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社会システム論の授業で、東洋製罐との連携「Can詰めプロジェクト」の最終発表会が行われました
11月14日(金)に社会システム論(担当:人間社会学部ビジネス社会学科 篠﨑香織教授)にて、東洋製罐株式会社(以下東洋製罐)と連携し、「受験生に寄り添う缶詰」の企画提案が行われました。東洋製罐と連携した商品開発の授業は、今年で4年目を迎えます。 授業と企業連携について 社会システム論は、人間社会学部の学生を対象とした専門科目です。この授業では、これまでの自身の経験を題材として議論を行い、社会システムを「コミュニケーションの連鎖」として捉える視点を学んでいきます。学生は、時代の変化を踏まえつつ、社会を分析する視点を身につけます。 本授業では東洋製罐と連携を行い、学生が企画・提案を行う「Can詰めプロジェクト」が実施されました。「Can詰めプロジェクト」は、受験生の悩みの解決を目指して、すでに大学受験を経験してきた学生が、どの時期の、どのような悩みを、どのように解決するのか、問題を発見するところから取り組む企画です。個人のワークからグループワークを経て、アイデアをまとめ、東洋製罐の皆さまにプレゼンテーションします。その後、履修学生による相互評価と、東洋製罐の皆さまの評価を総合して、実物化するアイデアを決定します。実物化された缶詰は、次年度のオープンキャンパスで配布する予定です。 篠崎教授は初回授業の説明で「企画の目的である受験生の不安を解消することに、東洋製罐さんが考える缶詰の役割である『守る・支える・伝える』の意味を重ね合わせたプロジェクトです。私たちが普段商品選択の際に当たり前に行っている取捨選択を『商品とのコミュニケーション』と考え、みなさんが考案する缶が『メディア(媒介)』の役割を担い、受験生に皆さんの想いが伝わるように、『コミュニケーションすること』を意識してほしい」と学生に話しました。 最終発表会には、東洋製罐の技術開発統括室から村瀨健氏と千地早紀氏、基盤技術開発部から伊藤蒼一朗氏、メタル技術開発部から池山哲良氏がご参加くださいました。全5チームの発表順番は挙手制により決められ、順番に発表が行われました。 これで受験も良い缶じ!! チームねこ缶の目的は、受験当日の「勉強以外の失敗を予防」し、受験生の「緊張を和らげる」ことです。その背景として、試験当日に62%もの受験生が勉強以外の失敗を経験している調査結果と、進学校の生徒でも強い緊張を感じるデータから、勉強量に関わらず対策が必要と説明しました。 缶の中身は〈受験完全攻略すごろく〉と、〈香り付きの練り消し〉です。 すごろくは、学生の体験談に基づき、起こりうる勉強以外の失敗例を知ることで、その予防と心づもりを促します。紙の切り取りでコマが作れる点や、さいころサイトのQRコード記載など、缶の内容だけで遊べる工夫も凝らしました。裏面には「深呼吸」「ツボを押す」といった具体的なリラックス行動が記載され、緊張対策を伝えます。 練り消しは、香りや懐かしさによるリラックス効果に加え、練るときの指先の反復動作による落ち着き効果を狙いました。 缶のデザインは、合格を連想させる桜のモチーフをAI生成画像で作成。受験後もインテリアとして利用できるよう、部屋になじみやすい色合いに仕上げました。大学ロゴと「未来を切り開ける」というメッセージを英語で添えています。 受験探偵☆お悩み解決~受験探偵事務所~ Dチームの目的は、受験生が抱える大学生活への漠然とした不安を解消することです。調査結果から、高校生が大学生活の中でも特にバイトやサークルに興味を持っていることを紹介し、この関心に寄り添い、具体的な情報を提供することで不安を解消できると述べました。この企画提案のプロセスを探偵に見立て、「探偵事務所」をコンセプトとしました。 中身は、受験生に向けた報告書風の手紙、付箋、そして一部に封入する限定の缶バッジです。 手紙は、在校生へのアンケートに基づき、大学の魅力やファッション事情など誰でも役立つデータで構成され、具体的な情報提供で不安を解消します。また、応援メッセージも封入し、受験生へエールと共に安心感を届けます。 付箋や缶バッジは、調査結果から「高校生に人気の実用アイテム」として採用。特に缶バッジは100個中10個のみの限定封入にすることで、缶の価値向上を狙いました。 缶のデザインは、レンガを背景に探偵風の服装をした女の子を大きく印刷し、調査中のイメージを連想させることで、探偵コンセプトを明確に伝えます。 笑って簡単合格! チームダジャレは、大学受験の日程が発表される5〜7月の高校3年生をターゲットに、「笑い」をキーワードにした缶詰を提案しました。背景として、不安や緊張の感情によって増えるコルチゾール(ストレスホルモン)が脳の記憶に関する働きを鈍らせることを紹介しました。続けて、コルチゾールによって鈍った脳の部位は「笑い」によって働きが活性化することを述べ、「笑うことで自律神経のバランスを整え、効率的な勉強につなげる」ことを目的としました。 缶には、ダジャレで語呂合わせがされている英単語帳、受験日程整理シート、そして実践女子大学の受験日程QRカードを封入。 ダジャレ英単語帳は、受験生が「クスッと笑える」息抜きを提供し、笑いによって脳を活性化させ、より勉強がはかどる状態をサポートします。日程整理シートは、受験日程調整にかかる時間を効率化し、「勉強に時間を費やしたい」という悩みの解消を狙いました。 缶のデザインは、白地に黒のドット柄を採用。困難に立ち向かう自信の表明として使用される「I can do it!」に缶をかけた「I 缶 do it!」という英文を印刷しました。英文を隠せばただの小物入れに見える、再利用を考えたデザインです。 咲かせよう、自分だけの春。 まなび日和は、実践女子大学の「上品さと温かさ」を受験生に伝えることや、自分も入学して企画に挑戦したいと思えるきっかけを作ることをテーマにしました。調査結果から、高校3年生の約8割が勉強法に不安を持ち、推薦入試などでは面接など勉強以外の対策の悩みも大きいことを紹介。「これらの不安感に寄り添うアイテムを提供したい」と述べました。 缶の中身は、入試や勉強のアドバイスが詰まった小冊子と、しおりです。 小冊子は、アンケートに基づいた具体的なアドバイスで構成し、受験生の持つ不安を解消し、心が軽くなることを目指しました。 しおりは、参考書に挟んで使用する実用性の面から採用。ドライフラワーをイメージしたデザインで、手作りの温かさで応援の気持ちと特別感を伝えます。また、ガラス瓶の形にすることで「努力や思い出を瓶に詰める」というメッセージを込めました。 缶のデザインには、合格を願う「桜咲く」という思いを込めました。色は学校のイメージカラーである紫とピンクを中心に、柔らかで温かい雰囲気に仕上げ、「春に向かって頑張ろうと思ってもらえる」ようなデザインを提案しました。 不安感から安心”缶”へ おまもり缶パニーは企画のコンセプトを「不安感から安心”缶”へ」と紹介。高校生が抱く受験に関する不安感の現状として、進路を考える際に不安な感情を抱く人が多いという調査結果を共有しました。また、保護者も子供の精神面や距離の取り方に悩んでいる調査結果を引用し、受験生とその家族の両方の不安に寄り添うことを意図しました。 缶の中身は、メッセージカード2枚、カイロ、お守りです。 メッセージカード1枚は、在校生から受験生へエールを送る手紙、もう1枚は白紙で封入。白紙のカードには、「応援メッセージを書いてもらいたい人に渡せるように」という意図が込められ、応援してくれる人がいることを形に残すことで受験生の背中を押します。 お守りは、そのメッセージカードが入れることができる工夫がされており、試験当日に持ち歩くことで「大切な人からの応援を身近に感じる」ことができます。 カイロは、指先の冷えが筆記試験に影響することから、学生の経験に基づき採用されました。 缶詰の効果として、「『自分は応援されている』という確信を持ってもらうことで不安感を安心感に変え、頑張ってみようという前向きな気持ちを引き出すことができる」と説明しました。缶のデザインは、ベージュとブラウンのグラデーションを基調とし、受験生の机の上に置いても違和感のないものを提案しました。 授業の終わりに 最後に総括として村瀬氏からコメントが寄せられました。 村瀬氏は「みなさんの感性や気持ちが素直に盛り込まれており、聞いていてとても楽しい発表でした」とにこやかに話し、「アイデアを考える中で調査をしたり、提案するもののネーミングを考えることは、商品企画上大変大切な要素となります。ネーミングは、それを変えただけで売り上げが変わることがあるほど、重要です。調査については、モニターや対象者以外の人からもデータを取ると、さらに良い企画につながります」と今後の授業にむけたアドバイスを寄せました。 篠﨑教授は、「各チームが、受験の悩みの根幹を探り、発見した問題に対して深く掘り下げて検討したことがわかる発表でした。少し先になりますが、皆さんの想いが受験生に届き、このプロジェクト参加したくて実践女子大学にきたという新入生に出会えることを楽しみにしています」と述べました。 実物化するアイデアが決定したら、缶詰めにする作業はまごころを込めて履修者全員で行います。 担当教員からのメッセージ 東洋製罐株式会社テクニカルセンターの皆さまのご協力のもと、本プロジェクトは4年目を迎えることができました。活動を続ける中で、2023年に配布した「赤本缶」を知っている、2024年に配布した「おふろ×ミュージック缶」を持っていると話す学生に出会う機会もあり、取り組みの広がりを実感しております。今夏には「女子大応援隊!缶」をオープンキャンパスで配布し、多くの来学者の皆さまにお届けすることができました。 「缶」がもつ本来の価値に加え、受験生の悩みに寄り添い、学生の想いをいかに込めて届けられるか——。私たちの挑戦は、これからも続いてまいります。 今年度は、東洋製罐株式会社のホームページならびに東洋製罐グループホールディングスのホームページ(社会貢献活動ページ)に、本プロジェクトの記事を掲載していただきました。 改めまして、深く感謝申し上げます。
人工石の指輪を広めたい!「実践デザインラボⅠ」の授業でBrillar代表取締役の小原氏による特別講演が行われました。
「実践デザインラボⅠ」(担当:人間社会学部社会デザイン学科 標葉 靖子教授)の授業では、11月14日より株式会社Brillar(ブリジャール)との特別コラボ授業がはじまりました。ダイヤモンドに負けない輝きを誇る人工石を使ったジュエリーブランドで、小原亦聡氏がゼロから立ち上げた現在も成長を続けている企業です。女性一人が手探りで立ち上げた新しいジュエリーの可能性に、学生たちも強い関心を寄せ、真剣に耳を傾けていました。 多様なバックグラウンドを活かして活躍 小原氏はまずホワイトボードに自身の名前を書きました。「亦聡(いそう)と読みます。珍しいですよね。私は中国の出身なんです」と紹介しました。10歳まで四川省で過ごし、母親の日本留学に伴い来日して以来、日本で生活を続けています。「子どもは3人います。でも私は仕事が好きで、ずっとキャリアを途切れずに続けています」と子育てと仕事を両立していることを伝え、「女性のロールモデルとしてひとつの参考になれば」と話を始められました。 九州地方で生活していた小原氏は、上京したい一心で猛勉強し京都大学の経済学部に入学。交換留学でフランスでの生活も経験し、英語や中国語などを話せる語学力を武器にアメリカの大手金融機関へ新卒で入社します。転機になったのは30代前半。ふと、自分へのご褒美にダイヤの指輪がほしいなと思ったことだと言います。しかし調べてみるとダイヤモンド1カラットで200万円もすると知り驚きます。「技術が進んだ現代なら、きっとダイヤモンドに近いものがあるはずと思って調べたんです」。すると、アメリカや中国で人工石によるジュエリーが流行っているということを知りました。それが「モアサナイト」との出会いでした。 副業として始めた事業が急成長 モアサナイトは自然界にも存在する鉱物ですが、アメリカで人工的に生成する技術が確立された人工石として知られています。ダイヤモンドの2.5倍ともいわれる、強く華やかな輝きを持ちながら、ダイヤモンドの約10分の1の値段で手に入ります。手頃でありながら高級感を楽しめる点が大きな魅力です。小原氏は日本でも必ず需要があると直感し、副業として事業をスタートしました。 最初はSNSで発信し、注文が入ったら職人に依頼するという小規模なものでしたが、半年後にはあっという間に一人ではさばききれないほどのオーダーが入るように。その矢先、夫の海外転勤が決まり、小原氏は一念発起。会社を辞め、自身の会社を立ち上げたのです。2017年にオンラインショップを立ち上げ、翌年には宝飾店ひしめく銀座に店舗をオープン。その後も大阪にも出店など順調に成長を続けています。 人工石を使うことはクリーンな世界につながる 小原氏が事業と並行して力を入れているのが、社会貢献活動です。「日本に来たばかりの頃、周りの人や支援を受けてたくさん助けてもらった。だからこそ自分で事業をするときはお返しをしたいとずっと思っていました」と小原氏。売り上げの一部がひとり親世帯へ寄付する「チャリティージュエリー」の展開や、児童養護施設でのイベント開催などを積極的に行っています。また、「人工石のジュエリーを使うこと自体がエシカルなんです」と続けます。天然ダイヤモンドは採掘を伴うため、環境破壊や児童労働などの問題が指摘されてきました。一方、人工的に生成できるモアサナイトはこうした課題を避けながら美しさを楽しめ、倫理的な観点からもモアサナイトを支持する人は増えているのです。 仕事と子育てを両立するには? 講演後は質疑応答が行われました。「ジュエリーのデザインはどうしているのですか」という質問に、小原氏は「デザインは全くの未経験からのスタートでした。始めた当初はオーソドックスでシンプルなものから始めました。いまも専門のデザイナーはおらず、社員でデザインの案を出し合っています。実用性を重視して、台座の高さなどにこだわっています」と回答。 「ビジネスと子育ての両立はどうしていますか」という問いには、「夫が子育てに協力的で、親サポートしてくれます。また、日本は保育制度が整っているんですよ。助成金や支援を利用して仕事に復帰しました」と話しました。 さらに「経営者として決断をするときの決め手は?」という質問には、「そのときに一番大事にしているものはなにか。例えば夫の転勤についていくために会社を辞めて起業したときは、家族全員でいられることが最優先でした。そのときに一番大切なこと、楽しそうなことを信じています」と話しました。 人工石を広めるための施策を考えよう! 授業の最後には、次回の課題が学生たちに発表されました。テーマは「人工石の指輪をひとつのライフスタイルや自己表現として広めるための具体的な施策を考える」こと。現在の注文のほとんどは婚約指輪です。人工石の指輪に対する意識調査を行い、その結果を踏まえて一般に広まる施策を考えます。学生たちはチームに分かれて取り組み、1か月後にプレゼンテーションに臨みます。 担当教員からのメッセージ 「実践デザインラボ」は、デザイン&リサーチ技法の基本を学びながら、アイデアをカタチにする創造的プロセスを自分たちで回せるようになることを目指す授業です。そのプログラムの一環として社会連携プロジェクトも実施しています。今回小原さんには、「”人工石婚約指輪” を一つのライフスタイルや思想表現として広めるには?」というお題をご提供いただきました。学んだデザイン&リサーチ技法を学生がどう実践していき、どうアイデアをカタチにしていくのか、とても楽しみにしています。
「スマドリ」をZ世代に広げよう!人間社会学科社会学概論の授業にて、スマドリに関連した特別講演が行われました。
2025年10月22日(水)社会学概論(担当:人間社会学部人間社会学科 原田 謙教授)にて、スマドリ株式会社 野溝氏、スマートドリンキングプロジェクトメンバー新藤氏をお招きし、お酒にまつわるあらたなライフスタイルである「スマートドリンキング」に関する講演と、マーケティングのセミナーが行われました。 授業と企業連携について 「社会学概論」は、人間社会学部の1年生を対象に開講されている専門必修科目です。学生は授業を通して社会学の基礎を学び、社会学的な発想を身につけながら、現代社会の仕組みや課題を正しく理解する力を養っていきます。 本学では「スマートドリンキング」に関するプロジェクトをテーマに、原田教授のゼミや講演などを通して3年間にわたりスマドリ社との連携を行っています。今回のコラボレーションでは、スマドリ社が提案するライフスタイルや飲酒に対する意識の変化についての講義に加え、マーケティングに関する解説やミニワークも実施されました。学生にとって、社会の動向を学び、自らの専門領域への理解をさらに深める貴重な機会となりました。 スマドリについて 講演の冒頭で、野溝氏から「スマートドリンキング(スマドリ)」について詳しい説明がありました。「スマドリ」とは、アルコールを「飲む」「飲まない」という選択の多様性を尊重し、体質や気分に合わせて“自分らしい飲み方”を提案する考え方です。テレビCMなどを通じて認知が広がっており、学生アンケートでは約50%がその名を知っていると回答。教室内では、二人に一人が「スマドリ」を認知していることが分かりました。 さらに、「スマドリ」の推進を目的として「スマドリ株式会社」が設立されたことも紹介されました。同社は「飲む人も飲まない人も共に楽しめる社会」を目指すマーケティング会社であり、飲酒にまつわる楽しみ方の多様性を広げる取り組みを行っています。 大学との産学連携プロジェクトにも積極的に取り組んでおり、スマドリ普及の主要ターゲットである大学生と共に、普及に向けたアイデア創出を行っています。これまでの連携授業では、学生の企画が実際にイベントとして実現したり、大学内でコラボブースを出店したりするなど、学びを出発点に社会へ広がる活動へと発展した事例が紹介されました。さらに、渋谷区主催のイベントでの社会提案型発表など、学生の発想をきっかけに企業や地域と連動した実践的な活動も生まれています。 お酒の適切な楽しみ方を知ろう! 適切な飲酒のための正しい知識を得ることを目的に、学生たちはアルコール体質を確認する「パッチテスト」を体験しました。これは、手の内側にシールを貼り、20分後の色の変化によって「アルコールを分解できる体質かどうか」を判断するものです。 新藤氏は、「アルコールを分解できるかどうかは、特定の分解酵素の働きによって決まります。分解酵素の働きが弱い人は、お酒に弱い体質ということになります」と説明。「日本人の約半数は、この分解酵素の働きが弱い、または働かない体質であるとされています。自分の体質を知ることは、安全にお酒を楽しむための第一歩です」と述べました。 このほかにも、飲酒によって引き起こされる健康被害や、不適切な飲酒によるさまざまなリスクについて解説があり、学生たちは適切にお酒を楽しむための正しい知識を学びました。 マーケティングセミナー 学科の学びと関連づけながら、マーケティングに関する講演も行われました。企業のマーケティングについて、「SNSの普及により、口コミを通じた購買行動が増加しています。消費者同士の交流によって評判が広がり、その結果メガヒット商品が生まれるケースも見られるようになりました」と紹介。さらに、「企業がマーケティング戦略を考える際には、受け手となるターゲットを深く理解することが非常に重要です」と述べ、実際の分析手法についても解説しました。 続いて、マーケティングのアイデアを具体的な施策へと落とし込む際のポイントを紹介。過去の事例をもとに、フレームワークの活用方法や施策立案の流れをわかりやすく解説し、学生たちは真剣な表情で耳を傾けていました。 実践!企画を考えよう 授業の最後にはワークが行われ、「世の中のZ世代にスマドリを広げるには?」または「渋谷区のZ世代にスマドリしてもらうには?」のいずれかをテーマに、学生たちはアイデアを考えました。 ワーク後は、野溝氏、新藤氏、原田教授の3名によるフィードバックが実施されました。特に「世の中のZ世代にスマドリを広げるには?」の提案に対しては、「スマートフォンを見る機会が増える中、『学食などで食事中によく見る』という大学生の日常動作をもとにスマドリの普及策を考えていた点が非常に参考になった」「提案の中で“推し”やキャラクターといった観点が多かった。身近に感じている存在と組み合わせることで、スマドリもより親しみやすく感じてもらえるのではと気づかされた」といったコメントが寄せられました。 質疑応答 「マーケティング的な商品開発を行ううえで、大学時代に勉強しておくとよいことはありますか?」という質問に対し、「業界に興味を持ったきっかけは、大学時代に履修した授業でした。履修登録の段階で気になる授業を選び、日常で触れるメディアや広告の中から『これを仕事にしたい』という興味の種を見つけることが大切です。そこから逆算して必要な学びを進めていくとよいと思います」と回答しました。 また、「数年前と比べてスマドリの認知度が高まっていますが、広報活動の方向性に変化はありますか?」という質問には、「TVCMによって40~50代の認知度が上昇しました。現在は、認知度をさらに高めたいターゲット層が若年層にシフトしており、SNSプロモーションやポップアップショップの開催など、若者のコミュニケーションスタイルに合わせたプロモーションを展開していきたいと考えています」と回答。今後の展望についても語られました。 今回の特別講義を通じて、学生たちはスマドリが提案する新たなライフスタイルや、マーケティングの考え方について理解を深めました。学びを通して社会とのつながりを意識し、今後の専門的な探究につながる貴重な時間となりました。 担当教員からのメッセージ 渋谷スマートドリンキングプロジェクトの皆様には、これまでも3年ゼミでのワークショップの実施などでお世話になってきました。今年度は、1年生向けに渋谷発のイノベーションである「スマドリ」をご紹介いただきました。前週にちょうど講義していたライフスタイル、ダイバーシティ、アンコンシャス・バイアスといったキーワードとも響き合うお話でした。ご多忙の中ご講義頂いた野溝様、新藤様、本当にありがとうございました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
人生の全体を考えて未来に備えよう!東京都主催事業「ライフデザイン講座」が行われました。
11月14日「ライフデザイン講座」が開催されました。本取り組みは、東京都「ライフデザイン構築支援事業」の枠組みのもとで実施しております。人生を一本の道に見立てワゴンに乗って進んでいくツールを用いながら、就職のその先にあるライフプランを考える時間が提供されました。学生たちは専用のアプリを利用し、楽しみながら将来のことを考える機会になりました。 未来の自分のSNS投稿をのぞいてみよう この講座は渋谷区にある大学と連携し行われました。本学の学生だけでなく、ライフデザインに関心を持った他大学の学生も多く参加。 講師はまず、東京都生活文化局が提供するアプリ「東京ライフデザインシミュレーター」を紹介しました。ニックネームと、これからあなたが大切にしていきたいと思うことを入力するだけで、AIが8年後の自分がSNSに投稿している内容を予測し、一覧で表示してくれるというものです。手軽に「こんな生活をしているかも…」と想像できるユニークなツールで、講師も「時間のあるときにぜひいろいろ遊んでみてください」と呼びかけながら講演をスタートしました。 人生を俯瞰して考えてみる そもそも「ライフデザイン」とは何でしょうか。講師は「長期的な広い視点で人生をとらえ、俯瞰してみることです」と説明します。そのためには人生で何を目標にするのかを明確にすることが重要です。たとえば、「幸せな人生を歩みたい」と望む人は多いでしょう。「では幸せに一番影響することはなんでしょうか」と問いかけます。正解は「自分で選ぶこと」。現代は価値観が多様化し、生き方に正解はありません。だからこそ自分がどのような生き方を選ぶのか、自分が納得できる選択=「納得解」を持つことが大切だといいます。「今回の講座が、自律的に人生を選ぶためのヒントになればうれしいです」と語りました。 続いて主なライフステージの見取り図を示しました。仕事や結婚、子どもなどいくつかのグラフがありますが、仕事は20代から60代までで終了。一方結婚や子どもに関するグラフは、その後の人生全体に影響が及んでいます。「みなさんは今、就職活動のことは考えていると思いますが、その先の人生設計までは意識していないかもしれません。けれど働く期間は意外と短い。結婚や出産といった選択の影響はずっと長く大きいんです」と指摘。「早めに考えておくことで意識的に情報を集めたり知ったりできる。多様なライフステージを考えておくことが大切です」と続けました。 何歳で結婚したい? 仕事はどうする? ここで紹介したのが、設問に回答することで、自分の理想のライフスタイルの年表が表示されるツールです。設問は「仕事をする?」「仕事に何を求める?」「いつ頃結婚する?」「相手に求めるものは?」「どのくらい付き合う?」など具体的。なかには「デートのお金は自分と相手どちらが出すか」など細かい価値観を問うものも。思わず悩んでしまう学生も多かったですが、講師は「まずは直感で、こうなったらいいなと思う選択肢を選んでください」とアドバイス。自由にイメージしながら人生の可能性を楽しむことが、このツールのポイントだと説明しました。 完成した年表には、選んだ人生のイベントが時系列で並びます。「それぞれのライフイベントの重なるタイミングを知っておきましょう。特に20〜30代は結婚や出産など、重なることが多い。その時期までにどんな準備が必要か意識しておくと良いですよ」と話しました。 ライフステージごとで想定することは変わる! 次に、各ライフステージをデータに基づいて詳しく解説しました。まず仕事については、定年まで勤めあげる考えを持っている若者は半数以下になっており、働くスタイルは多様化しています。そのため、自分は何のために働くのか、仕事に何を求めるのかも考えることが大切です。 結婚については、70年前と比べると平均年齢が約7歳上昇しているというデータが示され、「現在晩婚化の影響で、子育てと親の介護が重なるケースが課題になっています」と現代特有の問題にも触れました。「結婚をする・しないも選択の時代ですが、人生に与える影響は大きいのでしっかり考えておきましょう」と話されました。 また、暮らしについても考えることはたくさん。親と同居するか、地元に住むのか、退職後どんな活動をするのかなど。先のことだとおざなりにせず、どんな人生を送りたいのかトータルで人生を俯瞰することが大切であると示されました。 ライフデザインを考えて自分らしい人生を 講師はライフデザインを考えるコツとして、「定期的に見直す」ことを伝えました。人生は何が起こるか分かりません。状況に応じて柔軟に計画をアップデートする姿勢が必要だといいます。「自分が大学生のときは、ライフデザインなんてつゆほども考えていませんでした。でも振り返ると、もっと早く意識していれば良かったと思う場面もありました」と講師は自身の経験を紹介。「前もって想定しておくことで、その選択をしたいなと思ったときのための情報を集めることが出来ます。今回の講座を、皆さんらしい人生を生きるヒントにしていただければと思います」と語り、講座は温かな雰囲気のなかで締めくくられました。
これからの時代の新しい住まいとは?旭化成ホームズとのコラボ授業が行われ学生たちがプレゼンテーションに臨みました。
11月17日に、人間社会学科 原田謙教授の授業で、旭化成ホームズ株式会社との特別コラボが行われました。この日は、企業から9月に出されていた課題に対するプレゼンテーション。学生たちは、これからの時代に求められる住宅のアイデアを1ヵ月かけて準備をしてきました。企業の皆さまを前に堂々と成果を発揮していました。 共働きやコロナ禍で住まいはどう変わった? 授業の冒頭、旭化成ホームズの河合慎一郎氏が登壇し、「今日をとても楽しみにしてきました」と学生に声を掛けました。今回のテーマは「新しい住宅のサービス・商品の企画」です。河合氏は「資料も力作ぞろいで、どんな発表になるのか楽しみです」と期待を寄せました。 プレゼン前には学生からの質問に回答する場面も。「共働きが増える中、コロナ禍以降は家にいる時間と外出時間のどちらが増えているのか?」という問いに、河合氏は図を示しながら、都市部ではテレワークが増えた一方、地方はエッセンシャルワーカーや製造業が多く大きな変化はないと説明。家での過ごし方も年代で異なることを丁寧に解説されました。 暮らしの中にトキメキを いよいよ学生たちの発表です。最初の班は、多趣味で推し活を楽しむ若い女性に着目。大量のグッズ収納に対応する、収納とカスタムしやすい賃貸住宅を提案しました。壁紙やフロアの張替えをしやすくし、耐荷重のある収納や防音スペースを設け、オンラインライブも気兼ねなく楽しめる設計です。宣伝もSNSやアイドルイベントでの配布、人気アイドルを起用したCMなどで訴求するとしました。 発表後の講評では、河合氏が「ターゲットが明確で、皆さん自身に近しい人をイメージしたのが良いですね」と着眼点を褒められました。鈴木氏も「推し活ならではの収納ニーズを捉えている」と興味を示しました。 つながる空間、つながる笑顔 次の班は、子どもが欲しいものの経済的不安を抱える若い夫婦に着目。収納を増やした賃貸型ワンルームマンションを提案しました。目玉は、子どもが生まれると家賃が5%下がる仕組みです。子ども用品店と提携したアプリで、服などを割引購入できる工夫も用意しました。見守りカメラの貸し出しもあり、「ここに住めば子育てに必要なものがそろう」ことを売りにします。宣伝はYouTubeやTikTokなどで行い、インフルエンサーに実際に住んでもらってリアルな生活を発信。おすすめのインフルエンサーも具体的に選定し、「経済的自立を支えることで、安心してライフイベントを迎えられる」と締めくくりました。 河合氏は「少子化という社会課題への着眼が良い。モノでなくコト提案なのもとても良いです。家賃が下がった分を誰が負担するのか、例えば企業スポンサーの活用など、さらに踏み込むともっと良くなる」と講評しました。 住むを楽しむ! 続いての班は、結婚を選択せず経済的に自立する女性が増えている点に注目しました。単身女性は自由な反面、孤独を感じやすいという調査結果から、ゆるやかなつながりを生む共有スペース付き賃貸住宅を提案。旭化成ホームズの都心向け女性専用共有賃貸「NEW SAFOLE」に、居住者が自由に使えるスペースをさらに拡充する案をまとめました。ジムや共有キッチン、ラウンジなどほどよい距離感で交流できる設備を想定しました。シェアハウスより個室のプライバシーが確保される安心感を訴求します。 河合氏は「ターゲット設定が良い。シェアハウスとの差別化も明確にしているのも良かった」と評価。鈴木氏も「入居者同士が交流できるイベントや特典があるとさらに良い」とコメントしました。 へーベルセラヴィ~人生をこの家で~ 最後の班は、50代以降のアクティブシニア向けマンションを提案しました。買い物を自分でしたい層に向け、防犯と移動支援を強みにします。エントランスの荷物置き台や電動車を使った移動支援、グリーンスローモビリティなどのサービスを用意。「へーベルセラヴィ」はフランス語の「それが人生だ!」から命名し、追加料金なしで、自分で動きたい人に訴求します。 河合氏は「命名がキャッチーで良い。健康と移動という課題設定も現実的。ただ50代はまだ若いのでもう少し上の層が良い」と講評。下畝氏も「名前は企画部に提案します」と評価し、「アクティブシニアの自分で動きたい思いをどう叶えるか考えてみましょう」と述べました。 今後に活きるプレゼンテーション 全発表を終え、河合氏が総評として「レベルが高く驚きました」と述べました。「各チーム社会変化を踏まえて課題設定していた点が良かった。高齢化、少子化、孤独、推し活など、皆さんの思いが反映されていた」と評価しました。 また「皆さんが全員住まいの仕事に就くとは限りません。今回は家を例に誰にどんな価値を届けるかを考えましたが、これは社会に出てからどんな立場でもどんな職業でも、必ず役立つ視点です」と授業の意義を伝えました。 学生からも「他班の調べ方が学びになった」「仲間の意見を集め良い発表ができたので今後に活かしたい」との声が上がり、充実した表情で授業は締めくくられました。 担当教員からのメッセージ 3、4年のゼミ生は「都市と地域の社会学」と「ライフスタイルの社会学」というテーマに基づいてオリジナル報告を実施してきました。今回は、9月のキックオフ時に頂戴した課題に対して、ヘーベルハウス/へーベルメゾンの取り組みをふまえながら、学生らしい提案を考えてくれました。住宅を事例に、これからのビジネスや社会デザインを考えるという本学部らしいPBLだったと思います。旭化成ホームズ株式会社の皆様からは、学生の発表に対して大変丁寧なフィードバックを頂戴しました。お忙しい中、ご協力いただきありがとうございました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
未来の自分を想像する!〈データ時代の女性キャリア開発〉の授業にて、株式会社マクロミルの特別講演が開催
11月18日(火)人間社会学部の学生を対象とした授業〈データ時代の女性キャリア開発〉にて、株式会社マクロミル(以下マクロミル)人事本部の井出美南氏をお招きし、特別講演が行われました。 授業と企業連携について 〈データ時代の女性キャリア開発〉は、人間社会学部の学生を対象に開講されている専門教育科目です。この授業では、データを扱う企業で働く女性をゲスト講師としてお招きし、業務内容やキャリアについてご講演いただき、学生は、データサイエンスに限らず、データを活用した現代日本におけると女性のキャリアについて理解を深めていきます。 今回の授業では、マクロミル人事本部の井出美南氏をお招きし、データを活用したマーケティングの工程についてご講演いただきました。講演では、実際の仕事に近いミニワークも行われ、学生たちはデータを使ったリサーチ業務を体験的に学びました。今回の授業は学生にとって、情報を活用する仕事に対してより深く考える貴重な機会となりました。 講演に先立ち、竹内教授からは「実際に自分が調査担当となった気持ちで取り組んでみましょう」と声がけがありました。 講演の初めに 井出氏はまず、自身について「2019年に新卒でマクロミルへ入社し、現在は7年目になります」と紹介。現在の採用業務を担当する前は、日用品の対面調査や生体データの分析など、データ収集と解析の現場で経験を積んできたことを説明しました。 また、マクロミルがBtoB(企業間取引)の企業であり、BtoC(企業対一般消費者)ではないため、表に出る機会は少ないと前置きしつつ、この時間を通じてマーケティングリサーチの企業がどのような仕事をしているのかを理解してほしいと語りました。 マクロミルの業務内容に見るデータと仕事 井出氏は、マクロミルの業務内容を「あらゆる生活者データを収集・分析し、ビジネスの成功を支援するマーケティングパートナー」と紹介し、マーケティングリサーチを通じて企業の課題解決を支えることが主な業務であると述べました。 また、マーケティングリサーチについては「消費者の実態を解き明かし、企業のマーケティング課題を解決すること」と説明しました。具体的には、企業から寄せられる「より良い製品やサービスを提供したい」という課題に対し、消費者へのリサーチを実施し、その結果をレポートとしてまとめて納品するという流れであると紹介しました。さらに、多様な調査手法を用いてデータを収集し、集まった情報を分析する仕事であると補足しました。 データとマーケティング 井出氏は、マーケティングリサーチの実際をイメージしてもらうために、会社で扱った代表的な事例として、有名飲料メーカーのビールシリーズの新商品開発を紹介しました。コロナ禍で外食が減少し、「宅飲みの拡大によって若者のビール離れが進んでいる」という課題に対し、性別を問わず若者をターゲットに商品開発が進められたと説明します。まずアンケートによる定量調査を行い、新商品の手がかりとなる意見を収集。その後、小規模な定性調査でアイデアの受容性を検証していく、という一連の流れが紹介されました。 定性調査の結果、ポジティブな評価が集まったことで前例のない発想が商品化へと結びついたと紹介し、名称やパッケージ、缶の塗料など、発売に至るまでのさまざまな検討が行われたことにも触れました。井出氏は、こうしたプロセスを例に挙げながら、身近な商品の裏側にも多くの調査が存在する点を強調し、「この商品はどんな人をターゲットにしているのか」と視点を持ってみることの面白さを学生に伝えました。 さらに井出氏は、自社のデータ活用の幅広さを示す別の事例として、ホラーゲームのマーケティングリサーチも紹介しました。企業から「より確実に選ばれるゲームにしたい」という依頼を受けたこのプロジェクトでは、テストプレイ後に面白さや恐怖を感じた場面をアンケートで把握する調査手法が用いられたと説明します。また、ユーザーの深層心理をとらえるために生体データの調査も行われ、プレイヤーにセンサーを装着して心拍数や手汗の変化を測定し、興奮や警戒が高まるタイミングを特定したことを紹介しました。こうしたデータを基に、音や驚かせる演出の調整が行われた経緯も説明しました。 実践!ミニワーク 井出氏は「皆さんも実際にリサーチのプロセスを体験してみましょう」と述べ、ミニワークの内容を説明しました。テーマは、「人気キャラクターを好む人はどのような特徴や行動特性を持っているのか」をリサーチするというもの。まず、井出氏から学生に対して膨大なアンケートデータが共有されました。 井出氏は、「まず『このキャラクターを好きな人はどんな人か』という仮説を立ててください。その仮説を裏付けるデータをアンケートから探して引用してみましょう」と話し、「データから読み取れる事実を紙に書き出してまとめてください」とワークの手順を丁寧に説明しました。 また、「このデータは、私たちが実際の業務で扱っているものと全く同じです」と述べ、現場で用いられる“リアルなデータ”であることも紹介しました。学生たちは2〜3人のグループに分かれ、約30分かけてワークに取り組み、終了後には数名の学生が結果を発表しました。 ミニワークの最後には、井出氏から模範例として、実際に企業へ納品する形式でまとめられた〈プロファイルサマリー〉の資料が紹介されました。学生たちは提示された資料を自分の解析結果と見比べながら、井出氏の明瞭な解説に真剣に聞き入っていました。 質疑応答 講演の最後に質疑応答の時間が設けられました。 学生が仕事のやりがいについて尋ねると、井出氏はこう答えました。「試飲調査やパッケージ調査の結果など、自分が携わったデータが実際の商品開発に生かされ、スーパーなどで店頭に並び、ターゲット層の方々に手に取ってもらえるのを見たときに、大きなやりがいを感じます。」 続いて、新卒でマーケティング業界を選んだ理由について質問がありました。「就職活動の軸に“商品開発に携わりたい”という思いがあり、さらに『1年目からマーケティングに関わりたい』という強い気持ちもありました。メーカーの場合、多くは営業経験を積んだ後に商品開発部へ異動します。私は早くから携わりたかったため、マーケティング業界を選びました。」 さらに、学生が印象に残った業務について尋ねると、井出氏はアイトラッキングを用いた視線調査を挙げました。「新商品開発を支援するため、コンビニやスーパーの陳列棚を会場内に再現し、消費者の方に普段と同じように商品を取って購入していただく対面調査を行いました。そこで、視線がパッケージのどこに集まるのか、手に取ったときどの部分を最初に見るのかを計測し、デザイン改善に役立てました。」 今回の授業は、学科での学びが社会でどのように生かされるのかを知り、将来のイメージを具体的に持つことができる貴重な時間となりました。 担当教員からのメッセージ 今年度から始まったこの授業では、毎回、企業で活躍されている方々をお招きし、各業界におけるデータの活用や、女性がどのようにキャリアを築いているのかについて、ご自身の経験を交えながら「リアル」なお話をしていただいています。 学生にとっては、教科書だけでは知ることのできない企業の実際の取り組みや、普段は意識することの少ない仕事の裏側に触れる機会となっており、毎回興味深く授業に参加しています。 これからの社会では、DX やデータの活用は、理系・文系を問わず、ほとんどの仕事に関わってきます。「得意でないから」「よく分からないから」と不安になる前に、まずは知ること、触れてみることが大切です。 この授業を通じて、将来の進路がまだ決まっていない人でも、「自分にもできることがある」と感じ、一歩踏み出すきっかけになってほしいと考えています。
ドコモとタッグを組んで企業の課題解決!「リーダーシップ開発a」の授業でNTTドコモとの特別連携授業が行われました。
「リーダーシップ開発a」(担当:人間社会学部社会デザイン学科・児玉充教授)の授業で、11月26日に株式会社NTTドコモ(以下ドコモ)との特別連携授業が始まりました。スマートフォンでおなじみの企業ですが、事業はその領域に留まりません。今回は、ドコモの強みである「量と質」の顧客情報を活かした課題提案に、学生たちが挑みます。 「スマホの会社」だけじゃない! 登壇したのは入社4年目の寺町沙紀氏。入社時は顧客や加盟店の課題解決を担うカスタマーサクセス部に所属し、今回の学生への課題もこの部署が中心となります。現在は人事部。「ドコモは自ら手を挙げて異動できる制度があり、自分で人事を選びました。ドコモは幅広い事業を展開しているのでいろんな仕事に関われますし、自分でやりたい仕事を選択できるのも魅力です」と語りました。 「みなさん、ドコモは何をしている会社だと思いますか?」という問いに、多くの学生が「スマートフォンを販売する企業」と回答。「実はそれだけではない、ということを知ってほしいです」と講義が始まりました。 ドコモは一般消費者に向けたコンシューマー事業のほか、法人事業も大きな事業の柱にしています。提携する企業は金融、医療から林業や漁業などの産業、自治体などさまざま。それぞれの企業のDX推進やAIの導入を手助けしたり、通信システムを整備したり。通信に関わることだけではなく、それぞれの企業の課題解決をドコモが担っているのです。 dポイントを活用し一気通貫でサービスを提供 今回学生に出された課題はマーケティングです。そもそもマーケティングとはなんでしょうか。寺町氏はマーケティングを「顧客に買ってもらえる仕組みづくり」と説明しました。今の時代、良い商品なら必ず売れるわけではありません。欲しい人に届くよう、どう伝えるかを設計することが基本です。 その軸として重要なのが「dポイント」。ドコモ独自のポイントで、会員数はなんと1億人超。スマホ料金などで貯まり、街中の店舗で使える利便性があります。加盟店は現在607社。企業側もdポイントに加盟することで購買単価や来店頻度の向上が期待できるのです。 さらに大きな強みが「情報」です。「ドコモの強みは量と質」と寺町氏。dポイントの決済履歴や広告閲覧履歴、アカウント登録時に入力した属性など膨大なデータが蓄積され、購買行動を細かく把握できます。従来のTVCMでは分からなかった効果も、ドコモのデータを活用することで精密な分析やターゲットを絞ったプロモーションが可能になると語りました。 ドコモが誇る情報を使って新しいサービスを考えよう! ドコモの持つ膨大な情報は、提携企業にも大きなメリットがあります。たとえばメーカーは、商品を作っても実際に誰が買っているか分からないことが多いですが、ドコモと組むことで商品の流れや購買行動を把握できます。自治体も人流データを活用し、観光振興や地域イベントづくりに役立てています。 そこで、いよいよ課題の発表です。学生は企業や自治体を想定し、その抱える課題をドコモのサービスを生かしてどう解決するかを提案します。また、誰に向けた施策なのか、ターゲットとなる顧客層を明確にすることも求められました。 「こうだったらいいな」の思いがビジネスの始まり 寺町氏は最後に「ビジネスの基本」について説明しました。ビジネスとは顧客ニーズをつかみ、解決策を考えて商品やサービスに落とし込むこと。物を作れば売れた時代から、社会的価値や自己表現など多様な価値が重視されるようになり、購買にも体験や意味が求められるようになりました。そのために重要なのが「ペルソナ」、つまり顧客像です。ペルソナを立てることで課題の仮説が作れます。 さらに競合や既存サービスにはない新しい価値を加える必要があります。「既にあるビジネスなら、新たにやる必要はないですよね」と寺町氏。顧客が本当に望み、代替できず、自社の強みが活かせるものを探すことが重要です。 「今回の課題はインターンの学生たちに出すような難しいものです」と寺町氏。「ただ、難しく考えず、あなたが何をどう提案したいかが一番大事。こうなったら良いな、いうものを自由に考えてください」と学生たちの企画に期待を寄せました。 企業をどこにするか、課題は何か、ドコモと組む理由、活かす強み、ターゲットは誰か。考えることは多くあります。学生たちはグループワークで企画を練り、12月のプレゼンテーションに臨みます。 担当教員からのメッセージ 本授業は少人数のグループワークを通じて、自分なりのシェアード・リーダーシップの発揮方法を体感し、人間社会学部で自律的に学習していくための専門知識やスキルの必要性を学ぶことを目的としています。近年、スマートフォンの普及に伴いデジタルマーケティングソリューションのビジネス領域が重要となっています。学生たちは新規ビジネスを考える上での各種フレームワークを学習し、dポイントデジタルマーケティングに関する課題に取り組みます。そして各チームでコラボしアイデアをまとめ、同社にプレゼンしご評価いただく予定です。独創的なアイデアからなるソリューションの発表を期待しています。
特集レポート!住友生命役員との対話セッションで、学生が“ウェルビーイングの未来”を語り合いました。
2025年11月10日(月)に、住友生命保険相互会社(以下住友生命)東京本社にて、企業の役員と学生がウェルビーイングに関するディスカッションを行いました。実践女子大学からは実践ウェルビーイング・プロジェクト(以下JWP)の学生6名が参加し、世代を超えたウェルビーイングに関する意見交換が行われました。 JWPについて JWPは企業と共にウェルビーイングに関する考えを深めていく課外活動のプロジェクトです。キャリア科目担当の深澤晶久教授が担当教員となり、毎年後期の期間中、有志の学生たちが企業訪問や講演、交流イベントを通じてウェルビーイングについて主体的に学んでいます。JWP参加学生が企画・運営を行うイベントも毎年開催されている他、今年度は企業とコラボしグッズの開発を行うなど、多様な活動を行っています。 今年度の活動の記事はこちら【サンリオコラボグッズ開発プロジェクト参加学生にインタビューしました!】https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/9484/ 住友生命とウェルビーイングについて 住友生命は企業のパーパス(存在意義)を「社会公共の福祉に貢献する」と定めており、一人一人のウェルビーイングに貢献する「なくてはならない保険会社グループ」を企業の将来像として掲げています。ウェルビーイングに関する社内イベントの開催のほか、ウェルビーイングの支援を目的としたスマートフォン向けアプリ〈シアフル〉のリリースなど、ウェルビーイングに関する多様な取り組みを行っています。シアフルアプリ 紹介ページ https://www.sumitomolife.co.jp/about/wellbeing/waas/waasapp/index.html その取り組みの一環として、住友生命では将来世代と企業が積極的に対話し、ウェルビーイングな社会の実現を目指す「FR(Future Generations Relations)」活動を実施しています。今回、学生が参加したプロジェクトもその活動の一部であり、一日かけて行われる役員ミーティングの午後の部で実施されました。 住友生命HP FR(将来世代と共に育つ取組み)https://www.sumitomolife.co.jp/about/wellbeing/fr/ プロジェクトの概要 このプロジェクトは、「現在の日本の中核を担う世代」と「将来の日本の中核を担う世代」が、少し先の未来について議論することをコンセプトに、ウェルビーイングな未来に関するディスカッションを行うイベントです。 「将来の日本を担う世代」のウェルビーイングを主体的に学ぶ学生として、実践女子大学からはJWP所属の学生、東京大学の鈴木寛教授の大学横断型ゼミナールの「すずかんゼミ」の学生、世界初のウェルビーイングを専攻する学部である武蔵野大学ウェルビーイング学部長の前野隆司教授のもとで学ぶ学生が参加しました。 会場は住友生命東京本社の会議室です。47名の役員と24名の学生が参加し、12班に分かれてディスカッションを実施しました。向かい合わせの机には役員4名、学生2名が着席。学生にとって、役員の方々と直接話し合いながらウェルビーイングへの視点を深める貴重な機会となりました。 全体の進行にあわせてグラフィックレコーディングも行われました。グラフィックレコーディングとは、会議内容をイラストでリアルタイムに可視化する手法で、議論の活性化や要点の振り返りを助けるものです。 壁に貼られた白紙が次々とイラストで埋まっていく様子に、学生たちは興味津々。休憩時間には描かれた絵の前に集まり、ライブで制作される様子を見守る姿も見られました。また、同じように様子を眺めていた他校の学生や役員の方々との間に自然と会話が生まれ、イラストを介した交流が広がりました。 ディスカッションに先立って 今回のプロジェクトの司会から、ディスカッションに必要な9つの所作が共有されました。配布された用紙にアイディアを「書き出す」こと、視線を「あげる」ことで気持ちや考え方も持ち上がっていくことなどが紹介され、特に「アイディアをみんなで『重ねていくこと』を意識してみてください」と声がけがありました。 その後、このグループワーク中に呼んでもらうニックネームを各自で決め、ニックネームの由来や自分がどんな人か、普段何をしているのか自己紹介を行いました。グループではネームプレートを見せ合いながら発表し、お互いに顔を見たり微笑んでうなずき合ったりするうちに、会場全体は緊張した硬い雰囲気から、なごやかで生き生きとした雰囲気へとあっという間に変わっていきました。 司会から「役員の方はぜひ、ジャケットも脱いでいただいて」という一言があり、会場にはさらにあたたかく活発なやりとりが生まれていきました。生き生きとした空気に包まれた中、いよいよディスカッションのテーマが発表されます。 ディスカッション①「2050年に向けてつくっていきたいWell-beingな未来とは?」 冒頭で司会より『皆さんが抱えているモヤモヤを解消した社会の姿を思い描いてみてください』という説明があり、そのうえで、まずは個人で意見を紙に書き出し、続いてグループ内で共有する流れで進行しました。 あるグループでは、実践女子大学の学生が“Well-beingな未来”の要素として『縦社会を教えなくていい社会』を挙げました。これに対し役員から『縦社会とはどういうものを指しているのか』という質問があり、学生は『上の立場の人の様子をうかがいながら生活すること。立場の違う人同士が相互にリスペクトしあうことが大切で、一方的に下の立場の人だけが委縮する環境は望ましくない』と説明しました。ただし、縦社会のすべてを否定するのではなく、学ぶべき点もあるとしたうえで、“下の立場にいる人が不安なく過ごせる社会”こそ重要だと述べていました。 別のグループでは、役員から実践女子大学の学生に「ウェルビーイングについて全く知らない人に『ウェルビーイングとは何か』を教えてください」との問いかけがありました。学生は「自分を知ること。自分の価値観ややりたいことを見つけることができると目標を立てることができ、目標を立てるとそこへ向かって行動できるようになる。行動すること自体が自己肯定感にもつながり、ウェルビーイングにつながる」と説明しました。また、「周囲の人を知ることで、自分を知るきっかけにもなる。違いは比べてみないと分からないからこそ、自分以外を知ることも大切だと思います」と続けました。これに対して役員は、「他者と比較しつつ一歩引いて自分を見るという点は、メタ認知(自分を客観的にみること)につながる発想ですね」と感想を述べていました。 ディスカッション①全体共有 グループでの話し合いが終わると、全体での共有が行われ、指名された班から学生と役員が一人ずつ班で話し合ったことを発表しました。 最初の班の他大学の学生は、ディスカッションの結論として「やりたいことができることがウェルビーイングにつながる」と述べました。苦しいと感じる行動も、結果としてウェルビーイングにつながる場合があることや、能動的に行動するだけでなく「やりたくない」「なにもしない」といった選択ができることも重要だという意見を共有。それを許容できる社会が理想であると話しました。続いて役員は、「やりたいことに向かう過程でストレスを感じても、やり抜くことで自分がウェルビーイングになれる。そして、自分と関わった人たちもウェルビーイングとなり、その関係性が広がることで社会全体もウェルビーイングになっていく」と語りました。 次に発表した班の他大学の学生は、グループ内で価値観のすり合わせを行ったことや、特に家族に関する話題が盛り上がったことを紹介しました。学生たちは、「老後に必要な」「子ども一人に必要な」など、数多くの数字を日常的に目にしており、それらがリスクとして認識されやすいと話しました。また、前の世代の人たちは、今ほどコストに対する危機感を抱いていなかったのではないかと感じたことを共有しました。これを受けて役員は、「価値観の違いに本当に衝撃を受けた。特に『なんとかなる、という気持ちにならない』という言葉が印象的だった。自分の若いころは“なんとかなる”と考えていたが、『ワンミスワンアウト、一度の失敗ですべて終わってしまう』という感覚を持っていることに驚いた」と述べました。 学生の価値観に強い関心を寄せる役員の姿も印象的でした。学生の説明に思わずうなり声を上げたり、背もたれに深く体を預けながら大きくうなずいたりする様子が随所に見られ、真剣に耳を傾けていることが伝わってきました。新たな視点に触れ、世代を超えて相互に学び合う場となったことを感じさせる、密度の高いディスカッションとなりました。 ディスカッション②「Well-being な未来のために企業ができること/企業にしてほしいこと」 まず司会から、住友生命がこれまで実施してきた具体的な施策と、それに伴う価値観の変化についていくつかの事例が紹介されました。そのうえで「グループの皆さんで意見を重ね合い、ぜひ具体的なアイディアにしていただければと思います」と案内があり、①と同様に、参加者はまず個人で意見を紙に書き出し、その後グループ内で共有していきました。 あるグループでは、役員から実践女子大学の学生に対して「給料以外の部分、たとえば福利厚生において会社にしてほしいことはありますか?」という質問が投げかけられました。学生は「漠然とした話にはなるが、自分のことを応援してくれる会社がいい」と回答。役員から「応援とは、具体的にどういうことですか?」と質問が続くと、学生は「自分のやりたいことを肯定的に受け止め、その実現に向けて過程を一緒に考えてくれること」と説明しました。役員は軽く笑いながら「寄り添ってくれるということは、面談が多い会社になりますね」と返しました。学生は確かにといった表情でうなずき、和やかな雰囲気のまま次の話題へと進んでいきました。 ディスカッション②全体共有 ディスカッション②のグループワーク後は、①と同様に全体共有が行われました。リアルタイム共有システムを用い、各グループで出たアイデアをプロジェクターに映し出しながら発表が進められました。全部で9つの班が発表を行い、ここではその一部を抜粋して紹介します。 ウェルビーイング予算とハイタッチ・ハグキャンペーン 他大学の学生は、まず「ウェルビーイング予算」について「個人に予算を付与し、その使い道を柔軟にすることで、一人ひとりのウェルビーイング向上につながる」と説明しました。続いて「ハイタッチ・ハグキャンペーン」については、非言語コミュニケーションの価値に着目し、「他者とつながることで、自分の存在や価値を再確認できる。『理由は説明しづらいが、触れ合うことでほっとできる』といった経験が、よりよく生きることにつながるはず」と述べました。班のメンバーが実際に手をつなぎ、掛け声に合わせて動作をそろえるデモンストレーションも行われ、会場はあたたかな笑いに包まれました。 企業主体の地域活性化 実践女子大学の学生が配置された班では日本が抱える社会課題に対して「社会全体に危機感が薄いのではないか」という問題意識が共有されたといいます。そのうえで「家族以外に関係性を広げられる地域のつながりが重要」という意見が出たことを紹介しました。学生は「バリバリ働きたい人とそうではない人がいるように、様々な人が『地域』という単位で団結していれば、子育て、高齢者、果ては災害時にも相互支援で対応することができるのではないか」と報告しました。 東京一極集中の分散と、人生における“仕事”の位置づけ 学生は自分が地方出身であることに触れながら「地元や地方で挑戦したいことはあるが、実際のチャンスは圧倒的に東京に集中している。地方分散ができれば良いのでは」という意見が出たことを説明しました。また、仕事が人生に占める割合の大きさについて議論が深まったといい、役員からは「仕事を自己実現の場として捉えている」「仕事と趣味の拠点を使い分ける二拠点生活をしている」といった実体験が共有されました。学生は「『好きなもののために働くが、働くことで好きなことができなくなる』というジレンマから、仕事から自由になりたいと考えていました。話を聞く中で、新たな価値観に気づかされました」と振り返りました。 議論の締めくくりとして、一極集中など既存の制約の強さに触れ「宇宙に支店を作り、制約がない環境で実験する」というユニークな案が紹介されました。これを提案した役員は、「現実的な枠にとらわれてしまう自分に気づき、その枠から解放された発想が『宇宙支店』だった」と意図を語りました。 日常生活の中にウェルビーイングを見つける 他大学の学生は、表計算ソフトで数字がきれいにそろった瞬間や、SNSアプリの更新音に「すっきりとした心地よさを感じる」と紹介しました。そのうえで「みなさんも業務中に同じように気持ちよさを感じる瞬間があるはず。たとえば作業後にタブを閉じるときに可愛いエフェクトが出るなど、個々に合わせた工夫ができるシステムがあれば良いのではないか」と提案しました。日常の小さな動作の中にあるウェルビーイングを見つめ直し、共有していくことの重要性も強調しました。 “人とつながる”ウェルビーイング 本学の学生が配置されたこの班では「ウェルビーイングの実現には、人と人のつながりを深めることが不可欠」という前提から議論が始まり、様々なアイディアが生まれたといいます。案の一つとして「直接的なコミュニケーションが得意でない人にも向けて、メタバース上で交流できる仕組みをつくる」という案が紹介され、「これからは『メタバースでつながる』という価値観も重要になるのでは」とまとめました。また、ウェルビーイングに関する一定の知識を持つ人を“見える化”するための『ウェルビーイングシール』というアイデアも挙がり、「資格が存在しない今だからこそ、可視化することで周囲に安心感を与えられるのでは」との提案もなされました。 ディスカッションのおわりに 前野教授は学生たちの発表を受け、「学生の突拍子もない意見を、単に“できない”と切り捨てるのではなく、その背景にあるより抽象的な『求めているもの』を受け取ってほしいと思いました」とコメントしました。 続いて、グループワークを終えた役員の方々に感想が求められました。役員からは「学生二人がチームを力強く引っ張ってくれた。Z世代らしい視点を感じつつ、情熱をもって提言してくれた」「仕事観の議論では、価値観は人それぞれ異なるが、“よりよく生きたい”というウェルビーイングの方向性は共通していると感じた」といった声が聞かれました。 また、「世代的に“つながり”を重視しないのではと思っていたが、学生の発言から『つながり』という言葉が多く出てきたことが意外だった」「『他人を知ることで自分を知る』という考え方を持つ学生がいることにも刺激を受けた」といった意見も寄せられ、ディスカッションを通じて学生との交流が役員にとって大きな刺激や新たな気づきにつながったことが語られました。 プロジェクトの最後に 全体の締めとして高田社長からご挨拶がありました。 あいさつの冒頭では、この一日ミーティングに参加した役員の方々をねぎらいながら、「会社では見ない笑顔で笑っていた」とユーモアを交えて場を和ませました。 続けて、高田社長は「普段は数字にこだわっており、できない理由・やれない理由はいくらでも出てくる。しかし、学生の発言には今だからこそ気づかされることがある」と述べ、普段関わらない学生との対話が大きな刺激になったことを語り、役員と学生がウェルビーイングという共通点で集まったこの場を三位一体(キリスト教の重要な教義で、三つの要素(父・子・精霊)をさす言葉。この場合、三つのものが一つになり、緊密に連携して、全体として大きな力を発揮することのたとえ)と表現しました。 さらに、「ウェルビーイングという思想を実践していくことは、企業としての社会的責任でもある。学生から出た意見を現実化していくのは大人の役目だと思っています」と強調。「ちょうど来年度の計画や予算を考え始めている時期。不可能と切り捨てるのではなく、取り入れられる部分はしっかり検討していきたい。今目の前にいる、将来日本の中核を担うみなさんの世代が来るまでに、今日から小さなウェルビーイングを積み重ねていきましょう」と参加者へ呼びかけました。 あいさつのあとには、学生・役員・運営スタッフ全員で記念写真の撮影も行われました。さまざまな立場や視点が“ウェルビーイング”という軸のもとに交わった今回のプロジェクトは、学生にとって大変貴重な体験となりました。 担当教員からのメッセージ Well-being Initiativeへの参画企業である住友生命様が力を入れられている「FR(Future Generations Relations)活動」の一環として実施された役員ミーティング。住友生命様の全役員の方と学生との対話の場に本学4年生6名が参加させていただきました。当日は、47名の役員の皆さんをはじめ、大学生は24名、組織を超えて、世代を超えて、立場を超えて、行われた対話の場は、本学学生にとって極めて貴重な体験の場となりました。これからの社会がWell-beingで満たされて欲しい、そんな住友生命の皆さんのお気持ちが溢れる会場となりました。お声がけいただきました住友生命高田社長をはじめとする関係者の皆さまに、この場を借りて心から感謝申し上げる次第です。
コーヒー豆の麻袋がエプロンやポーチに!アップサイクルの商品作りについて、滝澤ゼミの学生にインタビューしました。
滝澤愛准教授のゼミでは、昨年に引き続きアップサイクル活動が行われています。多摩都市モノレール株式会社(以下多摩都市モノレール)や株式会社コバヤシ(以下コバヤシ)などのご協力のもと、廃棄予定の作業着やコーヒー豆の麻袋などの素材提供をいただき、かわいいエプロンやポーチに生まれ変わらせました。制作について学生たちにインタビューを行いました。 廃棄予定の素材を使ってアップサイクル 滝澤ゼミでは以前からアップサイクルの商品企画・販売に取り組んでいます。素材提供には、瀧定名古屋株式会社、ひの市民リサイクルショップ回転市場 万願寺店のご協力に加え、名古屋市身体障害者施設の就労継続支援B型の利用者の方々が縫製を担当したエシカル商品を制作しています。昨年からは多摩都市モノレール(廃棄処分となる使用済みの制服の提供)、今年からは、プラスチック製品の開発から製造・販売を行うプラスチックの総合企業であるコバヤシ(コーヒーの麻袋の提供)も加わりました。 布だけではなく廃棄予定の制服・作業着、使用済みの麻袋などさまざまな素材を使い、学生たちが新しい商品に生まれ変わらせます。今回新たに販売するアップサイクル商品の種類は3つ。エプロン、ポーチ、バッグです。それぞれのチームに分かれ、アイデアやデザインを出し合い制作しました。制作した商品は、日野キャンパスの常磐祭や多摩モノまつりでの実店舗販売と、コバヤシの楽天ECサイト「cococica」にて販売予定です。 株式会社コバヤシ 楽天ECサイト cococica https://www.rakuten.co.jp/cococica/ 「全体をみて、みんなで協力」 ゼミ長へのインタビュー ―進路に実践女子大学を選んだ理由はなんですか? また滝澤ゼミに入ったきっかけは? 「高校生の頃から家庭科の教員になりたいと思い、教育学部を含めさまざまな大学を見ていました。その中で実践女子大学は、教育だけでなく家庭科の専門的な知識や技術までしっかり学べると知り、進学を決めました。滝澤ゼミを選んだのも同じ理由で、制作を通して自分の技術を高められる環境に魅力を感じたからです。来年からは家庭科の教員として働きます。大学での学びを生かし、生徒から信頼される先生を目指していきたいと思います」 ―アップサイクル活動に取り組んでみた感想は?「それまでアップサイクルというものを知らなかったのですが、活動に関わるにつれ、自分でもやってみようと思うようになりました。実際にあまった生地をもらって、自分でも家でナップザックを作ったりしたりしています」 ―今年からコバヤシ様の協力も始まりました。去年と比べて変化を教えてください。「一番大きな変化は、販売の場や機会が広がったことです。これまでは対面での直接販売が中心でしたが、今年からはコバヤシ様のECサイトでも取り扱っていただき、ネット通販という新しい選択肢が加わりました。顔の見えないお客さまに商品が届くことを意識し、これまで以上に仕上がりの丁寧さやクオリティに気を配るようになったと感じています」 ―ゼミ長として大変だったことや楽しかったことを教えてください。「制作を進める中で、自分には難しい作業も、チームの誰かが得意だったりします。私はエプロンチームですが、逆に自分が力になれる場面もあり、お互いに補い合いながら進められることに大きな楽しさを感じました。ゼミ長として特に意識したのは、全体を見渡すことです。人数が多いため、作業によっては手が余ってしまったり、何をすればよいか迷う場面もあります。そんなときは一人ひとりの様子を見ながら声をかけ、自分も手を動かしつつ全体がスムーズに進むよう心がけました」 それぞれのチームにインタビュー! 協力して作り上げた作品たち Q1.昨年との違いや印象は?Q2.苦労した点、学びになった点を教えてください。 ・バッグを制作したチーム「昨年は作業着や布が中心でしたが、今年は麻袋など、まったく異なる素材の提供もありました。それぞれの素材を組み合わせて使うことで、デザインの幅が広がり、商品の選択肢もより豊かになったと感じています」「縫製が難しく、商品になるクオリティにする難易度が高かったですが、自分が企画したデザインが実現して買ってもらえるのはとても嬉しいです。学生のうちにこのような経験をさせていただける機会は貴重で、アップサイクルの考え方も自然と身についたと感じています」 ・エプロンを制作したチーム「昨年は一人一品作っていて大変だったのですが、今年はチームで取り組んで複数商品を作る形に。協力できるとその分の負担が減りますし、相談しながら決めていけたのは良かったです。エプロンの丈や、どうしたら売れるかなどたくさん考えることが出来ました」「麻袋はサイズがとても大きく、どんな商品がつくれるのかワクワクしました。一方で、縫製には扱いづらい部分もあり、うまく形にできるか少し不安もありました。それでも、完成したものはとても可愛く仕上がり、達成感がありました。ニットの切れ端など、ほかの素材と組み合わせて制作する工程も楽しく、素材の魅力を生かすことの面白さを実感しました」 ・ポーチを制作したチーム「昨年より制作を早めに取り掛かることができ、慣れもあったので順調に進められたと思います。また昨年は物販が実店舗のみでしたが、今年はコバヤシ様のECサイトで販売もしてもらえるので心強いです」「サンプルづくりが一番難しかったです。正方形の形にしたかったのですが、麻の厚みが影響して試作品はうまく成形できませんでした。そこで、生地の薄い部分を選んだり、裏地に工夫をしたりと、素材にこだわりながらイメージ通りの形に近づけていきました。チームでは、デザインが得意な人、制作が得意な人など、それぞれの強みを生かして役割分担しながら制作を進めています。はじめは「アップサイクル」という言葉の意味も分からなかったのですが、取り組む中で強く興味がわき、SDGsにも意識を向けるようになりました」 また本アップサイクル商品は、「ソーシャルプロダクツ展」(2025年11月5日(水)〜11日(火)、6階会場)のPOPUPストアとして大丸東京店にて展示・販売されました。滝澤研究室による産学福祉連携から生まれたバッグや雑貨が多数並び、多くのお客さまに手に取っていただく貴重な機会となりました 担当教員からのメッセージ 学生には大学の中だけ、教科書だけの机上の学びだけではなく、社会の中の様々な企業や障害者施設の方々などとの関係、活動を通じて、得難い経験と成長をしてもらえたらと考えています。










