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2025年1月7日

ウェルビーイングについて学ぶ! JWP研究会が女子大生フォーラム「What is Well-Being~自分を輝かせるキャリアの描き方2024~」を開催しました。

12月14日(土)に実践Well-Beingプロジェクト研究会(以下、JWP研究会)によるウェルビーイングフォーラム「What is Well-Being~自分を輝かせるキャリアの描き方2024~」が開催されました。本フォーラムはJWP研究会の有志の学生が企画・運営を行い、実践女子大学のJWPメンバー30名と武蔵野大学の学生1名が加わりました。昨年に引き続き、ゲスト講師にEVOL株式会社代表の前野マドカ氏をお迎えし、ウェルビーイングについての理解を深めました。また、講演やグループワークの内容をアウトプットするために参加者一人一人に自分がどういった際にウェルビーイングな状態になるか考えてもらいました。最後には、ウェルビーイングにちなむクイズ大会を行い、成績優秀者にはディズニーグッズをプレゼント。大盛り上がりで計3時間のフォーラムを終えることができました。

JWP研究会の活動は?

はじめに今回の企画運営を行う7名の学生たちから、本フォーラムの説明がありました。JWP研究会も今年は4年目。女性がキャリアを築き自信をもって人生を歩んでいくために、より自分自身に目を向けることが大切と考え、様々な角度からウェルビーイングへの学びを深めることを重点に活動してきました。「本フォーラムでは、アカデミックな観点からのウェルビーイングを学び、一人一人の参加者が自分自身にとってのウェルビーイングを深く考える機会にしたいと考えています」と開催の主旨を伝えました。 そして、早速、ゲストの前野マドカ様の講座がスタートしました。

自分を輝かせるキャリアの描き方とは

JWP研究会では発足当初に、ウェルビーイング研究の第一人者である前野隆司氏にお話を伺う機会があり、そのご縁でパートナーである前野マドカ氏に2022年、2023年に引き続き講演をお願いしました。マドカ氏も隆司氏に影響を受け、幸せの研究を始め、現在では幸せを広めるワークショップやプログラムを開発されています。前向きな人は創造力や生産性も高く、周りに良い影響を与えるという研究結果があります。「幸せはうつります。皆さん覚えておいてくださいね」と前野氏。では幸せな人とはどんな人でしょう。それは夢や目標を持ち、多様な人とつながりを大切にして前向きに自分らしく生きる人のこと。「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのままに」が幸せの4つの因子です。人間は、ないもの・苦手なもの・できないことに目が向いてしまう生き物。しかしそれでは幸せになれません。自分にあるもの、得意なもの、できていることに目を向けることが大切と言います。「自分の良さや強みは意外と自分では分からないので友達や家族に聞いてみましょう」前野氏はアドバイスを送りました。

「Well-Beingダイアログカード」使った幸福度を高めるワークショップ

ここで、前野氏がグループに1セットずつWell-Beingダイアログカードを配りました。幸福度研究に基づいて作られたカードにはそれぞれ問が書かれています。例えば「自分にありがとうと言いたいことは?」「本気で取り組んでいることは?」「人生をかけて成し遂げたいことは?」など。答えを考えることで自分自身の大切なことや軸について知ることができるカードです。グループごとで話し、他の意見を聞くことで幸福度を高めていきます。対話は盛り上がり、自然と拍手が出るグループも。それぞれグループで対話したあと、感想を発表しました。

ハーブティーを味わう

昨年、大好評であった前野マドカ様にご用意いただいたハーブティーを楽しむ時間。オリジナルブレンドのハーブティーを、本当にゆっくりと味わいながらいただく、まさに五感を研ぎ澄ましながらということになります。
日頃、時間に追われながら過ごしている我々にとって、味、香り、音など、静かに味わうことの大切さを感じる瞬間でした。

Well-Being宣言!

フォーラムの最後には参加者全員が「Well-Being宣言」を行いました。

自分自身にとってのウェルビーイングを考え、言語化できるようにします。

今年もクリスマスシーズンの開催であったため、幹事グループのメンバーが用意したのは、サンタクロースの姿を描いた用紙と、プレゼントに見立てた一人一人のカード、その用紙にそれぞれの思うウェルビーイングを宣言。グループ内で発表し合います。全員分の「Well-Being宣言」は幹事作成のオリジナルサンタクロースに貼り付け、可愛らしく飾られました。

最後に参加者から、

幸せに日常から関心があったし、自分自身も幸せということを大切にしているので、とてもワクワクして聞いていました!特に幸せは周りに影響するということが印象的で、自分も幸せオーラいっぱいな人になりたいな!と思いました!(人間社会学部2年)

well-beingという言葉は何度も聞いたことがあったのですが、詳しい意味は分からなかったので、今日知ることができて良かったです。今日から、寝る時に「今日も1日よく頑張った」と思ってから寝ようと思いました。「失敗」とは、何かにチャレンジしたり新しいことを始めた時にしか起こらないので、もし失敗したとしても、そもそもチャレンジをしているから、成長してる!というマインドでいようと思いました。たくさんの学びがあり、とても勉強になりました。これからも幸せに生きていこうと思いました。(人間社会学部2年)

自分の中の幸せについての感情を深掘りすることが出来て、特に自分自身が好きなことを沢山見つける事が出来ました。ハーブティーも今まで飲んだものの中で1番美味しかったです!とても飲みやすく最後にすっきりと鼻に抜けるにおいで心が癒されました。今回のセミナーはとても充実したものでした、ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。(国際学部1年)

先日はご講演いただきありがとうございました。私は日常の中で嫌だった出来事ばかりを思い出してモヤモヤしながら一日を終えてしまうことが多いのですが、前野様のご講演を聞いて嫌なこと以上に良いことがあったり、成長している点があるはずなので心の健康のためにもその日の良かった点に着目しながら毎日を過ごして行きたいと思いました。また、私は地位財にこだわりがちで、SNSを見て他人と自分を比べて落ち込むことも多かったのですが、非地位財のような他人と比較できないものを大切にしていきたいと思います。幸せの4つの因子を忘れないように心がけながら、自分だけでなく周りも持続可能な良好な状態を保てるようなマインドで生活したいと思います。本当にありがとうございました。(文学部3年)

前野さんのお話を2年ぶりにお聞きして、沢山影響を受けました。2年前とは就活をしている点が異なっていて、自分が何をしたいのかよくわかっていなかったのですが、今日のお話を聞いて、自分が「人を幸せにする仕事をしたい」と思っていることを理解しました!また、幸せが伝染するというのは本当だなと思いました。本当に今日は有意義な時間でした!前野さんありがとうございました!(文学部3年)

交流会

最後には、前野マドカ様に関するクイズ大会でのクリスマスプレゼント、お菓子を食べながらのクイズ大会は盛り上がりました。

前野氏は「自分をいい状態にすることを、しっかり考えてくれてとても嬉しいです。全員に応援メッセージを送りたい」と語り、ウェルビーイングフォーラムは終了しました。

企画・運営した学生たちの話

時間ギリギリでバタバタしてしまったところも多々ありましたが、参加者の方が楽しそうにワークに取り組んで下さっている姿が見ることが出来てとても幸せでした。前野さんからも私のwell-being宣言の模造紙を見て「ぜひ写真を撮りたい!」とおっしゃってくださいました。それくらい素敵なものを参加者の方と作れてよかったです。また、前野さんの幸福学については、今からでも実践できることがとても多いなと感じました。よりウェルビーイングになるためにも学んだことを活かしていきたいと思います。(人間社会学部2年)

今回初めて幹事をやらせてもらってとても良い経験になりました。幹事の先輩の皆さんはどなたも優しい方で、私の意見を聞いてくれたり褒めてくれたり一緒に過ごせて楽しかったです!皆さんと活動できたことが私のwell beingのひとつです。本当にありがとうございました!(文学部1年)

JWP責任者の深澤教授(文学部国文学科・社会連携推進室長)から

まずは、前野マドカ様、今年もありがとうございました。会場自体がウェルビーイングな雰囲気に包まれる、言葉では表せない空気が流れる時間を演出いただき、心から感謝申し上げます。JWP(実践ウェルビーイングプロジェクト)をスタートさせて4年、今年は約60名もの学生さんが自ら手を挙げて、このプロジェクトに参加してくれています。4つの学部から、そして1年生から4年生まで、単位もつかない、ゼミでもない、まさに主体的に集った仲間たちです。今年も、7名の学生が、自ら進んで企画・運営にも携わってくれました。その行動力に心から感謝を申し上げるとともに敬意を表したいと思います。混沌とした世の中を逞しく生きて欲しい、そして利他の心も大切にして欲しい、まさに未来のために自ら社会や世界をより良くしようとする実践女子大学生の姿です。2024年度のJWP(実践ウェルビーイングプロジェクト)も来年3月まで続きます。学生たちのウェルビーイングに満ち溢れた姿がさらに輝くようサポートしたいと思います。

2024年12月24日

ゆっくり動いて体をほぐそう!美学美術史学科の授業でジャワ古典舞踊のワークショップが行われました。 

11月19日に美学美術史学科(担当:文学部美学美術史学科 串田 紀代美准教授)の特別授業が行われました。インドネシア人のジャワ古典舞踊の名手をお迎えし、発声や体の動かし方などを実際に体験するワークショップです。ゆったりした動きですが、学生たちは「身体が温かくなった」と舞踊の基礎を楽しみながら学びました。

古典舞踊にヒントを得た動き

この日は隣接する実践女子学園の多目的室をお借りしての特別授業です。学生たちも動きやすい恰好で授業にのぞみました。
教えてくださるのは、インドネシア国立芸術大学スラカルタ校舞踊科教授のワシ・バントロ氏。
インドネシアのジャワ島中部に伝わる古典舞踊の踊り手であり、普及に取り組んでいらっしゃいます。英語で学生たちに「Let’s have fun together and do make a voice, do move, and be happy(一緒に楽しんで、声を出して、体を動かして、幸せになりましょう)」とあいさつされました。

今回学生たちが教わるのは、ジャワ古典舞踊からワシ氏が編み出した発声・身体操法「ヌンバン・ブクソ」です。
ジャワ語で「ヌンバン」は歌う、「ブクソ」は踊るという意味。「難しい動きはなく、呼吸し声を出しながら体を動かします。
太極拳のような感じです」と通訳を介して話されました。
踊りというより、体の動きにくいところを動きやすくしてみることが目的で、体のこわばりを取りゆるませるものです。

まずは体をゆるめよう

お互いぶつからないよう広がり、動く準備はばっちり。
学生たちは、ワシ先生やアシスタントの方々を真似て、実践していきます。
まずは寒さで固まってしまった顔をほぐすところから。
口のわきの筋肉を指でそっとおさえ、唇をふるわせます。唇を閉じた状態で空気を吐き出し、唇をブルブルと震わせることで顔の筋肉を柔らかくしました。
次にワシ氏は「Let’s shake your body(体を揺らしましょう)」と促し、手足を振ったり伸びをしたり、準備運動。
この間も唇をブルブルと震わせることで、体をリラックスさせます。

次に唇を震わせたまま「um~」とハミング。背中を伸ばしおなかに手を添え、頭の上からおなかまでまっすぐに声が通るようにします。
ワシ氏は徐々にハミングの音階を変えていきました。
これは「ガムラン」と呼ばれるインドネシアの伝統音楽で使われる音階とのこと。高い音と低い音を交互に出しながら体も動かしていきます。声を出すことで余分な力が抜け、体も動くようになってきました。
振動が心地よく体に響くようになったら準備完了です。

声を出しながら動いてみる

ガムランの音階をハミングしながら、徐々に手や足を動かしていきました。
学生たちが苦戦していたのは、足を開いて立ち、声を出しながらゆっくりお尻を下げていくもの。体が前のめりにならないよう、膝を曲げるのではなくお腹に力を入れながら下げていきます。
また足の指だけ上げたり、動かしたりという普段やらない細かい動きも。
不慣れな動きに戸惑っていましたが、徐々に出来るようになっていきました。それぞれ無理のない範囲で続けていきます。

おでこで8の字を描くように、ゆっくりと首を回し続けるのは、ジャワ舞踊の基礎の動きです。
「水が流れるように」ゆっくり焦らず回します。足を上げたり、手首を回しつつ腕をゆっくり開いたりする動きも伝統舞踊からとられたもの。体操のなかで、学生たちは古典的な動きを知っていきました。
「皆さんきちんと出来ていて素晴らしいです」とお褒めの言葉もありました。

体を動かすってきもちいい!

休憩をはさみつつ、1時間ほどかけてしっかりワークショップは行われました。
ワークショップ終わりには質疑応答の時間が。
「動きは少ないものでしたが、やってみてどうでしたか?」と問いかけられると、学生からは「あまり大きく動かさなかったけれど、それでも体がポカポカしてほぐれる感じがありました」「最初は声をどう出したらいいかも分からなかったけれど、だんだん楽しくなり最後にはおなかから声が出てリラックスできた」など感想が上がりました。
体の変化を感じた学生は多かったようです。
ワシ氏は「鼻歌くらいの声を出してゆっくり動くのは体に良い」と実体験を交えて話しました。

女性と男性の踊りに違いについて質問した学生には、実際に踊りを披露し違いを解説。
女性の動きは柔らかく流れるようですが、男性の踊り(荒形・優形があり、今回は荒形)は力強くピタッと動きを止めるのが特徴とよくわかるものでした。

このあとワシ氏たちはピロティにてジャワ舞踊のフラッシュモブと簡易ワークショップを行っていただき、有志の学生たちも参加。
学生たちは伝統的な動きを学びつつ、体を動かすことを存分に楽しめた時間でした。

担当教員よりメッセージ

今回のワークショップは、ジャワ舞踊家の針生すぐり氏(東京音楽大学講師)からお声がけいただき実現しました。近年のインドネシアでは、都市部の富裕層を中心にヨガやマインドフルネスが注目されています。心と体をリラックスさせるため、ジャワ伝統舞踊の基本的な動きと歌を組み合わせたものが「ヌンバン・ブクソ」です。伝統舞踊に現代社会での役目を与え、新たなコンセプトのもとで息吹を吹き込むワシ先生の試みは、日本の民俗芸能が置かれている危機的状況を学んだ学生だからこそ、その価値が理解できるのだと思います。ワークショップ後に、東南アジアのダンスに興味を持ってくれた学生も現れ、さっそく効果を感じています。ジャワの先生方の素敵な笑顔と優しいお人柄に、私たちも大変癒されました。

2024年3月8日

高大連携で高校生もアイデア創出にチャレンジ!「グローバルキャリアデザイン」の授業でVISITS Technologies株式会社とのコラボワークショップが行われました。

1月5日に「グローバルキャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業でVISITS Technologies株式会社(以下、VISITS Technologies)とのコラボワークショップが行われました。この授業は高大連携で行われ、本学併設校の実践女子学園の高校3年生も参加。高校生と大学生で協力し、デザイン思考のプロセスを体験しながら新しいアイディア創出のグループワークが行われました。

高校生も一緒にグループワーク

この日は、30人ほどの高校生も参加。この春から本学に進学予定の実践女子学園高等学校の3年生です。くじ引きで大学生と高校生が一緒のグループになるよう全部で11グループに分かれ、授業が開始しました。
VISITS Technologiesの野村博之氏の声掛けで、まずは自己紹介が行われました。「大学生はリーダーシップを取りつつ、高校生たちも気後れせずどんどん発言してくださいね」と促され、最初は緊張した様子の高校生たちからも笑い声が上がる班もありました。

イノベーションは「つなげる力」

VISITS Technologiesはデザイン思考力アセスメントの開発・運用を行っており、大手企業や政府とも連携している注目企業です。日本では「論理的思考力(ロジカルシンキング)」を重視して教育やビジネスが行われてきたと言います。しかし海外では20年ほど前からデザイン思考力に注目が集まっており、多くのイノベーションが生み出されています。イノベーションを一例で説明すると、スマートフォンが代表例です。なぜなら「体験が変わった」から。例えば、電車の中での過ごし方は、昔は新聞や本を読むのが一般的でしたが、現在ではほとんどの人がスマートフォンのを操作をしています。

野村氏は「イノベーションはこれまでなかった組み合わせによって新たな価値や体験を生み出すこと」だと話しました。何かを創り出すには才能だけではなく、この「つなげる力」が重要。そのアイディアを生み出す時に利用される手法の一つがデザイン思考なのです。

新しいショッピング体験を考えよう

いよいよ「デザイン思考ワークショップ」の開始です。

今回は「未来のショッピング体験」を考えることで、デザイン思考のプロセスを体験します。まずは大型ショッピングモール、ECサイト、コンビニのそれぞれの良いところを考えます。学生たちは付箋に1つずつできるだけ多くを書きだし、グループの中で発表し合いました。ショッピングモールなら「まとめて買い物できる」「一日楽しめる」、ECサイトは「中古品も買える」「口コミが見られる」、コンビニなら「家から近い」などなど。様々な意見が出そろいました。

そして、自分たちがどのサービスを新しく考えるかを決め、コンセプトを話し合います。例えばコンビニを選んだグループであれば、ECサイトやショッピングモールの良いところを掛け合わせた「口コミの見られるコンビニ」というようなコンセプトになります。野村氏は「自分たちがそれを使いたいか、ワクワクするか、誰が喜ぶかを考えてみてください」と決めるときのコツを伝えました。

話し合いをしながらグループごとに模造紙にアイディアをまとめていきます。大学生は高校生に「どう思いますか?」など促し、上手に意見を引き出していました。

未来のECサイトはこうなる!

あっという間に時間は過ぎ、いよいよ発表。発表は教室内を2つのスペースに分け2グループずつ同時に行われました。

グループFは「実際に商品を試せるECサイト」を考えました。
チャット機能で店員の説明を聞けたり、化粧品などは試供品を無料で試せなど、購入前に商品を確認できるサービスです。

野村氏は「ECサイトは着心地や質感などが分かりにくい。かゆいところに手が届くサービスだと思います」とコメントされました。

グループCは「仮想空間で直接触れることができるECサイト」を提案しました。VRゴーグルを活用し、空気圧を使い触った感触を再現する技術を使うことを考えました。

野村氏は「実際に触感の分かる技術が出てきている。地方の人も助かるアイディアだなと思いました」と話しました。

新しい技術も取り入れて

グループBは「映画が観られるコンビニ」を発表。
コワーキングスペースのように設置し、コンビニ商品を購入すれば映画代に充てられるシステムも考案。映画館では声が気になってしまう子ども連れや障害のある方、推し活にも利用できるとしました。

「家では集中できない小さい子どもがいる家族連れにも良いですね。マネタイズもしっかり考えられている」と野村氏も評価しました。

グループAは「後悔しないショッピングモール」として、商品についているQRコードを読み込むことで、モール内の類似商品を比較できるシステムを考えました。

野村氏は「服はブランドごとに販売されていて比較が難しい。値段やサイズなど比較できるのは便利ですよね」と話しました。

最後のグループGは「一緒に買い物ができるECサイト」です。
離れたところにいる友人や家族と画面共有して、相談しながら買うことができるというものです。割り勘でプレゼントを買う時や、お揃いのものを買う時などに活用できるとしました。

野村氏は「ネットの買い物でも誰かに相談したい時はあるのですごく良い機能だと思いました」と話しました。

全グループの発表が終わると、野村氏は「皆さんの中には、創造力が必ず眠っています。皆さん自分の中に創造力はあると思って、世の中を変えるアイディアや新しいビジネスのアイディアを生み出して欲しいです」と語り、授業は終了しました。

新しくアイディアを生み出す体験することのできた、貴重な機会となりました。

担当教員からのメッセージ

今、社会で求められている「デザイン思考力」この学びを深めること、そして高大連携プログラムの試みとして、毎年実践女子大学キャリア教育科目「グローバルキャリアデザイン」と、春から実践女子大学に入学予定の実践女子学園高等学校の3年生とのコラボ授業を継続しています。参加メンバーには、昨年12月にあらかじめ「デザイン思考力アセスメント」を受検してもらっています。
大学生は、積極的にリーダーシップを発揮してもらい、高校生には一足早く大学での授業を体験して貰おうという試みです。今回のプレゼンも、まさにZ世代の極めて柔軟な発想が随所に見られ、参加し学生、生徒のこれからのさらなる成長がとても楽しみです。まさに「大学生」と「高校生」のタッグで最強のイノベーションが起こる予感がします。アセスメントから本授業までご支援をいただきましたVISITS Technologiesの松本様、野村様、今井様に心から感謝申し上げます。

2024年2月13日

地域とつながる!「プロジェクト実践演習b」の授業で学生たちが考えたイベントを無印良品の店舗で開催しました。 

「プロジェクト実践演習b」(担当:現代生活学科 須賀由紀子教授)で、12月16日に株式会社良品計画(以下、無印良品)との産学連携プロジェクト『つながる市』を学生たちが企画しました。八王子市楢原町にある大型ショッピングモール『フォルテ八王子』の無印良品店内にて、学生たち自身でプロデュースした3つのワークショップを開催しました。

地域とひとをつなげよう

無印良品フォルテ八王子店の入り口付近に3つのブースが開設されました。
学生たち全員で決めたキャッチコピー「このマチ、もっとスキになる。」をテーマに、地域と人がつながる無印良品フォルテ八王子の『つながる市』をプロデュースしたのです。
ポスターチームは、無印良品っぽさもあるシンプルかつ実践女子らしさを取り入れたカラフルなポスターを作成。
このポスターを持ちながら、店舗に来店したお客様に、ワークショップに参加してもらえるよう声掛けをします。一体どんなイベントに仕上がったのでしょうか?

遊んで作って楽しい!くらしいろはカルタ

「くらしいろはカルタ」とは、家庭科の教科書を題材とし、学生が作成した、様々な世代をつなぐオリジナルカルタです。
カルタで遊んでもらうスペースと、お客様自身に八王子の良いところを書いていただくというワークショップを行いました。

カルタを企画した学生の声
「カルタのワークショップを企画したのは、実践女子らしさをどう出そうかと考えていたときに、須賀先生からアイディアをいただいたことです。お客様に一緒にカルタを作ってもらおうと決めて進めていきました。八王子は自然が多く、東京都なのにのんびりした時間が流れている、マイペースになれる街。そこから四季をイメージしたパネルを作成しました。難しかったのは、自分たちがやりたい企画を出せばいいだけじゃないということ。また、予測と実際では違うことも学びになりました。複数のことを考えて実行する経験は今後に活かせると思います」

ふぉるむがカワイイ東京こけしづくり

八王子市の特産である「東京こけし」作りを体験できるブースも。
胴体が丸い形状が特徴の東京こけしは、小さくころんとして可愛らしいフォルムです。

東京で唯一こけしをつくっている大蔵木工所が、こけしづくりを実演し、出来立てほやほやのこけしに無印良品のカラーペンを使って色付けの体験ができます。

大蔵木工所の大蔵氏
「普段は企業の実演会や外国人向けの絵付けなどを行っています。イベントにはたびたび出ますが、大学生からの声掛けはめったにない。よく『東京こけし』を探したねという気持ち。依頼があった時はいくらでもできるよと返事しました」

親子の絆を深めるお菓子の家づくり

無印良品の商品「ヘクセンハウス」を使って、お菓子の家づくりのワークショップも展開しました。
デコレーションに使うメレンゲなどは八王子のお店のお菓子を使用。お持ち帰り用に新聞紙でエコバックづくりなども行いました。

ヘクセンハウスワークショップを企画した学生の声
「当初は地元の個人店のパン屋と連携したパンの物販を考えたのですが、物販は発注の数量や配送の方法、衛生管理など考えることや準備が多く断念し、ヘクセンハウスに八王子のお店のお菓子をデコレーションすることで八王子とつなぐ内容にしました。結果的にお客様にとても楽しんでいただけてよかったです。目の前のことだけをやっていては駄目で、先を見据えて動くことは今後に活かせると思います。大変だったけど準備も含め楽しかったです」

今後のつながる市もより良いものに

今回は様々な企業の方のご協力により実現しました。
学生たちは企画立案からイベントの運営まで対応し、実地でマーケティングを学んだ貴重な経験となりました。

無印良品フォルテ八王子店 加納店長
「授業は週1回のため意思疎通が難しく、タイムラグが出てしまったこともありましたがよくやってくれたと思います。無印良品の商品を使ってというような注文も特にせず、自由にやってほしいと伝えていました。つながる市としての目的はバッチリ達成していると思います。東京こけしなどは学生たちも知らなかったと聞いて、今回一から八王子について調べてくれた外からの目線だからこその発見だったのかもしれないと感じました。今後ともなにか連携していければと思っています」

コーディネーター 長谷川氏
「学生がやりたいこととお店が求めること、そして来店するお客様が求めることの中から合致するものを見つけることが難しかった印象です。しかし、実践女子ならではのものができたと思いました。お菓子の家づくりは無印良品単体でもやっているワークショップですが、エコバッグづくりや八王子のお店のお菓子を取り入れるなどのアイディアで、コラボした意義が出たと感じています。都会にはなかなか民芸品が少ない中で、東京こけしを見つけたのもすごい。カルタもまさに実践女子らしい仕上がりになったと思っています。今後にも活かせるコラボになりました」

須賀先生からのメッセージ

企業の皆様は学生のやりたいことを好意的に受け止めてくださいました。学生たちも「八王子らしさ」を手探りで探しながら、企業側にもメリットのあるものを模索し、ブースに使う机や絵付けのペンなど無印良品のものを利用することを考案しました。暮らしに密着している無印良品の郊外型店舗でのイベント運営ということで、学生たちも意欲高く取り組むことができました。自分たちが企画したイベントを実際に店舗で運営させていただく経験は、意思疎通をしっかり行い、段取りをつけて進めることの大切さを学ぶ機会となったと思います。学生の思いを懐深く見守っていただいた関係者の皆様に深く感謝いたします。