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サンリオコラボグッズ開発プロジェクト参加学生にインタビューしました!
サンリオコラボグッズ開発プロジェクト参加学生にインタビューしました!
今回インタビューを行った企画は「サンリオコラボグッズ開発企画」です。本プロジェクトは、学生からの要望が特に多かった人気キャラクターとのコラボレーションを実現したものです。「何を売るのか」「どのキャラクターと組むのか」「大学の魅力をどう反映させるのか」、そのすべてを学生主体で企画・開発を行いました。 このプロジェクトは実践ウェルビーイングプロジェクト研究会(以下JWP=Jissen Wellbeing Project)の学生から参加者を募り、今年の5月から10月の期間に課外活動として活動しました。JWPは企業と共にウェルビーイングに関する考えを深めていく課外プロジェクトです。キャリア科目担当の深澤晶久教授が担当教員となり、毎年後期の期間中、有志の学生たちが企業訪問や講演、交流イベントを通じてウェルビーイングについて主体的に学んでいます。JWP参加学生が企画・運営を行うイベントも毎年開催されています。昨年の活動を取材した記事〈スポーツを通じたウェルビーイングとは?パリパラリンピックに出場した舟山選手との交流会を今年も開催しました!〉https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/7820/ 今回インタビューに答えていただいたのは、企画のリーダーとしてプロジェクトに携わった三名の学生です。 左から 人間社会学部ビジネス社会学科 2年 石河凛迦さん    人間社会学部人間社会学科 3年 田中こころさん   人間社会学部人間社会学科 3年 永嶋紗菜さん ーお集まりいただきありがとうございます!参加のきっかけを教えてください。 石河さん「もともとコラボをしたキャラクターが大好きで、昨年深澤先生の授業を受けたときにも『この企業さんとコラボしてください!』とお願いしていました。春休みに『コラボプロジェクトを行うからぜひ参加してほしい』と声をかけていただき、参加を決めました。」 田中さん「企画やグッズ制作に興味はあったのですが、その機会に恵まれていませんでした。そんなときにプロジェクトのお知らせを見て、『これこそ自分がやりたかったことだ!』と思いました。コラボする企業のキャラクターも大好きだったので、すぐに参加を申し込みました。」 永嶋さん「以前久慈市のボランティア※に参加したことがあり、学生のうちにさまざまな経験を積みたいと感じていました。今回の募集を見て、『社会人になってからはこうした企画に取り組む機会は少ないのでは』と思い、良い経験になると考えて参加しました。」 ※実践女子大学は、岩手県久慈市と包括的な連携協力に関する協定を締結しており、連携プロジェクトを実施しています。〈実践女子大学HP 岩手県久慈市との連携〉 https://www.jissen.ac.jp/society/area/kuji/index.html ー企画の中で担当したところ、特に力を入れて取り組んだところを教えてください  石河さん「メインで動いていたのは永嶋さんと田中さんだったので、ミーティングでは自分の意見をしっかり伝えるよう意識しました。企画の中で特に力を入れたのはキャラクターの決定です。(ファイルを見せながら)このキャラクターたちは今年、それぞれ40周年と20周年のアニバーサリーイヤーを迎えており、企業としても追い風が来ていると感じました。『どうしてもこのキャラクターのペアがいい!』と二人にプレゼンをして、最終的に採用していただけました」田中さん「当初、私たちは先方から提案された別のキャラクターを採用するつもりでいたんです。でも、石河さんの熱いプレゼンを聞いて納得して、『じゃあそっちにしよう』となりました」永嶋さん(うなずく)石河さん「私は二人の後輩なので最初は気が引ける部分もあったのですが、意見を一つ一つ優しく受け止めてくださったので、自分の考えをきちんと伝えることができました」 田中さん「私はプロジェクト全体に関わっていたのですが、特に先生や職員の方へのホウレンソウ(報告・連絡・相談)を密に行ったことが一番頑張った部分だと思います。デザインを担当していたメンバーに進捗を確認して職員の方に報告したり、それをまたメンバーに共有したり。連絡のつなぎ役として、細かく進捗を報告するよう努めました」 永嶋さん「私は人前で積極的に意見を出したり引っ張っていくことが得意ではないのですが、その分、進めてくれていることが分からないときには質問したり、『いいな』と思ったことは『素敵だね』と声をかけたりしました。そうすることで会話や意見が活発に飛び交うよう意識していました」 ー活動の中で大変だったこと、それに対して工夫したことを教えてください。 石河さん「キャラクターをお二人にプレゼンするときは、ただ“使いたい”と伝えるだけでなく、自分がどんな考えを持っていて、どんな背景があってそのキャラクターを選んだのかをしっかり伝えるよう意識しました。自分の希望だけではなく、説得力を持たせられるよう工夫しました」 田中さん「このプロジェクトは5月から10月までと長期間にわたったのですが、一番悩んだのは夏休みでした。石河さんと永嶋さんは9月末に開催された学園祭の企画運営を行う団体を兼任していて、その準備で忙しく、どう連絡を取るか頭を悩ませました。対面で会う機会が少なかったので、モチベーションの維持やスケジュール調整がとても大変でした。」 永嶋さん「学園祭の運営委員では責任のある仕事を任されていて、そのうえでこちらの企画もあったので、やらなければならないことが重なり大変でした。その中で“自分にできることは何か”と考え、運営委員のみんなにこの企画の宣伝をしました。宣伝しないと買ってもらえないと思っていたので、知ってもらうきっかけになればと思って行動しました」 ー常磐祭の販売に携わってみていかがでしたか? 石河さん「実際に来てくれた方が『かわいい!』と褒めてくださったり、友人や家族が買いに来てくれたりしたときは、とてもうれしかったです。関わってくれたみんなと楽しみながら取り組むことができました」 田中さん「サークルの関係でがっつりと販売にはかかわれなかったのですが、合間の時間に販売状況を確認したり、困っていることがないか声をかけたりしました。来場者の方が実際にファイルを手にしている姿を見かけ、形になったものが誰かに届いていると実感できて、とてもうれしかったです」 永嶋さん「学園祭運営の仕事があり、販売にはまったくかかわれなかったので悔しい気持ちもあります。それでも、来場者の方が購入して手に持っている様子を見たり、『サンリオってどこで販売していますか?』という声を直接聞いたときに、“やっと形になったんだ”“みんな良いと思って買ってくれているんだ”と実感し、とてもうれしかったです。また、多くの人とのつながりを感じることができ、経験できてよかったと思います」 ープロジェクトに参加してよかったこと、成長したなと感じたところを教えてください。 石河さん「相手に何かを届ける、自分の意見を伝えるという点で成長できました。キャラクターを決めるときのプレゼンや、販売のときの声掛けなどを通して、自分が一生懸命に伝えようとすれば、きちんと耳を傾けてもらえるのだと実感しました」 田中さん「参加してよかったのは、やはりグッズ制作の企画に携われたことです。一番大きな成長は、プロジェクトの中心を担って全体を進めた経験だと思います。ここまでメインで引っ張る立場になったのは初めてで、先生や職員の方々と密に連絡を取ることも初めてでした。目標を立てて取り組むこと、物事の優先順位を考えること、そしてメンバー全員を巻き込みながらどうすれば良い雰囲気で進められるかを常に考えて行動できたことが、成長につながったと思います」 永嶋さん「企画に応募して、参加して、それが形になったこと自体がとても良い経験でした。また、試行錯誤してつくったものを、実際にお客さんの手に届けられたことも嬉しかったです。短期間のプロジェクトでしたが、これほど密にさまざまな人と関わり、活発に意見交換やアイデアをもらえたことは、大きな財産になりました」 ー今回のプロジェクトで得た経験で、今後に活かせそうなことはありますか? 石河さん「今回の経験は、学生生活の中で向上心が高まる大きなきっかけになりました。先輩方の取り組む姿勢が本当に素晴らしく、行動力はもちろん、安心感や信頼感もあって。『私もこういう女性になりたい!』と強く憧れました。学科ではプレゼンテーションやグループ活動の機会が多いので、先輩たちのようにみんなから信頼され、自分から積極的にグループを引っ張っていける存在になれるよう、これからも成長していきたいと思います」 田中さん「大学生活の中で、もっといろいろなことにチャレンジしていきたいと思いました。また、将来は商品企画の仕事に興味があるので、在学中に商品企画と販売の実績を積めたことはとても大きな経験でした。大学生活にとどまらず、この経験を今後のキャリアにつなげていけたらと考えています」 永嶋さん「今回の経験を通して、人の意見を聞くことの重要性、そして多くの人の協力があってこそできることがたくさんあるのだと実感しました。これからの大学生活はもちろん、いろんな人の意見をきちんと聞きながら、自分がまとめ役となれるような存在になりたいと感じています」 ー最後に、授業や他のプロジェクトとどうやって両立していたか教えてください。 石河さん「このプロジェクトのほかにも団体の運営を担当する立場が多く、いろんなミーティングが重なってあわてることもありました。その中で、“今はこれに集中するぞ”という時間と、ゆっくりする時間のメリハリをつけることで、なんとか乗り切ることができました。」 田中さん「並行してさまざまな活動を進めていたため忙しく感じることも多かったのですが、このプロジェクトを“任せてもらった”という実感が大きくありました。なにより自分が一番やりたかったことだったので、“何としてでも成功させるぞ”という気持ちが強いモチベーションになっていました。メリハリをつけるというよりは、隙間時間に連絡を取ったりデザインを確認したりと、常に何かしらを考えていました。限られた時間の中で、うまくやりくりしようという意識が強かったです。」 永嶋さん「学園祭準備の業務と重なる時期との両立は特に難しかったのですが、この二人が情報を共有してくれたり積極的に動いてくれたりしたことが大きくて。先に動いてくれたものにのっかる形で進めることができ、無事に両立して乗り切ることができました。」 ーありがとうございました! コラボクリアファイルは学内の売店で現在も販売中です! 担当教員よりメッセージ サンリオ推しの石河さんからの提案がきっかけとなった今回の企画、その後、実現に向けて企画メンバーを募り、田中さんと永嶋さんが中心となり、さらには、常磐祭での販売当日には、のべ25名の学生さんがサポートに加わってくれました。今年のJWP(実践ウェルビーイングプロジェクト)のメンバーの総力を結集したコラボ企画が実現しました。 当日は、多くの皆さんにお買い上げいただき、企画した学生も、購入いただいた多くの皆さんも、共に喜んでいただいた素晴らしい取り組みになったと思います。 学生のやりたいこと、夢の実現をできる限りサポートする、それが実践女子大学です。これからも、沢山の企画の実験に向けて、教員も職員も、サポートを続けていきたいと考えています。
食品衛生学bの授業で、サントリーブレンダー室長の明星嘉夫氏の特別講演が行われました。
食品衛生学bの授業で、サントリーブレンダー室長の明星嘉夫氏の特別講演が行われました。
9月29日(月)に食品衛生学b(担当:食生活科学科 大道 公秀 准教授)にて、サントリー株式会社(以下サントリー)スピリッツ・ワイン開発生産本部、ブレンダー室長の明星嘉夫氏をお招きし、サントリーの品質管理と、明星氏ご自身の経験から得たキャリア観についてご講演をいただきました。 明星氏はサントリーのウイスキーの生産と管理を担うブレンダー室長です。技術開発部で蒸溜などの商品技術開発に長く携わり、ブレンダー室に異動後はスコットランドでウイスキーの研究を経験されました。現在、山崎蒸溜所に勤務されている明星氏。山崎蒸溜所は、サントリーがウイスキーを蒸溜開始した1924年から稼働する、100年以上の歴史がある拠点です。 ブレンダーとは 明星氏はブレンダー室について「簡単にいうと、原料を組み合わせ、樽に眠る原酒をよりおいしくしていく部署」と紹介し、ウイスキーの製造や商品開発を担当していると述べました。そして、「ブレンダー」とは、ウイスキー製造の要である「ブレンド」という工程を担う社員のことを指します。五感を駆使して品質を管理するプロフェッショナルです。さらに「サントリーには約160万丁の樽があり、それぞれ熟成の状態が異なる。その一つひとつを社員が手作業でテイスティングし、原酒の状態を確認している」と説明しました。 「山崎」ブランドページ〈ブレンダーの仕事とは〉:https://www.suntory.co.jp/whisky/yamazaki/yamazaki_club/006/ サントリーの品質管理について 明星氏は、品質方針である「All for the Quality」を説明しました。質を最優先する管理体制を強調し、法律の基準のほかに独自の自社基準を設定していることを説明。両者をクリアした商品が世に送り出されていることを紹介しました。また、商品の製造プロセスの中でも、調達と製造が特に重要であると述べ、実際に行っている品質管理の取り組みについて説明しました。 具体例として、ウイスキーの製造プロセスの一つである発酵を取り上げました。明星氏は、ウイスキーの発酵中に酵母の数と微生物の数のバランスが崩れてしまう状態を「汚染」と呼ぶことを紹介し、品質を守るためには汚染を避ける必要があることを説明。「汚染状態になると酸っぱくなったり、腐敗した匂いを発することもある」と変化によって引き起こされる味の変化について述べ、「数値を測定するとその変化がわかるため、定期的に検査を実施している」と実際行われている品質管理の体制を紹介しました。 キャリアについて 明星氏は、就職活動について自身の経験を踏まえた考えを共有しました。「環境変化の早い業界では将来を見通すことが難しい」「業界ごとに傾向が異なるため、自分に合った選択が必要」「自分の価値を高めるには、自分がユニークな存在になれる場所を選ぶことが大切」と、身を置く場所によって自分の価値も変わることを示しました。 続いて、仕事への価値観について触れ、「どんな企業でも暗闇は迎えるもの。明けない夜はないと考え、社会のために自分ができることを選択してきた」と述べました。ウイスキー販売の低迷期に入社した経験に触れながら、先行きが不透明な中でもウイスキーのために働き続けたことを紹介。「なんのため働くか目標は変わっても、本質的な姿勢は変わっていない」と振り返りました。 明星氏はキャリアを重ねる中で「価値の軸」が変化した経験も共有しました。かつては技術開発のスキルや専門性を重視し、「人と関わることは苦手で、マネジメントの技術も重要視していなかった」と回想。しかし海外勤務の経験と、帰国後にマネジメント業務に携わるようになると、価値観は大きく変わりました。「苦手だと感じていた業務が仕事の中心となり、当時は大変だったが、確実な自己の成長を実感できた。それまでは自分のことを第一に考えていたが、次第に周囲を第一に考えるようになった」と述べ、さらに「自分のためではなく、人のため、集団のために行動することに価値を感じる新しい自分と出会うことができた。人が働く理由は自己実現だけではない」と語りました。 講演の最後に 最後に学生へのメッセージとして、「人として魅力ある社会人であることは、結果的に幸せな人生につながる」と述べました。具体例として、挨拶や誠実さといった基本的な行動を挙げ、「当たり前のように思えるかもしれないが、実は大切なこと」と強調しました。さらに「社会人としての姿勢を支えるのは、人間としてのあり方であり、その積み重ねが最終的に人生の幸福につながる」と呼びかけ、学生に向けて「この視点をもって今後の進路を考えてほしい」と結びました。 担当教員からのメッセージ 今回、明星様には食物科学専攻3年生の「食品衛生学b」の授業内での講演をお願いしました。食物科学専攻の学生は食産業に係るフードシステムや食品企業で商品開発に興味をもつ学生も多いため、明星様の講演を私たちはとても楽しみにしていました。明星様には、ウィスキーを例に挙げて、サントリー株式会社における品質保証や商品開発の取り組み事例をご紹介いただきながら、サントリーにおける食に関わるビジネスの展開について語っていただきました。産業界における品質保証の具体的事例を学ぶことは、「食品衛生学」の一環としても意義があったと考えています。また明星様にお話しいただいたウィスキーを例にした商品開発のアプローチは、食品ビジネスに関わる仕事がどのようなものかを知る機会になったと考えています。これらは食物科学専攻の学びとして大変意義深いものでした。授業の後半では、明星様にはキャリア形成についても語っていただきました。就職活動をこれから本格化していくような学生には大変参考になったと思っています。 教室では、熱心にメモをとり、うなずきながら聴講する学生の姿も見受けられ、担当教員として嬉しく思いました。  明星様には、お忙しい中、貴重な講演の機会を設けていただきました。本当にありがとうございました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
アップサイクルも体験!渋谷キャンパス常磐祭にてBEAMSが限定ショップを出店しました。
アップサイクルも体験!渋谷キャンパス常磐祭にてBEAMSが限定ショップを出店しました。
9月27日(土)・28日(日)に開催された渋谷キャンパスの学園祭・常磐祭にて、大手セレクトショップのBEAMSがショップを限定出店されました。当日は開場から盛況で、学生やそのご家族、同窓生まで幅広く来店しショッピングを楽しんでいました。この日は様々な理由で販売することができなくなったTシャツを再利用したマクラメワークショップも開催。多くの人でにぎわった当日の様子をご紹介いたします。 常磐祭にBEAMSが限定ショップを開店! BEAMSは、ひとり親家庭を支援するNPO法人グッドネーバーズ・ジャパンと連携し、中高生の子どもを持つひとり親家庭を対象に、衣類の無償提供会を定期的に開催しています。その会場として、今年の5月に本学渋谷キャンパスの1F「JISSEN PLAY BASE」を利用されました。そのときのご縁が繋がり、常磐祭の出店が実現したのです。 陳列されたのは、新品でありながらもさまざまな理由により正規品として販売されなかった製品たち。売れ残ってしまったものや、若干の汚れなどがあるわけあり品、撮影などで使用されたサンプル品などです。これらは品質に問題はなく、新品であることに変わりはありません。そこで、今回常磐祭で価格を抑えて販売することに。手にとっていただく機会をつくることは、SDGsへの貢献にもつながります。お値段は常磐祭限定の特別価格。学生でも手に取りやすい値段に設定されました。 限定ショップは開場から盛況。多くの学生やご家族連れ、卒業生などでにぎわいました。販売員として参加したBEAMS社員の方も「もっと持ってくればよかったですね」と話すほど。楽しそうに話しながら選んだり、体に当ててサイズを見たりと思い思いにショッピングを楽しんでいました。社員の方に実践生の印象をうかがうと「皆さん、上品でコミュニケーション能力が非常に高いですね」とお褒めの言葉が。「自分から話してくれるので接客していて楽しいです」と印象を話されました。 女子大と連携することで広がる未来 限定出店に際し、経営企画本部サステナビリティ推進部の本間氏にお話をうかがいました。「5月に行われた衣類の無償提供会『Happy Family Day』から今回の出店につながり嬉しいです。『Happy Family Day』では学生の皆さんに、レジ業務や接客を行っていただきました。母の日・父の日と関連付けて、各家族へ花束のプレゼントを行ったのですが、その贈呈を学生たちにお願いしていました。積極的に動き、嬉しそうに花束を渡していたのが印象的で、楽しんでものごとに取り組める学生が多いのだなと感じました。 BEAMSはファストファッションなどに比べると価格帯が少し高いこともあり、BEAMSは働く世代がメインの購買層です。今回常磐祭に出店することで、若い世代にもBEAMSを知っていただきたいと考えました。学生がファッションについてどう考えているか、生の声を聞き商品開発に活かせればとも思っています。」 Tシャツをマクラメでアップサイクル この日はBEAMSで様々な理由で販売できなくなったTシャツを再利用した「マクラメワークショップ」も開催されました。マクラメとは、長いひもを編み込んでいくことで模様を作ったりインテリアにしたりする技法のこと。一般的にはロープで作成されるものですが、ひも状であればどんなものでも編めるのがマクラメ。今回はTシャツの胴体部分を長く切り取って作ったひもを使用します。 4mほどの長いひもを色違いで2本用意し、半分に折ります。4本になったひもを、互い違いに輪を作って通し、編み込んでいきます。編み方は一見複雑なようで、順番を覚えてしまえば意外と簡単。くりかえし編んでいくと、きれいな模様に編み込まれた結び目が連なりました。端を大きく巻いて輪を作り、ドライフラワーをひもでつなげると出来上がりです。40分前後でシックながらドライフラワーの華やかさも伴ったインテリアが完成しました。 学生もショッピングやワークショップを体験 今回のワークショップは、元BEAMSのスタッフだった小野氏が、様々な理由で販売できなくなったTシャツを再利用できないかと考え企画されました。ドライフラワーも、花屋で廃棄予定のものから作られました。学生たちにもアップサイクルの理念を知ってほしいと、今回開催されたのです。 「告知を見て、楽しそうと思って参加しました」という学生もマクラメ編みを楽しんでいました。ドライフラワーや、ひもの色などを選ぶときは真剣に見比べて決定。出来上がった作品も「部屋に飾りたい」と満足の出来だった様子です。「リサイクルは意識しているけれど、新しく物を作るというのはあんまり考えたことはなかった。アップサイクルはやったことがなかったので、こんな使い方があるんだと知りました」と語り、SDGsについても楽しく学ぶ機会になったようでした。 本学は、今後も企業や地域との連携を通じて、学生が社会課題に向き合い、学びを実践する機会を創出してまいります。
「食産業演習」の授業で太陽化学株式会社による特別講義が行われました(8/5)
「食産業演習」の授業で太陽化学株式会社による特別講義が行われました(8/5)
 生活科学部食生活科学科の松岡康浩教授が担当する「食産業演習」の授業の中で、太陽化学株式会社 おいしさ科学館理事 山口裕章氏が8月5日(火)、講演を行いました。タイトルは、「マーケット視点から見たおいしさの可視化~客観的評価を手掛かりに~」。食品の「おいしさ」を客観的に評価するための考え方と機器分析によるアプローチに焦点を当て、人間の五感と「おいしさ」の関係性を解明する多様な分析技術とその応用例を紹介し、学生たちに食産業の多様性を示しました。 ――「おいしさ」の真実に感性と科学の両面からアプローチ この日のスピーカーは、食品メーカーのパートナーとして、おいしく健康に良い食品づくりのための素材を提供し、共同開発を通じて貢献している太陽化学の山口裕章氏。始めに「おいしさ」の構成要素や「おいしさ」と五感の関係、味覚やにおいの仕組みと特性など「おいしさの感覚」について説明し、食感を表す日本語の特徴に触れました。また、人の五感すべてで感じる複雑な「おいしさ」の感覚を科学的な手法を用いて客観的に捉え、データやグラフで分かりやすく示す「おいしさの可視化」の考え方について解説しました。 さらに、機器分析による「味覚分析」「におい分析」など、「おいしさ」を可視化するための具体的な分析方法も紹介。 講義の途中には、鼻をつまんでいるかいないかでアメの味がどう変わるか検証し、2種類のチョコレートの硬さと口溶けの感覚を評価する時間も設けられました。学生たちは五感をフル稼働し、おいしさの判断には味だけでなくにおいも重要であること、食品には食感の時間軸が存在することなどを学びました。  最後に山口氏は、「食品の分析、特に人の感覚を可視化する需要は今後高まっていくと考えられる。食品業界にはこのような分野に取り組んでいる会社があると知った上で、新たなキャリアパスの可能性を探ってほしい」と締めくくりました。 太陽化学株式会社おいしさ科学館理事 山口裕章氏のコメント 今回の授業で私が最も大切にしたのは、何よりも「食のおいしさに興味を持ってもらう」ことです。これから未来を描いていく若い皆さんだからこそ、何かを食べて「おいしい」と感じるその感覚や、「おいしさ」が生まれる背景に、純粋な好奇心を持ってほしいと考えました。  我々は自分たちを「単なる食品の分析屋」とは思っていません。我々は「食品メーカー」であり「食をつくり出す者」だと考えています。その根底にあるのが、「自分の家族に食べさせても、心から安心できるものをつくる」という信念です。このことも、学生の皆さんにご理解いただけたらありがたく思います。  「食品業界って面白そう」と少しでも感じてもらえたなら、これ以上うれしいことはありません。「食」という壮大で面白い世界で、皆さんをお待ちしています。 担当教員のコメント 「食産業演習」で目指しているのは、食という大きな流れを「川上」から「川中」、そして「川下」まですべて体感し、その現場で働く方々の「生の声」を直接聞くことにあります。机上では決して得られないリアルな学びを追求することが最大の目的です。  今回の講義のように座学ももちろん行いますが、夏休み期間中の8月から9月にかけては、「川上」や「川中」を体験するために食品工場や牧場、専門的な研究所に足を運びます。生産や加工の最前線で何が行われているのか。その営みにはどのような想いが込められているのか――。それをぜひ学生たちに実感してもらいたいと考えています。  さらに「川下」にあたる消費の現場を体験すべく、教員の引率のもと、本格的な懐石料理店やフランス料理店を訪れる予定です。ただ食事をするだけではなく、そこで腕を振るうシェフ本人から、料理に注がれた哲学やこだわりを直接お伺いします。普段の授業では到底実現できない、貴重な経験が得られることでしょう。  これら一連の体験は、いわば「実践」であり「実体験」そのものです。さまざまな切り口から食産業にアプローチすることで、その奥深さとそこで働く人々の情熱が、学生たちに伝わることを願っています。
2025年度食生活オープン講座にて、雪印メグミルク、SRAジャパンとコラボした特別講義が行われました。
2025年度食生活オープン講座にて、雪印メグミルク、SRAジャパンとコラボした特別講義が行われました。
8月26日(火)に食生活オープン講座(担当:生活科学部食生活科学科 松岡 康浩 准教授)にて、雪印メグミルクの和田玲司氏と日本サステイナブル・レストラン協会(SRAジャパン)代表の下田屋毅氏をお招きし、飲食店とサステナブルに関する特別講義が行われました。講義は夏季集中科目として開講されました。学生は、課題内容に関連する講義を受けたのち、2つの課題に関するグループワークを行い、結果を発表しました。食生活オープン講座は、生活科学部食生活科学科を対象に開講されている専門科目です。企業から提示される課題に取り組む課題解決(PBL)型の授業となっています。 課題について 一つ目の課題は「飲食店での紙パックリサイクル回収率アップへの対応策を検討する」です。和田氏から紙パックそのものの性質や、全国牛乳容器環境協議会が行っている紙パックリサイクルの取り組みについて、そして回収に関する課題が共有されました。紙パックがリサイクルに非常に適していること、リサイクルを行うことによってCO2の削減に貢献できますが、飲食店において紙パックのリサイクル率の低いことを説明。 二つ目は「シェフズ・サステナビリティマニュフェスト取り組み拡大への対応策を検討する」です。下田屋氏が携わっている農林水産省フードテック官民協議会「サステナブルレストラン推進ワーキングチーム」は、消費者がサステナブルを選べる仕組みづくりを行っている団体です。その一歩としてまずは飲食店や、料理を提供するシェフがサステナブルについて知ることが重要とし「持続可能な⾷の未来へ⽇本の料理⼈・シェフのサステナビリティ・マニフェスト:2030年へ向けた17 の指針(シェフズ・サステナビリティ・マニフェスト)」を策定。その周知を行っています。 学生はそれぞれの課題についてグループワークを行いました。 成果発表 講義を踏まえて課題に対するアンサーをグループでまとめて発表しました。 課題1に対しては、指導マニュアルへの組み込みや複数店舗での共同回収、回収率の見える化など、飲食店が現実的に行える行動変化の提案、回収量に応じたリワードや専用乾燥機の導入など、現場目線の提案を中心に様々なアイデアが発表されました。 課題2に対しては、自治体とのイベント開催や認証シェフイベント、マスコットキャラクター作成、SDGsとの連携による情報発信、SNSキャンペーン、賛同飲食店をキーワードの組み合わせで検索可能なサイトなど、来店者目線の提案がされました。 班の発表の後、ゲストの二人と先生を交えて意見交換とフィードバックが行われました。 授業の最後に ゲストのお二人から総括のコメントをいただきました。 和田氏は「皆さんの環境に対する意見、紙パックリサイクルに関する提案、しっかりと受け止めました。共有を行い、活かしていきたいと思います。今回の講義をきっかけとして、皆さんもリサイクルに対する意識をより一層高めてほしいと思います」とコメント。  下田屋氏は「マニフェストに関して、これからどのように進めていくかアイディアをたくさんいただけてよかった。サステナビリティに関して飲食店側で様々な活動をしていますが、社会の構造上、消費者のニーズがないとつながっていかない部分があります。この場にいるみなさん一人一人が、サステナビリティに関する積極的な選択を重ねていくことが大切です」と総括されました。   担当教員のコメント 社会には今回取り組んだような課題がまだまだたくさんあります。問題に関わる立場はその時その時で変わるかもしれませんが、現状を知り、身近に感じ、より良い方向に向かって行動することは大変重要です。
キユーピー株式会社を招いた講義で本学の卒業生が登壇しました(8/5)
キユーピー株式会社を招いた講義で本学の卒業生が登壇しました(8/5)
生活科学部食生活科学科食物科学専攻3年生を対象とした授業「食産業演習」(担当:中川裕子准教授)の学内講義に8月5日(火)、本学の卒業生でキユーピー株式会社研究開発本部グループR&D推進部の伊藤裕子氏が登壇。キユーピーの食と健康の取り組みについて講演し、食品メーカーの視点で食産業の現状と今後の可能性を展望しました。 ――講演のテーマは「食と健康の取り組み」 この日の講義に登壇したのは、本学の卒業生で管理栄養士の資格を持つ、キユーピー株式会社研究開発本部グループR&D推進部の伊藤裕子氏。「キユーピーの食と健康の取り組みについて」というタイトルでお話をいただきました。 伊藤氏はまず、キユーピーの歴史と、1925年に日本初のマヨネーズを発売した創業者の想いや企業理念「楽業偕悦」を紹介。市販用・業務用、内食・中食・外食を網羅する「食のエキスパート」としてのキユーピーの強みを紹介しました。 続いて、マヨネーズ100周年を迎えた現在の多様な商品展開や使いやすさへの工夫、研究開発と商品企画の連携、社内外との協業など、食を創造する仕事の内容を解説。本題の食と健康戦略では、「サラダファースト」(野菜摂取促進)、「朝食摂取率向上」(欠食改善)、「適塩」(塩分過多対策)、「フレイル予防」(健康寿命延伸)の4つの社会課題解決に向けた具体的な取り組みを挙げ、国や他団体と連携しながら推進している点を強調しました。 最後に伊藤氏は、「思い切り『食』を楽しみながら、学業を通じて可能性を広げてください」と学生たちにメッセージを送り、講演を締めくくりました。  講演の後には質疑応答の時間も設けられ、多岐にわたる質問が飛び交いました。中川裕子准教授の「就職活動中の学生に求める人物像は?」という問いに対し伊藤氏は、「食が好きで、コミュニケーション意欲がある人。仕事は人と人との関わりなので、それを大切にできる人を求めている」と述べ、これから就職活動が本格化する3年生に向けて貴重な助言を送りました。 キユーピー株式会社研究開発本部グループR&D推進部 伊藤裕子氏のコメント 実践女子大学の卒業生として後輩の皆さんにお伝えしたかったのは、キユーピーは食品を製造するだけでなく、「食と健康への取り組み」を通じて社会に貢献している企業であるということです。若い学生の皆さんは、健康の課題を身近に感じる機会がまだ少ないかもしれませんが、「おいしさ」という食の楽しみを生涯にわたって味わうためにも、今から食習慣に気を配ることが欠かせません。講義で紹介した「たんぱく質診断」や「野菜の摂取量チェック」「10食品群チェック」などのツールは、自分の食生活の傾向を客観的に把握するのに役立ちます。これらを活用し、ご自身だけでなくご家族や身近な人たちの食生活改善にぜひつなげてください。  また、食の世界を楽しみながら学ぶための姿勢についてもお話ししましたが、これからは商品の変化にぜひ注目いただきたいと思います。現代は商品のサイクルが驚くほど速く、新しいものが次々と登場します。街の店舗の移り変わり、そこに並ぶ商品の変化に意識を向けることで、きっと新たな発見があるはずです。  学業を通じて可能性を広げ、何より「食」を心から楽しんでほしいと願っています。 担当教員からのメッセージ 「食産業演習」では、食品の生産から消費までを包含する、フードシステム全体に関わる仕事への理解を深めることを目的としています。そこで今回は、本学の卒業生の伊藤氏をお招きし、日本にマヨネーズを広めた老舗食品メーカー、キユーピーの食と健康の取り組みについて伺いました。商品開発といった仕事内容に加えて、製品製造にとどまらないSDGsなど社会的課題への取り組みについてもお話をお聞かせいただき、学生たちは仕事の幅の広さや食品メーカーとしての社会的責任の重さを実感したようです。質疑応答では、業務内容に加えロゴの扱いなど多彩な質問も飛び交い、非常に有意義な時間となりました。  この「食産業演習」は、これから就職活動を本格化させる3年生にとって貴重な業界研究の場でもあります。キユーピーという企業への理解により、食品関連業全体への興味関心が高まることを期待します。
学生が考案!丸紅プラックス株式会社の容器を活用したメニュー提案が、2025年度食生活オープン講座で行われました。
学生が考案!丸紅プラックス株式会社の容器を活用したメニュー提案が、2025年度食生活オープン講座で行われました。
8月7日(火)に生活科学部 食生活科学科の専門教育科目である食生活オープン講座にて、丸紅プラックス株式会社(以下丸紅プラックス)から産業資材本部産業資材第二部主任の神谷裕美氏と管理本部総務人事部の先川祥弘氏をお招きし、課題に対する成果の発表が行われました。 発表の前に 食生活オープン講座は、生活科学部食生活科学科の学生を対象に開講されている専門教育科目です。企業から提示される課題に学生が取り組む課題解決(PBL)型の授業となっています。丸紅プラックスから提示された課題のテーマは「丸紅プラックスの容器を活用した弁当の提案」。学生が実際の店舗に足を運んだ市場調査と中間発表を経て、最終成果を発表しました。発表の後は学生間投票で優秀賞が決定し、賞状の授与が行われました。 1班:ベジっと!うどん 市場調査の結果、冷凍食品には選択肢が少ないこと、そして「野菜の豊富さ」を打ち出した商品が特に女性から支持されていることが分かりました。そこで1班は、野菜をたっぷり使った冷凍弁当「ベジっと!うどん」を提案しました。 ターゲットは、ヘルシーな食事への関心が高い女性層と、栄養バランスが課題とされる高齢者層です。蒸し野菜を中心に、鉄分・ビタミンなど不足しがちな栄養素を補えるように工夫し、消化の良いうどんと組み合わせることで、健康的で食べやすい弁当に仕上げました。 商品は透明なフタ付き耐熱容器で提供し、彩り豊かな見た目をそのまま楽しめる設計に。電子レンジで手軽に調理できる点もポイントです。冷凍・レンジ調理が可能な容器の特性を最大限に活かしています。パッケージは透明デザインを採用し、ロゴのみでシンプルに情報を伝える工夫がされています。 さらに「ベジっと!うどん」は主食やソース、トッピングを変えることで幅広いバリエーション展開が可能。実際に「ベジっと!ペンネ」などの試作も行われ、ソースによる味の違いが好評という結果が共有されました。 販売はコンビニやスーパーに加え、冷凍食品の強みを活かしたネット販売も想定。価格は700円以内に設定し、SNSでは「温活」「健康志向」といったキーワードを用いた発信を計画しています。学生が考案した商品である点もアピールポイントとしています。 2班:世界プチ旅行弁当 市場調査では、営業時間や店舗規模の異なるスーパーの弁当コーナーの比較を行いました。その結果、彩りや食体験を重視した弁当へのニーズが明らかに。これらを踏まえ、「目で楽しみ気分を変えられる世界を旅する弁当」をコンセプトに、世界各国の料理をブッフェ形式で選ぶことができる「世界プチ旅行弁当」を提案しました。 ターゲットは「海外旅行に行きたいけど行けない人」や「食による気分転換を求めている人」。購入者は、国ごとの代表的な料理を一品ずつ選び、区切りのある容器に盛り付けることで、異なる料理の味が混ざらない工夫を施しました。さらに、容器は多国籍認証であるFSC認証を受けたエコ素材容器を使用することで、環境への配慮もアピールします。 また、リピーター向けの仕掛けとして国旗ステッカーを取り入れました。料理に添えられている小さな国旗のピックを、耐久性のあるステッカー素材にすることで、コレクション性を高めました。加えて、展開例として各国のスイーツを集めたアフタヌーンティーボックスも紹介され、幅広い提案がされました。 価格は980円に設定し、プチ贅沢な特別感を演出しました。宣伝方法としては、店頭のPOPやSNS広告を活用するほか、ブッフェ形式ならではの特徴を活かし、購入者自身が「自分で選んだ弁当の内容」を発信することで話題性を広げる戦略としました。 3班:Salaporte(サラポルテ) 3班は、市場調査として訪れたデパート地下食品売り場で、サラダの需要の高さに着目しました。一方で、販売されている商品の多くは彩りが欠けていることを分析。これらを踏まえて、華やかな見た目と1日分の野菜の2分の1が摂取できるヘルシーさを兼ね備えたサラダボウル「Salaporte」を提案しました。この名称は、“サラダ”とフランス語で『運ぶ』を意味する“ポルテ”を組み合わせた造語です。 ターゲットは20~30代の健康志向の女性で、フルーツ・ナッツ・チーズを使用していることが大きな特徴です。近年SNSで華やかなサラダボウルが流行していることを背景に、彩り豊かなサラダを考案しました。 また、恒常メニューに加えて季節限定商品を展開し、旬のフルーツを楽しめる仕組みを提案。そして、容器は既存のものをベースに、ボタニカルなデザインとドレッシングを効率的に使用できる容器を提案し、フランス風のコンセプトと環境に配慮したエコ容器を組み合わせることで、脱プラスチックを意識した欧風イメージを打ち出しました。 デパートの地下食品売り場での販売を想定し、価格は800円~1200円と設定。自分へのご褒美や気分転換にもぴったりな商品としました。 4班:まんぷくミニパレードBOX 4班は市場調査として、価格帯の異なる複数のコンビニエンスストアを比較・分析。その結果、共通して「健康志向」と「環境意識の高さ」が重視されている点に注目しました。また、近年人気のグルテンフリー食品については、「健康的ではあるものの満足感に欠ける」という課題を抽出しました。 この課題を踏まえ、ダイエット中の人や健康志向の人、アレルギーを持つ人をターゲットにした「まんぷくミニパレードBOX」を提案しました。コンセプトは「目でも楽しめて、しっかり満足できるヘルシー弁当」。パレードのように多彩な料理が並ぶ楽しい見た目にすることで、食の制限がある人にも食べる楽しさを感じてもらえる工夫をしています。 メニューにはパンケーキ・フルーツのコンポート・キッシュ・ナゲットを採用。料理はすべて米粉や豆腐など、低アレルゲンかつ健康的な素材を使用します。「ナゲットに使用する豆腐はきちんと水切りを行う」など、調理法や食感にもこだわり、満足感のある味わいを実現しました。容器は区切りのあるタイプを使用し、多種類の料理を美しく盛り付けられるように配慮しています。 販促方法としてSNSや店頭POPを活用し、価格は900円程度を想定。販売場所としては、キッチンカー・スーパー・コンビニなど幅広い展開を計画しました。 5班:夏野菜チーズカレードリア 5班は市場調査を通じて、弁当における「健康志向の高まり」「季節感の演出」「彩りの工夫」が重視されていることを発見。これらの要素を取り入れ、20代を中心に幅広い世代に人気のあるカレーをベースにした「夏野菜チーズカレードリア」を提案しました。 ターゲットは、健康や食生活に気を配りながらも満足感のある食事を求める若年層や社会人です。旬の夏野菜をふんだんに使用し、見た目にも華やかで季節感のある一品に仕上げました。ごはんには雑穀米を取り入れて、彩りと栄養価をプラス。さらにカレーのルーに刻んだ野菜を加えることで、1食で1日の野菜摂取量の半分を補えるよう工夫しました。チーズは低脂肪のものを使用し、ヘルシーさにも配慮しています。 容器には、耐水・耐油に加えて冷凍保存やオーブン加熱も可能な素材を採用。調理の流れとしては、製造後に冷凍保存し、販売店では冷蔵保存で管理。提供時にはオーブンでチーズに焼き目をつけることで、アツアツで香ばしい状態で販売できるようにしました。 冷凍保存が可能な点を活かし、販売数に応じた柔軟な調整が可能となり、フードロス削減にもつながります。さらに、テイクアウト販売にも対応可能なため、キッチンカーなど多様な販売形態の展開も可能です。 宣伝方法としてはSNS広告や店頭看板を活用し、弁当の価格は750円程度を想定。夏の暑さで食欲が落ちやすい時期にも、野菜たっぷりで満足感のあるヘルシーな一品として提案しました。 6班:夏バテ防止スープカレー弁当 6班は市場調査として、揚げ物弁当専門店や駅併設の商業施設の食品売り場を訪問。その結果、弁当における「見た目の美しさ」や「売り場のライスの選択肢の豊富さ」の2点に注目しました。この調査を踏まえ、旬の野菜に素揚げのひと手間を加えた彩り豊かな見た目と、選べるご飯で楽しみ方を広げられる「夏バテ防止スープカレー弁当」を考案しました。 食材には立川産の野菜を使用し、地産地消を意識することで地域とのつながりを大切にしながら、ヘルシーで満足感のある商品を目指します。ご飯は、白米・ターメリックライス・雑穀米の3種類から選べる形式とし、リピーター獲得を狙っています。 ターゲットは「立川に勤務する健康志向のオフィスワーカー」。通勤途中や昼休みに手軽に購入できるよう、キッチンカーでの販売を想定しています。価格は900円程度に設定し、ランチとして無理なく購入できる価格設定としました。 販促ではSNS広告を活用し、地域限定ターゲティングを実施。「地産地消」や「一食で手軽にたっぷり野菜」などのキーワードを軸に商品価値を発信します。 7班:からだ想いの彩り弁当 7班は市場調査において、店舗ごとの売り方の違いや共通点を比較しました。その結果、弁当選びにおいて「健康志向」「環境への関心」「見た目の美しさ」が重要な要素であることが明らかになりました。加えて、栄養の偏りやフードロスといった社会課題にも着目し、これらを解決する「からだ想いの彩り弁当」を提案しました。 ターゲットは健康志向の女性。旬の野菜を豊富に使用し、「季節のごはん」「豆腐入りつくね」「トマト入りだし巻き卵」や「だし茹でにんじん」など、彩り鮮やかでヘルシーな料理を盛り込んでいます。容器は多くの料理を美しく分けて盛り付けられる構造を採用しました。 食材には、規格外野菜を活用してフードロスを抑え、地元産野菜を使用することで地域経済の循環にも貢献します。さらに、販売エリアに合わせて中身をカスタマイズできる柔軟性も備えています。 販売場所はデパートの地下食品売り場を想定し、価格は1000円前後に設定。和食の持つヘルシーさと、美しさを兼ね備えた商品として、現代のライフスタイルに合った形で「和の食文化」を発信します。 授業の最後に すべての班の発表が終了したあとは、最優秀賞を決める学生間投票が行われました。学生たちは事前に配布された評価シートをもとに、他班の発表を評価し投票を行います。 結果はなんと、1班と2班が同率一位という接戦に。最終的に神谷氏と先川氏の協議の結果、「容器について深堀していた」という観点から、最優秀賞は1班に決定!受賞した1班には賞状が授与されました。 授業の終わりに、企業担当者のお二人から授業の総括のコメントをいただきました。 神谷氏は「初回講義で容器の説明をさせていただきましたが、その特徴をしっかり理解していると感じました。商品の提案に至るまでの市場調査など、想像以上に熱心に取り組まれていて参加させていただいて本当によかったです。多くの班が宣伝方法にSNSの活用を挙げていましたが、SNSを使って世の中にどう広めていくかという点は、実際に今課題として抱えています。SNSを活用しようとする姿勢は今後社会に出てからも活きていくと思います」とコメントされました。 先川氏は「調査をしっかりしたうえでターゲットを明確にし、それに向かってアプローチしていく姿勢は、将来仕事をしていく上で大切な考え方だと思います。プレゼンテーションでは、ただ話せることに加えて、プレゼンツールの活用や相手の意図・気持ちを理解した提案が重要になっていきます。今回の経験を通して学んだことを、今後も継続していくことで、将来必ず役立つはずです」と発表をきいた感想を述べました。 担当教員のコメント 食品の流通・販売において「容器」は欠かせない存在です。丸紅プラックス株式会社様は、環境に配慮したエコ容器「EUCALP(ユーカルプ)」を開発されており、今回この容器を活用したお弁当のメニュー開発という貴重な課題を提案してくださいました。連携がスタートした5月、神谷様よりユーカルプの特徴をご説明いただき、これをもとに学生たちは7月の中間発表に向けて市場調査や試作を重ねました。私からは、「ユーカルプの特徴を最大限に活かすこと」と「丸紅プラックス様の容器だからこそ実現可能な提案であること」を強く意識して取り組むよう伝えました。最終発表では、すべての班がこの視点を反映させ、学生らしい個性豊かな発表を行ってくれました。特に1・2年生が中心で調理実習の経験も浅い中、各班が何度も試作を重ね、自分たちのお弁当の写真を使って堂々とプレゼンテーションをしてくれたことは、とても頼もしく感じました。丸紅プラックス株式会社のお二人からいただいたご講評にもありましたように、この経験は今後の社会人生活において必ず活きるものと確信しています。神谷様には各班の発表ごとに大変前向きなフィードバックをいただき、学生にとって商品提案を考えるうえで貴重な学びとなりました。今回の社会連携授業は、学生にとって非常に実り多い経験となったと感じております。改めまして、神谷様、先川様をはじめ丸紅プラックス株式会社の皆様に心より御礼申し上げます。
学生が考案!株式会社東京サマーランドで販売を想定したメニューの提案が、2025年度食生活オープン講座で行われました。
学生が考案!株式会社東京サマーランドで販売を想定したメニューの提案が、2025年度食生活オープン講座で行われました。
8月7日(火)に生活科学部 食生活科学科の専門教育科目である食生活オープン講座にて、株式会社東京サマーランド(以下サマーランド)から経営企画室課長の田村 修平氏と経営企画室兼営業推進部企画宣伝課の高見 哲平氏をお招きし、課題に対する成果の発表が行われました。 発表の前に  食生活オープン講座は、生活科学部食生活科学科の学生を対象に開講されている専門教育科目です。企業から提示される課題に学生が取り組む課題解決(PBL)型の授業となっています。サマーランドから提示された課題のテーマは「プール遊園地施設における商品提案」です。5月末に実施された現地調査と中間発表での意見交換をふまえ、各班が試行錯誤して、考案・開発した最終成果を発表します。 1班:スノーバーガー 1班は現地調査で、天候によって来場者の行動が変化すること、ファミリー層が多いことを分析し、飲食の簡便さと軽食に需要があることに着目。「現地調査で食べたバーガーのバンズがおいしかった」という経験から、アイスをバンズで挟んだ「スノーバーガー」を提案しました。 ハンバーガーのバンズにアイスがサンドされている見た目のインパクトで、映えるビジュアルを実現。手を汚さずに食べられる工夫を取り入れたアイスの提案をしました。さらに、バンズを事前に仕込むことにより提供時の工程を削減。約1分で商品を提供できるスムーズさと、アイスとバーガーの意外な組み合わせの斬新さで、購買意欲を高めます。販売戦略としては、SNSでのハッシュタグ活用やインフルエンサーとの連携を予定。販売価格は500円としました。 2班:ぱちぱちストロベリーソーダ 2班は、現地調査から、飲食を持ち込みをしている来場者であってもつい購入したくなるインパクトが強い商品に集客力があること、屋内の暑い環境では冷たいメニューの需要が高いこと、また飲食の持ち込みをしている来場者ほど軽い飲食物を購入する傾向にあることを分析。自分でひと手間加えて完成させる体験型のフードに着目し、口に入れるとぱちぱちはじける粉末を自分でドリンクに入れる「ぱちぱちストロベリーソーダ」を提案しました。 「ぱちぱちストロベリーソーダ」はアクティブさを邪魔しないベリーと炭酸のさわやかさと鮮やかなビジュアルで、五感を使って楽しむことににこだわったドリンクです。試作段階では「ぱちぱちと弾ける音が10-20分ほど持続していた」と、味や見た目だけでなく音でも楽しめる”五感”で味わう体験型ドリンクを実現。ターゲットは20代の若者とし、価格は手の届きやすい500円と設定しました。宣伝方法にはSNSの発信や場内看板を活用し、多くの来場者に魅力を伝えます。 3班:シャリっとサマージェノベーゼ 3班は現地調査の結果、既存のフードには冷たい主食がないことに着目。加えて、夏に求められている食の要素として「あっさりとした味付け」が好まれること、夏野菜の中ではトマトが人気であるという調査結果を重ね合わせ、冷凍トマトを使用した「シャリっとサマージェノベーゼ」を提案しました。若い女性や家族連れの母親をターゲットに、こってりした味付けが多い既存のフードとの差別化を狙いました。 フローズントマトを使用することで、時間がたってもひんやりと冷たい状態を保つことができる食事を実現。他の材料はジェノベーゼソース、エビ、チーズを使用し、さっぱりとした味で満足感のあるフードを目指しました。 販売価格は、園内の既存フードの価格を参考に、1000円と設定。SNSでは実際に食べている様子を発信し、購買意欲を高める戦略としました。 4班:青空ふわもこソーダ 4班は現地調査の際に購入した、自分で手を加える体験型フードに着目。手を加える楽しさとロゴ入りドリンクをコンセプトに「青空ふわもこソーダ」を提案しました。 作り方は、カップの側面に雲に見立てた生クリームを塗布し、そこにバタフライピーティーと炭酸水を注ぎ、仕上げに綿あめを乗せてロゴ入りのストローを指して完成です。青空を表現するためのバタフライピーティーの配分にこだわり、試作では最もきれいに青空を再現できる色味を検討しました。 ターゲットは中学生から20代までの若年層。販売価格は手に取りやすい700円に設定。販促にはSNSを活用し、綿あめを溶かしながら飲む様子を動画で紹介し、「実際にやってみたい」と思わせ、購買意欲につなげます。 授業の最後に 発表後、田村氏と高見氏による協議を経て、最優秀賞が決定しました。 見事受賞したのは4班の「青空ふわもこソーダ」。賞状の授与と、副賞としてサマーランドワンデーパスが贈呈されました。 授業の終わりに、企業担当者のお二人から総括のコメントをいただきました。 田村氏は「提案していただいたメニューはどれも独創的でした。発表の中に動画を取り入れていたチームがあったと思います。昨今SNS発信では動画の活用が非常に多いです。特にショート動画(15-60秒の動画のこと)のように、短時間でインパクトを与える手法は、現在のニーズに合っていると感じました。サマーランドとしては飲食店の回転率も重要視しており、その点で調理工程がシンプルであることは大事な視点です。どの班もすばらしい発表でした」とコメント。 高見氏は「発表内容はとても素晴らしかったです。プレゼンテーションにおける見やすさや伝わりやすさの工夫は、経験を重ねることで身についていくものだと思います。発表する環境によっては、資料の色使いなどにも配慮されるといいと思います。また、サマーランドの客層や来場者の行動は季節により大きく変化します。今の時期は夏休みのため、ファミリー層に加えて学生も多く来場します。今回の視察での分析が非常にしっかりしていたからこそ、変化を想像し別の視点で考えるとどのような結果になるのかも興味深いと感じました。今後同様の発表の機会があれば、そうした点にもぜひ意識を向けていただけたらと思います。」とフィードバックしました。 担当教員のコメント プール遊園地施設における商品提案という課題に対して、東京サマーランドの方から、お客様視点ということが重要視されました。 現地視察の日はあいにくの天気でしたが、参加した学生は、施設を楽しみ、それぞれの視点で園内の環境や飲食店のメニュー、客層など詳細に分析することができました。その成果が最後の提案発表につながっていたと感じます。また、発表後のフィードバックでもご意見をいただき、調理設備や使用できる材料、回転率重視など、商品提案の難しい部分も感じることができたことは、大変よい経験となったのではないでしょうか。 東京サマーランドの田村様、高見様には、講義から始まり、現地でのご案内、最終発表のご講評まで関わっていただき、改めまして、お礼申し上げます。おかげさまで学生達はやりがいを感じながらも楽しく授業に取り組むことができました。 一連の活動が、自信となり今後の学びや課外活動につながることを期待します。
2025年度キャリアデザインの授業で、オリエンタルランドとコラボした課題に対する発表が行われました。
2025年度キャリアデザインの授業で、オリエンタルランドとコラボした課題に対する発表が行われました。
7月8日(火)にキャリアデザイン(担当:文学部国文学科深澤晶久教授)にて、株式会社オリエンタルランド(以下オリエンタルランド)からマーケティング本部コンテンツ開発推進部長の横山政司氏と、マーケティング本部コンテンツ開発推進部ロイヤルティマーケティンググループマネジャーの伊藤大樹氏を招き、課題に対する提案が行われました。今回学生が取り組んだミッションは「あなたは、コンテンツ開発推進部に配属されたオリエンタルランドの新入社員です。人口減少社会でハピネスを提供し続けるために、Z世代のファンダフルディズニー会員を獲得する施策を提案してください」。学生たちは2週間かけて取り組んだプランを提案しました。課題が発表された授業の取材記事はこちら(https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/8806/)。 全部で9つの班が発表を行い、伊藤氏から最優秀賞と優秀賞が発表されました。今回は受賞したふたつのグループの発表内容を紹介します。 最優秀賞:1班 ターゲットは、比較的時間と経済的余裕のある大学1~4年生に設定。ターゲットを対象としたアンケート調査を、インスタグラムとグーグルフォームを用いて行いました。その調査結果から、そもそもファンダフル・ディズニーを知る機会が少なく、特典の魅力も十分に伝わっていないことを課題として設定しました。また、ファンのニーズと会員特典が合致していないのではないかという点も課題に挙げました。 ファンのニーズと会員特典の合致を目指し、「コース別ファンダフル・ディズニー」を提案。入会時に「アトラクション」「フードとショー」「グッズ」の3つから希望のコースを選べる制度で、それぞれのコースに沿った特典が用意されます。既存会員も追加料金なしでコースを選択可能とし、満足度の向上と離脱防止を図ります。 さらに、会費については、年払いに加えて月払い制度の導入も提案。大学生にとっては、月払いの方が加入の心理的ハードルを下げやすいので、まずは月払いで気軽に入会してもらいます。そして、会員を継続する中で年払いへ移行する流れを想定しています。また、段階的に外国籍の方の入会も視野に入れるなどの方針を紹介しました。 最後に、認知度向上のためにZ世代に人気のインフルエンサーを起用したSNS発信や、駅構内での広告展開を組み合わせたマーケティング戦略を提案。認知を広げ、自発的な興味・検索行動へとつなげることを狙いました。 伊藤氏は「調査結果を反映させて終わりではなく、既存のコンテンツとの違いを出すためにどうしたらよいかを掘り下げて検討し、「コース別」という切り口の提案にたどりついたのは面白かったです。認知度の課題に対しても具体的な提案をしてくれました。発表も、アンケート結果を出発点に全体の施策につなげていく構成で、ストーリーが見えやすく、非常に良い提案でした。」と受賞理由を紹介しました。 優秀賞:6班 ターゲットを「地方在住のZ世代」と定義し、課題として以下の2点を挙げました。1つ目は、地方に住んでいるとパークに何度も行けず、お金もかかるため、地方在住のZ世代にとって入会のメリットが感じづらいこと。2つ目は、情報発信が首都圏在住者やリピーター向けに偏っており、ファンクラブ自体の認知度が低いことです。 そこで、地方在住のZ世代を対象に「出張ファンダフルイベント」を提案しました。これは、キャラクターが実際に各地域を訪れ、パークでは見られないご当地限定衣装での撮影会、抽選でのグッズお渡し会など、直接ふれあえる体験型イベントです。地方でディズニーパレードを実施した際に大きな反響があった事例を挙げ、地元でディズニーを楽しめる機会には高い需要があると説明しました。これは、パークに行きたくても距離や費用の面で難しいZ世代に、魅力的な体験を提供できるという提案です。また、参加者によるSNS投稿を通じて、ファンクラブの認知拡大や入会促進も狙います。 さらに、SNS上でファンクラブコンテンツの一部を公開し、全貌は会員のみ閲覧可能にすることで、「会員になる特別感」を演出することも提案しました。実際に同様の戦略で、ファン限定コンテンツの会員数が3倍になった成功事例も紹介し、SNSと会員制の連動による効果の高さを強調しました。 この施策を通じて、地方にいてもディズニーの世界観に触れられる機会を提供し、新規会員の獲得と既存会員の継続意欲の向上を目指します。 伊藤氏は「遠方に住んでいて来園が難しい方にどのようにつながりをもってもらうか、という点は我々も課題に置いていたところです。地方で行うファンミーティングなど、いろいろなことをやりたいと考えていたので、共感する内容が非常に多い提案でした。」と受賞の理由を紹介しました。 授業の最後に 受賞したグループには記念品としてディズニーグッズが贈呈されました。 伊藤氏から「短い期間でここまでの提案内容を仕上げたことが素晴らしいと思います。全部で9つの班の、若い世代の声が反映された発表を聞いた時間は非常に有意義なものとなりました。特に知名度の低さとSNS活用の意見は受け止めて、ファンダフルを運営しているチームにもしっかり共有させていただいて、この先につなげていきたいと思います」とコメント。 横山氏からは「ターゲット設定はどのグループも苦労したと思います。ターゲットの掘り下げをさらに行うと、より詳細なアプローチを提案できたと思います。顧客の解像度をどんどん高めていかないと、適切な提案は行えません。この視点は社会に出てから重要になります。今回の提案に当たりアンケート調査を実施したことはよかったのですが、アンケートでは見えてこないターゲットのリアルなニーズをつかむことは提案を行う上で非常に大切です。社会人になったら、ぜひ意識していただければと思います。」と総括の言葉をいただきました。 担当教員のコメント 毎年、多くの学生が楽しみにしている「キャリアデザイン」におけるオリエンタルランド社との連携講座が行われました。本年度も、昨年と同様とてもリアルなテーマを出題いただき、学生にとってのハードルは例年以上に上がったものの、深く企業や、仕事のことを考察する時間となりました。学生にはとても身近な企業であるものの、やはり仕事という側面で考えることは、本当に意義ある取り組みになったものと考えます。 横山様には、毎年、中間段階でのフィードバックを含め、プレゼンテーション当日まで、ご丁寧にアドバイスをいただき、学生にとっては、仕事の厳しさも学ばせていただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。就職活動を目前に控えた学生にとって、働くこととは、仕事とは、そして企業とは、一人一人が自らと向き合い、限られた時間でチームとして成果を出すことの重要性など、どこまで深く考えられるかが重要であることに気づいて貰えればと考えています。横山様、伊藤様には、改めて感謝申し上げます。