も「最近はメールで済ませることが多いので、ポストに投函する体験に着目した点がとても良いですね」と感心した様子でした。
また、「子どもの頃、おままごとやお店屋さんごっこが好きだった」という学生は、レジとお金を制作。
QRコード決済も体験できるようにするなど、現代らしい工夫が光りました。

発表後、君島氏は「たくさんのアイデアを出していただき、ありがとうございます」と感激の面持ちでコメント。
学生たちの作品は今後さらにブラッシュアップされ、アプリへの掲載が予定されています。

担当教員からのメッセージ

コンテンツの開発は、これで2回目となります。
今回も、幼児保育専攻3年生の授業内で実施しました。さすが、保育所や児童福祉施設での実習を終えた3年生だけあって、子どもたちが遊ぶ姿を具体的にイメージしながら活動を進めていました。
授業後には、学生から「自分が子どものころに遊ぶのだったら、これをやってみたい!とイメージして作るのが楽しかったです」「友達の作品に自分にはない視点や考えが見えて、とても勉強になりました!」
といった感想が寄せられました。保育者として求められる、“子どもの視点に立ち、遊びを創造する力”を発揮する経験になったことと思います。

2026年2月2日

企業の社会的責任とは?「社会責任論」の授業でJFEテクノスによる特別講義が行われました。 

12月18日の「社会責任論」(担当:生活科学部 現代生活学科 倉持一准教授)の授業で、JFEテクノス株式会社による特別講義が行われました。企業の社会的責任についてどのようなことをしているのか、実例を挙げながら語っていただきました。学生たちは企業のCSRやCSVの考えについて学びを深めるきっかけとなりました。

JFEテクノスはなんの会社?

登壇されたのは木村満氏と村田雄介氏です。
村田氏は「少し難しい言葉も出てきますが、リラックスして聞いてください」と語り、講義が始まりました。
最初に会社紹介を行ったのは木村氏です。
1990年にJFEの前身である日本鋼管株式会社へ入社。
「30年以上働いてきましたが、企業の社会的責任について深く考える機会は少なく、今回は私にとっても良い機会です」と話しました。
「JFEは鉄を主軸とした会社です」と木村氏。
日本鋼管と川崎製鉄が2002年に経営統合してJFEHDが発足し、現在は鉄鋼、エンジニアリング、商社の3事業を展開しています。そのうちJFEエンジニアリングのグループ会社の1社がJFEテクノスです。
「ルーツは造船業」と木村氏は説明し、船体製造の技術を応用して橋や線路、工場やプラントなど社会インフラを築いてきたと紹介しました。

JFEテクノスは主にそれらのメンテナンスを担っています。太陽光・風力発電設備、コンテナクレーン、高速道路の橋脚、焼却炉、立体駐車場など多岐にわたるものの保守を行います。
「脱炭素の観点からも、今あるものを長く使うことが重要です。劣化を防ぐためには定期的な点検や補修が欠かせません」と語りました。

インフラを守ることで社会貢献

JFEのパーパスは「くらしの礎(もと)を技術で創り担い、すべての人を笑顔にする」。
木村氏は「すべての人とは顧客だけでなく、社員も仕事を通して含まれます」と説明しました。
「そのためにも、すべてのステークホルダーから信頼を得ることが必要です」。
社会の一員として認めてもらう取り組みの一つとして、事業を通じたSDGsへの貢献を重視しています。

JFEテクノスの社会的責任は、インフラを守ること。これは社会の維持に大きく貢献しています。
「ただし、CSRは事業以外にもあります」と木村氏が挙げたのが地域社会との交流です。交流によって認知度が高まり雇用が生まれ、雇用の拡大は企業の成長とさらなる社会貢献につながります。
「社会貢献を通じて社会的価値が生まれ、自分たちも成長していく。企業・消費者・社会の好循環を生み出すことが価値の創造、つまりCSV経営の軸になるのです」と語りました。

技術開発を行うためにも成長は大事

続いて村田氏が登壇。
大学生の頃はアウトドアに関わる仕事を目指していましたが、怪我で断念。自分を見つめ直すため海外を巡る中で、どの国でも日本の製品やサービスが活躍していることに気付いたといいます。日本にいては分からなかった製品のすごさを実感し、自動車会社に入社。
その後、車以外でも多くの人の役に立ちたいと考え2013年にJFEへ転職しました。
「学生時代はこんな業界があるとは知りませんでした」と、車業界をきっかけにエンジニアリング業界と出会ったと話しました。

JFEグループのパーパスは「世界最高の技術で社会に貢献する」こと。
社員の約6割が技術者で、日本だけでなく世界で戦える技術力に誇りを持っています。
その技術力を強みに、カーボンニュートラル分野のトップランカーを目指しています。

環境問題の解決は会社の使命

「カーボンニュートラルの技術開発には、利益がなければ研究費を確保できません」と村田氏。
「だからこそ成長が必要です。企業の利益追求も、何のために利益を増やすのかという目的がなければ社会に認められません」と語ります。気候変動は世界的な課題であり、限られた資源を守りエネルギーを効率的に使うには高い技術力が不可欠です。

「これほど環境を重視するのは、私たちの事業が大量の二酸化炭素を排出するからです」と村田氏。
日本のCO₂排出量は世界5位で2.9%。一見少なく思えますが、6位以下は1%程度で「相対的に見ると多い」と指摘します。
排出量が最も多いのは発電や石油精製などのエネルギー変換分野で約4割、次いで鉄鋼や建設・製造などの産業分野です。
「JFEグループはどちらも深くかかわる分野です。鉄を扱う会社の使命として、二酸化炭素削減に取り組む必要があのんです」と強調しました。
さらに「インフラは一度整備すると数十年使われます。建設や設置時にもCO₂が出るため設計段階で省エネを考え、長く使い最後はリサイクルできるよう取り組んでいます」と説明しました。

CSRは地域とつながってこそ

最後にJFEグループのCSRの取り組み事例として紹介されたのが、ごみ問題への対応です。
公道の清掃活動やごみ拾い大会を定期的に実施。社内での分別は18種類と細かく分けられているといいます。
「本社近くの池では、近隣の小学生を招き、虫取りなど自然と触れ合う交流会も行っています」と紹介されました。

また、社員が働きやすい環境づくりにも注力しています。
「福利厚生は社員へのCSRです」と語り、家賃補助や取得しやすい年休制度、育休など、ライフイベントを支える制度を整えています。
企業の成長を目指すことで社会のサステナビリティに循環していくことがCSRだということを、学生たちも学んだ講義でした。

担当教員からのメッセージ

企業は単なる経済の担い手ではなく、私たちのよりよい未来をつくる大きな主人公の一人だという認識が当然視される中、企業経営において欠かせないのが「企業の社会的責任(CSR)」の考え方です。
この「社会責任論」の授業では、CSRを歴史的な理論変遷を主軸に考察しながら、その時代において何が論点とされ、かつ、どのような影響が企業活動に生じたのかを学びます。これまで、経営者個人の倫理観を重要視する議論もあれば、企業という営利追求組織だからこそ幅広い社会責任論は認めるべきではないという議論もあれば、いや、経済的価値と社会的価値の双方を創出することが重要だという議論も登場するなど、CSRに関する議論はまさに百花繚乱です。
これらの議論を体系的に学び、現代の企業経営のあるべき姿を自らの価値観と照らし合わせながら考えている学生にとって、今回のJFEテクノス株式会社の特別講義は、よりリアルなCSRを感じ取る良い機会になったと考えています。利益追求を旨とする企業という組織がいかに社会貢献に取り組み、自社と社会の2つのサステナビリティを実現していくのか。これは非常に難易度の高い経営課題ですが、それでも真摯にチャレンジし続けるJFEテクノスの各種施策を目の当たりにしたことで、学生たちの企業観も変化したのではないでしょうか。

2026年1月27日

ひとり親家庭へ衣類を提供!渋谷キャンパスでNPO法人グッドネーバーズ・ジャパンとBEAMS・NOLLEY’S・ABAHOUSEによる特別イベントが行われました。 

12月26日・27日の2日間、本学の渋谷キャンパス内「JISSEN PLAY BASE」にて、ひとり親家庭を対象に企画された衣類の無料提供イベントが行われました。NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン (GNJP) と大手セレクトショップが連携して開催され、本学の学生たちもボランティアとして参加しました。

特別な服選び体験

GNJP運営のフードバンク「グッドごはん」を利用するひとり親家庭を対象とした衣服無料提供イベントであるこの企画にはBEAMSをはじめ、NOLLEY’S(ノーリーズ)、ABAHOUSE(アバハウス)のアパレル3社が参加しました。各社が提供した洋服がずらりとラックに並び、会場には試着室も設けられるなど本学のスペースがこの期間だけの特別なセレクトショップへと生まれ変わりました。
アウターやトップスだけでなく、バッグや小物なども選べます。
各ブランドのスタッフも多数参加し、一人ひとりに寄り添ったコーディネート提案を行うなど、丁寧なサポートが印象的でした。

本取り組みは「Happy Family Day」として5月に開催した際にも大きな反響を呼び、今回は抽選枠を増やしての実施となりました。
参加者は「グッドごはん」の利用者の中から、中高生の子どもを持つひとり親世帯が対象です。
当日は家族そろって来場し、服を選んだり試着したりと、楽しそうな会話の聞こえてくるなごやかな時間が流れていました。

コーディネートも体験して思い出を

イベント開催にあたり、GNJPの綿貫氏にお話を伺いました。
「衣類提供会自体はおととしから続けている取り組みですが、実践女子大学さんとのコラボは5月に続き今回で2回目です。
それまでは事務所で実施していましたが、どうしても手狭でした。
今回お借りしているこのスペースは、本物のお店のような空気があり、とても魅力的ですね。
本イベントの特徴は、洋服を渡すだけでなく、店舗のようにコーディネートを提案してもらえる体験ができることです。生活に困難を抱えるご家庭の中には、ゆっくり買い物をする機会が少ない方もいます。
この機会にお店で選ぶ楽しさを味わってもらえたらと思っています。年末年始はイベントの多い時期でもあります。クリスマスプレゼントや家族の思い出として、楽しい冬を過ごすきっかけになればうれしいですね」

学生たちも積極的に参加

当日は学生たちもボランティアとして参加しました。
ショッピングバッグを手渡したり、商品を包んで袋詰めをしたりと、来場者と直接コミュニケーションを取りながら運営をサポートしていました。

参加した学生たちに、今回ボランティアに応募した理由を聞くと、「以前からボランティア活動に関心があり、経験してみたかった」という声や、「5月のイベントのときから気になっていたのですが応募が間に合わず、今回はぜひ参加したかった」といった声など、全員が前向きな思いで参加を決めていました。
また、「親戚にひとり親世帯がいて、苦労を身近に感じている」と、個人的な経験から関心を持った学生もいました。
学生たちは、全員がファッション大好き。
「大学とブランドが連携して洋服を提供する取り組みだと知り、社会貢献につながると感じて参加しました。洋服だからこそ届けられる楽しさがあると思います。新しいファッションとの出会いで、少しでも笑顔になってもらえたらうれしいです」と話してくれました。

企業同士も連携して良い相乗効果に

各ブランドの皆さまからも、衣類提供会を開催する意義についてお話を伺いました。

BEAMS 経営企画本部 サステナビリティ推進部 本間氏
「5月の開催後、社内でも反響が大きく、今回は少しパワーアップしてお届けしています。実践女子の学生の皆さんはとても品がありますね。運営の手伝いも楽しみながら取り組んでくださっている印象です」

NOLLEY’S(ノーリーズ) 室氏
「当社は中高生向けのブランドがあまりないため、最初は少し勝手が違うかもと緊張していましたが、ご家族連れが多く楽しく接客ができています。実践女子の学生さんはとても前向きでしっかりされている。こちらが指示しなくても自ら考えて動いてくれます。大学とコラボする機会は貴重なので、今後も継続して連携できればと思います」

ABAHOUSE(アバハウス) 坂田氏
「ファミリーセールのような取り組みは社内でも行っていますが、ボランティアを含めた活動は自社だけでは難しいこともあります。5月にBEAMSさんから声をかけていただいたとき、ぜひ参加したいと思いました。実際に手に取って喜んでいただける姿を見て安心しています。今回のイベントが少しでもリフレッシュにつながればうれしいですね。大学と連携することで、学生の皆さんの姿勢から学ぶことも多く、私たち自身も刺激を受けています」

本学は今後も、企業や地域との連携を通じて、学生が社会課題に向き合い学びを実践する機会を創出してまいります。

2026年1月26日

自分のやりたいことへ再挑戦!「女性社会論b」の授業でOGによる特別講演が行われました。 

「女性社会論b」(担当:生活科学部現代生活学科 須賀 由紀子教授)の授業で、12月17日に本学の卒業生による講演が行われました。就職活動での苦労や女性が目的を持って働くことについて、先輩のリアルな声を直接聞ける貴重な機会となりました。学生たちも積極的に質問をしており、自身の将来や就活への理解を深めている様子でした。

卒業生のリアルな体験談

この授業では、これからの社会と女性の働き方について多角的に学びます。多様性が当たり前となる時代にどう暮らしていくか、女性の生活者意識を職場でどう活かすかが問われています。
その中で、直線的ではなく柔軟に人生を選んでいく「ライフシフト」の考え方が注目を集めています。

今回は卒業生の視点から、女性が働くことのリアルな体験談を伺います。
2024年卒の小林さんは須賀ゼミ出身。株式会社良品計画に就職し、埼玉県の店舗で勤務して2年目です。
まずは小林さんから自己紹介がありました。
在学中はJ-STAFFに所属し、オープンキャンパスなどのイベント運営に力を入れていたと話しました。

就活はメディア業界に絞り、4年生の6月に制作会社から内定を得て一度は就活を終了しました。
しかし、なんと10月に内定を辞退。
再び就活を開始し、12月に良品計画から内定を得たと語りました。

悩みぬいた末に再度就活を決意

ここからは須賀先生がインタビュアーとなり、小林さんの経歴を深掘りしていきます。
「メディア業界に行きたいと思ったのはテレビが好きだったから。特に朝の情報番組が好きで興味がありました」と話します。
しかし、一度就活を終えた夏に1か月間アメリカへ語学研修に行ったことが、考えを大きく変えたと言います。

もともと海外に関心はあったものの、コロナ禍でなかなか留学の機会に恵まれなかった小林さん。念願の海外留学は「とにかく楽しかった」と振り返り、「やはり海外で働く仕事がしたい」と決意。
悩んだ末に内定を辞退し、再び就活に挑戦しました。
内定辞退については「相手企業にも驚かれ心配されたので、あまりおすすめはしません」と笑いを交えてコメント。それでも辞退を選んだ理由として「新卒で入社する会社は大切にしたいという思いがあった」と話します。
また、メディア業界は多忙で生活リズムが不規則になりやすいと聞き、自分には合わないと感じたことも一因だったそうです。
「皆さんはしっかり自己分析をして、企業を見るときは働き方まで確認してほしい」と、経験を踏まえて学生にアドバイスしました。

夢は海外で働くこと

再び就活を始めたときの心境について「やるしかないと思って頑張りました」と語ります。
先のことを不安に思う余裕もないほど真剣に取り組んだそうです。そうして出会ったのが良品計画でした。

入社を決めた理由は、海外展開が多いこと。海外拠点も多く「海外で働けるチャンスがあると思った」と話します。
また、無印良品は知名度が高く、人の生活に役立っている実感があることも魅力だったと言います。
現在はレジ業務をはじめ、売り場づくりやアルバイトのシフト作成、勤怠管理など幅広い業務を担当しています。

将来の目標は、やはり海外で働くこと。
そのために大型店での店長経験が推奨されているため、まずはそれを目標に頑張っていると話します。
「良品計画に入って後悔はありません。充実しています」と語り、再度就活に挑戦した選択を前向きに振り返っていました。

考えすぎず、まずは一歩踏み出して

ここで学生たちからも質問を募集。
掲示板形式で集めた質問に、小林さんが回答されました。
「学生時代にやってよかったことは?」という問いには、「語学です。特に第二外国語などは触れる機会が限られ、社会に出てから学ぼうとするとハードルが高い。学生のうちに学べるのは大きいと思います」と答えました。

「就活では行動と熟考のどちらを優先すべきか」という質問には、「通年採用の企業も多く、あとからでもチャンスはあります。良品計画も通年採用でした。早く決めなきゃと焦る必要はないと思います。ただ、行動しないと始まらない。考えすぎて動けないより、まずは説明会に行くなど一歩踏み出すことが大切です」と自身の経験を交えて語りました。

ほかにも就活や現在の働き方について多くの質問が寄せられました。
小林さんは「みなさん就活に不安を感じているのだと思いました。でも私は就活が楽しかった。自分の話ってしっかり聞いてもらえることはなかなかない。でも面接で自分の話が出来るのは貴重な経験でした」と述べ、前向きに臨むことの大切さを伝えました。
学生たちにとって、就活や働く女性像がより身近になった講義となりました。

担当教員からのメッセージ

「お話いただいた100分間とても有意義な時間でした」「実際に働くイメージを掴むことができた。大学時代の経験をきっかけに自分の世界を広げ、その経験を就職活動にも結びつけていた点が印象的」「自分の考えに従い自分の選択に責任を持ち、納得のいく後悔のない道を選ぶ姿勢から強い刺激を受けた」――身近な卒業生の話は、学生たちの心を捉え、講義後の学生からのコメントは、満足感溢れるものでした。自分で実際に見て、触れて、考えたことを大切に、自分の向かいたい方向を持ちながらしなやかに自分らしく生きるという小林さんのお話は、本学科卒業生の姿として誇らしく感じます。学生からの質問にも一問一答、考えながら丁寧に答えてくださり、ありがとうございました。在学生の皆さんにも、ぜひ学生時代に様々な体験をして、自分を広げてほしいと思います。

2026年1月19日

dポイントで企業の課題を解決しよう!「リーダーシップ開発a」の授業でNTTドコモとの特別連携授業で学生たちがプレゼンテーションを行いました。  

「リーダーシップ開発a」(担当:人間社会学部社会デザイン学科・児玉充教授)の授業で、12月17日に株式会社NTTドコモ(以下ドコモ)との特別コラボ授業が行われました。この日は前回出された課題に対するプレゼンテーションです。テーマは「ドコモが保有する事業の強みを活用し、パートナー企業と一緒に顧客の課題解決を立案せよ」。学生たちは約1か月かけて企画を練り、発表に臨みました。

シニア層にアルバイトを訴求

この日は採用担当の寺町沙紀氏をはじめ、ドコモから4名が来校。
「皆さんの発表を楽しみにしてきました」と期待を寄せました。発表は全10班。
さっそくA班からスタートです。

A班は家電メーカーとタッグを組み、一人暮らしの大学生をターゲットにIoTを活用した企画を提案。
冷蔵庫や電子レンジと連携するアプリを活用し、自炊が簡単にできるレシピを提供します。dヘルスケアと連携し、若者の自炊意欲と健康面に訴求。
レシピ利用ごとにdポイントを付与することで、家電製品の若者への認知拡大につなげる狙いです。

続くB班は、シニア層をターゲットに隙間バイトとの連携を考えました。
隙間バイトをするとdポイントを付与することで、年金だけでは不安のあるシニア層と、人手不足に悩む企業の双方にメリットがあるとしました。
発表後、企業側からの講評では「隙間バイトは即戦力を求めることが多い。シニア層でも対応できる仕事を想定すると、さらに良かったですね」とコメントがありました。

若者の学習意欲を高めよう!

C班は「学びが続く社会」をテーマに、学習管理SNSを提供する企業を選定。
勉強時間に応じてdポイントを付与し、アプリの継続利用を促すとともに新たなデータ創出を狙います。
寺町氏は「受験生などペルソナが整理されていました。ただ、受験後に離脱しやすい点が課題は残るので、大人になっても使い続けてもらう工夫があると良かった」とコメントしました。

続くD班は、レシピ共有サイトを運営する企業に着目しました。
一人暮らしの若者が食材を使い切れない課題に注目し、賞味期限間近の食材で作れるレシピを登録するとdポイントが付与される仕組みを提案。
企業側からは「現実味のある提案でした」と評価がありました。

インバウンドもターゲットに

連携する企業に鉄道会社を選んだのはE班です。
dヘルスケアと連携し、移動距離に応じてポイントを付与。
通勤・通学をする幅広い世代を対象に、健康意識に訴求します。

F班は航空会社をピックアップ。
dポイントクラブ会員数は1億を突破していますが、今後日本人の会員を増やすのは難しくなる、と推測しインバウンドを対象にしました。
訪日外国人専用アプリ「d-cier」を立ち上げ、SIM契約の際に訴求します。
寺町氏から「発想が面白いですね」とコメントがあり、「何日間の滞在を想定しているのか」と質問されました。
学生も「1回の来日でたくさんポイントをためるのではなく、何回も来てもらうための仕掛けにしたい」と回答していました。

続いてのG班は外資系のファッションブランドを選びました。
自分の持っている服やアクセサリーをアプリに登録し、コーディネイトを提案してくれるサービスを考案。
そこで新しいアイテムを購入するとdポイントが付く仕組みです。

dポイントで再配達を削減!

H班は駅ビル型ショッピングセンターと組んで、女子大生をターゲットにしたアプリを考えました。
人気ブランドの新商品紹介やコーディネイト提案を行います。
企業の方からは「目の付け所がいい」と評価がありました。

I班は郵送業者を選定し、流通業界の人手不足に着目。
再配達削減を目的に、置き配やコンビニ受け取りでdポイントを付与します。ドライバーにも配達個数や距離に応じてポイントを付け、モチベーションアップを目指します。
寺町氏からは「とても素晴らしいですね」と感嘆の声が。
「三方よしの事業だと感じました。競合と比べてdポイントの強みをどう際立たせるかの提案があると、さらに説得力が増すと思います」とコメントしました。

最後はJ班。
ベビーシッターアプリと連携し、子育て世代や共働きをターゲットに設定。
急な残業時や家事代行利用でポイントがたまる仕組みを作り、認知向上と継続利用につなげる提案でした。

企業の事業企画を体験

学生たちの発表を終え、最後に寺町氏から総評がありました。
「課題を見つけ、資料を調べ、発表に向けて準備するのは大変だったと思いますが、企業のサービスや企画がどのように生まれているのかを実感してもらえたと思います」と振り返りました。
そして「この経験が今後につながることを期待します」と語り、充実した授業をしめられました。

担当教員からのメッセージ

dポイントデジタルマーケティングによる顧客向けビジネスに対して、学生チームから多様なソリューションのアイデア提案がなされました。顧客が実際に抱えている課題をdポイントでどのように解決していくかの具体的なソリューションを考える思考プロセスは学生の皆さんにとって貴重な体験になったと考えます。このような実践思考のデザインアプローチを今後より一層深めてもらうことを期待しています。

2026年1月16日

舟山選手と語る、スポーツがくれるウェルビーイングの力。―パリパラリンピックに出場した舟山選手との交流会を今年も開催しました!―

2025年度のJWP(実践ウェルビーイング・プロジェクト)活動の一環として、12月20日(土)に、スポーツ×ウェルビーイングに関するワークショップを開催しました。今年も昨年に続き、2025年10月のアジアパラ選手権大会で優勝し、2026年の世界選手権大会の出場権を獲得した舟山真弘選手をゲストにお迎えしました。当日は、大会での印象的なエピソードから、日々のコンディションづくり、そしてウェルビーイングとの向き合い方まで、幅広いテーマでお話を伺うことができました。

ゲスト:舟山真弘(ふなやままひろ)選手

彼は現在、早稲田大学に通っている大学3年生。 4歳で小児がんの一種である「右上腕骨 骨肉腫」に罹患。1年2か月間入院し、手術と抗がん剤治療を受けました。手術では、利き手であった右腕の肩関節と上腕骨を切除し、足の細い骨を移植しました。右腕は上がらなくなり、細い骨の骨折に細心の注意が必要となりました。

そういったバックグラウンドを持っている舟山選手ですが、実際にお会いするととても明るく、周囲を和ませる笑顔が印象的な方です。

卓球を始めたきっかけは、家族旅行で経験した温泉卓球。その楽しさに心が惹かれたことで、本格的に卓球の世界にのめりこんでいきました。今ではパリのパラリンピックで5位に入賞したり、数々の大会でメダルを取ったりと大活躍で大注目の選手です。

当日のワークショップでは、パラリンピックの試合映像を本人の解説と共に上映しました。メダルがかかった大一番の相手はフランスの選手。開催地がパリということもあり、会場の応援のほとんどがフランス側という完全アウェイの状況だったそうです。それでも、会場にいた日本の応援団や、国籍を問わず良いプレーに拍手を送ってくれる観客の存在が大きな力になったと語ってくれました。その言葉からは、競技の緊張感だけでなく、スポーツが生み出す温かなつながりも感じられました。

◆当日の舟山選手とのワークショップ

今回のワークショップでは、インタビューにクイズ、神業チャレンジ、さらには舟山選手との卓球体験まで、盛りだくさんの内容で会場は終始大盛り上がりでした。

インタビューでは、卓球の技術や試合での心構えはもちろん、学生生活やプライベートの話まで、NGなしでざっくばらんに語っていただきました。同じ大学生とは思えないほど芯のある考え方に、参加者からは「刺激を受けた」「もっと頑張りたくなった」という声が多く聞かれました。

続いて行われたクイズ大会では、舟山選手にまつわる問題が次々と出題され、会場は笑いと驚きに包まれました。見事上位3名に入った参加者には、舟山選手の直筆サイン色紙が贈られ、受け取った瞬間の嬉しそうな表情がとても印象的でした。

そして後半は、いよいよ卓球体験へ。実際の卓球台を使い、台の端に置いたペットボトルを打ち抜くという「神業チャレンジ」に舟山選手が挑戦。なんと一発でクリアし、会場は大きな拍手と歓声に包まれました。その後は参加者も実際にラリーをしたり、スマッシュのコツを教えてもらったりと、プロの技を間近で体感。体を動かす楽しさや、誰かと一緒にスポーツをする心地よさを、まさに全身で味わえる時間となりました。スポーツを通じて生まれるつながりや、体を動かすことで得られるウェルビーイングを、参加者全員が実感できたひとときでした

●当日の質問より(一部抜粋)

Q.舟山選手の特技はなんですか?

A.顔を見ただけで年齢を当てられる特技がある。特技といわれると難しいですが、全く知らないアニメのパンフレットに載っていたキャラクターの年齢を、ピッタリ当てたことがあるので、これが僕の特技だと思います。(笑)

Q.今後の目標はありますか?

A.4年後を見据えた時、メダル獲得だけでは満足しないようにすることです。メダルをゴールにするのではなく、金メダルを目指していきたいです。そのために日々の練習を頑張って、1日1日を大切に過ごしていきたいです。あと1年で学生が終わってしまいますが、ただ受動的に生きるのではなく、誰かに何かを与えられる人間になれるようにこれからは人としてももっともっと成長していきたいです。

●当日の参加者、運営メンバーのコメント

・ウェルビーイングな状態になる手段がたくさんあるということはそれだけウェルビーイングになれる瞬間が多いということというお話が印象的でした。卓球もできて楽しかったです。

・とっても楽しかったです!!卓球もできた上に全く違う生き方をしてきた方の話を聞けて良かったなって思いました。何か好きなこと、芯となるものがある人は強いのだと思え学びが多かったです。

・今年は経験者がいたおかげで、心に余裕を持って準備を進めることができました。

パラリンピックの映像を本人の解説とともに振り返ったり、卓球対戦や「神業チャレンジ」で盛り上がったりと、参加者が楽しみながら刺激を受けることができたのではないかと感じました。アンケートでも好評の声を多くいただき、クイズや体験を通してスポーツとウェルビーイングの繋がりをしっかり伝えられたのではないかと嬉しく思っています。素晴らしいメンバーと共に今年も運営ができ、楽しかったです。

・今年も舟山選手と一緒にwell-beingについて考えることができ、とても嬉しく思います。当日はイレギュラーな出来事が何度も起こり、大変な場面もありましたが、無事に終えることができて本当に良かったです。参加者の皆さんが楽しそうに舟山選手の講話を聞き、一緒に卓球をしている姿を見て、あの時間そのものがwell-beingだと感じました。何度も笑いに包まれた素敵な会を運営することができ、貴重な経験となりました。

木島理事長のコメント

JWP活動の一環として舟山選手との交流が始まり、今年で3回目の開催となりました。

舟山選手は、私が以前から応援しているパラリンピックを目指している卓球選手であり、大学生です。この活動でいつも感心するのは、学生の皆さんの自主運営であること、そしてその内容がいつもきちんと考えられていることです。

well-beingは、一人ひとり異なり、また、昨日と今日、昨年と今年、どんどん変わっていくものだと思います。同じ大学生ではありますが、違う領域で活躍している舟山選手と交流する機会は、学生の皆さんにとってもいい刺激になったと思いますし、舟山選手にとっても、それは言えることだと思います。私もいい刺激をいただきました。

このような交流が長く続くことで、お互いに成長できる機会が続くことを期待しています。

深澤教授からのコメント

2025年度のJWP(実践ウェルビーイングプロジェクト)の活動も折り返し点を迎えました。舟山選手をお迎えしてのイベントを開催することで1年が終わり、また新しい年を迎えることを実感します。

今年も、学生が自主的に手を挙げてくれて企画・運営に携わってくれました。同じ世代の若者同士が会話をし、インタラクティブに交流し、卓球で楽しむという姿は、まさにウェルビーイングなひとときとなります。アスリートから学ぶウェルビーイングについて、参加してくれた学生一人ひとりも深く考えてくれたと思います。

ロスアンゼルス五輪に向けてスタートを切っている舟山選手のさらなるご活躍を心からお祈り申し上げます。

2026年1月13日

美しい立ち居振る舞いをならう!「現代日本社会論」の授業でANAのCA直伝の「おもてなし」を学びました。

12月1日に「現代日本社会論」(担当:国際学部 国際学科 コルネーエヴァ スヴェトラーナ准教授)の授業でANA総合研究所の久保真理子氏による特別講義が行われました。「企業の接遇におけるおもてなしとマナー」と題し、CAの美しい立ち居振る舞いやおもてなしの心について語られました。講義の後半には立ち居振る舞いの実践も行われ、学生たちも背筋を伸ばして参加していました。

CAは「おもてなし」の仕事

久保氏はANAでCAとして36年間勤務しています。就職当時は総合職での女性募集はまだ少なかったと言います。
「女性がいきいきと責任を持って輝ける仕事がいい」と考え、CAを選んだと話しました。
CAの乗務経験を経て転勤は11回。CAの訓練部やロンドン・ヒースロー空港での勤務など、「CA以外にもさまざまな仕事をさせてもらっている」と充実ぶりを語られました。

CAと切り離せないのが「おもてなし」の精神です。細やかな気配りという日本を代表する文化として、海外でも評価されています。
「おもてなしが深く根差しているものの一つに茶道があります」と久保氏。一人ひとりとの出会いを大切にする「一期一会」と、もてなす側ともてなされる側が共に場をつくる「一座建立」の精神を、CAの仕事でも大切にしていると話します。
「飛行機は密室。CAはお客様にお願いする場面も多い。信頼され、協力してもらえる空気づくりが大切です」。

「おもてなし」を活かしてファンづくり

航空会社のおもてなしは、座席や機内食などのハード面と、笑顔や態度といったソフト面の両方が求められます。
ただし安全とセキュリティが最優先。時間の制約もあります。
さらに国家間の経済状況や災害などにも左右され、求められるサービスは時々によって変わるため臨機応変な対応が必要です。

「また、サービスは真似されやすい側面もあります」と久保氏。
フルフラットシートはANAが日本で初めて導入したものですが、いまでは多くの航空会社で一般的。
「差別化が難しいなか独自性をどう出すか。それにはハード面も大切ですが、やはり人の力が大きい」と語ります。
「お客様とのあらゆる接点でANAならではの価値を感じてもらうこと。選ばれ続けるには、人の力による競争が欠かせません」。

そのためANAは顧客体験価値戦略を推進。広告や予約、チェックインに機内サービス、乗り継ぎや荷物受け取りまでを28のシーンに分け、すべてでおもてなしを感じてもらう取り組みを行っています。
「それぞれのシーンで関わるスタッフは違います。しかし一貫したANAらしさを提供することで、ファンづくりをしています」と話しました。

「おもてなし」には気持ちが大事

ファンづくりに大切なのは「接遇」です。接遇とは、お客様に対しおもてなしの心を持ち丁寧な態度や言葉遣いで接すること。
つまり、おもてなししようとする気持ちです。
「形やマナーを守っても気持ちがなければ意味がありません。心が大事だということを知ってほしい」と久保氏は語りました。

「思っているだけでは伝わりません。表現することが大事」と久保氏。
おもてなしを表すのに最も大切なのは笑顔です。
「隣の人に笑顔が伝わるかチェックしてみましょう」と実践が始まりました。
ノートなどで顔の半分を隠し、目元だけで笑顔が伝わるか確認。学生たちは互いに助言し合っていました。

また、おもてなしには身だしなみも重要です。
清潔感と控えめな印象がポイント。「おしゃれは自分のため、身だしなみは相手のため」と久保氏。
「お休みの日はどんなかっこうしてもいい。個性を爆発させてください。ただ、TPOをわきまえましょう」と話しました。

美しい立ち居振る舞いを身に付けよう!

「それでは皆さん立ってください」と久保氏。
いよいよ立ち居振る舞いの実習が始まりました。
まずは基本姿勢から。
足をそろえて、一本の糸で頭からつられるようにまっすぐ立ちます。自然に胸を張り、あごを引くことできれいな立ち姿になります。
「皆さんとってもきれいですよ」と久保氏は声をかけられました。

そしてお辞儀の仕方。
背筋を伸ばし、お辞儀の前後に相手の目を見ること、体を上げる時をゆっくりすることを意識するよう伝え、「先に言葉を述べその後お辞儀する語先後礼ですと丁寧です」と解説。
「おはようございます」とあいさつしたあとに頭を下げる方法を学生たちも練習しました。

そして、ものの渡し方や受け取り方、物の指し方なども一つ一つ教えていただきました。
ただ、カバンを渡すときも大きさや相手の背丈などそのときごとに異なります。「ものを渡す際の決まりはありません。でも皆さんは実践すれば答えが分かるはずです。相手の受け取りやすいところに合わせて渡すことが大切です。一つものを渡すだけでも魂込めて行いましょう」と久保氏。
「小さなことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に。先輩方から受け継がれている言葉です」と一つ一つの動作を意識することの大切さを伝えました。

さまざまなものに興味を持とう

講義の最後には質疑応答の時間が設けられました。
学生たちは掲示板に質問を入力し、久保氏がそれに回答されました。多彩な質問がたくさん寄せられました。
「結婚や出産をしても仕事を続けられるのか」という質問には、「短時間勤務や育休、一度職を離れてもカムバック制度なども現在はあります。
昔は難しかったこともありますが、環境やサポートは整ってきたと思います」と回答されました。
「CAになるために頑張ったことは?」という質問には、「小さなころからどうしてもCAになりたかったわけではなかったのですが、それが良かったと思います。ひとつのことだけでなく幅広いことに興味を持って、バランスよくいろんなことを勉強してほしい」と話しました。

そして「この仕事に就いて満足していますか」という問いには「もちろんです」と満面の笑みで回答。
「自分の夢は願って努力していたら必ず手に入ります」と学生たちにもエールを送りました。

担当教員からのメッセージ

この度は、航空業界での働き方やおもてなしの精神について、マナーの実践を交えた大変有意義なご講演を賜り、誠にありがとうございました。
とりわけ、ANAの組織文化として、基本サービスを徹底するだけでなく「ナイストライ」を推奨し、個々の「ばらつき(個性)」を認め合う風潮があるというお話は、非常に印象的でした。ホスピタリティがどのように育まれ、現場で実践されているのかを丁寧にご共有いただき、学生たちにとっても深く感銘を受ける機会となりました。
おもてなしの具体例を数多くご提示いただいたことで、相手の気持ちを察する大切さを学生一人ひとりが自分事として認識できたと感じております。マニュアルを超えた「人ならではの対応」の重要性を深く考えさせられる、極めて貴重な学びの場となりました。

2025年12月18日

人工石の指輪を広めたい!「実践デザインラボⅠ」の授業でBrillar代表取締役の小原氏による特別講演が行われました。 

「実践デザインラボⅠ」(担当:人間社会学部社会デザイン学科 標葉 靖子教授)の授業では、11月14日より株式会社Brillar(ブリジャール)との特別コラボ授業がはじまりました。ダイヤモンドに負けない輝きを誇る人工石を使ったジュエリーブランドで、小原亦聡氏がゼロから立ち上げた現在も成長を続けている企業です。女性一人が手探りで立ち上げた新しいジュエリーの可能性に、学生たちも強い関心を寄せ、真剣に耳を傾けていました。

多様なバックグラウンドを活かして活躍

小原氏はまずホワイトボードに自身の名前を書きました。
「亦聡(いそう)と読みます。珍しいですよね。私は中国の出身なんです」と紹介しました。10歳まで四川省で過ごし、母親の日本留学に伴い来日して以来、日本で生活を続けています。
「子どもは3人います。でも私は仕事が好きで、ずっとキャリアを途切れずに続けています」と子育てと仕事を両立していることを伝え、「女性のロールモデルとしてひとつの参考になれば」と話を始められました。

九州地方で生活していた小原氏は、上京したい一心で猛勉強し京都大学の経済学部に入学。
交換留学でフランスでの生活も経験し、英語や中国語などを話せる語学力を武器にアメリカの大手金融機関へ新卒で入社します。
転機になったのは30代前半。
ふと、自分へのご褒美にダイヤの指輪がほしいなと思ったことだと言います。
しかし調べてみるとダイヤモンド1カラットで200万円もすると知り驚きます。
「技術が進んだ現代なら、きっとダイヤモンドに近いものがあるはずと思って調べたんです」。
すると、アメリカや中国で人工石によるジュエリーが流行っているということを知りました。
それが「モアサナイト」との出会いでした。

副業として始めた事業が急成長

モアサナイトは自然界にも存在する鉱物ですが、アメリカで人工的に生成する技術が確立された人工石として知られています。ダイヤモンドの2.5倍ともいわれる、強く華やかな輝きを持ちながら、ダイヤモンドの約10分の1の値段で手に入ります。手頃でありながら高級感を楽しめる点が大きな魅力です。
小原氏は日本でも必ず需要があると直感し、副業として事業をスタートしました。

最初はSNSで発信し、注文が入ったら職人に依頼するという小規模なものでしたが、半年後にはあっという間に一人ではさばききれないほどのオーダーが入るように。
その矢先、夫の海外転勤が決まり、小原氏は一念発起。会社を辞め、自身の会社を立ち上げたのです。
2017年にオンラインショップを立ち上げ、翌年には宝飾店ひしめく銀座に店舗をオープン。
その後も大阪にも出店など順調に成長を続けています。

人工石を使うことはクリーンな世界につながる

小原氏が事業と並行して力を入れているのが、社会貢献活動です。
「日本に来たばかりの頃、周りの人や支援を受けてたくさん助けてもらった。だからこそ自分で事業をするときはお返しをしたいとずっと思っていました」と小原氏。
売り上げの一部がひとり親世帯へ寄付する「チャリティージュエリー」の展開や、児童養護施設でのイベント開催などを積極的に行っています。
また、「人工石のジュエリーを使うこと自体がエシカルなんです」と続けます。天然ダイヤモンドは採掘を伴うため、環境破壊や児童労働などの問題が指摘されてきました。
一方、人工的に生成できるモアサナイトはこうした課題を避けながら美しさを楽しめ、倫理的な観点からもモアサナイトを支持する人は増えているのです。

仕事と子育てを両立するには?

講演後は質疑応答が行われました。
「ジュエリーのデザインはどうしているのですか」という質問に、小原氏は「デザインは全くの未経験からのスタートでした。始めた当初はオーソドックスでシンプルなものから始めました。いまも専門のデザイナーはおらず、社員でデザインの案を出し合っています。実用性を重視して、台座の高さなどにこだわっています」と回答。

「ビジネスと子育ての両立はどうしていますか」という問いには、
「夫が子育てに協力的で、親サポートしてくれます。また、日本は保育制度が整っているんですよ。助成金や支援を利用して仕事に復帰しました」と話しました。

さらに「経営者として決断をするときの決め手は?」という質問には、
「そのときに一番大事にしているものはなにか。例えば夫の転勤についていくために会社を辞めて起業したときは、家族全員でいられることが最優先でした。そのときに一番大切なこと、楽しそうなことを信じています」と話しました。

人工石を広めるための施策を考えよう!

授業の最後には、次回の課題が学生たちに発表されました。
テーマは「人工石の指輪をひとつのライフスタイルや自己表現として広めるための具体的な施策を考える」こと。
現在の注文のほとんどは婚約指輪です。人工石の指輪に対する意識調査を行い、その結果を踏まえて一般に広まる施策を考えます。
学生たちはチームに分かれて取り組み、1か月後にプレゼンテーションに臨みます。

担当教員からのメッセージ

「実践デザインラボ」は、デザイン&リサーチ技法の基本を学びながら、アイデアをカタチにする創造的プロセスを自分たちで回せるようになることを目指す授業です。そのプログラムの一環として社会連携プロジェクトも実施しています。
今回小原さんには、「”人工石婚約指輪” を一つのライフスタイルや思想表現として広めるには?」というお題をご提供いただきました。
学んだデザイン&リサーチ技法を学生がどう実践していき、どうアイデアをカタチにしていくのか、とても楽しみにしています。