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2024年2月13日

地域とつながる!「プロジェクト実践演習b」の授業で学生たちが考えたイベントを無印良品の店舗で開催しました。 

「プロジェクト実践演習b」(担当:現代生活学科 須賀由紀子教授)で、12月16日に株式会社良品計画(以下、無印良品)との産学連携プロジェクト『つながる市』を学生たちが企画しました。八王子市楢原町にある大型ショッピングモール『フォルテ八王子』の無印良品店内にて、学生たち自身でプロデュースした3つのワークショップを開催しました。

地域とひとをつなげよう

無印良品フォルテ八王子店の入り口付近に3つのブースが開設されました。
学生たち全員で決めたキャッチコピー「このマチ、もっとスキになる。」をテーマに、地域と人がつながる無印良品フォルテ八王子の『つながる市』をプロデュースしたのです。
ポスターチームは、無印良品っぽさもあるシンプルかつ実践女子らしさを取り入れたカラフルなポスターを作成。
このポスターを持ちながら、店舗に来店したお客様に、ワークショップに参加してもらえるよう声掛けをします。一体どんなイベントに仕上がったのでしょうか?

遊んで作って楽しい!くらしいろはカルタ

「くらしいろはカルタ」とは、家庭科の教科書を題材とし、学生が作成した、様々な世代をつなぐオリジナルカルタです。
カルタで遊んでもらうスペースと、お客様自身に八王子の良いところを書いていただくというワークショップを行いました。

カルタを企画した学生の声
「カルタのワークショップを企画したのは、実践女子らしさをどう出そうかと考えていたときに、須賀先生からアイディアをいただいたことです。お客様に一緒にカルタを作ってもらおうと決めて進めていきました。八王子は自然が多く、東京都なのにのんびりした時間が流れている、マイペースになれる街。そこから四季をイメージしたパネルを作成しました。難しかったのは、自分たちがやりたい企画を出せばいいだけじゃないということ。また、予測と実際では違うことも学びになりました。複数のことを考えて実行する経験は今後に活かせると思います」

ふぉるむがカワイイ東京こけしづくり

八王子市の特産である「東京こけし」作りを体験できるブースも。
胴体が丸い形状が特徴の東京こけしは、小さくころんとして可愛らしいフォルムです。

東京で唯一こけしをつくっている大蔵木工所が、こけしづくりを実演し、出来立てほやほやのこけしに無印良品のカラーペンを使って色付けの体験ができます。

大蔵木工所の大蔵氏
「普段は企業の実演会や外国人向けの絵付けなどを行っています。イベントにはたびたび出ますが、大学生からの声掛けはめったにない。よく『東京こけし』を探したねという気持ち。依頼があった時はいくらでもできるよと返事しました」

親子の絆を深めるお菓子の家づくり

無印良品の商品「ヘクセンハウス」を使って、お菓子の家づくりのワークショップも展開しました。
デコレーションに使うメレンゲなどは八王子のお店のお菓子を使用。お持ち帰り用に新聞紙でエコバックづくりなども行いました。

ヘクセンハウスワークショップを企画した学生の声
「当初は地元の個人店のパン屋と連携したパンの物販を考えたのですが、物販は発注の数量や配送の方法、衛生管理など考えることや準備が多く断念し、ヘクセンハウスに八王子のお店のお菓子をデコレーションすることで八王子とつなぐ内容にしました。結果的にお客様にとても楽しんでいただけてよかったです。目の前のことだけをやっていては駄目で、先を見据えて動くことは今後に活かせると思います。大変だったけど準備も含め楽しかったです」

今後のつながる市もより良いものに

今回は様々な企業の方のご協力により実現しました。
学生たちは企画立案からイベントの運営まで対応し、実地でマーケティングを学んだ貴重な経験となりました。

無印良品フォルテ八王子店 加納店長
「授業は週1回のため意思疎通が難しく、タイムラグが出てしまったこともありましたがよくやってくれたと思います。無印良品の商品を使ってというような注文も特にせず、自由にやってほしいと伝えていました。つながる市としての目的はバッチリ達成していると思います。東京こけしなどは学生たちも知らなかったと聞いて、今回一から八王子について調べてくれた外からの目線だからこその発見だったのかもしれないと感じました。今後ともなにか連携していければと思っています」

コーディネーター 長谷川氏
「学生がやりたいこととお店が求めること、そして来店するお客様が求めることの中から合致するものを見つけることが難しかった印象です。しかし、実践女子ならではのものができたと思いました。お菓子の家づくりは無印良品単体でもやっているワークショップですが、エコバッグづくりや八王子のお店のお菓子を取り入れるなどのアイディアで、コラボした意義が出たと感じています。都会にはなかなか民芸品が少ない中で、東京こけしを見つけたのもすごい。カルタもまさに実践女子らしい仕上がりになったと思っています。今後にも活かせるコラボになりました」

須賀先生からのメッセージ

企業の皆様は学生のやりたいことを好意的に受け止めてくださいました。学生たちも「八王子らしさ」を手探りで探しながら、企業側にもメリットのあるものを模索し、ブースに使う机や絵付けのペンなど無印良品のものを利用することを考案しました。暮らしに密着している無印良品の郊外型店舗でのイベント運営ということで、学生たちも意欲高く取り組むことができました。自分たちが企画したイベントを実際に店舗で運営させていただく経験は、意思疎通をしっかり行い、段取りをつけて進めることの大切さを学ぶ機会となったと思います。学生の思いを懐深く見守っていただいた関係者の皆様に深く感謝いたします。

2024年2月8日

土着化したイベントを考えよう!「プロジェクト実践演習b」で無印良品の店舗とのイベントコラボ授業が実現しました。

「プロジェクト実践演習b」(担当:現代生活学科 須賀由紀子教授)の授業で、10月18日に株式会社良品計画(以下、良品計画)と本学による産学連携プロジェクトが開始されました。生活雑貨を幅広く扱う「無印良品」とコラボし、地域に密着したイベントを開催します。この日は無印良品とはどういったブランドか、地域に密着するとはどういうことかを学び、イベントに向けてのアイデア出しを行いました。

無印良品とはどんなブランド?

はじめにブロックマネージャーの吉原佑亮氏から、良品計画が展開する『無印良品』について説明がありました。
無印良品の商品は、学生たちも購入したことのある身近なブランドです。食品や衣料品、雑貨にとどまらず、家具や化粧品など幅広く展開しています。
無印良品は1980に創業。
「わけあって、安い。」をキャッチコピーに低価格で良質な商品を販売しています。素材の選択、工程の点検、包装の簡素化を「3つのわけ」として創業当時から大切にしています。
1983年に東京・青山の1号店から始まり、今では世界32カ国・地域に1000店舗以上を展開し、商品アイテムも衣服や生活雑貨、食品、そして家まで取り扱っています。

2021年から企業理念を再定義し、「感じの良い暮らしと社会」の実現を目指して社会課題にも取り組んでいます。
大きな使命は2つ。
1つは日常生活の基本商品を誠実な品質と論理的視点から開発をし、未利用資源の活用や無駄のなくす取り組みなど、商いを通じて社会に貢献すること。
2つ目は無印良品の店舗がコミュニティセンターの役割を持ち、地域の皆さまと課題や価値観を共有し、共に地域課題に取り組み、地域やまちづくりに貢献を図る「土着化」です。
例えば防災についてグッズを販売するだけではなく防災を学ぶイベントを開催するなど、各店舗が中心となり行っています。
今回の連携授業としては、この「土着化」が主に関わってきます。

イベント会場は大きい郊外型店舗

ここからは無印良品フォルテ八王子店の店長加納聖人氏から、店舗について紹介がありました。
今回学生たちが実際にイベントを行う店舗です。フォルテ八王子店は2023年6月にオープンしたばかりの新しい店。
売り場面積は600坪もある郊外型店舗です。
2030年までに、地域に土着化し「買い物の場だけでなく、人々の暮らしの場」となることを目標の1つに掲げています。

客層の傾向は、平日はご年配の方や主婦層、土日はファミリー層が多いとのこと。
全体平均でも男女ともに50歳以上のシニア層の割合が高い店舗です。
店舗は八王子駅からバスや車で20分ほどかかるため、立地的には「わざわざ行くところ」。つまりわざわざ行きたくなるお店にならなくてはいけません。
「まだまだ課題はありますが、まずは一人一人のお客様から信頼されるように頑張っています」と話されました。

土着化した店舗を目指して

続いて今回のコーディネーターを務める長谷川浩史氏が「土着化」について話されました。
長谷川氏は良品計画とともに「MUJIキャラバン」という土着化につながるプロジェクトで、日本一周の旅を果たした人物。各地の暮らしの中で自然と生まれたものづくりや食文化、取り組みを見つけ、現代の生活習慣に合わせて改良されているものを紹介してきました。
土着化とは「地域住民の方同士が交流しつながるプラットフォームとなることを目指し、地域課題を解決するきっかけを与えられる店舗であること」と言います。

土着化の一環として、店舗ではイベントワークショップも数多く実施してきました。
そのうちの1つが「つながる市」。今回、本学の学生たちが参加するイベントです。
つながる市とは全国の大型店を中心に不定期に開催している、地域の方々と一緒に作り運営するマーケットです。これまでのつながる市では、その地域の大学の学生が育てた野菜の販売や、小物作家による雑貨作成のワークショップなど、それぞれの特色を生かしたものが様々行われてきました。吉原氏も「イベントの内容も何が良い何がダメ、という定義は一切なく、地域の役に立つところに関わっていけたらと思っています」と話されました。

早速アイデア出し!どんなイベントにしよう?

学生たちは班に分かれアイディア出しを始めました。
模造紙を広げ、ポストイットにアイデアを書き貼り付けていきます。
「季節に合わせて考えよう」とクリスマスのオーナメント作りのワークショップ案が出たり、「八王子市の有名な店舗はどこがあるかな」と検索をしたり。「豊田ビールは?」という意見には「いい案だけど、車で来る人が多いし…」と懸念点も出ていました。
他にもターゲット層はどうするか、実践女子大学ならではのモノは何かあるか、価格帯は?など様々な意見が飛び交いました。八王子市にあまり縁がない学生はなかなかペンが進まず「まずは八王子市について知るところから」と検索し、アイディアのきっかけがないかを探し、吉原氏たちも各班を回ってアドバイスを下さいました。

時間はあっという間に過ぎ、授業の最後にどんな方向で進めていくか、各班から出た案を報告しました。
八王子発祥の東京こけしの絵付けワークショップを考えた班や、地元の有名パン屋とのコラボ、八王子付近の牧場で採れた牛乳でバター作りなどの案も。
イベントは12月16日(土)の開催予定です。学生たちはこれからイベントに向けてさらに案を練っていきます。