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2024年度「キャリア開発実践論」が行われました。(8/24~26)
先行きが益々不透明になる時代にあっても、社会で活躍し、リーダーシップが発揮できる人財に成長して欲しいと願い実施してきたキャリア教育科目「キャリア開発実践論」がクロスウェーブ府中において行われました。本学のキャリア教育科目を代表する授業として、企業の管理職レベルの内容を大学の正課科目として行う特別な講座も今年は9年目を迎え、16名の精鋭たちが参加しました。これまで180名の学生が飛び立ってくれています。 <熱い仲間16名が集結> 今年も、3年生14名、4年生2名の合計16名が、本講座に臨みました。事前課題として提示されたのは、書籍2冊の熟読に加え、自らを分析すること、かなりの時間を費やして課題に取り組んだことが、提出物から読み取れました。そして、本講座の最大の魅力は、リーダーシップコンサルティング代表の岩田松雄氏(元スターバックスコーヒージャパンCEO)と同社共同代表の鷲見健司氏、そして受講生同士が徹底的に、自分に向き合い、グループで議論することです。 <チームビルディングからスタート> 学年も学部も学科も異なるグループに分かれた学生たち。まずはチームビルディングとして自分たちの共通点を元にチーム名を決め、この講座で得たいこと、そしてチームに対してどういう貢献ができるかを発表しました。その後、岩田氏より「ミッション」についての講義を受けます。「ミッション」を考えることは、これからの人生でとても大切な軸となります。とことん自らと向き合い、ミッションを考える学生の姿は真剣そのものでした。 <今年も20名の先輩社会人を迎えた交流セッションを開催> 本講座のもう一つの特色は、過去の本講座履修生をゲストに迎えて行う先輩交流会が行われることです。今年も第1期生から8期生まで20名がクロスウェーブ府中に集まりました。実際に働いている先輩方の話が聞けるということで、学生からは就職活動についての相談や、現在の仕事のやりがいなどの質問をして盛り上がりました。また、社会で活躍されている卒業生にとっても、鷲見氏・岩田氏や卒業生同士が交流できる機会となっています。卒業生たちのキャリアも様々ではあるものの、この授業で学んだこと、経験したことが社会に入って役に立っていることを後輩に熱く語ってくれていました。後半はクイズ大会が開かれ、2時間半の交流会はあっという間に終了しました。 <ケーススタディでのファシリテーターの体験> 2日目は再び岩田氏より「リーダーシップ」を学んだ後、鷲見氏より「ファシリテーション」について実践を用いて学びました。まず、学生たちはグループ毎に“ミーティングルール”を決めます。そのルールを共通認識として、必ずファシリテーターの役割を含め、役割を変えながら、チームディスカッションを合計5回行いました。自身のファシリテーション力を発揮するだけでなく、チーム全員がそれぞれの役割を全うしながら、難しい課題に対しても積極的に意見を出し合い、話し合いを進めていく様子が印象的でした。学生からは、「普段は聞き役に回ることが多かったが、グループの仲間が支えてくれたことでリーダーシップも発揮出来て、ファシリテーターとは何かについて考えることが出来た。」、「相手の立場に寄り添う大切さも実感したが、一方、遠慮することなく自分の意見を言葉にして伝えることの大切さを学べたのが良かった」など、実践したからこその感想が出ました。 <ミッション作成と宣言を実施して後期期間での実践を約束> 最終日は、「リーダーシップ」と「ファシリテーション」を具体的にどう発揮するかを踏まえて考えた一人一人の「ミッションステートメント」をチームで共有しました。3日間という短い時間の間に自身と向き合い、ミッションを考えた学生たちからは、「好きなことと得意なことは比較的良く考えられたが、人のためになることを考えるのが難しかった」という意見や、「行動宣言を言語化する際には、どうしても抽象的な表現や内容になってしまい、具体的な行動をいれることが難しかった」など、多くの感想が出されました。これに対し岩田氏より、「見ていると、ミッションよりも行動指針(バリュー)に近いものがありました。そういったものについては、これからどのような場面で活かしていきたいのかをイメージできるとより具体性が出るので、ミッションにすることができると思います。ミッションは常に変化し進化するものですので、是非これからどんどんブラッシュアップしていってください」というフィードバックが送られました。そして、学生たちは3日間の学びや気づきから作った「アクション宣言」を行い、終了となりました。 最後に深澤教授より、「縁を大切にしてほしい」というお話しがありました。講師の岩田氏・鷲見氏はもちろん、卒業生や、チームのメンバーと共に過ごした3日間とそのご縁を胸に、今後の学生生活を送ってほしいというメッセージが送られました。 岩田松雄氏より 今年度も学生の皆様には、真摯に課題に取り組んでいただきました。「ミッション」・「リーダーシップ」・「ファシリテーション」・「プレゼンテーション」等の授業は大企業の部長研修とほぼ同じレベルの内容です。しかしながら受講生の皆さんは、自己を見つめ直し、自分の頭で考え、チーム内で討議をして、3日間で多くのことを学ばれておられるようです。合宿での様々なグループ討議を通じ、チームメンバー同士が日を追って強い絆で結ばれ、一生の財産になっているのではと感じます。最終日、自己のミッションなどの決意表明をするのですが、内容が素晴らしくとても感動します。我々講師陣も毎回多くの刺激をいただいています。 鷲見健司氏より 本講座の過去8年全年代の卒業生21名が今年もクロスウエーブ府中を訪れてくれました。本講座の学びや精神を共有する先輩との触れあいとつながりは、就活や卒業を控えた受講生にとって得難い貴重なものです。それは日本中のどの大学にもない本講座の素晴らしい価値です。「社会を変える、世界を変える」若きフューチャーリーダーたちとの3日間は、毎年私に社会や世界の未来への希望を感じさせてくれます。数か月間の実践を経て更に成長した受講生との1月の再会が楽しみです。 学生からのコメント ———————————————————————————————————–今振り返って、客観的に見て3日間あの環境の中で過ごしていたと思うと、すごく集中して学んでいたんだなと感じました。本当に濃い3日間で、あっという間だったように感じます。この講座を通して、自分の中でのリーダー像が明確になりましたし、今まで悩んでいたことが急にすっきりした感じがしています。————————————————————————<文学部3年>——————- ———————————————————————————————————この2泊3日という時間の中で自分が成長するぞという強い信念があったので、申し込みを決めました。実際に講座が始まってから家に帰るまでの間、リーダーとは、自分のミッションとは、自分のやりたいことは何か、優れたファシリテーターになるにはをずっと真剣に考えていました。どれも答えがあるわけではないからこそ、自分の価値判断だけは忘れてはいけないと強く感じられました。自分と向き合うきっかけになり、将来どんなことを成し遂げるためにどんな仕事をしていきたいかの方向性も見えてきて参加できて本当に良かったです。アクションはみんなに宣言したからこそ絶対やって自分に磨きをかけていきたいです。————————————————————————<文学部3年>——————- ———————————————————————————————————3日間、社会のトップを走るお二方からの貴重な授業を受けることができて非常に良かったと思います。自分のミッションを考えるために、自分の好きなこと・得意なこと・人のためになることを他者を巻き込みながら考えられる機会はなかなかないため有意義でした。————————————————————————<人間社会学部3年>————- ———————————————————————————————————-3日間自己分析をし自分と向き合いながらリーダーシップやファシリテーションについて実践的に考えることができました。最初に私は3日間で、自分に自信を持てるようになりたいと目標を立てていました。グループワークをしていくなかで、発表をすることもあり、参加前よりも自分に自信が持てるようになったと思います。ミッションステートメントを考えるのが一番大変でした。しかし、好きなこと、得意なこと、人のためになることの3つを考えられたことで、自分を知ることができました。最後にグループのメンバーからメッセージカードをもらって、普段はなかなか言ってもらう機会のないフィードバックをもらうべき点を3日間一緒に頑張ってきたメンバーに言ってもらうことができて、よかったです。————————————————————————<人間社会学部3年>————- 深澤晶久教授より キャリア開発実践論は9年目、今年8月での閉館が決まっているクロスウェーブ府中での最後の開催となりました。岩田様、鷲見様からは、社会人、しかも管理職レベルの数々のご示唆をいただき、また、熱心なアドバイスもあり、3日間で大きく成長した姿には、頼もしさすら感じました。20名の先輩との交流も含めて、まさに「大学の価値は卒業生が決める」を体現するその活躍は、現役学生にとっては、貴重なロールモデルとの出会いになったことと思います。 毎年、絶大なるご支援をいただいている岩田様、鷲見様には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
自律的人材になるために!「実践キャリアプランニング」の授業でホリプロ取締役による特別講義が行われました。
大学共通教育科目「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、株式会社ホリプロ・グループ・ホールディングス取締役である鈴木基之氏が特別講義を行いました。日本の芸能・エンタメ業界の最前線にいる鈴木氏から、華やかな世界の舞台裏の話がたくさん飛び出し学生たちは興味津々。世界で求められる人材になるヒントも多くいただきました。 エンタメを産業へ! この日は7月12日。鈴木氏は「今日は何の日か知っていますか」と問いかけました。7月12日はマララデー。10年前に、16歳だったマララさんが国連で「すべての子どもたちに、すべての女性に教育を」と訴えた日です。鈴木氏は「まさに女子教育の先駆者である下田歌子先生が創設された実践女子大学で、今日、話が出来ることは運命だと思います」と語りました。そして「芸能エンターテイメント業界を生き抜く心の糧」と題し儒学者の言葉を引きながら、熱量高く話を始められました。 「皆さんにエンタメ業界に興味を持っていただきたい」と鈴木氏。それは単に俳優などに興味を持つということではなく、「産業」として注目してもらいたいということ。「IT業界や自動車業界などは産業と呼ばれますが、悲しいかなエンタメは産業と呼ばれていないんです」と話します。しかし、鈴木氏はエンタメが単なる娯楽ではなく、強い産業として世界的に拡大していることを説明。国もようやくエンタメ・コンテンツを産業として伸ばすことを目指し始めています。「日本経済をけん引する一つの成長分野として期待されている」と話しました。 芸能プロダクションの仕事とは? ホリプロには現在約450名のタレントや俳優が所属しています。文化人やスポーツ選手、音楽グループも多く在籍しています。「ひとりのタレントが売れてくると、楽曲を制作する部署(音楽制作部)、コンサートをする部署が出来、コマーシャル、ドラマ、映画や舞台出演の依頼が増えて来るようになると、自らの所でCMやテレビ番組、映画制作をする部署(映像制作部)、そして舞台制作をする部署が・・・と様々な事業部が生まれてきました。これが基本的な芸能プロダクションの成り立ちです」と鈴木氏。CMや映画、ドラマ製作部などは自社所属のタレント以外も多くキャスティングし、製作されています。「自社のタレントを出すことが目的ではない。あくまでビジネスとして多くのお客さんに観てもらうことが大事」と芸能プロの方針を説明しました。 鈴木氏はホリプロに入って45年。ほとんどのエンタメ事業に関わって来られました。入社当初はアイドルが苦手だったと言います。しかし多くのファンレターを読み、考えが変わります。学校で友人関係に悩んでいたけれどアイドルの曲を聞いて頑張ろうと思った学生などを筆頭に、多くのエピソードがありました。「アイドルが人の生き方まで変えることを知った」と言います。音楽の力、タレントのすごさを身に染みて知ったと話しました。 先を見て長所を伸ばす マネージャー時代には失敗もあったと語ったのは、タレントの方向性や戦略について。「いまでは誰もが知る国民的女優も、最初から人気があったわけではないんです」と、当時目指していた方向性が間違っていたエピソードを披露くださいました。「マネージャーは1年先、3年先を見据えて仕事を選んでいかなくてはなりません。さまざまな個性を持つタレントがいるなか、先を見据えてこの原石をどう磨いていくか」と長期的な目線を持つことが大事であると話されました。 鈴木氏は儒学者・佐藤一斎の「着眼高ければ則ち理を見て岐せず」の言葉を引きます。先を見据えて戦略を立てる大切さを教える言葉です。また「我は当に人の長所を視るべし」の言葉を引き、「ホリプロは長所を伸ばしていきます。欠点は自分でも分かっている。本人が見えていない長所を見て伸ばしてあげるのがマネージャーの役割」と隠れた、しかし重要な視点についても話されました。 人間力を鍛え自律的人材へ ホリプロはグローバル戦略にも力を入れています。これからの芸能人に求められるものは、一芸だけではダメだと話します。鈴木氏は「これまでは日本の中で売れていればよかったけれど、日本一になることがかっこいいことではなくなっている」と話しました。そしてそれは、芸能人に限りません。これからは「自律的人材が大事」だと語ります。 他の情報を信じすぎず、自分で信じること。指示がなくても自ら能動的に動き、問題解決に向かう力。これは下田歌子が育てようと目指した人物像でもあると鈴木氏は言います。一人で行おうとせず、周りを巻き込む「人間力」を持つ人材です。「一人でも多くの人に下田歌子先生のようになってもらいたいと思っています」と講演を結びました。 熱量を持って作品を作る 授業の最後には学生からの質問を募集し、鈴木氏が回答くださる時間も。「女性マネージャーに必要な力はなんですか」という質問には、「幅広い知識を常に求め続けて、何にでも好奇心を持って取り組めること、そして、今はSNSをうまく扱えることが求められています。」と回答されました。「映画化はどうやって決まるのでしょうか」という質問には「プロデューサーの熱量が一番です。ホリプロには小説や漫画など、ホリプロでこの作品を作りたいという強い思いで入ってくる人が多い。映画化までいくつもの壁がありますがこだわりを持って作れる人間が、作品のファンからも受け入れられるものを作れる」と回答されました。 芸能界の裏側や経済効果など、知らなかった世界に触れることが出来、学生たちは多くの刺激を受けた講義となりました。 担当教員のメッセージ 昨年からご講演をいただいているホリプロ様からは、今年は役員であり、恵那市ともご縁の深い鈴木基之様にお越しいただきました。ホリプロ様の事業内容、そしてエンタメ業界のグローバル化の現状など、とても幅広い内容をお話しいただきました。また、それぞれのお話しと本学創立者下田歌子先生の言葉を結び付けていただくなど、学生にとって、大変貴重な時間となりました。この場を借りて鈴木様をはじめ、ホリプロの皆さまに心より感謝申し上げます。
1年生対象の企業連携講座「実践プロジェクトa」を実施しました!
1年生対象の企業連携講座「実践プロジェクトa」をキャリア教育科目として展開いたしました。本年は5回目の実施となり、近畿日本ツーリスト様とサントリーホールディングス様の2社にご協力いただき、今年は、過去最高の36名の1年生が履修致しました。本講座は、フューチャースキルズプロジェクト研究会(FSP研究会)が構築しているプログラムであり、全国約30大学で展開されている講座です。狙いは、「大学での学び方を学ぶこと」と「主体性を引き出し、身につけること」です。14コマに2つの企業様からお題をいただき、中間、最終と2回のプレゼンテーションを含めての議論が続きます。しかも、テーマは、実際に企業様が取り組んでいる課題てあり、1年生にとっては、極めて高いハードルです。 近畿日本ツーリスト様からの課題 近畿日本ツーリスト様からの課題は、 あなたは地域活性化・課題解決を担う旅行会社の社員として、地域の本質を見極めて、地域の課題をデザインの力で解決し、その土地に元気を与え、より豊かに暮らせるような価値を生み出すことに挑戦。今回は、伊豆諸島の個性豊かな6島の“土地の力”を引き出して『東京諸島の未来』をデザイン!「ぜひ島に行ってみたいなぁ」「わたしもこんな風を島で感じてみたいな」と、心が動かされるような新たな企画をプレゼンせよ!です。日本のZ世代+海外インバウンドに向けて、日本語と英語で島のキャッチコピーや島のオリジナルロゴマークをデザインし、それを活用して企業・商品・サービスと島と連携させて効果的な地域プロモーション案を企画する課題が出されました。かなり難しい課題に、グループのみんなで力を結集し、各島の斬新なデザインや企画を発表してくれました。 サントリーホールディングス様からの課題 サントリーホールディングス様からの課題は、あなたはサントリーホールディングスの社員です。2024年6月、ピープル本部から「人材育成革新プロジェクト」のメンバーとして指名されました。具体的な課題は二つあります。①会社を取り巻く環境を踏まえ、企業人・社会人に求められるものは何なのか、結論を発表して下さい。②それを踏まえ、これからサントリーに入社してくる社員に対する具体的な研修計画を提案してください。今年のメンバーも、必死に取り組み、最後までやり遂げてくれました。 <学生のコメント>◆実践に入学したら絶対に受けたいと思っていた授業でした。辛かったけれど、近畿日本ツーリスト様のお題をいただいた頃とサントリーホールディングス様の提案を終えた今では、明らかに自分自身に変化がありました。◆社会人と学生のギャップもかなり衝撃的なものがありました。これからの学びに変化をもたらせてくれました。 担当教員からのメッセージ 入学直後の1年生、自ら選択したとは言え、相当難しい課題に頭を悩ませながらも、真摯に前向きに諦めることなく取り組んでくれました。この授業を履修してくれた学生のその後の成長が著しいことは言うまでもありません。さらなる成長に向けてサポートを続けていきたいと思います。ご協力いただいた近畿日本ツーリスト様、サントリーホールディングス様にこの場を借りて御礼申し上げます。
柔道五輪で7大会に帯同した木村昌彦横浜国立大学副学長が、日野キャンパスで特別授業!示唆に富んだ言葉に学生が熱心に聞き入る
「栄養学」はスポーツの分野でも大きな役割を果たしているー。そんな新しい視点も学んでもらおうと、世界トップクラスの柔道選手の育成に携わった横浜国立大学の木村昌彦副学長の特別授業が7月10日(水)、日野キャンパスで行われました。「常識を疑え」などと訴え、学生の意識改革を促した木村副学長。目から鱗の話に出席した約50人の学生は、メモを取るなど真剣な表情で聞き入っていました。 五輪で栄養指導した奈良准教授の要請に快諾して実現 木村副学長は、92年のバルセロナから16年のリオデジャネイロまで7大会のオリンピックに、全日本女子柔道のコーチなどとして選手に帯同しました。また、アトランタ・シドニー・アテネ・北京オリンピック大会をはじめ多数の海外遠征に帯同し女子柔道の栄養指導を担当してきたキャリアを持つ食生活科学科の奈良典子准教授とは、競技のパフォーマンス向上のため体調管理の一環としての栄養の大切さを柔道の日本選手団に根付かせるため、苦楽を共にした間柄です。奈良准教授から「学生に他の領域での学びの機会を与えたいスポーツ指導論を通して是非お願いしたい」との要望を受け、木村副学長が快諾、「スポーツと健康科学a」の科目を履修する学生のための特別授業が実現しました。 パフォーマンスに影響する栄養の重要性 木村副学長によると、柔道は他の競技より先駆的に「スポーツ科学」を導入。その中でもいち早く取り入れたのが適切な栄養指導や海外遠征での食事提供だったといいます。選手がパフォーマンスを十分に発揮するためには、運動能力に加え、あがりなどの心理的状態が大きく結果を左右すると強調。「心技体の中でも心はプラスとマイナスの振れ幅が大きい。心が萎えるとできるものもできなくなります」と指摘しました。意外だったのが、栄養と心の関係です。「栄養は心の問題に大きく関わり、海外でも日常と同様の食事ができると選手の落ち着きにつながります」と話しました。 「常識を疑え」 また、木村副学長が野球部に所属していた中学時代は、運動中の水の摂取は禁止だったこと、漫画「巨人の星」で、主人公の星飛雄馬が着用した運動器具の「大リーグ養成ギブス」も、筋肉を付けるためには効果がないことを挙げ、「常識を疑い、思い込みを捨てることが大事」と力説しました。五輪選手がインタビューを受ける際にしっかりした言葉で受け答えをしていることについては、「自分の言葉で話すことが大切です。自分を変える時には言葉にすることが必要です。マイナスに解釈すると挫折だが、ポジティブに解釈すると次へのステップに変わることもあります。第三者に論理的に話していくとは自分が変わることにもつながります」と言葉の重要性も説きました。 日本柔道復活の立役者、井上元監督の指導法とは 話は、木村副学長だから知っているオリンピックの裏側にも及びました。柔道男子日本代表が52年ぶりに全階級でメダル獲得という快挙を成し遂げたリオ五輪の時には、木村副学長は、柔道日本代表チームのチームリーダーを務め、立役者となった当時の井上康生監督の指導法を間近に見ていたといいます。井上元監督は「コーチングよりもマネジメントを重視し、期待しているのではなく、選手を信じている」とのスタンスだったといいます。決して、勝利至上主義ではなかったといい、「高い目標に向かっていく過程が大事。それが次につながるのです」とも。さらに、スポーツ選手が本番に臨む際に良く使う「(試合を)楽しむ」という言葉についても、うんちくを披露。「『楽しむ』と『楽(らく)する』は違う。楽しむは、自分が決めた高い目標に向かっていくために試行錯誤すること。ここが充実しているのが楽しいことなのです」と示唆に富んだ言葉を学生にかけました。 真剣だと知恵がでる 最後に、試合中に膝に大けがをした柔道女子の新谷翠選手がその後、世界選手権で金メダルを獲得したエピソードを紹介し、「絶望からの脱出だった」と振り返りました。「モチベーションを高めるのに大事なことはビジョン、ミッション、パッション、そして、アクションです」と語り、今後の人生において、学生にも奮起を促しました。 そして、授業の最後に、「真剣だと知恵が出る 中途半端だと愚痴が出る いい加減だと言い訳ばかり」という言葉を送りました。戦国武将の武田信玄が残した木村副学長の「一番好きな言葉」だそうです。 奈良典子准教授の話 「スポーツと健康科学」の科目は、健康運動実践指導者の資格を目指す授業科目ですが、資格を取るための知識習得にとどまらず、スポーツ指導論を通して広い視野で物事を見てほしいと思い、木村副学長の特別授業を開催しました。学生には受け身ではなく、自分の考えで行動できる人になってほしい。知識を習得してわかっただけでなく、1回やってみて、さらにいろんなシーンで使えるような、「わかる」、「できる」、「使える」人になってほしい。学生生活にも慣れてくる2年以降は、入学当初よりもモチベーションを維持するのが難しい学生も散見されます。そんな時期だからこそ、スポーツ現場の指導経験もあり、さまざまな角度から問いかけてくださる木村副学長の講話は、間違いなく学生の気持ちを高揚させてくださると思っていました。今回はスケジュールの関係で2年生を中心としましたが、学生らの真剣な受講姿勢に、より多くの学生らに刺激を与えていければと改めて感じました。木村副学長には感謝の気持ちでいっぱいです。心より感謝申し上げます。
高速道路で使用した横断幕をアップサイクルしよう!中日本高速道路株式会社とのコラボ授業が行われました。
人間社会学部の「演習Ⅱ・Iクラス」(担当:ビジネス社会学科 篠﨑香織教授)で中日本高速道路株式会社(以下、NEXCO中日本)とのコラボ授業が行われました。5月から準備を始め、様々な学びを通して、工事の情報を知らせる役割を果たしこれまでは廃棄されていた横断幕の別の利用を考える、アップサイクル案を検討しました。そして、7月3日に八王子支社の皆様の前で最終プレゼンテーションに臨みました。 高速道路の安全を守るNEXCO中日本 NEXCO中日本は、関東甲信から東海、北陸エリア(東京都、神奈川県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県)の高速道路の管理をおこなっています。 大切な仕事のひとつが高速道路の工事です。工事は渋滞などの原因にもなるためドライバーにとって大切な情報。電光掲示板に場所や期間などの情報が表示されますが、電光掲示版に載る情報は、事故や渋滞、天候状況などもあり、工事の情報だけを表示し続けることは難しいそうです。そのために用意されているのが横断幕です。本線を横断する跨道橋に横断幕を設置して、今後の工事の予定やこの先で工事があることなどを知らせます。 そこで学生に出された課題は「ターポリン樹脂の特性を活かした横断幕のアップサイクル案」を考えること。NEXCO中日本の事業内容を踏まえて、社会的課題の解決や地域貢献につながるアイデアにするようにという指示も担当教員から出ました。 当初はグループでアイデアを出して発表する予定になっていました。しかし、最初に個人でアイデア出しを始めたところ、面白いアイデアがいくつも出てきたことから、グループごとに意見を集約するのはやめて、最後まで個人で取り組むという方向転換をしました。 NEXCO中日本が使用している横断幕の素材は、ターポリンと反射ターポリンです。前者はポリエステル製の布を軟質の合成樹脂で挟んだビニール素材の生地で、防水性、耐久性に優れ、色褪せしにくいというという特徴があります。後者は、ターポリンの表面に反射材を加工しているのでやや厚みがあります。車のヘッドライトや街灯の光を反射するのが特徴で、夜間でもはっきりと文字が見えるため、照明が少ない中央道などで使用されています。 学生は、それぞれの特性を生かしたアイデアを検討しました。 防犯グッズにアップサイクル この授業では、中間発表のときから挙手制を採っていて、準備ができた学生から次々に発表を行いました。 多くの学生から出たのは、ランドセルカバーにするアイデアです。 反射ターポリン特性をうまく使った案で、地域の交通安全啓発も行っているNEXCO中日本の活動と関連性があります。実際にターポリン樹脂を購入して自作してきたという学生もいました。すぐ作れるように型紙を持参し、交通安全教室などの中でワークショップをすることも提案しました。 自転車に関連するグッズのアイデアもたくさん出ました。 防水性に着目した学生は、自転車やバイクの保護カバーを提案しました。防犯用のかごカバーを提案した学生は新聞記事を示して、「自分の居住地域をはじめ、同じ日に複数の地域でひったくりが頻発しており、かごカバーは警察も推奨しています」と地域の防犯に貢献できる点を強調しました。そのほか、自転車の鍵につけるキーホルダーや、自転車の前後に貼れる反射シールを提案した学生もいました。シールは杖や帽子などにも貼れるため、夜道の安全につながると、汎用性の高さをアピールしました。 日常品として使えるものを 日常品として使えるものを提案した学生から出てきたアイデアは、パソコンカバーとブックケースです。「バッグやコインケースなどのアップサイクル品はすでに出ていますが、若者向けは少ない印象」、「雨の日に濡れて欲しくないものを守りたい」というのが考案理由でした。 ビニール傘が年間8000万本も捨てられていることを問題視し、世界に一つしかないものであるならば、みんなが大切にするのではと傘を提案した学生もいました。このアイデアは、丈夫で遮光性に優れたターポリン樹脂の特性を活用したものです。 幼稚園や小学校など砂場の雨除けにしたらどうかという地域貢献につながるアイデアも出ました。さらに、植木鉢の代わりになるプランターカバーやシートベルトカバーなどの制作を、SA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)で行い、自分たちで作ることで、NEXCO中日本の取り組みを知ってもらうのはどうかという企画も出てきました。 ユニークな案では、ライブで使える「ファンサービスうちわ」がありました。 うちわに文字を貼り付け「推し」にアピールするもので、光に反射する特性を活かすことができます。この発表をした学生は、「NEXCO中日本がこれまで関わりの薄かったエンターテイメント業界とつながることで、新しい可能性が拓けるのでは」と提案しました。 これから実物化を検討! 他にも、レジャーシートやフリスビー、交通安全のお守り、避難所に使えるカーテン状の仕切りなど多くの案が出てきました。 全員の発表が終わると、八王子支社 総務企画部の高取部長と宮部課長から総評をいただきました。 高取様からは、これまで学生が積み重ねてきた準備への労いと多様なアイデアに対するお褒めの言葉をいただきました。これまで社内でも色々なアイデアを検討してきたが、ファンサービスのうちわのような発想はなかなかなく、大変面白いとのことでした。 宮部様からは、「色々な情報を調べて、検討してくれてありがとうございました。アップサイクルについてしっかり調べ、素材の特徴を活かしたものを考えてくれました。社員に社用のノートパソコンを貸与していますが、併せてパソコンカバーを作って配るのもいいかもと思いました」という感想をいただきました。「安全を何よりも優先するという、NEXCO中日本の理念を大事にしてくれて、交通安全に関連付けたものが多かったのも嬉しかったです」とも話されました。 発表中に学生は、①ターポリン樹脂の特性を生かしたアイデアか、②NEXCO中日本社の活動とアイデアにつながりがみえるか、③実現可能か、この3点についてお互いのアイデアを評価しており、最後にどのアイデアを実物化すると良いかの投票を行いました。学生から高評価を得たアイデアとNEXCO中日本の皆さんから好評だったアイデアが実物化される予定です。最後にNEXCO中日本の中村様から、NEXCO中日本の企画で進めているワークショップの案内があり、ぜひ遊びに来てくださいとお声がけをいただきました。 一つの役割を果たしたものに、新たな価値を与えることでまた社会に役立てていくという循環を、自分たちの手で実現していくという得難い機会に恵まれ、学生も担当教員も非常に多くのことを学ぶことができました。 NEXCO中日本八王子支社の皆さま、ありがとうございました。 なお、2024年9月8日(土)に本学日野キャンパスで開催予定の“JISSENマルシェ”の企業・自治体ブースにて、NEXCO中日本社によるワークショップがございます。上記学生のアイデアも製作する企画になっております。ぜひ、おいでください。 詳細はこちらをご覧ください。https://www.jissen.ac.jp/125th/marche.html
人とのつながりを大事に。「女性とキャリア形成」の授業で日本マナー・プロトコール協会理事長が人生と企業の選択について講演を行いました。
大学共通教育科目「女性とキャリア形成」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、6月20日に日本マナー・プロトコール協会の明石伸子理事長をお迎えしての特別講演が行われました。大手企業からベンチャー、会社立ち上げまで幅広いキャリアを持つ明石氏は、自身の経験を通して、人の繋がりや人生について幅広くお話されました。 企業をどう見極めるか 本授業は、担当グループの学生たちが進行を行います。司会の学生は「社会に出るとマナーが必要な場面が多いですが、マナーを学ぶ授業はあまりなく私自身もマナーに自信はありません」と話し、「今回の講演で何か一つでも就活や、社会人として役立つものを身に付けたいと思います」と、明石氏にマイクを渡しました。 明石氏も「私が学生のときは、キャリアやマナー教育はなかった」と話し、この授業が貴重な内容であることを強調され、これから就職活動が待っている学生たちに向けて、「就職は人生のターニングポイント」と話し始められました。明石氏は45年前に日本航空株式会社(JAL)に新卒のCA(客室乗務員)として入社されました。しかしその少し前は「結婚したらCA職をやめなければならない時代もあったそうです」と話します。また、明石氏が就活をした時は、第2次オイルショックで4年制大学卒の女性は就職活動に苦戦したそうです。最近ではコロナで就職が厳しかった時があったように、「就職活動は、世の中の経済状況に影響されることが多いんです」と明石氏。 今、社会は大きく変わっています。その上で、今後どのような企業が発展していくのかなどを見極めて、企業選びをしてほしいと話します。また、学生の私たちにとっては知名度がなくても優良な企業があることや、女性活躍を推奨している企業などの調べ方なども紹介してくださいました。 自分はどんなキャリア志向だろう? 「今はいつでもキャリアチェンジできる時代です」と明石氏。転職のハードルは低くなったのは良いこととしつつも、「スタートはやっぱり大事」と強調されました。明石氏自身も最初に就職した企業がJALで良かったと話しました。「しっかり教育をする会社だったことが、きっと今につながっていると思います」と言います。 とはいえ「これからキャリアを考えると迷うことが多いですよね」と明石氏。企業の数は多く、どういう会社が自分に合っているんだろう、と考えるとき、少しでも自分のことを知っているとある程度絞り込みやすいと話しました。そのひとつとして、自分のキャリア志向を確認することが大事と紹介。自分は、「チャレンジ志向型」なのか、人と人を結び付ける「プロデューサー型」か、一つのスキルを突き詰めてやっていきたい「専門職型」なのかなどなど。「仕事も大事だけれど、家庭もしっかり大事にして働きたい人ももちろんいらっしゃるでしょう。自分の仕事に対する志向を知ったうえで、あなたにとっていい会社を見つけましょう」と話しました。 また、すぐにやりたい仕事ややりがいのある仕事ができるわけではないということも忠告。つらい仕事や好きではない仕事をやらなくてはいけないこともありますが、「逃げない、折れない、継続することが大事」で、渡辺和子氏の「置かれた場所で咲きなさい」という本を紹介されて、まずは与えられた仕事をしっかりやってこそ自己成長に繋がると伝えました。 すべては人で決まる 「会社とは人の集団です」と明石氏は言い、人との関係を大切にすることを伝えました。「チャンスをくれるのもあなたを評価するのも、相手や周囲の人」と話し、人から好かれ、人としての好感度を高めるポイントを話されました。その秘訣は「明・元・素」。明るく、元気で、素直なことです。 また「主体的な思考をもつ」ことの大切さも伝えられました。「なんでもマニュアルに基づいて答えを教えてもらいたいと思う人が多いようですが、正解は1つとは限りません」と言います。そのためには、何が本質なのか、多角的に物事を見ることが大切だと語りました。「マナーも時代とともに変わっています。しかしその本質は変わらないんですよ」と明石氏。マナーの本質は、人と良い関係を築くためにどうしたらいいかを考えること。そのための配慮や心遣いがマナーです。自分自身が大切にしていることは何なんだろうか、相手はどうして欲しいのだろうか、という判断の基準を持つことで惑わされないようになると話しました。 「みなさんは20歳前後で、結構生きてきた感じがしているかもしれないけれど、皆さんの人生はこれからです」と明石氏。時間をどう過ごし、人とどう関わっていくかで、人生の輝きが決まると言い、「先が決まっていないという事は、未来は可能性に満ちて開けていると希望を持ってほしい」と講演を結びました。 目の前の仕事に一生懸命に 講演後は質疑応答の時間が設けられました。学生から「時間の使い方で意識していることは?」という質問に対して、「集中すること。なにかに一生懸命になっていると時間が早く感じられるでしょう。そんな風に何事にも情熱を持って取り組んでみると良いと思います」と回答されました。「明石氏はどんな基準で仕事をされていますか」という質問には「一番大事にしているのは「信頼」。信頼を築くのは時間がかかるし大変。しかし頼られることは嬉しいし、信頼してもらえるかどうかが人として大切な基準になります」と答えました。 学生たちは「自分に合った企業をどう選ぶか」という、就職活動に向かう上で大きなヒントを得た講演になりました。 担当教員よりメッセージ 私が企業(資生堂)に勤務していた頃からご縁をいただいていた明石様に今年もご登壇いただきました。多くのご経験から導き出された明石さんからのメッセージの中に、チャンスをくれるのも評価してくれるのも周囲の人であり、そのためには、好感度プラス「明・元・素」、すなわち明るく、元気で、素直であるというお言葉が印象的でした。この場を借りて、明石様に心から感謝申し上げます。
渋谷にホテルを作るなら?「実践キャリアプランニング」で湘南レーベルとのコラボ授業を行われ学生たちがプレゼンテーションを体験しました。
大学共通教育科目「実践キャリアプランニング」(担当:髙橋裕樹特任教授)で、湘南レーベル株式会社との特別コラボが行われました。本学のある渋谷に新たにホテルを建てるならどんなところがいいのか。学生たちはそれぞれの顧客像を作成し、リサーチ。6月28日の授業では、最終プレゼンテーションに臨みました。 1週間が8日あったらホテルでどう過ごす? 湘南レーベルは、湘南のビーチカルチャーをベースにホテルやカフェ、シェアハウスなどを展開しています。松山竜造氏は有名ホテルのレストラン勤務などを経て2020年に入社。現在はホテル事業部長として活躍されています。「8HOTEL CHIGASAKIの立ち上げに関わり、開業時は支配人も兼任されました。 8HOTELのコンセプトは、「1週間が8日あったとするならば、人はどのようなインスピレーションを抱くのだろう」というもの。湘南というビーチカルチャーと、ホテルで過ごす非日常を織り交ぜて作られています。コンセプトに沿った体験価値として、8HOTELが提供しているもののうち特徴と言えるのがサウナとプール。サウナ好きの男性一人客にも多く利用されています。また、毎週日曜にはヨガイベントも開催しており、プールでは水に浮かべたボードの上で行うサップヨガが若い女性やカップルから人気を集めています。 ペルソナに合ったサービスを考えよう! コラボ授業は3週間にわたって行われました。1回目では湘南レーベルのホテル事業について学び、どのようにホテル探しをしているかグループワーク。2回目ではマーケティングのやり方を習い、最終課題に挑みます。マーケティングでは商品やサービスを作る前に「ペルソナ」と呼ばれる理想の顧客像を立ち上げます。その顧客のニーズに合致したサービスなどを考え、企画を考えます。 松山氏から出された課題は「渋谷に8HOTELを作るなら?」。「日帰り観光客」「ビジネス利用一人客」「記念日利用カップル客」の3つのターゲットが提示。その3組が楽しめる8HOTELを渋谷に作るなら、どんな体験価値を提供するかを考えます。渋谷のどこに作る?どんな施設やサービスが必要?などディスカッションを通してグループで資料を作成。3回目の授業で発表に臨みました。 渋谷のホテルでどんな体験価値を提供するか 学生は17グループに分かれ、発表を行いました。それぞれのグループからさまざまな企画が発表されました。 場所は裏渋や代々木公園付近など、渋谷といえども静かで緑が多い地域が人気。代官山や広尾などの高級住宅街の落ち着いた地域を提案するグループもありました。また、本学のある六本木通り付近も「アクセスも良く静かなので良いと考えました」とするグループも。逆に表参道やパルコ付近など渋谷ならではのアクセスと賑わいのある付近を選ぶグループもありました。 ほとんどのグループに共通していた施設はサウナです。サウナは8HOTELも特徴のひとつでもあるため外せないと考えたグループが多かったようでした。屋上にリラクゼーションスペースやプールを備え、非日常の空間を提供するとしたグループもありました。 ペルソナで違いが出たのは、日帰り観光客の設定です。羽を伸ばしに来たバリキャリ女子、外国人男性、地方からプチ贅沢をしにきた女子大生、などなど。それぞれのグループで想定されたターゲットに沿ってサービスもさまざまなものが提案されました。例えば外国人向けに和室を完備。「渋谷で和室は珍しいのでは」と提案されました。都心にいながら非日常が味わえるよう岩盤浴や足湯を提案したグループも。また交通の良さを生かし、タクシーの手配やお迎えサービスを出したグループもありました。 イベントではヨガなど運動だけではなく、陶芸体験や和菓子作成体験なども。近くのカフェなど飲食店と連携し無料券を付けるという案や、スマホをしまえるタイムロックボックスを完備しデジタルデトックスを促す案も。これには松山氏も「なかなかない発想」と感嘆されました。 これからのホテルを考えてみよう 松山氏も「いろんな視点があっておもしろかったです。社内でもこういう考えはなかったという感想もたくさんありました」とコメントされました。「行きたいなと思えるホテルがいくつもありました」と話し、優秀グループを発表しました。 表彰されたのは、明治神宮外苑に隣接したエリアに作り、自然を感じられるホテルを提案したグループ。屋上には芝生を敷いて自然との一体感を目指しました。松山氏からは「課題解決感があり、プレゼンも分かりやすくまとまりがありました」と授賞理由が伝えられました。グループの学生からも「資料作りも工夫したので受賞出来て嬉しい」と喜びの声が聞かれました。 「これをきっかけにホテルというものを身近に感じてもらえたかなと思います」と授業の最後に松山氏は語り掛けました。「ホテルも旅行でしか行かないものというイメージから、日常使いのできるものに変化しています。泊まるだけのホテルはこれから淘汰されていくと思っています。ホテルが何を残せるか、皆さんもホテルに遊びに来て考えてみてほしいと思います」と話し、「皆さんからいただくものが多い機会でした」と授業を締めくくられました。
エストニアの文化やビジネスについて学ぶ「エストニア アントレプレナーシップ懇談会」を行いました(5/24)
2024年5月24日(金)に、エストニアでビジネスを行うNext innovation OÜ様、株式会社三修社様をお招きし、「グローバルビジネス」、「アントレプレナーシップ」、「スタートアップ」などについて意見交換会を行いました。 エストニアやグローバルビジネスに興味のある学生6名が集まり、Next innovation OÜ様が持ってきてくださったエストニアのお菓子をいただきながら話に花を咲かせました。 まずは、Next innovation OÜ様から、あまり聞き馴染みのない「エストニア」という国についてご紹介いただきました。約700年もの間、他国からの支配下に置かれた歴史がある一方で、現在では、先進的なIT政策やデジタル教育分野ではヨーロッパ1を誇る国家となりました。 エストニアと日本の架け橋としてビジネスを行うNext Innovation OÜ様から、エストニアの歴史や現代のビジネスについて直接お話を伺うことができ、学生からは「エストニアに行ってみたくなった」といった声が上がりました。 その後、2つのグループに分かれ、エストニアの文化やビジネス、、エストニアの教育について意見交流を行いました。 長年にわたり他国からの支配を受けていたエストニアが、どのようにデジタル国家と呼ばれるまでになったのか、学生各々が気になることを質問し、終始にぎやかな様子が伺えました。実際に他国との懸け橋としてグローバルに活躍されている社会人の方々と交流したことで、さらに視野が広がったのではないでしょうか。 本学では、引き続き、社会に出た際に役立つ実践的なスキルを身につけられるよう、社会連携やグローバルな取り組みに力を入れてまいります。 ご参加いただいた企業様の情報はこちら Next innovation OÜ https://next-innov.ee/ja/ 三修社 https://www.sanshusha.co.jp/
ポジティブ思考で人生を輝かせる!「女性とキャリア形成」の授業で元資生堂執行役員の関根近子氏による講演が行われました。
大学共通教育科目「女性とキャリア形成」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、7月4日に元資生堂執行役員常務の関根近子氏をお呼びしての特別講義が行われました。「仕事もプライベートも輝いて生きる」をテーマに、関根氏がどう壁を乗り越え、キャリアを形成していったかを語ってくださいました。学生たちにとって自己成長につながる多くのアイデアやヒントが盛り込まれた講演となりました。 輝いて生きるための指針とは この授業では学生が司会進行を担当します。担当の学生に紹介された関根氏は「今日は美しく輝く女性になるためのヒントも話していきます」と笑顔で学生たちに語り始めました。 はじめに伝えたのは3つの仕事観。「Job」「Career」「Calling」という言葉です。「Job」は、お金を稼ぐ手段としての仕事のこと。「Career」は自分も成長していく仕事、「Calling」はやりがいがあり、することが喜びである仕事です。「私も最初は、仕事はお金を得るための手段としか考えてなかったのですが、仕事を通してこんなことを実現したいという気持ちの変化があり、今はやりがいのある仕事になっています」と、自身の仕事への意識が変わった経緯を話されました。 「売らない」セールスで自分が変わった 大学進学を志していた高校時代、父親が事故に遭い、関根氏は家庭を支えるため就職を選択。とにかくお給料の良いところ、と選んだのが資生堂でした。まさにお金を稼ぐ手段としての「Job」だったと言います。入社当時の仕事は、スーパーなどに設けられた特設会場で通りかかった人に化粧品を紹介し販売する、いわゆるキャッチセールス。ノルマはきつく、客にも迷惑がられ、自分の仕事に誇りが持てなくなった関根氏は、先輩に辞めたいと相談します。 そこで言われたのが「辞めるなら、売らなくていい」という言葉。その代わり、客一人ひとりに合わせ、プロとしてメイクの仕方を教えることをアドバイスされました。そこで言われたのが「私たちの仕事は単に化粧品というモノを売ることではなく、お客様の魅力を引き出すことなのよ」美容のプロとしての知識をお客さまのために使うことの大切さを気付かされました。瞬時にその人に合わせたメイクを、自分の知識と技術のなかから選んで伝えること。そのことを意識して接客するようになると、徐々に売り上げにつながっていきました。さらに客から「教えてくれてありがとう」と感謝されるように。「もっとありがとうと言われたいと思うようになりました」と語りました。 この経験から関根氏は「それまで自分を評価するのは上司だと思っていたのですが、自分を評価するのはお客様」と意識が変わります。そこから礼儀作法や滑舌、お礼状を書くためのペン字などなど、お客様のため自分に足りないものを自ら学んでいったと話します。「環境はまったく変わってないのに、仕事に行くのが楽しくなった。不思議ですね」と意識を変えることの大切さを伝えました。 自分に自信を持つことの大切さ のちに国際事業部に異動になった関根氏は、自己肯定感を高めるように意識するようになったと話します。当時の上司はドイツ人。英語はそれほど得意でなく、原稿にルビを振り必死で英語スピーチをしたこともあったそう。なぜ自分がこの部署なのかと上司に尋ねると「大事なのは語学力じゃない。自分の意見をはっきり言うというところがいいんだ」と言われたのです。物おじせずなんでも話すことがグローバルな人材に必要なことだと教えられ、自信を持つことの大事さに気付いたと言います。現状、出世するのは男性が多いのが現実。しっかり競争意識を持ち自己アピールできる女性になってほしいと伝えました。 「皆さんも自分に自信を持ってください」と語られました。 ポジティブ思考で困難に立ち向かう 自己肯定感を高めるために大事なのが「ポジティブ思考」だと関根氏は言います。ただ、ネガティブな思考がだめだということではないと話しました。「私も愚痴や不満を言っていた時期がある。ポジティブ思考とは、嫌なものは見ないということではありません。物事の見方や思考を変えてみることを意識してみることです」と語ります。ポジティブとは、辛いことや課題があっても希望や解決策を探そうとする強い精神のこと。「愚痴を言ったからって変わらない。じゃあ現実を受け止めて、自分がどう気持ちを切り替えるかが大事」と関根氏。「自分の人生は自分が作るんです。過去と他人は変えられないが未来と自分は変えられる」と力強く語りかけました。 最後に関根氏は「歩いた後に一輪の花を咲かせたい」という托鉢者の言葉を紹介し「皆さんもどうぞ、これからの長い人生でいろんな花を咲かせていただければ」と講演を締めくくりました。 悔しい気持ちをポジティブに変換するコツは? 講演の後は質疑応答の時間となりました。「様々なことに挑戦しすぎて中途半端になってしまうときは、一つに絞るべきでしょうか」という質問には「挑戦しなかったら分からなかった出会いもある。最初から一つに絞らないでいいと思います。そのなかで深めていきたいものをみつけていけるでしょう」と回答しました。「人のいいところを真似したいと思う前に、自分と比較し悔しいと思ってしまうがどのようにポジティブに変換すればいいでしょうか」という質問には「負けず嫌いなのはいいと思う。悔しいと思わせられたということはどういうことか考えてみましょう。自分もできるはずと思っているからかも」と回答されました。 キャリア形成のヒントになる多くの視点やアイデアを教えてくださり、学生たちの心にも多くの言葉が響いた講演となりました。 担当教員のメッセージ 本授業の最後のゲストとしてお迎えいたしました。毎年お会いするたびに、生き生きさが増していく関根さん、ご自身のお姿から、すでにポジティブさを感じますが、今年のお話しも、ポジティブ思考に繋がるものばかりでした。しかし、関根さんが語るポジティブ思考とは、単に「ものごとを良い方に考える」ということではなく、辛く、苦しい状況のなかでも希望や解決策の光を探そうとする思考とその光を信じて進んでいくという強い精神のことであります。学生にとっても、素晴らしいロールモデルとして、心に刻まれることと思います。関根様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。