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2026年8月7日

「サステナブルな機内食」って?「演習Ⅲa」の授業で、JALの韓国線の機内食を考える特別コラボのプレゼンテーションが行われました。 

7月7日に「演習Ⅲa」(担当:人間社会学部ビジネス社会学科 角本伸晃教授)の授業で、日本航空株式会社(以下、JAL)との特別コラボ授業が行われました。今回は2ヶ月かけて取り組んでいた課題のプレゼンテーション。テーマは「サステナブルな韓国便の機内食を考える」。学生たちは班に分かれ、この日のために企画を練り上げてきました。

企業さながらのプレゼンテーション

本日のプレゼンテーションには、6名が審査員として参加しました。
現役客室乗務員の吉村真紀氏をはじめ、機内食企画担当部署など、実際の企業プレゼンテーションさながらの顔ぶれです。学生たちが緊張した面持ちで臨むなか、吉村氏は「今日は実際に機内食を決めているメンバーが集まっています。皆さんの発表をとても楽しみにしてきました。現場の意見を直接聞ける貴重な機会でもあります」と期待を寄せ、プレゼンテーションが始まりました。

機内食に遊びを!

最初の班は、韓国旅行をより楽しめる機内サービスを提案しました。
到着後に現地グルメを満喫できるよう、機内食は軽めのサラダラップを主食としたセットを考案。副菜には、冷めてもおいしく食べられる濃い味付けのグラタンを組み合わせました。食べ終えると、容器の底に旅行運などの占いが現れる仕掛けも取り入れています。
さらに2次元バーコード付きカードを配布し、韓国語の基本的なあいさつや日本とのマナーの違いを紹介するトラベルガイドを閲覧できるようにするなど、到着後も安心して旅行を楽しめる工夫を盛り込みました。

発表後の講評では、「参考になる点が多かった。占いの仕掛けは若い人ならではの発想ですね」と評価されました。
また、「飛行機を降りた後まで考えた提案が印象的でした。韓国便はフライト時間が短いことを理由に発想を広げていなかったと気付かされました」と、担当者からも高い評価が寄せられました。

心と身体を満たすセルフメイクBOX

続いての班は、20代女性をターゲットに、美容や健康に配慮した機内食を提案しました。
メインはベーグルサンドで、ヨーグルトやクリームチーズを添え、自分好みに味をアレンジできる内容です。具材にはバナナやベリーなど、機内で気になりやすいむくみ対策を意識したビタミン豊富な食材を取り入れました。

講評では、「心のウェルビーイングに着目した点が印象的でした。カロリーを気にせず楽しめる機内食という発想は新鮮です」と高く評価されました。
一方で、「ターゲットが明確で企画の軸がしっかりありました。ただ、ビジネス利用の男性などには物足りない可能性もあります。より幅広い層に訴求できる工夫があると、さらに良い提案になったでしょう」とアドバイスが送られました。

未来食を体験できる機内食

最後の班は、JALが日本発の国際線やラウンジで提供している「未来の食材50」に着目。
「未来からきたランチボックス」と題し、未来の韓国料理を提案しました。「未来の食材50」とは、環境負荷が少なく健康にも配慮した食材のこと。もやしやわかめなど身近な食材も含まれています。
これらを使った韓国風おにぎり「チュモッパ」やナムルをメインにし、さらに「未来の食材50」のトレーディングカードを付属。2次元バーコードから食材を使ったレシピを見られる工夫も盛り込みました。

前の2班とは異なるアプローチに、JALの担当者からは「内容がプロのようによく調べられていた」と高い評価が寄せられました。
「食を通して新たな気付きを提供し、お客さまの発見につながる提案だった」「おいしさだけでなく学びも届けられる」といった講評に加え、「日本食の要素を取り入れると、韓国との橋渡しになるのでは」といった実践的なアドバイスもあり、学びの多い発表となりました。

実際の企画にも刺激になる発表に

最後に中間発表にも参加された鈴木氏から総評がありました。
「中間発表から大きくレベルアップしていました。韓国線の機内食は特に難しいテーマですが、皆さんが真剣に取り組んでくれたことが伝わりました。JALでは思いつかない発想も多く、私たちも大いに刺激を受けました。ここにいるメンバーで今回の学びを今後の機内食づくりにも生かしていけると思います」と講評されました。

発表後、学生たちも感想を共有。
「他の授業でもグループワークは経験しましたが、今回はコストや提供方法まで考え、実際さながらの企業のプレゼンテーションを実践できました」と振り返りました。
また、「中間発表で多くの指摘を受け、企画を一から練り直しました」と話す班もあり達成感をにじませていました。

授業の終わりには、吉村氏から修了証が授与され、会場は和やかな雰囲気に。
企業と連携し、本格的な企画立案とプレゼンテーションを経験した貴重な学びの機会となりました。

担当教員からのメッセージ

中間発表会では学生としてはとても素晴らしい提案をしてくれましたが、アイディア勝負の面がありました。機内食というビジネスの一部であるからには、コスト制約を無視するわけにはいきません。中間発表会ではその点をご指摘いただきました。その後、最終発表会に向けて、ゼミ生たちはコスト面だけでなく中間発表会でいただいた他のコメントも意識しながら、ブラッシュアップしていきました。最終発表会では当初予定の倍の審査委員の方々にお越しいただき、緊張感の増す中で、堂々と発表をしてくれました。このPBLを通して、学生たちは共創力を大きく伸ばすことができました。

2026年8月6日

五輪開会式のプランを発表!2026年度〈国際理解とキャリア形成〉にてスポニチコラボ授業の最終プレゼンテーションが行われました

7月14日、実践女子大学共通教育科目〈国際理解とキャリア形成(担当:国文学科 深澤 晶久教授)〉にて、スポーツニッポン新聞社(以下スポニチ)とのコラボ授業として提示された課題『オリンピックの開会式をプロデュースする』に対する学生の発表が行われました。スポニチからは編集委員の藤山健二氏、ビジネス開発局の池田智子氏、記者の佐藤博之氏をお招きし、学生の発表に対するフィードバックをいただきました。

授業と社会連携について

国際理解とキャリア形成は、2年生以上を対象に開講されている共通教育科目です。国際情勢の学習や、グローバル業務を経験した外部講師による講演を通じて、国際的な視野と幅広い知識を身に付けます。

 また、この授業は〈オリンピックとパラリンピック〉をテーマに、スポニチと連携して行っています。今年度は『オリンピックの開会式をプロデュースする』というテーマに、学生が挑戦しました。発表では、開会式のテーマ、選手入場、選手宣誓、聖火点火の4点を必須条件とし、学生たちは自由な発想で開会式を企画しました。

今回の授業では、グループワークの成果を発表し、編集委員の藤山健二氏からフィードバックをいただきました。また、授業の最後には、スポニチ賞として最優秀賞が贈られました。

3班:想像を創造へ

3班は開催地を日本と想定し、〈想像を創造へ〉を開会式のテーマに企画を考えました。未来の技術を使って活躍する漫画キャラクターをテーマの象徴として採用し、学生は「タイムマシンや空を飛ぶ小型の飛行装置など、想像を技術によって実現しています。あこがれや望みを象徴したキャラクターとして採用しました」と話しました。

選手入場では、4箇所に設置された扉から同時に入場するとしました。入場の演出としてプロジェクションマッピングで入場国の風景を映し出し、観客が各国の文化や自然に触れられるようにしながら、そのキャラクターが登場するアニメのテーマソングを、その国の言語で歌ったバージョンで流すとしました。

また、選手宣誓は柔道の阿部一二三選手、阿部詩選手とし、「柔道という日本らしさと、兄妹でオリンピックに出場するという夢と絆の表象として採用しました」と話しました。

聖火台は大樹をイメージしたデザインとし、「根は努力、幹は現在の選手、葉は選手にあこがれる次世代を表しました」と話しました。点火者は柔道を習っている子供とし、漫画に登場する飛行道具を身につけて空を飛び、聖火に点火する演出を紹介しました。スポーツを通じて次世代へつなぐ未来を伝えるとしました。

藤山氏は「大会ごとにキャラクターは存在していますが、すでに有名なキャラクターを採用するという点が驚きでした。また、選手入場を4箇所から入場する案も、着眼点がよかったと思います。全体を通して実現性と夢があり大変良かったです」とフィードバックを寄せました。

6班:Every color tells a Different Story

6班は、2028年ロサンゼルスオリンピックの開会式について企画しました。〈Every color tells a Different Story〉を開会式のテーマに、多様性、太陽、持続可能性をキーワードに設定し、開会式を演出しました。選手入場はギリシャからアルファベット順に入場し、開催国であるアメリカが最後に入場するとしました。入場では各国のウェア以外に伝統装束も着用し、世界の文化に触れることができる演出としました。また、各国オリジナルロゴを作成し、入場国に合わせてドローンでロゴや国旗を空に映し出すことで、観客に視覚的な楽しさを感じてもらうことを狙いました。選手宣誓は、アメリカ代表の主将と副主将が行うとしました。

聖火台への点火方法として、大砲風に装飾したピッチングマシンから火の玉を投球し、野球選手がホームランとして聖火台へ聖火を届ける演出を提案しました。学生は「追加競技として採用されることや、メジャーリーグでも有名で世界的に注目度が高いことから、スポーツらしいダイナミックな演出ができると考えました」と話しました。また、点火の際に花火とドローン、ランタンによる演出を行い、会場の一体感を表現しました。さらに、聖火台とランタンに太陽のモチーフを取り入れることで、大会テーマとの親和性も図りました。

藤山氏は「直球勝負な内容だと感じました。企画した要素に対して背景まできちんと考えられており、本当の記者会見のようなリアリティのある発表でした」と話しました。

5班:響きあう伝統と未来

5班は札幌を舞台にした冬季オリンピックの開会式を提案しました。開会式のテーマは〈響きあう伝統と未来〉です。選手入場は国ごとにそりに乗って行われ、そりのデザインに国旗の色やモチーフを取り入れることとしました。選手宣誓は「冬季五輪をけん引する存在」であるスノーボードの平野歩夢選手、スキージャンプの高梨沙羅選手が行うことを提案しました。

また、聖火台はアイヌの伝統家屋“チセ”の木組みをイメージし、北海道産の高級木材と軽量アルミニウムを融合させたデザインにするとしました。点火は火矢を用いて聖火台を射ることで行うとし、点火した瞬間にその火が天に昇るような光の演出を、ドローンを活用して行うとしました。学生は「現実の炎とプロジェクションマッピングやドローンによるデジタル技術の輝きの融合をイメージしました」と話しました。

さらに、場外の特設イベントとして、聖火点火体験ブースを設けることを提案しました。設置された聖火台のオブジェクトに向けて、来場者が手元のスマートフォンから一斉に火矢を射ることで点火を疑似体験。参加者により一体感を感じてもらうとしました。

藤山氏は「冬季オリンピックの開会式を提案してくれるとは思っていませんでした。札幌を舞台にする上で、アイヌ民族に注目してくれたことがよかったです。また、体験スペースとはいえ観客を点火に取り入れる発想はこれまでにない斬新なもので、参加型で一体感を演出するアイデアがとてもよかったです」とコメントを寄せました。

4班:わ

4班は開催地を日本と想定し、〈わ〉を開会式のテーマに企画を考えました。学生はテーマについて「〈わ〉には平和の“和”、五輪の“輪”、そして日本文化の“和”という意味が込められています」と述べました。また「日本文化をわかりやすく織り交ぜ、他国との調和や平和、そして過去から未来を表現します」と話し、その演出全体を考えるベースとして『万物が互いに影響し合い循環する』という東洋思想である“五行思想”を取り入れると説明しました。

選手入場の順番については、オリンピックのシンボルマークである五輪が5大陸を表していることに触れながら「ギリシャを先頭に5大陸ごとに順番に入場し、日本がアジア大陸の最後として入場する」と説明しました。また、選手宣誓には柔道の阿部一二三選手、阿部詩選手を起用するとし、「柔道が日本の伝統競技であること、兄妹の絆がスポーツの努力を象徴することから採用した」と起用の理由を話しました。さらに、聖火ランナーとして歌舞伎俳優の市川團十郎氏を起用することを提案し、「日本の伝統文化を象徴する歌舞伎の力強さをストレートにアピールし、日本ならではの魅力を伝える点火セレモニーとする」としました。

藤山氏は「まず、テーマをひらがなとした点が、同じ発音で複数の意味を持つ日本語の特徴を活かした発想で素敵でした。また、“五行思想”に着目した点も面白かったです。さらに5つの大陸を意識した入場順は、オリンピックの原点である“大陸の団結”に立ち返った発想で良かったです」とコメントしました。

2班:3つのB 〜Bridge、 Believe、 Beyond〜

2班は夏季オリンピックを想定し、〈3つのB 〜Bridge、 Believe、 Beyond〜〉をテーマに開会式を企画しました。学生は「テーマでは3つのBを通じて、オリンピックが世界中の人をつなぎ、お互いを信じながら、新たな未来へ歩み出すきっかけとなることを表現した」と話しました。選手入場は競技ごとに行うとし、選手宣誓は次の世代へつなぐ“Bridge”の象徴として、10代のオリンピック選手である、スケートボードの吉沢恋選手と小野寺吟雲選手を選出しました。

聖火の点火者は2024パリ五輪で金メダルを獲得したフェンシング団体の日本選手とし、採用理由を「チーム競技で仲間を信じ、限界を超えた先の金メダルであると考え、Believe、Beyondの象徴として採用した」と説明しました。点火者たちが聖火台へ集まり、ひとりひとりのトーチから聖火が灯された後、光が会場全体に広がる演出を行うとし、学生は「重ねた想いが未来に広がっていく様子を表現しました」と話しました。また、聖火台は両端に階段を設け、上から見ると橋に見えるデザインにすると説明し、学生は「橋でつながり、信じる力で支え合い、限界を超えて未来を切り拓くという3Bのコンセプトを意味として込めた」と話しました。

藤山氏は「開催都市を選ばない普遍性のある提案で、内容の完成度も高かったです」とフィードバック。「また、スケートボードやフェンシングといった競技の目の付け所がマニアックで面白かったです」と話しました。

1班:コネクト

1班は2032年夏季オリンピック開催地であるオーストラリアを舞台に、<コネクト>をテーマとした開会式を企画しました。また「スポーツを通じた人とのつながりと自然との共存」をコンセプトに、演出を考案しました。

選手入場は「競技ごとに船に乗り、シドニー・オペラハウス周辺の海を同時に周遊する」と提案。入場にかかる時間の短縮を狙いました。また、選手宣誓はオーストラリア選手の最年少と最年長が行い、「スポーツが持つ歴史を次世代へつないでいく〈コネクト〉を表現する」としました。学生は「追加競技に、現地で人気のオーストラリアンフットボールが採用された場合、その競技の選手から選出する」と話し、開催国の魅力も発信すると述べました。

聖火点火は、オリンピックで実施される競技から選手が一人ずつ参加して点火を行い、聖火台は「ニューサウスウェールズ州のシンボルである花、ワラタをモチーフとしたデザインにする」とし、自然との共存というテーマの表現につなげました。

さらに、オペラハウス前でのオーストラリア室内管弦楽団の演奏に加え、ゴールドコーストのサーファーズパラダイスで先住民族の伝統音楽やダンス〈マニカイ〉〈コロンボリー〉を披露すると話しました。

藤山氏は「オーストラリアンフットボールという、ローカルだけれども現地で圧倒的な人気を誇るスポーツを取り入れてくれて、よく調べたなと感じました。また、オーストラリアの歴史として先住民族問題を忘れずに取り入れてくれて大変良かったです」と話しました。

スポニチ賞の表彰

すべての班の発表が終了した後、藤山氏、池田氏、佐藤氏の3名がスポニチ賞の審査を行いました。

協議の結果、最優秀賞は2班〈3つのB 〜Bridge、 Believe、 Beyond〜〉に決定。藤山氏は評価のポイントを「企画内容の実現可能性の高さ」と説明しました。2班には、オリンピック公式グッズの防水ポーチが藤山氏から贈呈されました。また、参加賞としてスポニチグッズのペンが学生に配布されました。

総括のコメント

藤山氏は「予想を超える素晴らしい提案でした。スポニチ賞を設けていますが、みなさんには自分の発表に自信を持ってもらえればと思います」と、発表全体への感想を述べました。続けて、オリンピック取材時のエピソードや、有森氏との対談を振り返りながら、学生たちへエールを送りました。

藤山氏は、あるメダリストに取材した際、金メダルを取れた理由を尋ねると「”負けず嫌い”だったから」と返ってきたエピソードを紹介しました。「その言葉を聞いた直後は『アスリートはそういうものだろう、よくある回答だな』と思っていました。でも話を聞くうちに、そうではないと気づいたんです」と振り返り、「その選手が言う“負けず嫌い”は、誰かへの対抗心ではなく、自分自身に対しての負けず嫌いだったんです」と説明しました。

さらに「一流の選手でも、緊張に悩んだり負けて落ち込んだりします。その選手も『練習でもういいやと感じる時もあるけれど、それでも自分に負けたくなくて続けてきた。その結果がオリンピックにつながった』と話していました」と、アスリートの心の内を紹介しました。

また、有森氏との対談で出た『自分で自分を褒めたい』という言葉についても触れ、藤山氏は「自分が満足するまでは負けを認めない。そして満足のいく結果が出たら、自分をほめる。これは皆さんのこれからの人生でも、大切な考え方になるのではないかと思います」と学生たちに伝えました。

最後に「今後、どうしても悩むことが出てくると思います。そんなときはぜひ有森氏との対談で聞いた信条を思い出して乗り越えてください。これからも、もっと楽しい毎日を送ってもらえたらと思います。本当に皆さん、お疲れ様でした。ありがとうございました」と、学生たちへ言葉を贈りました。

学生たちは、企画提案や対談を通して、一つの提案をやり抜く力やチームで動く協働力、自分の人生を支える力強い信条を学びました。

担当教員のコメント

2014年からスタートした本授業では、一貫してオリンピックパラリンピックを学生とともに考えてきました。そして、スポーツニッポン新聞社さまにも、一貫してご支援を継続いただいてきました。
スポニチ藤山様には、毎年、お題をいただいたり、オリンピックパラリンピックの裏話の数々をご披露いただくなどスポーツを通しての国際理解を深めることにお力添えをいただきました。
今年のテーマは、将来のオリンピックパラリンピック開会式をプロデュースするという壮大なテーマでしたが、学生たちも想像力や創造力を目いっぱい発揮いただき、素晴らしいプランが提案されました。
スポーツニッポン新聞社様のご支援に対し、心から感謝申し上げます。

2026年7月31日

オリエンタルランド・クリエイションズを訪問し、学生がプログラムに挑戦しました。

5月25日、キャリア実践演習(担当:国文学科 深澤 晶久教授)にて、株式会社オリエンタルランド・クリエイションズ(以下、OCS)に学生が訪問しプログラムに挑戦しました。プログラムでは企業説明のほか、キャリアに関する講演や社員との座談会、代表取締役社長 向井 丈晴氏を交えたランチ会など、キャリアに関する視点を深めるほか、社内視察を交えた課題解決の施策提案を行いました。

OCSについて

OCSは〈「デザイン」を通じて世界に笑顔と幸せを届けます。〉というミッションを掲げ、オリエンタルランドとグループ会社をはじめ、さまざまなクライアントに対して、デザイン、商品、印刷物、デジタル、写真、映像セグメントのクリエイティブを提供している会社です。と紹介がありました。

次に組織図をスライドに投影しながら、各部門の説明があり、企画営業部と制作部がクリエイティブ制作事業を担当していることを紹介。さらに、「案件ごとにチームが結成され、協力してクリエイティブを提供します」と説明しました。実際にOCSが担当したデザインや商品、ツール、HP、動画などがスライドで紹介され、「自分が担当したクリエイティブの展開開始日に現地視察を行うことも。ゲストのリアクションなどを直接確認することもあります」と話しました。

続いて、リゾートオペレーション部門が担当しているフォトサービス事業の業務内容が説明されました。

部門にはさらにテーマパーク内にある各フォトロケーションでのカメラマンによる撮影からプリント、販売までを担当するグループと、ホテルにおける婚礼や宴会等での各種写真の撮影からアルバム等の構成、販売を担当するグループがあるとの紹介がありました。

OCSが、各種デザインや思い出となるコンテンツの制作など、ゲストの体験につながるクリエイティブを提供していることを学んだ学生たち。テーマリゾートの運営を支えるグループ企業の事業領域紹介を通じて、一つの商品やサービスが企業間の連携によって支えられていることを学びました。

現役社員によるキャリア講演

企画営業部の齋藤氏によるキャリア講演が行われました。齋藤氏は講演の冒頭、「講演を準備する中で、自分自身のキャリアを改めて振り返る機会になりました」と話し、自身の歩んできた道のりと、その経験を通して気づいた価値観について学生へ語りかけました。

齋藤氏は株式会社オリエンタルランド(以下OLC)にデザイン職として中途入社。その後、グループ会社への出向やOLCへの帰任を数度経験し、現在はOCSで企画・営業・デザインなど幅広い業務に携わっています。

講演は、「私は失敗しない」という言葉から始まりました。しかし、それは数多くの困難や失敗を乗り越えてきた経験から、「何とかする」「何とかなる」「やり切る」という覚悟を表す言葉であると学生へ説明しました。

キャリアスタートと経験

齋藤氏は新卒で保険会社に事務職として入社。「『就職のタイミングが来たからとりあえず働く』という感覚だった」と振り返るものの、「仕事は長く続けたいし、楽しく働きたい。“好き”を仕事にしたい」と考え、その状態に近づくべく3年で退職を決意。

『職人=かっこいい』『仕事好きな大人=かっこいい』。そして、小さい頃読んだ『ウォルト・ディズニー』の伝記から、好奇心をビジネスにしてきた、ウォルトの生き方に憧れ、ディズニーに携わりたいと考えていました。

保険会社退職後は大学で専攻した日本語教師を海外で1年経験し、その後入社した制作会社では、公的機関に出向。出向先で事務の仕事に取り組む傍ら夜間のデザインスクールでデザインの基礎を学びました。当時の経験を「海外生活では度胸が身に付き、公的機関での仕事では、人の役に立てることに大きなやりがいを感じました」と振り返りました。

その後、準社員としてOLC商品部へ入社し、2年間勤務した後、中途採用試験に合格して商品デザイングループの社員となりました。

齋藤氏は「人は誰もが、自分の人生の責任者なのです」というウォルト・ディズニーの言葉を引用しながら、OLCに入社するまでの約7年間は、自分で考え、自分の意思で道を選択しながら進んできたことを学生へ伝えました。

入社後の経験

 入社後、テーマパークの商品開発のためのデザイン素材集の作成、商品デザインや開発、監修などの他にも、テーマパーク以外で展開されるキャラクター商品の開発やマーケティングにも携わり、沢山の新規企画の立ち上げを実現してきたといいます。

「グッズのデザイン業務の中では、デッサンやイラストの制作に苦労しました」と振り返る齋藤氏。当時の経験を「やればやるほど自分の得意・不得意がわかるようになりました。できないことがあるだけ、多くの人に助けてもらいました。アドバイスをくれる先輩や、力を貸してくれる協力会社の職人さんなどの中で働く楽しさを強く感じました」と振り返りました。

また、「とんでもない業務量の時もありましたが、『やってから文句を言う』というスタンスで、やってのけました」と言いながら、同時に『数字に強いクリエイター』を目指し、ビジネススクールに通ったことも告白。「とにかく時間が足りなかったですが、適応能力が身に付きました」と笑いながら話してくれました。

その後も多様な業務を経験し、OCSへ出向したタイミングでコロナ渦に突入。ソーシャルディスタンスなど、従来とは異なる形での企画が求められる中、やったことのない技術を体験価値につなげられるかなど色々な取り組みを繰り返したことを述べ、「正解が分からない中、チームで試行錯誤しながら挑戦することが楽しかったです」と話しました。

キャリアを振り返って

さまざまな経験を経た現在、齋藤氏は「企画、営業、提案からデザインまで幅広い業務に携わっています」と話しました。そして、これまでで、本当にやってきてよかったこととして「その時できることを最大限やってきたこと」を挙げました。目の前にある仕事一つ一つに一生懸命に取り組んできた積み重ね、一見繋がりがないような経験の数々が後の自分の強みになっていきました。そして、なによりもその『一生懸命』が、ヒトとの繋がりを生み今の財産になっているといいます。

講演の終盤、齋藤氏は自身のキャリアを振り返る中で、一つの大きな気づきがあったと語りました。

「私は、ディズニーが好きだから仕事を続けられていると思っていました。でも振り返ってみると、本当に好きだったのは、人の役に立つことでした。」

仕事を通じてゲストが喜ぶことはもちろん、一緒に働く仲間が助かったり、笑顔になったりすることに、自分自身が最もやりがいを感じていたといいます。

「だから私は、ディズニーが好きというより、仕事が好きなんだと気づきました。そして、その得意分野がディズニーなので、今の仕事を心から楽しめています。」

さらに学生へ、「人生はゲームのようなもの」という考え方も紹介しました。

ゲームでは、設定変更できないキャラクターや出来事にでくわします。設定を変えられるのは、自分自身のスキルや考え方や次の行動、戦略です。

「想定外のこと、納得いかないことにでくわしたときは『そうきたか!』とだけ思ってください。『なぜ自分だけこんなめに?』とそこに躓き思い悩むのはもったいない」と学生たちに語りかけ、出来事は変えられなくても、その後どう行動するかで、その先を変えることができると説明。人生はゴールで決まるものではなく、それまでの経験や時間の全てが人生であり、そのプロセスが価値であると伝えました。

講演の最後には、「長く大人をやっていてもわからないことは沢山あります。でも、自分が今どこに向かっているのかという現在地を見失わなければ、人は必ず前へ進むことができます」と学生たちへメッセージを送りました。

フォトサービスとPBL

プログラムの後半には、現役社員から提示される課題に学生が挑戦しました。リゾートオペレーション部門の江口氏が登壇し、課題の説明が行われました。

江口氏は、テーマパーク内で提供されているフォトサービスの時間帯責任者を担当しています。「各フォトロケーションでの撮影や受付、プリント、販売など、最前線で活躍しているキャストの育成や管理、より多くのゲストに写真をお届けするための施策の立案・実行を行っています」と、日々の業務について紹介しました。

また、「最前線で活躍するキャストのモチベーションを高く保つためにはどうすればよいかなど、キャストを育成・管理するリーダーとしてのスキルも求められていると感じています」と説明。学生たちはサービス運営を支える仕事について理解を深めました。

江口氏から提示された課題は、〈より多くのゲストに写真をお届けするための施策の提案〉です。実際の業務フローが紹介された後、1日の目標など具体的な条件と、設定シーンにおける利用状況を数値化したデータが配布されました。

江口氏は特に、「サービスを提供しているキャストの行動変容によって数値向上につながる内容を提案してほしい」と学生に呼びかけました。また、「数値化されたデータを読み解き、見つけた課題から施策を考えることも一つのアプローチです」とヒントを示しました。

学生たちは3つのグループに分かれ、施策を考えるディスカッションを実施。配布資料をもとに、どの数値を改善すべきかを分析し、そのために必要な施策についてアイデアを出し合いました。

あるグループでは、提案の方向性が固まった段階で江口氏から「その価値を、キャストがどのようにゲストへ伝えられるかも考えてほしい。例えば、こんな声掛けをしてみるという方法もあります」と具体的なアドバイスを受ける場面もありました。江口氏は「最前線で体験価値を提供するキャストによってサービスは支えられています。その力をより活かす形で色々な施策を考えてください。」と話し、時間帯責任者としてサービス運営に携わる立場ならではの視点で学生に助言を送りました。

ディスカッション後は各グループが施策を発表。「案内文章にわくわく感を持たせたい」といった利用者視点からオペレーション改善を提案するグループや、ニーズを分析し、その要素を案内文章へ反映する施策を提案するグループ、利用者への説明を充実させることで、サービスの魅力をより効果的に伝える施策を考案したグループなど、多様なアイデアが発表されました。

また、「今考えていただいた施策は、『撮影体験』というパーク内での体験価値を、より多く提供することにつながるものです。そして、その体験は思い出をカタチとして残していただくことにもつながります」と述べ、今回の課題解決提案がどのような価値を生み出すのかを説明しました。

さらに、「みなさんが考えた施策を実際に形にするのは、最前線で活躍するキャストです。キャストに施策の価値をどう伝えるか、また、実行に向けたモチベーションをどのように高めていくかなど、日々、複数の要素を考えながら進めることが求められます。」と話し、業務における難しさとやりがいを学生に伝えました。

学生は、時間帯責任者の視点で課題に取り組むことで、サービスを支える多様な業務と、実際の業務で求められている広い視点について理解を深めました。

学生はキャリア講演や課題に挑戦することを通じて、社会人として求められる仕事への姿勢やより広い視野について理解を深めました。

講演や課題以外にもこんなことを行いました

お昼の時間には、代表取締役社長 向井 丈晴氏を交えてランチ会が開催されました。学生と同じテーブルに社員の皆さんも着席。学生は、社員の方に直接質問をしながらリラックスした様子で昼食を楽しみました。逆に社員から学生への質問もあり、双方の意見交換の場としても盛り上がりました。

また、講演や課題のワークのほかに、社員と学生の座談会も開催されました。座談会では齋藤氏のほかに企画営業部から太田氏、和田氏、池﨑氏が参加。学生一人一人から寄せられた質問に、4人それぞれから回答されました。座談会での質問を一部抜粋し、掲載いたします。

Q一番大変だった仕事は?

池﨑氏「商品を作る工場とやり取りをしながら納品までのスケジュール管理を行ったことです。海外の方と話すこともあり、意思疎通や意識の統一に難しさを感じました」

和田氏「映画と連動したイベント企画の担当をしたことです。複数の制作物を同時並行で進捗管理を行わなくてはならず、大変でした」

太田氏「ECサイトを立ち上げたことです。ウェブに関するノウハウがない中で構築しなくてはならず、分からないことの範囲が広い点が大変でしたが、それが良い経験になり今に繋がっています。」

齋藤氏「企画が進んでいた商品を、予定していた日に納品することが難しいとの連絡が来たことです。関係者と協議し対応することで、何とか商品販売までこぎつけました。他にも大変なことはいろいろありますが、このようにエピソードにもなりますし、何とかなります。恐れるものではないです」

Q.好きなことを職にするためにどうしたか

池﨑氏「今好きを仕事にしていることは、タイミングと憧れが重なった結果だったと思います。これまでつらいこともありましたが、『食べることが好き』という一つの好きがあったからこそ頑張れたと思っています。一つの好きからつながっていろんな好きが増えたので、なにかひとつ見つけることが大切なのかなと思っています」

太田氏「好きを職にする入社きっかけではなかったですが、代わりに『負けず嫌い』でやり抜いてきたなと思っています。できたことが自信につながり、乗り越えた分できることも増えました。このような経験が仕事の楽しさにつながっていると思います」

和田氏「好きなことを職にする、という目標を諦めなかったことが一番大きかったと思います。それが今の仕事につながっていると感じています。」

齋藤氏「考え方として私がよく言うのは『好き』になる必要はなく『プロ』になれ。何事も極めると仕事が楽しくなります。ただもともと『好き』だった業界に行くことは続けるモチベーションになりますね。」

担当教員のコメント

文学部キャリア科目群の一つとして、今年(2026年)開講したキャリア実践演習では、
オリエンタルランドクリエイションズ様に大変お世話になりました。
向井社長や前山部長にご尽力いただき、素晴らしいプログラムを
企画いただき、当日は、多くの社員の方のお力添えもいただきました。
オリエンタルランドグルーブを支える大きな柱として存在する
オリエンタルランドクリエイションズ様での至れり尽くせりのプログラムは、
学生にとってもとても意義深く印象に残る一日となりました。
普段はゲストとして眺めていた風景をキャストの側から学ぶという貴重な
体験をさせていただくことが出来ました。
なぜ、いつも笑顔で満たされているのか、深い視点での研鑽を積めたたことに
心から感謝いたします。
改めて貴重な経験をさせていただいた向井社長、前山部長をはじめとする
オリエンタルランドクリエイションズ様の社員の皆さまに御礼申し上げます。

2026年7月1日

航空機廃材に新たな価値を JAL連携授業で学生がアップサイクル商品を企画・最終プレゼンを実施(6/16)

6月16日、人間社会学部ビジネス社会学科2年生が取り組んできた、日本航空株式会社(JAL)との産学連携授業「演習Ⅱa」(担当:若林宏保教授、井上綾野准教授)の最終プレゼンテーションが行われました。5月の授業で提示された「航空機の廃材を活用したアップサイクル商品」の企画課題に取り組んできた学生たちが、約1か月にわたる検討の成果を発表しました。

JAL社員になったつもりで商品企画に挑戦

JAL航空みらいラボ(WEB:https://www.jalaviofuture.co.jp/ )と連携した課題解決型授業が、最終発表を迎えました。授業では、JAL航空みらいラボの細野志麻氏をゲストに迎え、航空機のアップサイクルやJALのサステナビリティへの取り組みについて学びました。

細野氏からは初回授業で「JAL社員になったつもりでアイデアを考えてください!」と呼びかけがあり、学生たちは「廃材の特性を生かし、『Z世代から長く愛される』新商品を、社会や消費者への伝え方も含めて企画・デザインする」という課題に挑戦しました。

約50人の学生が10チームに分かれ、中間発表でのフィードバックを受けながら企画をブラッシュアップ。最終発表では、「なぜその商品なのか」「どのような価値を届けるのか」「どのように共感を生み出すのか」といった視点まで掘り下げた提案が各チームから発表されました。

初回授業の様子はこちらの記事から→https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/10693/

Z世代に響く商品企画と発信戦略

学生たちは、航空機の廃材を活用した多彩な商品アイデアを提案。窓材を使ったキーホルダーやリング、座席レザーのスマートフォンケース・ネックピロー、シートベルトのApple Watchベルト、救命胴衣のガーランドなど、素材の特性を生かした企画が並びました。

さらに、「旅の記憶」や「人を支えてきた素材の物語」といったストーリー性にも着目。SNSで共有したくなるデザインや2次元バーコード を活用した素材の履歴紹介、航空券とのセット販売など、商品の魅力をどのように伝え、体験価値として届けるかという視点からの提案も見られました。推し活や旅行と組み合わせた楽しみ方、購入後の体験設計など、「いかに共感を広げるか」を意識した企画が多くのチームで共通していました。

発表後、細野氏は「中間発表から大きく成長した企画が多く、商品の背景やストーリーが伝わる内容になっていた」と評価。また、「楽しい商品だからこそ、どう楽しむのかまで伝えることが大切」としたうえで、企業やブランドとのコラボレーションでは理念や価値観との親和性を意識することの重要性など、実際の商品企画やマーケティングにつながる視点からアドバイスを送りました。

学生たちにとって、企業担当者から直接フィードバックを受けながら企画を磨き上げる経験は、企画力や提案力を高めるだけでなく、企業視点で課題を捉え、価値を創造する力を養う貴重な機会となりました。

アイデアと提案力が光った入賞チーム

最終発表後には審査結果が発表されました。

3位:チームH-AIR
ファーストクラスのシートレザーをアップサイクルしたネックピロー「SORA PILLOW」を提案。素材の品質やストーリー性に加え、コラボレーションの視点も盛り込んだ提案が評価されました。

2位:エアウィング
航空機の窓材を活用したリング「スカイリング」を提案。素材が持つストーリー性に加え、航空券とのセット販売など、旅と商品を結び付けた体験価値の高い提案が評価されました。

1位:麻辣湯(マーラータン)
航空機のシートベルトを活用したApple Watchベルトを提案。空港ごとに異なる刺繍デザインを取り入れ、「次は別の空港にも行ってみたい」と思わせる仕掛けを提案。完成品として販売することで利用者の利便性にも配慮し、デザイン性と実現性を兼ね備えた提案が高く評価されました。

担当教員からのコメント

今回の課題は実際の企業課題を扱う難易度の高いものでしたが、どのグループも非常に質の高い提案をまとめてくれました。学生たちは、Z世代のニーズやJALらしさ、実現可能性などを多面的に検討しながら企画を構築し、ストーリーづくりやネーミングにも高い創造性を発揮していました。また、JALの皆様からのフィードバックを受けて提案を磨き上げる姿勢からは、対話力や協働力の成長も感じられました。生成AIも効果的に活用しながら、自分たちの考えや熱意を形にできていたことが印象的でした。貴重な学びの機会を提供してくださったJALの皆様に心より感謝申し上げます。〈若林宏保教授〉

2026年3月31日

人工石の指輪の認知を広めるには?「実践デザインラボⅠ」の授業でBrillarとの特別コラボが行われ学生たちが施策を提案しました。

「実践デザインラボⅠ」(担当:人間社会学部社会デザイン学科 標葉 靖子教授)の授業で、12月19日に株式会社Brillar(ブリジャール)との特別コラボ授業が行われました。この日は1か月前に出された課題に対するプレゼンテーション。テーマは「人工石の指輪をひとつのライフスタイルや自己表現として広めるための具体的な施策を考える」です。学生たちはグループワークを経て発表に臨みました。

レンタルサービスで良さを広めよう

Brillarの代表取締役である小原亦聡氏も来校し、「楽しみにしてきました」とコメント。
「店にも来てくれたと従業員から聞いています。シャープな質問もあったそうですね」と、学生たちの調査力に感心していました。
さらに「成長過程にあるブランドとして良い施策があれば取り入れたい」と、提案に期待を寄せました。

いよいよ学生たちの発表です。
トップバッターは「カメレオン」チーム。
人工石に関する意識調査では、人工石が指輪の素材として使用されていることを知らない人が83%にのぼり、まだ十分に知られていない現状や、従来の価値観によるイメージが課題だと整理しました。
そこで提案したのが、名付けて「Brillar select」というレンタルサービスです。
記念日や結婚式などで指輪やネックレスを1週間貸し出し、利用している様子をSNSに投稿するとクーポンが使える仕組みにして、人工石ジュエリーの認知向上と抵抗感の軽減を目指します。

発表後、小原氏から「以前、婚約指輪の購入者向けに結婚式でのレンタルサービスを行ったことがあります」と実例が紹介されました。
過去に類似の取り組みも行っており、その可能性と課題の両面について意見交換が行われました。

SNSで若い世代にアプローチ

続いての「こしあん」チームはSNSの活用を提案しました。
意識調査では、天然石を選ぶという従来の価値観が根強く、人工石を積極的に選びたいひとは少ないことを確認。
そこで、SNSで情報を得ている若い世代にアプローチし認知度アップを狙います。利用するSNSは「X」で。
バズっている投稿を検証し、画像や情報の発信方法などを具体的に提案しました。

「この仕事はInstagramから始めたので、いまでもInstagramに投稿が偏っているかもと感じました」と小原氏。
「他のSNSへの対応やインフルエンサーへのオファーなどにも力を入れるべきかもしれませんね」とコメントされました。

「自分らしさとは何か」を問いかける

次のチーム「長女」は、人工石を宝石ではなくファッションとして提案するプレゼンを行いました。
商業施設でミニランウェイを開催し、実物を見る機会を増やします。展示の場ではサステナブルな価値も訴求しやすいと説明しました。
さらに銀座などの駅で、デジタルサイネージ広告を展開。イメージ動画も自分たちで作成しました。
「自分らしさとは何か」を問いかけることで、新しい愛の表現としての選択肢を提示しました。

小原氏は「動画も作り込まれていて、完成度の高い発表でした」と感嘆されました。
「主体的に選んでいるつもりでも、社会的なイメージに影響されていることは多い。新しい自己表現としての切り口はとても良いですね」と語りました。

キャラクターとコラボして展開

最後は「プリキュア6」チームです。
意識調査から、ジュエリー選びの基準は「知っているブランド」であることが重視され、価格も大きな判断材料になると分かりました。
宝飾業界は定番ブランドの基盤が強く新規参入が難しい一方、手に取りやすい価格帯であれば選択肢に入ることにも着目。
そこで若者への認知拡大策として、ポップアップストアの実施を提案しました。カスタムチャーム作りやサンリオなど既存キャラクターとコラボすることで、ブランドをより身近に感じてもらう狙いです。

小原氏は「百貨店でポップアップを行ったことはありますが、若者向けではありませんでした」と振り返り、「キャラクターの力を借りるのも一つの有効な案ですね」とコメントしました。

意識調査からしっかりと

発表の締めくくりには、小原氏から総評がありました。
「意識調査など大変だったと思いますが、どの班もしっかり調べていて素晴らしかったです。ありがとうございます」と、学生たちの努力をねぎらいました。
さらに「気になってはいたもののやっていなかったところも指摘され、やはり力を入れるべきと気付かされました」と、学びの多い発表だったと振り返りました。

小原氏(株式会社Brillar代表取締役)からのメッセージ

今回の取り組みを通じて、モアサナイトという新しいジェムストーンに対する若い世代の率直な声に触れ、その可能性を改めて強く実感しました。既存の価値観にとらわれず、自分自身の基準で「美しさ」や「選ぶ意味」を判断する姿勢は、これからのジュエリーの未来そのものだと感じています。
ブリジャールは、創業9周年を迎える中で、日本におけるモアサナイト市場を切り拓いてきました。
まだ一般的ではなかった時代から、モアサナイトの持つ本質的な美しさと価値を信じ、発信し続けてきたからこそ、今こうして次世代の共感に繋がっていると考えています。
モアサナイトは、単なるダイヤモンドなどの代替素材ではなく、これからの時代にふさわしい新しい選択肢であり、新しいスタンダードです。
今回得られた若い世代のリアルな視点を大切にしながら、その魅力をさらに広げ、次の時代のジュエリー文化を形づくっていきたいと思います。

担当教員からのメッセージ

今回の社会連携プロジェクトでは、学生たちにとって実地調査や資料作成を通じて、立案に至るまでのプロセスを体験的に学ぶことのできる機会となったのではと思います。

あらためて学生にこのような貴重な機会をご提供いただいた小原様をはじめとするBrillarの皆様に厚く御礼申し上げます。

2026年3月18日

デザイン思考で挑戦!実践プロジェクトbの授業にてTANZO、ゼクシィとの連携授業の最終発表が行われました。

1月14日(水)、実践プロジェクトb(担当:美学美術史学科下山肇教授)の授業にて、鍛造指輪株式会社(以下、TANZO)常務取締役 曽我石 龍之介氏と株式会社リクルートのゼクシィ編集部(以下、ゼクシィ) Divison総括本部 マリッジ&ファミリーDivision 朝賀しお莉氏、鈴木莉乃氏をお招きし、学生の提案の最終発表が行われました。

授業と企業連携について

実践プロジェクトbは、2年生以上の学年を対象に開講されている共通教育科目です。問題解決(PBL)型授業で、企業から渡される課題に対して、学生が解決策の提案を行います。この授業では、課題に対する解決策を考える方法としてデザインの考え方を取り入れています。

今年度はTANZO、ゼクシィとの企業連携が行われ、ブライダル分野の課題に挑戦しました。TANZOは婚約指輪や結婚指輪を中心にオーダーメイドの指輪を製作・販売を、ゼクシィは結婚に関する総合的な情報発信を行っています。

授業のあゆみ

初回授業では、曽我石氏、朝賀氏、鈴木氏が来校し、〈新しい出会いの手段を創造する〉という課題が発表されました。その後、それぞれの企業の紹介とブライダル業界が抱える課題点が共有されました。学生には、課題として既存の出会い方にとらわれない「新たな出会いの手段」を見つけ出すことが求められていると伝えられ、大学生ならではの柔軟な発想への期待が寄せられました。

その後、まずは学生自身が「自分が出会いたい人」のイメージを出発点としてイメージボードを作成。完成後は学生間でイメージボードの交換が行われ、自分ではなく、『クライアント』の求める人物と出会える場の企画の考案を進めていきました。キーワードの抽出・整理を行いながらアイデアを発展させ、中間発表での企業からのフィードバックをもとに企画内容を具体化。その間、AIを思考の壁打ち相手として活用しながら企画を段階的に検討し、『出会いの手段』の提案へとまとめていきました。

中間発表でのフィードバックを受け、企画のブラッシュアップを行った学生たち。それぞれのクライアントが求める『出会いたい人物』に出会える場をテーマに、企画の最終発表が行われました。

学生の発表

ニャン・テリジェンス

クライアントの求める”出会いたい人物像”と、既存のマッチングサービスにおける「外見や条件は分かる一方で、人の価値観が見えにくい」という問題点に着目し、外見や条件だけでなく内面の相性を重視した出会いを目指す、AIを活用したマッチングプラットフォーム〈ニャン・テリジェンス〉を提案しました。

イメージボードから『多趣味』『清潔感』『対話力』の3点を要素として抽出し、AIとの対話による性格分析やAIが話題を提供するテーマトークを通して、データに基づくマッチングと実際の対話の両面から相性を確かめられる仕組みを設計しています。特に『清潔感』の要素として姿勢の良さに着目し、カメラの情報をAIが分析して姿勢が悪くなると猫の鳴き声で知らせる機能を提案しました。

さらに、参加者を連携企業に勤める社会人に限定することで、サービスの信頼性向上と安定した参加者確保を図り、企業価値の向上にもつなげる点を特徴としています。

曽我石氏は「ネーミングが素敵です。AIの要素が加わることで、分析とフィードバックのサイクルが実現可能だと想像できました」とコメントしました。朝賀氏は「異なる人に惹かれる側面もあると思うので、『価値観が同じ』だけではない、多様な出会いをサポートできるとさらに良くなると思います」とフィードバックしました。

教えあい料理教室

クライアントの求める人物像を表したイメージボードから『誠実な人間性』『食に対する興味』の二点に着目し、出会いにおいて表面的な情報だけでは分かりにくい相手の本質を短期間で知ることができる“出会いの場”として〈教えあい料理教室〉を提案しました。

買い出しから片付けまでを参加者自身が担い、レシピを教えあいながら交流する点が特徴です。集合後は買い出しから始まり、調理や食事、片付けまでの流れを共にすることで自然なコミュニケーションが生まれるように設計しました。また、一連の作業を通して食の好みや性格、ライフスタイル、指示の出し方など、参加者の本質を知ることができるとしました。

体験価値を重視する大学生や20〜30代社会人を対象に集客し、本気度を担保するため月額3,000円の会費を設定しました。料理を通して参加者の本質的な部分を知ることができる企画として説明されました。

曽我石氏は「出会ったあと、実際に付き合ってみたときに感じるズレが少なそうです」とコメントしました。朝賀氏は「初心者歓迎の部や、逆に食べるだけの人の枠を設けるなど、参加者の条件はさらに展開できそうです」とフィードバックしました。鈴木氏は「慣れてきたときに人の本質が出る気がするので、3回以上の参加を必須にするなどの条件を付けるとよいのではないでしょうか」とコメントしました。

仮想協働生活アプリ〈OUR LIFE〉

クライアントの「出会いたい人」の要素を示したイメージボードから、『優しくて笑顔が柔らかい』『想像力豊かで思いやりがある』『たばこを吸わない』という点に注目し、「相手に誠実に向き合う姿勢」「第三者との関わりから見える本来の性格」「健康的な生活」の三点を“出会いの場で見極めたい要素”として抽出しました。

既存の出会いの手段では実際の生活に関する情報が不足しているという課題を踏まえ、人を選ぶのではなく“確かめる”場として仮想生活マッチングアプリ〈OUR LIFE〉を提案しました。企画はAIによる自己分析とマッチング、共同生活、卒業の三段階で構成され、共同生活では献立や食事、子どもと遊ぶ体験、ストレスイベントなどのタスクを通して金銭感覚や健康意識、対応力を見極める仕組みとしました。

期間は1日・1週間・1カ月から選択可能とし、本気の出会いの場として月額3,600円の参加費用を設定しました。

朝賀氏は「“ゲーム=攻略”と捉える人もいるため、より“出会い”にフォーカスした方向性で展開していくと、マッチングアプリとしての安全性が高くなると思います」とコメントしました。

鈴木氏は「スマートフォンの歩数と連動して移動距離が見られたり、ステータスとしてポップが表示されたりするなど、リアルと連動した機能があるとよりよいのではないでしょうか」とフィードバックしました。

〈SYNC TO UNLOCK〉

クライアントのイメージボードにある『気遣いができる、ユーモアがある、韓国風ストリートファッション』といったキーワードから、コミュニケーション能力の高さ、視野の広さ、トレンドへの敏感さを出会いの場に必要な要素として抽出しました。これらを踏まえ、ファッションブランドに焦点を当てたイベント型POP UP SHOP〈SYNC TO UNLOCK〉を提案しました。

本企画では「脱出ゲームをクリアしなければ商品を購入できない」という制約を設け、初対面の参加者同士が協力せざるを得ない状況を生み出すことで、自然な交流を促します。さらにゲーム内容も、求められる人物像の要素が発揮されるよう設計しました。脱出後には参加者ごとに異なるクーポンを配布し、共有することで全員が利用できる仕組みとすることで、参加者同士のコミュニケーションを促し、連絡先交換などイベント後の関係形成にもつなげる企画として説明しました。

朝賀氏は「ファッションブランド以外のコンテンツでも実施できそうな内容だと思いました」とコメント。曽我石氏は「実施することでアパレルブランドに対する愛着も上がり、ビジネスとしても成り立つ企画だと思います」と話しました。

バーチャルとリアルをつなぐマッチングアプリ

クライアントのイメージボードから、「趣味を一緒に楽しめる人」という要素に注目しました。物事に取り組む姿勢や態度を知ることができ、同じ趣味を持つ人と出会える場として、シミュレーションゲームとマッチングアプリを組み合わせたサービスを提案しました。

このサービスでは、理想の暮らしをシミュレーションしながらタスクをこなすことでポイントが付与される仕組みを採用しています。アプリの登録者は、好きなコンテンツのタグ付けや、過去に参加したライブチケットの登録などを行い、「好き」を通じたマッチングが行われます。

また、タスクには生活における価値観に関する内容を設定し、同じ物事に対する取り組み方や姿勢を判断できる設計としました。さらに、タスクをこなして得られたポイントは、実際のライブチケットやグッズと交換できるようにすることで、オンライン上で協働した相手とリアルで出会うための導線を確保しました。

朝賀氏は「同じ趣味を持つ友達のコミュニティを広げる目的でもできそうです。チケットやグッズ目的の人もアプリを使用すると思うので、出会い目的を確実にするシステムがいると感じました」とコメント。鈴木氏は「ポイント交換チケットの転売対策も必要だと思いました」とフィードバックしました。

朝食コミュニティ

クライアントのイメージボードにある「いただきますが言える人」「細身の体形の人」「自己管理ができる人」という要素に着目し、「朝ごはん」を共に食べる食事会を出会いの場として提案しました。

ターゲットは25〜39歳の会社員とし、1日の始まりである朝を整えることで自分自身や仕事の調子を整えたいと考える人々を想定しています。参加者は出社前に会場へ集まり、到着後は各自のタイミングで「いただきます」をして食事を開始する仕組みとすることで、自発的に挨拶ができる人物かどうかを確認できる点を特徴としました。さらに参加条件にBMI23未満を設定し、「細身の体形」という要素を満たす設計としています。食事はグラム単位での事前申請制とし、完食をおかわりの条件とすることでフードロスにも配慮しました。最後に参加者全員で「ごちそうさま」を言うことを合図に終了する企画として説明しました。

曽我石氏は「中間発表からより詳細な内容が詰まっていて、具体的なイメージがつきました。グラム単位で指定するということは、美意識が高い人たちが集まりそうですね」とコメント。朝賀氏は「休日プランやランチ会など、様々なパターンがつくれそうです」と企画の発展性について指摘。鈴木氏は「クライアントの要望通り、『いただきます』を自然に発生させるシステムがきちんと設計されていてよかったです」と評価しました。

授業の終わりに

曽我石氏は「授業で終わらせることがもったいなく感じるくらい、社会につながる提案でした」とコメント。朝賀氏は「就職活動のエントリーシートに”学チカ”として十分かけるような、充実した発表でした」と話しました。鈴木氏は「アイデア出しやスライド作成など、提案を考える過程も参考になりました」と話しました。

今回の授業は学生にとって、デザインの考え方を取り入れながら、アイデアを企画として具体的な形にしていく過程を実践的に学ぶ貴重な機会となりました。クライアントの要望をもとに考え、試行錯誤を重ねながら企画を磨き上げていく経験を通して、発想力だけでなく、相手のニーズを捉えて形にする力を養う機会となりました。

担当教員からのメッセージ

【生成AIの活用と他者視点の融合】

今回の授業では、主に二つのポイントを設定しました。

第一は、生成AIを活用したデザイン思考の実践です。第二は、自分自身ではなく「他の履修者」をクライアントとして想定し、企画を構想することでした。

まず生成AIについてですが、現在はまだ技術の過渡期にあり、その利用については賛否さまざまな意見があります。しかしデザイン分野においては、今後重要なツールになると考えられるため、学生には早い段階で実際に体験してもらうことを重視しました。

ただし、生成AIは使えばよいというものではなく、使い方によっては単なる作業の効率化にとどまってしまいます。そこで授業では、「どのようにAIを使うのか」という思考の組み立て方そのものを学習の中心に据えました。まず自分自身の発想を起点にアイデアを練り上げ、その過程で資料やデータの収集、調査や取材を重ねます。その上で、ある程度まとまった構想を生成AIに投げかけ、返ってきた提案や視点を再び思考の材料として検討し直す、という往復を行いました。こうした過程を通して、AIに依存するのではなく、自分の構想を軸にしながら活用する姿勢を体験的に学ぶことができたと考えています。

もう一つのポイントである「他履修者をクライアントとすること」についてですが、通常の課題制作では、自分自身から発したものやことをテーマとして考えることが多くなります。しかしその場合、主観的な考えから抜け出せず、発想が行き詰まったときに突破口を見出しにくいという側面があります。そこで今回は、自分ではない「他履修者」から発した題材を元とすることで、より客観的な視点から問題設定や提案を行う方法を試みました。デザインは本来、自分ではなく常に自分以外の 「何か・誰かのために」行う行為であり、その実践的な思考方法を体験することが目的でした。

結果として、協働企業の方々からは非常に高い評価をいただきました。企画内容についても、「ここで終わらせるのはもったいない。さらにビジネス化の可能性を検討し、次のフェーズへ進めたい」というご意見をいただくことができました。

学生の持つ高いポテンシャルと、生成AIなどの現代技術を組み合わせた方法論によって、実社会と接続した充実した授業を実現できたと考えています。

2026年3月17日

生成AIとクリエイティブ!サイバーエージェントとのコラボ授業で、学生の制作物の最終発表が行われました。

2025年12月23日(火)演習Ⅱb(担当:人間社会学部人間社会学科 粟津 俊二教授)にて、株式会社サイバーエージェント(以下サイバーエージェント)から川越寛之氏をお招きし、制作物の最終発表が行われました。

授業と企業連携について

「演習Ⅱb」は、人間社会学部の2年生を対象に開講されている専門科目です。学科での学びをさらに深めるための基礎知識を身につけることを目的としています。粟津教授が担当するクラスでは、「生成AIを活用し、社会連携推進室を紹介するポスターを制作する」という課題に取り組んでいます。授業では、Web広告事業でAIを用いたクリエイティブを行っている株式会社サイバーエージェントと連携し、生成AIの活用方法を実践的に学んでいます。
コラボ授業初回の様子はこちら→https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/9598/

これまでの授業で、川越氏や粟津教授から生成AIの活用方法のレクチャーを受けてきた学生たち。5つのグループに分かれ、生成AIを活用しながら制作を行いました。今回の授業では、川越氏のほか、社会連携推進室の職員2名も授業に参加しました。学生はこれまでの制作をパワーポイントにまとめ、発表を行いました。最優秀賞と優秀賞に、サイバーエージェントと粟津教授から記念品の授与が行われました。

これまでの授業で、川越氏や粟津教授から生成AIの活用方法のレクチャーを受けてきた学生たち。5つのグループに分かれ、生成AIを活用しながら制作を行いました。今回の授業では、川越氏のほか、社会連携推進室の職員2名も授業に参加しました。学生はこれまでの制作をパワーポイントにまとめ、発表を行いました。最優秀賞と優秀賞に、サイバーエージェントと粟津教授から記念品の授与が行われました。

本記事では、授業の発表順に班の成果物を紹介します。

B班:社会連携を手のひらサイズで

B班は、トランプカードをモチーフにしたコンパクトな宣伝カードを制作しました。表面は桜のマークを中心に配置した左右対称のデザインで、シンプルな線や配色がトランプの図像を想起させます。裏面にはQRコードを大きく配置し、受験情報や企業ロゴを分かりやすく掲載しました。裏表でイメージを統一したデザインには、生成AIが活用されています。

B班は現状の課題として「認知度が低いこと」を挙げ、「どのように伝えるかが重要である」と分析しました。大学の魅力を補強するツールとして、見る人が自ら情報を得たいと思える掲示物の制作を目指したといいます。宣伝カードはスマートフォンのケースに挟めるサイズで、学生は「手に取った人が自分事として捉えられるように設計した」と意図を説明しました。

また、QRコードを読み取ってもらうための工夫として、独自に行ったアンケート結果をもとに、「『読み込めば得になる』と感じたときに、QRコードを読み取る人が多いことが分かった」と説明。QRコードの先にある情報への興味を高めるため、カード上の文字情報は最低限に抑えたといいます。制作物は、オープンキャンパスでの配布に加え、構内に設置されているデジタルサイネージでの掲示を想定しています。

川越氏からは「思わず見直したくなるデザインで素敵です。配布物としての役割が明確で、とても良いと思います」とのフィードバックがありました。職員からも「社会連携プロジェクトに参加する、未来の芽を育てる制作物だと感じました。学生だけでなく企業の方にも配布できそうで素敵です」とコメントが寄せられました。

E班:実践の場をもっと多くの学生へ!

E班は、コミックストーリー型の紹介ポスターを制作しました。A4サイズの用紙を縦に使用し、上部三分の二には四コマ漫画、下部三分の一にはキャッチコピー、紹介文、社会連携ホームページのQRコードを配置しています。

四コマ漫画は女性を主人公とし、アメリカンコミック風のタッチで描かれています。漫画の内容は、社会連携プロジェクトに参加する過程で生じる感情の変化を表現しており、1コマ目では参加前の不安な気持ちを、2〜4コマ目ではプロジェクト参加を通してポジティブな経験を得ていく様子を描いています。漫画の下部には、「『面白そう!』を、未来の自信に。座学だけじゃ終わらない大学生活へ」というキャッチコピーが配置されています。

E班は、社会連携プロジェクトに未参加の学生が多いという資料を引用し、入学後にプログラムの存在を知らなかった学生や、参加経験のない在学生をターゲットに設定しました。参加につながっていない要因として、社会連携プログラムの内容や魅力が十分に伝わっていないことがあると分析しました。参加に対する後ろ向きな先入観を前向きな印象へと変えることを目的に、ポスターを制作しました。漫画を用いて感情に訴求することで、参加意欲の向上や、プロジェクト参加への不安解消を狙っています。

職員からの「漫画の作成はAIですか?」という質問に対し、「イラストはGeminiで生成し、コマ割りは自力で行いました。細かい部分は手直しをしています」と回答しました。川越氏は「学校内にはあまりないテイストの掲示だと思います。掲示を見てもらうためのフックとして効果的だと感じました」とコメントを寄せました。

A班:高校生の未来をひらく!

A班は、お守りの形をしたリーフレットを制作しました。リーフレットはA4横置きサイズで、右開きの三つ折り形式です。表面には「合格」の文字と校章を配置し、お守りをモチーフにした装飾が施されています。開いた内側には、過去の社会連携プロジェクトの紹介や、社会連携の魅力が掲載されています。さらに、リーフレットを一枚開くと絵馬の印刷が現れる点が大きな特徴です。

このリーフレットは、受験を控える高校生をターゲットに制作されました。高校生にとって親近感のある企業を中心に、有名企業と連携した事例を紹介することで、社会連携プロジェクトを身近に感じてもらうことを狙っています。また、紹介文を短く簡潔にまとめることで、気軽に読んでもらえる構成としました。夏のオープンキャンパスでの配布を想定しています。

リーフレット活用の提案として、学生は「オープンキャンパスに来場した高校生が、願い事を書いた絵馬をリーフレットから切り取り、専用ブースに貼ることを想定しています。また、貼る際のサポートを在校生や職員が行うことで直接的な交流につなげることができます」と説明しました。

川越氏は「コンセプトがいいですね。リーフレットをお守りの形にするというアイデアのような、形そのものを変える手法は実際にダイレクトメール広告の手法としても有効です」と評価しました。

また、職員からは「説明会参加者に特典のような形で配布を行い、説明会を聞いた後にスペースに貼りに行く、という導線もできそうですね」といった声もあがりました。

C班:文字と動画の合わせ技

C班は、動画のQRコードを配置した社会連携プログラムの紹介ポスターを制作しました。A3サイズを縦に使用し、社会連携プログラムの目的や実績など、客観的な情報を中心に構成しています。文章は、ポップな形のタイトルとともにカラフルなボックス内に配置され、背景のグリッド柄と組み合わさることで、親しみやすさを感じられるデザインとなっています。

現状の課題として「認知度が低いこと」を挙げ、「大学生目線で制作する」ことをコンセプトに設定しました。ターゲットは在学中の大学生です。社会連携プログラムを初めて知る人でも全体像をつかみやすいよう構成を工夫したほか、参加学生数などをデータで示しました。ポスターの視認性の高さや直感的に理解しやすい特徴に着目し、エスカレーター付近やエレベーター内など、ふと目に入ってしまう場所への掲示を想定しています。

QRコードから視聴できる動画は、学生が社会連携プログラムへの参加経験を語る内容となっており、「実際の経験者の話を加えることで、ポスターに記載した内容の説得力を高めたい」と制作意図を説明しました。

川越氏は「情報のまとめ方がわかりやすく、文字情報をしっかり載せる戦略が活かされていると思いました」と評価した上で、「文章にもう少し学生の人間味やリアルな声が反映されると、さらに良くなると思います」とフィードバックを行いました。

粟津教授は「学内に掲示する際は、どの時期に貼るかが重要だと感じました。4月など、履修登録を行う時期に掲示すると、より効果が高いのではないでしょうか」とコメントを寄せました。

D班:オリジナルキャラクターで伝える!

D班は、オリジナルキャラクターを活用したパンフレットを提案しました。A4サイズを横置きにして二つ折りにした、冊子のような形状をしています。紫とピンクを中心とした淡いパステルカラーを基調とし、D班が考案したオリジナルキャラクターであるウサギの妖精〈コラボン〉のイラストが随所に描かれています。リボンやハートマークなど、キュートな装飾も特徴です。

D班は、現状の課題を「認知度が低いこと」と設定し、受験生となる高校生をターゲットに、持ち帰ってもらえるパンフレットの制作に取り組みました。オープンキャンパスや文化祭での配布を想定しています。デザインは親しみやすさを重視し、流行色のパステルカラーを用いることで手に取りやすい印象に仕上げています。紹介内容として、過去の事例のほかに参加を通して身に付くスキルなどを記載することで、参加するメリットが伝わる構成としました。

また、「みんなの夢を応援する存在」としてオリジナルキャラクター〈コラボン〉を設定し、キャラクターのコメントを随所に配置することで、より親しみやすく、読み進めたくなる工夫を施しています。コラボンの制作については、「下書きのイラストをAIに読み込ませ、プロンプトでアレンジを加えました」と、制作過程も紹介されました。

川越氏は「キャラクターや色選びの理由など、なぜそれを選んだのかが丁寧に説明されており、発表がとても分かりやすかったです」とコメントしました。

職員からは「パンフレットは置いてあっても、なかなか手に取ってもらいにくいものですが、手に取るきっかけとしてキャラクターは十分だと感じました」と評価が寄せられました。

授業の最後に

すべての班の発表が終了したあとは、川越氏、粟津教授、職員による賞の審査の時間が設けられました。

審査の結果、最優秀賞を受賞したのはA班。絵馬を書いて飾る一連の企画の独創性と、社会連携推進室の拠点である〈JISSEN PLAY BASE〉に足を運んでもらうための強力なきっかけになる点が評価されました。

優秀賞はD班に授与され、オリジナルキャラクターの制作という新しい視点と、パンフレットの内容の完成度の高さが評価されました。

受賞した2班には、サイバーエージェントからAbemaグッズの授与が行われました。

授業の総括として、社会連携推進室職員から「大人が考えると硬くなってしまう情報を、受験生や大学生に分かりやすく非常に上手に作っていただいたなと思います。賞の受賞に問わず、みなさんに発表していただいた制作物のアイデアは、社会連携を発信する広報に活用させていただきます」とコメントが寄せられました。

この授業を通して、企画の提案プロセスを経験した学生たち。プレゼンスキルにとどまらず、新しい技術を柔軟に受け入れ活用していく力を身に着けることができました。

担当教員のコメント

今回の授業では、生成AIをツールとして活用し、学内部署が実際に抱える問題の解決に有効な成果物を作ることを目指しました。実際の現場で通用するモノや仕組みを作り上げるのは、単なるアイデア提案よりも様々なことを考える必要があります。学生にとっても、得難い経験になったでしょう。

2026年3月13日

本学学生が主婦の友社が主催する「ご自愛市」にてプレゼン発表をしました。

2026年3月1日(日)に実践ウェルビーイングプロジェクト(以下、JWP)の取り組みの一環として、主婦の友社が主催する、ご自愛市に学生が登壇し、プレゼンテーションを行いました。

ご自愛市とは

「ご自愛市(ごじあいいち)」とは、出版社である主婦の友社が主催する、新しい自分に出会うための一歩を踏み出せるきっかけを提供している、ウェルネスイベントです。今回は、「すごい!健康長寿力アワード2025」授賞式と同じ時間内にて、カルチュア・エンタテインメント グループ株式会社への「学生が求めるエンタメ業界への福利厚生」をテーマとしたプレゼンテーションを実施しました。

事前準備:カルチュア・エンタテインメント グループへの訪問

「健康ポイント制度&健康ルーティン制度」の提案

学生たちは、多くの職場で「健康は自己管理」とされ、個人の負担が大きくなっているのが実情であることを問題提起し、「健康は会社と個人の両方で作るもの」とし、個人負担を軽減する手法を提案しました。また、導入によって、企業として生産性の向上、離職防止、ブランディングの3つのメリットを享受することができるとしました。

学生たちは「仕組」と「環境」の2軸を具体的なアプローチとして施策を検討しました。具体的には、健康ポイント制度の導入を行い、専用アプリを活用、健康的な行動を可視化、報酬化させることを提案。獲得したポイントはギフトカードや家事代行サービスの特典に交換できるとし、従業員のモチベーション向上につなげます。

2点目は健康ルーティーン紹介制の導入です。当番制で従業員は、自身が行っている健康習慣や日頃の行いなどを動画等で紹介していきます。若手から管理職まで幅広い世代が繋がることで、社内の交流と自身の健康を見直すきっかけをつくることが狙いで、社員同士の交流が継続されるように「朝ごはん会」や「社内表彰」も併せて実施します。

最後に「仕組(ポイント)」と「環境(ルーティン)」を掛け合わせることで、社員のコンディションを最大化させ、エンタメ業界における新しい福利厚生の形を構築し、社員と会社が共に成長できる未来を築きましょうと締めくくられました。

学生からのコメント

これまでのJWPの活動にたくさん参加してきましたが、企業さんに提案するタイプはあまりなく、本プロジェクトにて新しい挑戦ができて楽しかったです。主婦の友社さん、カルチュア・エンタテインメント グループ社が「学生らしさ」を大事にしてほしいと私たちの企画を後押ししてくださり、企画の内容に自信が持てました。「ご自愛市」での発表も緊張しましたが、等身大の私たちを伝えられた良い発表ができたと思います。(英文学科4年吉山)

今回のプロジェクトで最も印象に残ったのは、エンタメ業界の最前線で働く方々に健康への第一歩を踏み出してもらう案を考えることの難しさでした。単に健康を推奨するのではなく、どうすれば自然に興味を持ってもらえるか。私たちは大学生ならではの視点を活かした動画ルーティーンの紹介や、ゲーム感覚で楽しめるポイント制度など、実用性と楽しさを兼ね備えた仕組みを模索しました。どうすれば人を惹きつける魅力的な施策になるのかを考えたこの経験は、将来企業で働く際にも、課題を自分事として捉え、形にしていく力として活用していきたいです。(英文学科3年木村)

今回私たちは「健康」をテーマに、社員が無理なく健康行動を続けられる仕組みについて検討しました。健康ポイント制度や健康ルーティーン制度など、日常の行動を楽しく継続できる仕掛けを考える中で、実際の事例を調べたり、体験をもとにアイデアを具体化したりしながら企画を形にしていきました。特に、健康ルーティーン制度の提案では今流行っていて影響力の強いものを参考にするなど、より現実的な施策になるよう意識しました。企業課題には一つの答えがあるわけではないからこそ、チームで意見を出し合いながら「どのような仕組みなら実際に行動につながるのか」を議論する時間がとても刺激的でした。そしてそれを夢物語では終わらせず、現実で実施したらどうなるのか、細かいところまで考えることが出来ました。発表では、自分たちが考えた施策を企業の方に直接お伝えする機会をいただき、企画は考えるだけでなく「相手に伝わる形で表現すること」が重要だと実感しました。今回の経験を通して、社会とつながる企画を考える面白さと難しさの両方を学ぶことができました。今後もこの経験を活かし、課題に対して主体的に考え、形にしていく力をさらに伸ばしていきたいと思います。(英文学科3年長野)

普段の授業のように同じ学年の学生同士で意見交換をするだけでなく、学年の異なる学生と協力して意見交換や資料作成を行ったことで、多様な視点に触れることができ、多くの学びを得ることができました。また、多くの方が参加されるイベントでの発表だったため、教室でのプレゼンテーションとは異なる緊張感がありましたが、その分責任感を持って取り組むことができ、とても貴重な経験になりました。(国際学科1年吉田)

10月から何度もミーティングを重ね、主婦の友社さんからのフィードバックをいただきながら改善を続けてきたことで、当日はより解像度と実現性の高い企画を提案できたのではないかと感じています。また、普段なかなか立つことのないステージで、一般の方々やさまざまな企業の皆様に向けて自分たちの提案を発表するという貴重な機会を頂けたことを、大変光栄に思っています。今回の経験を今後の学びや挑戦にも活かして行けたらと思います。(国際学科1年鈴木)

担当教員のコメント

昨年、主婦の友社様からお声がけいただき、同社のウェルビーイング・サポートデスクの事業の一環として、企業のウェルビーイングに繋がる施策の立案というお題をいただき、学生のプロジェクトチームが活動を続けてまいりました。その集大成として、主婦の友社さんが開催された大型イベントにおいて、その成果をプレゼンさせていただく機会をいただきました。イベント当日には多くの方が会場にお越しになり、健康、そしてウェルビーイングというものに対する注目度が高まっていることを実感いたしました。貴重な機会をいただいた主婦の友社に、心から感謝申し上げます。

2026年2月17日

女子大生が使いたくなる文房具とは?「ビジネスプランニング」の授業でマーケティング企業の課題に応えるプレゼンテーションが行われました。

「ビジネスプランニング」(担当:現代生活学科 上野亮助教)の授業で、1月14日に株式会社REECH(以下、REECH)との特別コラボ企画が行われました。REECHはクロス・マーケティンググループの子会社で、インフルエンサーマーケティングなどを手がける広告企業です。この日は企業から提示された課題に対するプレゼンテーションを実施。テーマは「女子大生に好まれる文房具を考える」です。REECHの一木氏、石田氏、佐山氏、織田氏、池田氏、クロス・マーケティングの日下部氏もリモートで参加し、学生たちの発表を見守りました。

頑張りを見える化できるふせん

発表は1班からスタート。
提案したのは「重ねて完成!クッキングふせん」です。
絵の一部が印刷された透明のふせんを重ねることで、パフェやカップケーキ、マカロンなどが完成する仕組み。試験勉強や資格取得に励む学生をターゲットに、参考書など何度も使う教材に貼ることを想定しています。
問題を解くたびにふせんを重ねていくことで、学習の成果が見える化され、自信や達成感につながるとしました。
発表後には企業の皆さまから講評をいただきました。
石田氏は「資料に描かれていたイラストがとても可愛く、内容が分かりやすかったです」とコメント。
イラストが学生の手描きであることにも感心されていました。
一方、佐山氏からは「とても魅力的なアイデアですが、類似品との差別化や、大学生が手に取りたくなる決め手がもう少し示されるとさらに良くなると思います」との助言がありました。

続く2班は、大学生にはルーズリーフ派が多い点に着目し、カスタマイズできるバインダーを提案。
小さなミラーが付属し、表紙はクリア仕様。トレーディングカードやフォトカードを入れて推し活にも使えるデザインです。
YouTubeやSNSでの発信に加え、大学の購買で販売することで認知度向上を狙います。
一木氏からは「データの使い方が分かりやすく、説得力のある発表でした」と評価の言葉が寄せられました。

かわいらしさでモチベアップ

3班は「HEISEI Marker Pen」と題し、平成レトロをテーマにしたマーカーペンを提案しました。
実用性よりも自己表現やモチベーションアップを重視した商品で、現在の女子大生が小中学生の頃を思い出せるどこか懐かしいデザインが特徴です。キラキラしたラメやチャーム付きのマーカーペンにすることで、コレクション性の高いアイテムを目指しました。
店頭ポップも平成風にデコレーションし、SNSでの口コミ拡散を狙う戦略も盛り込みました。
石田氏は「私も平成女児グッズが好きなので、とても気になりました」とコメント。
一木氏からも「子どもから社会人まで、幅広い世代をターゲットにできそうですね」と評価がありました。

続いての4班は、ペンクッションです。
ネイルをしている女子大生はペンを持つ際に爪が手のひらに当たって痛かったり、持ちにくかったりするという不便さに着目。ペンを持つときに一緒に握り込めるペンクッションを考案しました。
販売形態はガチャガチャを想定し、傘やペン、バッグなどに付けられる目印チャームとして展開します。デザインはケーキなどのスイーツモチーフで、思わず集めたくなるかわいさを意識しました。
石田氏は「類似品があまりなく、流行りそう」と着眼点を評価。
佐山氏からは「とてもユニークで面白い商品だからこそ、実際に使ってもらえるかどうか、サンプリングを通して検証することが大切だと思います」と実践的なアドバイスが送られました。

発想力ゆたかに新しい商品を考案

5班はPCケースに着目しました。
現在市販されているものはビジネス向けの地味なデザインが多いため、持ち歩くことで気分が上がる商品を提案。学校のあと、そのまま遊びに出かけても違和感のないアースカラーやレザー、フェイクファー素材を採用しました。
充電器やマウスが入る多機能設計に加え、前面をクリア仕様にして推し活グッズを入れられるスペースを設けるなど、自己表現も楽しめるようにしています。
一木氏は「ニーズをしっかり理解できていて、とても良いと思います」と評価しました。

最後の6班は名付けて「ぺたぽんポーチ」です。
文房具を持ち歩く機会が減った女子大生に向け、必要なときにさっと使えるコンパクトな小物ケースを考えました。
スマホケースに取り付けられ、シャーペンや修正液などを収納可能。吸盤で壁に貼り付けることもでき、自撮りの固定やスマホスタンドとしても使えます。宣伝方法として学食のトレイを活用する案も示しました。
一木氏からは「コンセプトが面白いですね」と、発想力に感心されました。

リサーチや与件整理、資料作成と取り組んできた学生たち。
この日も時間ぎりぎりまで発表が行われ、努力の成果を示す貴重な機会となりました。
実際の企業プレゼンさながらの課題をやり切り、学生たちはほっとした表情を見せていました。

担当教員からのメッセージ

2022年度より開始した、株式会社クロス・マーケティンググループの皆様とのコラボ授業も、今年で4年目となりました。例年、取り組む課題を変えている授業ですが、今年度は株式会社クロス・マーケティンググループに加え、株式会社REECHのご協力により、女子大生に好まれる文房具を考え、更にそのプロモーション方法を提案するという課題に取り組みました。新しい文房具とそのPR方法という二段階の提案を求められる内容のため、なかなかに難しい課題だったかと思います。しかし、苦労して考えた内容を企業の方たちに対し、プレゼンし、その評価を得るというのは貴重な経験になったはずです。今回、経験した内容は実際に社会に出た後も活かせる内容です。学生達にはこれからの学修活動でも、この貴重な経験を活かした活躍をしてもらえればと思います。最後になりますが、この度はこのような貴重な機会を頂きました、株式会社クロス・マーケティンググループ、株式会社REECHの皆様に、この場を借りてお礼を申し上げます。

2026年2月13日

3カ月の成果のお披露目!英文学科プロジェクト科目bにて、映像制作会社ピクス(P.I.C.S.)とのコラボ授業で制作された動画の完成披露試写会が行われました。

2026年1月6日(火)にプロジェクト科目b(担当:文学部英文学科 鹿島千穂専任講師)にて、株式会社ピクス(P.I.C.S.)(以下、P.I.C.S.)プロデュースのもと、イリエナナコ氏、浜根玲奈氏によるコラボ授業で制作された動画の完成披露試写会が行われました。完成披露試写会では、学生が制作した動画のお披露目の他、動画に込めた意図や制作のこだわりの紹介がプレゼン形式でおこなわれました。

授業と企業連携について

この授業は文学部英文学科の専門科目として開講されており、メディア広報活動として英文学科のインスタグラム公式アカウントの運営と、そこに投稿する動画の制作を行います。

動画制作のテーマは「高校生に向けた、実践女子大学英文学科のPR動画」です。制作した動画は、実際に公式アカウントに投稿され、SNS広報として配信されています。

コラボの初回授業では、実際に動画制作のクリエイティブディレクターとしてご活躍のイリエナナコ氏から、制作のプロセスについて解説をしていただきました。その後、学生は3つのグループに分かれて動画企画を考案し、イリエ氏と映像作家の浜根玲奈氏を招いて企画の中間発表を実施しました。発表後には、お二人からフィードバックやアドバイスが寄せられました。同日には、浜根氏による動画制作の進め方に関するレクチャーも行われ、これを皮切りに本格的な制作がスタートしました。撮影や編集方法について、一つひとつ丁寧なフィードバックを受けながら、約3カ月にわたりともに動画制作に取り組みました。

コラボ授業最終回となるこの日にはイリエ氏と浜根氏をお招きして完成披露試写会が行われ、お二人から完成した動画への感想とフィードバックをお寄せいただきました。また、ゲストのお二人は審査員として最優秀賞の”イリハマ賞”を選定。選ばれた班には賞状が授与されました。

中間発表や制作の様子

チームぱ~ぷる

チームぱ〜ぷるは、英文学科に対する堅苦しいイメージや大学生活への不安を解消し、高校生に大学生活を身近に感じてもらうことを目指し、Vlog(ビデオブログ)風の動画を制作しました。学生の実際の一日の過ごし方に沿って動画が展開していき、学生とキャンパスのリアルな雰囲気を伝えています。授業紹介のシーンでは、先生との距離の近さや英文学科ならではの学びを取り上げることで、学科での学生生活を表現しました。大学生が実際に学内で過ごす様子を伝えることで、楽しそうな大学生活への興味を喚起することを狙っています。

学生は動画のこだわりや制作背景について、「伝えたい内容がブレないように意識して制作しました。また、撮影するシーンに応じて撮影モードを変更したり、食事の場面ではカメラをぐっと近づけて撮影したりするなど、撮影方法に工夫を凝らしました」と話しました。

イリエ氏は、「Vlog風の動画企画として完成度が高いです。全体的に安定した信頼感があり、『英文学科の公式SNSに掲載する』というオフィシャルな動画としても安心感があります」と評価しました。さらに、「授業や学食など校内の様子を風景として伝えるシーンが、動画ならではの手法だと感じ、とてもよかったです」とコメントしました。

浜根氏は、「全体的に大人っぽい雰囲気で、紹介内容も充実していました。主人公のプロフィール情報などがあると、視聴者が動画をより自分事として捉えることができ、情報にも厚みが出ると思いました」とフィードバックを寄せました。

チームYUKIPOYO

チームYUKIPOYOは、コーディネート紹介を通して等身大のJJ(JISSEN Joshidai)生を身近に感じてもらうことを目的に、Vlog風の動画制作を企画しました。学生目線のリアルな日常シチュエーションごとに、学生の私服を用いたコーディネートを設定し、友達同士の会話を再現した台本や会話シーンを多く取り入れることで、親近感のある構成を工夫しています。「寝坊した日」「デートの日」などの何気ない日常の一場面を切り取ることで、実践女子大学に通う学生の自然体な姿や、リアルな大学生活の雰囲気を伝えました。

動画制作のポイントとして、学生は「動画の撮影者も会話に加わることで、演じている学生がより自然体になり、視聴者にも参加しているような親近感を持ってもらえるようにしました」と紹介しました。また、「企画の意図から離れない動画にするため、編集のテイストも明るくかわいい雰囲気に統一しました」と、企画段階から一貫したコンセプトで制作したことを話しました。

イリエ氏は、「制作過程の中で『コーディネート紹介』と企画の軸を明確に定め切ったことがよかったと思います。班で設定した動画制作の目的も達成できていると感じました」と評価しました。さらに、「渋谷という立地を『いろいろな場所にデートに行ける』と表現している点も、この班ならではの視点で、視聴者が大学生活を具体的に想像できるフックになっていてよかったです」とコメントしました。

浜根氏は、「動画を制作していく中で、新しいアイデアや編集技術について積極的に質問し、取り入れてくれて、とても柔軟なチームだと感じました。制作途中で出てきた課題点をうまく改善し、動画全体として完成度の高い形にまとめてくれたと思います」とフィードバックを寄せました。

チームむきぐり

チームむきぐりは、受験生に英文学科に親しみを感じてもらうことを目的に、インタビュー形式のQ&Aとキャンパス紹介を組み合わせた動画を制作しました。実践女子大学の魅力を発信するため、渋谷キャンパスのきれいな内装を映し出しながら、英文学科に通う学生の明るく元気な姿を伝えています。写真のコラージュと合成音声が印象的な動画の冒頭に続き、前半のQ&Aパートでは、通学鞄の紹介など、リアルな大学生像を知ることができる質問が用意されており、後半のキャンパス紹介では、画面左上にワイプで大学生が登場し、座談会形式で映像の紹介が進みました。全体を通してテンポ感を重視した、視聴者の関心を引く構成となっています。

学生は、「高校生が見ていて飽きない構成で実践の魅力を伝えることを意識しました。また、動画編集の際には字幕を入れることを想定した画角や、白々しくならない話し方にこだわりました」と、力を入れたポイントを説明しました。

イリエ氏は、「動画全体に楽しさがあり、テンポの良さが何よりも魅力的だったと感じました。高校生というターゲットに対して『見ているときに飽きないように』と想像力を働かせて工夫してくれた結果だと思います」とコメントしました。さらに、「編集のテンポ感やテロップの使い方などから、動画全体の世界観を感じることができました」と評価しました。

浜根氏は、「制作途中で動画の内容を追加する場面もあったと思いますが、企画の軸がしっかりしていたからこそ、全体のコンセプトがブレることなく進んだと感じました。内容追加に伴う企画の練り直しや編集作業にもスピード感があり、『企画の軸をしっかり立てておけば、後からの追加作業にも対応できる』という制作の進め方は、私自身にとっても参考になりました」と話しました。

授業の最後に

イリエ氏と浜根氏によって、イリハマ賞が選出されました。

選考の結果、受賞はチームむきぐりに決定。イリエ氏は「動画の完成度の高さはもちろん、情報バランスがいい点が決め手でした。楽しさや動画で伝えたい英文学科の良さはもちろん、高校生がどのような情報を欲しがっているのか、知りたい内容が詰まっているところがよかったです」と受賞理由を説明しました。

全体のまとめとして、イリエ氏は「チームで動画制作を行うことを通じて、自分の得意なことだったり、相手の得意なことだったり、やってみてわかった部分があるのではないでしょうか。全員が同じ能力を持っている必要はなく、それぞれができることに対してお互いリスペクトしあって制作すると、チームとして楽しく制作ができるとおもいます。動画制作だけにとどまらず、今後に活かしてもらえれば」と学生に伝えました。

学生は、今回の企業連携を通じ、動画制作の基本的なスキルはもちろん、企画をつくるプロセスの理解や、チームで協働する大切さを学ぶ貴重な機会となりました。

担当教員のコメント

半期にわたるプロジェクトで、無事に3チームの動画が完成しました。学生が自らの学び舎を紹介する動画等を制作する試みは、メディアを学ぶ学科ではさほど珍しいことではありませんが、文学部英文学科の授業としてはあまり例のない取り組みではないでしょうか。

履修生たちは、ターゲット絞り込んで企画を練り、絵コンテ作成、撮影、編集作業、発表会…と、限られた時間の中で力を合わせてそれぞれのチームの動画を完成させました。その中で、単に動画制作のノウハウを学ぶだけでなく、効果的な表現方法や音楽著作権への配慮、グループでの協同作業の難しさ等、さまざまなことを学びました。 完成動画は英文学科の公式Instagramで公開され、履修生たちはまさに“英文学科の広報大使”としての役割を果たしました。これもひとえに株式会社P.I.C.S.ならびにイリエ監督、浜根監督のお力添えによるものです。この場を借りて心より感謝申し上げます