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2023年7月3日

ベトナムフェスに証券会社が出展!学生たちが内容やプロモーションを考えイベントに参加しました。

現代社会学科の篠﨑香織教授のゼミ(演習ⅡA・Jクラス)でアイザワ証券株式会社(以下、アイザワ証券)とコラボし、学生たちがベトナムフェスティバルへの出展内容を考案しました。ベトナム株や証券会社の認知度アップのためターゲティングから始まり、プロモーションや運営まで体験。学生たちは授業を通し、マーケティングだけでなく投資やベトナムについても身近に感じる機会になりました。

ベトナムってどんなところ?

授業は4月から始まりました。まずはベトナムを知るところから。ベトナムはどこにあるか、文化や料理は、人口は、著名な企業は、などベトナムの基礎知識を知りイメージを広げていきます。ベトナムのGDP成長率は東南アジア諸国の中でも高く、いま勢いのある国のひとつです。国際化も進み日本企業も多く進出しています。輸出拠点として発展し、所得も向上し国内消費も拡大中です。ただ世界で見るとベトナムはまだまだ小さいマーケット。今後の成長が期待されている市場なのです。

証券会社がなぜベトナムフェスに?

今年は日越外交関係樹立50周年。記念事業として6月にベトナムフェスティバルが開催されます。そのベトナムフェスにアイザワ証券が出展します。アイザワ証券は日本株だけでなくアジア株や投資信託など豊富な商品を取り扱う証券会社です。特に強みなのがベトナム株。長期で資産形成できる投資先としてベトナム株を知ってもらいたいものの、認知度アップはまだ道半ばです。

そこでベトナムフェスに出展し、アイザワ証券とベトナム株の認知拡大を狙います。投資家が参加するのではなく、ベトナムに興味がある人たちへのアピールが目的です。実はアイザワ証券も、投資目的ではない一般的なイベントに出展するのは初めて。学生たちは、社員の方と一丸になり、ブースにより多くの人に足を運んでもらえる施策を考えました。

告知は、Twitterのアイザワ証券公式アカウントから学生が発信しプロモーション。ベトナムの魅力やイベント出展情報など、グループごとにそれぞれターゲットを決めて作成しました。ブース内の催しものは、サイコロを振って出た目に応じて当たりのプレゼントを考案。どんなプレゼントや雰囲気であれば参加したいと思えるか、ブースに興味を持ってもらえるかを考えました。

フェスティバルを通してアイザワ証券を身近に

いよいよフェスティバル当日の6月3日。天気も心配されましたが雨はやみ、会場は多くの人でにぎわっていました。学生たちはブースの前で声を出して集客をしたりプレゼントを渡したり、社員の皆さんと協力して運営していました。

3グループの学生たちは「ターゲットは30代のビジネスマン。アイザワ証券の顧客層を意識して、当たりにはベトナムコーヒーを用意しました」「お子さん連れのプレゼントはお菓子。子どもたちに配る風船には、アイザワ証券のロゴをプリントして宣伝してもらうようにしました」と工夫した点を教えてくれました。

5グループではサイコロのデザインを担当。「ブースに集客するためにサイコロは大きく、カラフルに。来てもらえるだけでなく、もっと知ってもらいたいと思ってもらえるためにどうすればいいか考えました」と、QRコードのシールを配ることを提案。こちらは読み取るとアイザワ証券のデジタルパンフレットが表示されます。

ベトナムについても、学生たちは元々詳しくない状態からのスタートでした。「最初はベトナムについてほとんど知らなくて、どんなイメージと聞かれてもイメージすらないような状態でした。今回の授業を経て身近に感じられるようになりました」「ベトナムはバイクのイメージが強かったですが、地下鉄がたくさん利用されているというのを知れたのが驚きでした」と授業を通じ、だいぶ距離が縮まった様子でした。

証券会社をより身近に

証券会社や投資も遠い存在でしたが、今回で関心を持ったという学生が多数。「将来は投資をやったほうがいいのかなと興味を持ちました」という声が多く聞かれました。「証券会社も日本国内だけの取引のイメージでしたが、海外にも多く市場があってベトナムにもあるんだなと知りました」「投資は自分には関係ない難しいことだと思ってたけど、初心者でも意外と始めやすいんだと知りました」と、情報を知ったことで身近に感じた学生も多くいます。

5グループのある学生は「母が銀行員で、株などについての話も聞いていたので私は身近に感じていたところもありました。若い人に証券や投資について知ってもらうには、触れる機会や学ぶ機会をもっと増やすといいと思います」と話し、親しむことの大切さを話してくれました。

アイザワ証券の社員の方も「おかげ様でたくさんの人に来ていただきました」と仰います。「Twitterでのプロモーションも反響は大きく、一番多いものだと100件ほどいいねがつきました。いままでの当社のツイートではそこまでの反応はなかったので」と学生の考えたプロモーションに感心していました。

授業としてはイベント出展がゴールではありません。篠崎先生から「どんなお店にお客がきているのか、どのようにお客を呼び寄せているかなど会場の市場調査もしてもらっています」と課題も出ていました。今回のイベントも、学生たちが実地でマーケティングを学べる、貴重な経験となりました。

担当教員からのメッセージ

 これまで4年生の就職活動先をみてきて金融というと銀行系が多かったので、2年生の段階で証券会社と社会連携ができるのはとても良い機会になると思いました。
 今回の集客企画では、ゼミ生は自分たちの考えをかたちにしてその効果を検証することができ、その過程で、ひとくちに「顧客」といっても、取引き前の潜在顧客からリピーターまでいることを実感することができました。そして、それぞれの顧客に異なる対応が必要であるという気づきを得ることができました。
 プロジェクト中は、毎週アイザワ証券の社員さんがグループごとに1名ついてフォローをしてくださったので、スムーズにグループワークができました。学生の証券会社や金融商品に対する心理的距離がかなり縮まったと思います。二カ月間大変お世話になりました。

2022年11月17日

10月15日に現代生活学科の学生が「駅ハイ」や「オクトーバーフェスト」の運営に携わり活躍しました。

現代生活学科の授業(担当:須賀 由紀子教授)でJR東日本とコラボし、学生たちが「駅からハイキング」のコースを考案。10月8日~10月23日の期間、日野駅をスタート地点に実施されました。また、10月15日(土)にはコース内にある日野市立カワセミハウスで「オクトーバーフェスト」が開催され、学生たちが運営に携わりました。その様子をご紹介します。

受付は朝から大賑わい

「みなさんこんにちは。私たち実践女子大学の学生がプロデュースした…」日野駅の構内に学生たち本人による「駅ハイ」の案内アナウンスが流れます。改札前には朝早くからたくさんの人が、10時からの受付を待っていました。この日は日野市の公式エコキャラクター、エコアラくんとエコクマくんも応援に駆けつけ、わくわく感が高まります。

「駅ハイ」はJR東日本が地域と取り組む無料のウォーキングイベントです。現代生活学科卒業生が橋渡しとなり、連携が実現。
今回、学生たちが日野市の魅力を再発見するハイキングコースを考案し、10月8日~10月23日の間実施されました。ハイキングコース名は「多摩最古のビールを生んだまち日野の自然と歴史エモーショナル体験」。日野駅をスタートし、多摩川鉄橋やひの煉瓦ホールを見学したり湧水を発見したりしながら豊田駅まで歩く約10kmのコース。
最初の3連休だけで200名を超える人たちが参加し、日野市の新たな魅力を見つけました。

「駅ハイ」で日野市の新たな魅力を発見するコース作り

学生たちは6月から取り組み、コースを考えてきました。何をテーマにするかなど一から考え、チラシやマップ作製まで携わりました。

現代生活学科4年の岡崎沙羅さんは
「若い人にも来てほしい、いろんな人に楽しんでいただけるコースにしたいと、エモーショナル体験というのをテーマにしました。エモいという若い世代の感覚を、年齢層高めの方たちにも感じてほしいという思いです」
と言います。

現代生活学科4年の角田奏瑛さんも
「日野市の自然の豊かさや水のきれいさを感じ取れるコースにしたいというのが決め手です。ロケーションの良さにこだわりました」
と話します。
多摩川鉄橋からの景色や百段階段を上ったあとの達成感など、普段味わえない「エモーショナルな体験」を生み出しました。

コース製作から学生たちをサポートしてくださった豊田駅窓口担当の鈴木暖菜社員は
「学生たちの方から積極的に参加してくれ、求めている以上のものを出してくれて大変嬉しく思います」
と話します。
豊田駅の鈴木賢一副長も
「企業では作りえなかった、学生ならではの地域密着型コースです」
と言います。
「ひの煉瓦や水路など、観光名所とは一味違う、地域で学んでいる学生ならではの視点で、歩く人が楽しめるコースになっている」と感心されていました。

土日は学生たち本人が受付に立ち、マップやパンフレットを手渡しします。特典の学生デザインの限定コースターも評判が良いそう。実際に歩いた方たちから「良いコースだったよ」など言葉をいただき、角田さんは
「新選組以外にも魅力的な場所があるんだと知ってもらえて、新たな日野市の魅力を引き出せたと思っています」
と満足した表情で語りました。

「オクトーバーフェスト」ではコースの展示も

この日は、駅ハイのゴール地点手前にある「日野市立カワセミハウス」で、「オクトーバーフェスト」も開催されていました。
オクトーバーフェストは、多摩地域でいち早く明治時代に製造されたという由来を持つTOYODA BEERを楽しむ地域のお祭りです。
こちらも学生たちが関わってイベントや展示をして地域の方々と交流をしていました。

こちらのイベントにも、駅ハイのコースを詳しく紹介する展示コーナーが。
作成したのは現代生活学科4年の村田真菜さん。
コース作りにも関わり、思い入れのあるポイントを、素直な感想とともに紹介しています。
「どの場所も思い入れがあってポイントを選ぶのも大変でした」
と村田さん。
駅ハイでカワセミハウスを訪れた人たちには
「TOYODA BEERとひの煉瓦の繋がりなど、日野市の歴史も紹介していきたいです」と話します。
「JR東日本の皆さんや日野市立新選組のふるさと歴史館の学芸員の方たちと連携して展示を作成したことは、今後につながる経験だった」と語りました。

布川との心温まる交流を紹介

「オクトーバーフェスト」では、「布川ファーマーズマーケット」も開催され、須賀ゼミが地域活性化をテーマに交流している、新潟県十日町市布川地区の農家さんで採れたお米や新鮮な野菜を販売。
布川ファーマーズマーケットの販売企画・運営を担当した現代生活学科4年の大平純澄さん、村松美咲さん、有江美咲さんは去年から現地に行って交流を続けていました。夏はほぼ毎週末布川に「帰った」という皆さん。
田んぼの田植えから収穫まで手伝い、夏は道普請という草刈りやサイクルイベントの手伝いをして地域の方々と親交を深めました。
「初めて会ったときから温かく受け入れてくれて親戚のような安心感。いつも「おかえりなさい」と出迎えてくれるのが嬉しくて」
と有江さん。大平さんも
「東京にいると早く布川に“帰りたい”と思っちゃう。本当に、帰りたくなるふるさとなんです」。

販売スペースには布川の魅力を紹介するパネル展示も。
カワセミハウスを訪れる方たちに布川に興味を持ってもらい、都市農村支え合いにつなげたい、と展示パネル作製に携わった村松さんは
「自然が鮮やかで、どの季節に行っても良い景色。また、地域の人たちの温かさを伝えたいなと思います」
と語りました。

当日は交流している布川の集落の皆さんも会場に訪れ、オクトーバーフェストを一緒に楽しみました。
「学生さんたちは優しくて清楚で真面目。すぐ集落に溶け込んでくれました」
と話します。
「若い子たちが来てくれて活気が出て、布川にとっても良いこと。私たちが当たり前だと思っている風景に感動したり楽しんだり、気づいていなかった布川の魅力を教えてもらっています」
と語っていました。

地域のイベントも実践女子の学生が運営に携わる

現代生活学科4年の大平彩乃さんは、この「オクトーバーフェスト」の実行副委員長。
5月から協議会に「オクトーバーフェスト」をプレゼンするところからすべて関わってきました。
コロナ禍の中、飲食の提供が難しくなることが予想されたため、「ひのデリカー」に協力を依頼。
地域の飲食店のお弁当やパンなどを販売していただく交渉をすすめるなど、数々の打合せや会計など、責任ある仕事に奮闘してきました。

「大人の方たちと直接関わることが多く勉強になりました。運営するにあたって市の職員の方や飲食店の皆さまなど、学校にいるだけではできなかった社会体験をたくさんすることができました」
と語りました。

学生たちは、地域の大きなイベント運営に責任ある形で携わり、参加する方に地域のよさや大切さを感じてもらえるよう豊かな発想力と行動力を発揮して、それぞれ企業や地域の皆さんと連携し、さまざまな貴重な経験をしていました。

2022年11月7日

オープンキャンパスを訪れた受験生を歓迎する、1日限定の「SAKURA CAFÉ」をオープンしました!

夏の暑さが和らいできた9月初旬の日曜日、実践女子大学日野キャンパスでオープンキャンパスが実施されました。たくさんの高校生が訪れる中、WELCOMEイベントとして桜ホール二階に1日限定のSAKURA CAFÉがオープンしました。
SAKURA CAFÉでは、教員と職員のサポートのもと、有志として手を挙げた12人の学生達が企画と運営を担当。6月のメンバー募集から始まったこのプロジェクトは、授業がない時間を利用したオンラインミーティングを重ねながら前進していきました。当日は、スムージーが売り切れになるほどの大盛況。お店でお揃いのエプロンを身に付け、笑顔で高校生を迎えていた学生のみなさんにお話をうかがいました。

Instagramを通じて、SAKURA CAFÉの魅力を広く発信(食生活科学科、管理栄養士専攻:小林さん)

広報を担当した小林さんの役割は、多くの人達にSAKURA CAFÉの魅力を伝えることです。高校生の世代も多く利用しているInstagram(@j_staff_jissen)を通じて、SAKURA CAFÉ開催の告知や学生達の取り組み、当日のメニューなどをこまめに発信しました。

「カフェの運営は、初めての経験でした。当日、何が何杯売れるかまったくわからない中でのスタートでしたが、たくさんのお客様にご利用いただくことができてほっとしています。広報もそうですが、お客さんの反応を予測することで、マーケティングの片鱗を体験できたと思います」

お店の顔となる、ロゴ入りエプロンやステッカーを制作(食生活科学科、管理栄養士専攻:井川さん、高本さん)

お二人でインタビューに応じてくだったのは、ユニフォーム担当の高本さんと井川さんです。SAKURA CAFÉのコンセプトをデザインに落とし込み、ドリンクカップに貼るステッカーやスタッフお揃いで身に付けるユニフォームを制作しました。

「私はロゴとイラストを描きました。制作の過程で意識したのは、女子大生らしさと大人っぽさです。SAKURA CAFÉのコンセプトであるつながりは、ロゴとイラストをとりまく桜としてあしらいました。ステッカーのラミネート加工など、予算の範囲で自分のイメージをどこまで実現できるのか、業者さんに細かくおしえてもらえて助かりました。自分が考えたデザインが形になり、多くの人に使ってもらえて感動です」(井川さん)

「エプロンやステッカーはネットを通じて業者さんに発注しました。エプロンにはいろいろなデザインがありましたが、ナチュラルさと機能性を重視して選びました。余裕がないスケジュールの中、希望通りの仕上がりになったと思います。業者さんとのやりとりは、貴重な経験になりました」(高本さん)

SAKURA CAFÉの「つながる」コンセプトを、装飾として表現(食生活科学科、管理栄養士専攻:阿川さん)

阿川さんが担当したのは、お店の装飾です。
建物の階段を上がると、メタリックなピンク色のアルファベット風船を使ったSAKURA CAFÉの店名が、お客さんの目を引きます。
お客様が並ぶカウンターには緑の植物を長く這わせ、ほっとする演出を取り入れました。

「入学してからアルバイトをしたことがなく、プロジェクトメンバーの募集をみて、就職前に貴重な経験をする最後の機会だと思い参加しました。装飾を担当するメンバーとzoomで話し合い、飾りはみんなで買い出しにいきました。初めて接客を体験し、お客様に喜んでもらう幸せを感じました」

地域を代表する、美味しい飲み物やスイーツを調達(食生活科学科、管理栄養士専攻:佐藤さん)

お店で提供する飲み物やスイーツは、地域連携の観点から多摩地域のものを厳選しました。調達を担当する学生達は、SAKURA CAFÉのコンセプトをまとめた資料をもとに、お店の担当者にプレゼン。協力を快諾してくださった3つの店舗から仕入れました。

「お店に協力を仰ぐプレゼンは緊張しましたが、とても勉強になりました。企画の目的や背景をしっかり伝えるには何が必要なのか、深く考えるきっかけになったと思います。ぎりぎりのスケジュールでしたが、お店のみなさんが優しく対応してくださってなんとか必要なものを揃えることができました」

プロジェクトを推進した高橋先生は、学生達が無事に当日を迎えたことを称えます。

「みんなの進捗はSlackで確認していたんですが、自分の役割を果たすだけでなく、ほかの人もカバーしながらやり遂げたのは、本当に素晴らしかったと思います。アルバイトの接客経験がない学生もいたので、事前に全員でお客様対応の研修を受けました。当日どうなるかと不安でしたが、予想以上の現場対応にびっくりしました」

「みんなで盛り上げよう」という声で始まった、SAKURA CAFÉプロジェクト。参加した学生達は、後輩になるかもしれない高校生をあたたかく迎えながら、お店のスタッフとしてオープンキャンパスをさらに盛り上げていました。カフェの運営という体験は、普段接することがない人達とのやりとりを通じて、学生に様々な学びの機会を提供したようです。

2022年10月20日

「こども未来塾2022」で子どもたちのメニュー作りを実践女子大学の学生がサポートしました!

イベント「こども未来塾2022」に実践女子大学の学生たちがボランティアで参加しました。小学生たちが地元の食材を活かしたメニューを考え、体験・発表する取り組みをサポートしました。子どもたちが考えたメニューは地元の飲食店で実際に販売されました。

「こども未来塾2022」とは?

「こども未来塾2022」は、公益社団法人立川青年会議所が主催する、現代の子どもたちに「生きる力」をつけてもらうためのイベントです。劇的に変化する現代社会に適応するために、子ども自ら主体的に考え行動し、新たな価値を創造する力を身に付けることを目的にしています。

2021年から始まり、今年で2年目。今年のテーマは、「食×運動」です。食生活のバランスや運動習慣を身に付けることをテーマに開催されました。生きる上で身体は資本です。子どもたちの健康な身体づくりのためは規則正しい生活を送ることが何より大切です。

こども未来塾の背景…食の意識を高めて主体的に行動できる人になってほしい

現代の子どもたちは、屋内の遊びが中心となり外で全身を使って遊ぶことが減ったことや、コロナ禍の外出規制なども重なり、体力・運動能力は低下傾向にあります。さらに、保護者の食の意識の低下により、子どもたちの食生活の乱れや体力に影響を与えていることも指摘されています。

そこで、今回の事業では、子どもたちの食への意識を高め、身体を使って体験をする授業が行われました。また、チームで協力したり体験したことをどう発表するかを考えたり、自ら課題を見つけ、学び、考え判断して行動する力も養います。

農産物も自分たちで収穫体験!

こども未来塾2022は、6月12日の全体ミーティングから始まりました。参加者は小学生中心です。1チーム4名で12チーム編成。初めて会った同士でチームを組むので緊張しますが、みんなで運動などの交流を通じて仲良くなりました。翌日から各チームでWEBミーティングを行い、メニューを考案していきました。ミーティングには協力してくれる地元の飲食店や農家の方々も参加。魅力的なメニューを子どもたち自身で考えていきます。

6月後半から7月前半に、各チームで協力農家さんへ収穫体験も行いました。地元・立川市、国立市、武蔵村山市の農産物を直接収穫し、食材を飲食店で調理をしてもらい、試食しました。自分たちで採った食材を食べる経験は格別です。考えたメニューは7月11日(月)~31日(日)までの約2週間、協力飲食店で販売・提供されました。

考えたメニューは実際に販売提供!

協力してくれた生産者の方々も、農家だけでなく養鶏場や果樹園など多彩なラインナップ。提供された食材は、烏骨鶏の卵やブルーベリー、ビーツ、ウドや小松菜、とうもろこしなど。それぞれの食材を生かす子どもたちが考えたメニューもバリエーションに富んでいます。カラフルな夏野菜カレーや小松菜蒸しケーキ、ブルーベリーティラミスや烏骨鶏のミネストローネなど、おいしいだけでなく栄養もたっぷりなメニューが揃いました。

実践女子大学の学生はボランティアで子どもたちをフォロー

実践女子大学の学生たちも、6月の全体ミーティングからボランティアとして参加しました。1チームに1、2名ずつ所属し、食育面で子どもたちに栄養面のアドバイスをしました。また、発言がない子に声を掛けたり、活発に意見を言い合えるように盛り上げたり。チーム全員でメニューを作り上げられるようにサポートしていました。また、話し合いの資料作りなど、縁の下の力持ちとして活躍しました。

総括の発表会

考案メニューの販売期間が終わってからも、各チームはWEB会議をして資料を作成しました。それは9月23日(金)に行われる発表会のため。全チームが集まり、活動を通して、どんな課題に取り組み、その課題をどのように解決したか、どのような学びがあったかなどをチームごとに発表しました。子どもたちが体験したことを人に伝える場を設けているのです。もちろん、実践女子大学の学生たちも最後まで参加し、子どもたちの成長を見守り、自分たちも学びを得る場となりました。

参加学生の声

実践女子大学 カラフルポテト 垣添 璃緒

◇ 今回の活動で学んだことを教えてください。
今回、このようなボランティアや報告会の貴重な機会をいただきありがとうございました。
ボランティアを通じて一番学んだことは運動をすることの大切さです。
このボランティア活動を通してレクリエーションや運動をする機会がありましたが、そういった活動の中で子どもたちが一番良い顔をしていましたし元気よく活動していたと思いました。
やはり運動して心も体も健康であることがとても大切なことなのだと学びました。

◇青少年育成において地域が連携することは必要だと思いますか。
みなさんがその地域にどういった子どもたちがいるのかを知っていただくことが必要だと思うのと、今回の活動で農業体験などありましたが、その地元で採る野菜を使って自分たちで献立を考えることは一つの食育に繋がったと思うので必要だと思います。

実践女子大学 世界にひとつだけのパン 乙川 さくら

◇ 今回の活動で学んだことを教えてください。
今回このような機会をいただき本当にありがとうございます。
協力してよかったところとしては、私自身普段は小学生と触れ合う機会がないので、今回のボランティアに参加したことで子どもたちと運動をしながら食を学ぶ、大変いい機会となりました。
子どもたちみんながどんどん協力しながら仲を深めることができ、そのお手伝いができてとてもよかったと思っております。
また、関わった小学生一人一人に対して最初の印象とはまた違う一面を発見しそれぞれの子どもの良さを知ることができたため、それも人と関わることのよかったことなのかなと感じています。

◇青少年育成において地域が連携することは必要だと思いますか。
今回のような機会を通して青年育成において地域が連携することは必要だと考えます。
子どもたちが農家さんの野菜や果物を収穫してその野菜を使って自分たちでメニューを考え、お店で販売してもらうというような機会は子どもたち自身ではどうしても動き出すことができないので、まだ難しいと思います。
したがって、このような違う小学校の子どもたちと一緒に協力しながら地域を知ることが地域の連携に必要と考えています。

2022年9月29日

実践女子大学の渋谷キャンパスで「学びのフェス」が開催され学生も子どもたちと交流しました!

夏休み期間中である8月23日(火)に、実践女子大学渋谷キャンパスで毎日新聞社主催の「学びのフェス」が開催されました。小学生たちが訪れ、さまざまな企業や団体の出張授業を体験するイベントです。実践女子大学からも出張授業やコーナーが出て、学生たちも授業の手伝いや子どもたちとの交流を行いました。

学びのフェスとはどんなイベント?

「学びのフェス」とは毎日新聞社等が主催する、さまざまな企業やNPOの小学生向けの出前授業を一堂に集めたイベントです。このイベントは2014年から毎年夏休みと春休みに行われています。環境や食、労働などをテーマに各企業や団体が趣向を凝らした授業を用意し、小学生たちが社会学習できる貴重な体験イベント。今回は実践女子大学の渋谷キャンパスを会場に行われました。普段は女子大生だけの空間に、子どもたちの楽しそうな声が響きました。

これはゲーム?アート?デザインのひみつを知ろう!

実践女子大学の研究室も小学生たちを相手に出張授業を行いました。文学部・美学美術史学科の下山肇教授による授業は、デザインについての授業です。始まったのは、色の話。色には2種類あることを学びます。絵の具のような「色の三原色」青緑(C:シアン)、赤紫(M:マゼンタ)、黄(Y:イエロー)と、パソコンのモニターなどの「光の三原色」赤(R:レッド)・緑(G:グリーン)・青(B:ブルー)です。

この三原色を使ったボードゲームを遊んでいきます。隣の人と順番に、マスに色のコマをはめて、オセロの要領で並べていきます。シアンとイエローでコマを挟むと、挟まれたコマは2つを混ぜた色である黄緑に変化。そうして色のピースを並べていきます。16コマ全部埋まったボードを見てみると、いつの間にか「アート」のパーツが出来上がっていました。みんなで遊んだボードは組み合わせて、大学の玄関の柱に貼り付けられ、お客様をおもてなしする壁面アートとして展示されます。一人で作ったものは小さくとも、全員で少しずつ協力しひとつの作品を作る「共創」。これからの時代を生きる上で大事な考えを学びました。

カルタで遊んで楽しく学ぼう

現代生活学科の須賀ゼミの学生が開いていたのはカルタのワークショップ。学生たちが、中学校の家庭科教科書を元に作成した「くらしいろはカルタ」を使います。カルタは、百人一首のように上の句と下の句に分かれ、それぞれ同じイラストが描かれています。子どもたちは、それを神経衰弱のように絵柄を合わせて札を取っていきます。

札は「リデュースすれば」「ゴミが減る」や「にんじん、トマト」「皮膚を守るカロテン」など54ペアあり、SDGsや栄養、生活文化などについて遊びながら楽しく学べます。中には「カードには便利と危険」「2つの顔を持っている」など現代の消費生活に合わせた知識も。子どもたちは真剣な表情で札を覚え、取れると「やったー」と拍手して喜んでいました。

遊んだあとはSDGsの目標である2030年にどのような街にしたいか、オリジナルのカルタ作り体験も。須賀ゼミでは「多世代交流かるた」を制作しており、高齢者や子どもたちとの交流を通して素直な思いをそのままカルタにする取り組みを行っています。学生たちは6月頃から就活の合間を縫い、このイベントに向け準備していました。学生の一人は「対面で子どもたちとカルタをするのは初めて。真剣にやってくれてとても嬉しいです。カルタを通じてSDGsや良いくらしを伝えていけたら」と話しました。

実践女子学園中学・高校ってどんなところ?

ラウンジには、実践女子学園の中学校・高等学校から来た有志「JJブロッサム」の生徒たちによる、小学生との交流コーナーも。「小学校と中学校はどんな風に違いますか」などといった質問に答えていました。

実践女子学園の良いところは?と聞くと、都会の中心である渋谷にありつつ、静かで落ち着いているところが真っ先に上がりました。また、中学と高校の垣根も低く、色んな考えや価値観の人と交流ができ視野が広がるという意見も。そして何より制服の可愛さ。レトロなセーラー服に惹かれて入学した生徒もいました。伝統と歴史がありつつ革新的な学園に、皆誇りに思っているようでした。

小学生たちとの交流を通して学生たちも学ぶフェス

「学びのフェス」はさまざまな有名企業や団体が参加しており、子どもたちは普段はできない体験をすることができます。実践女子大学の学生たちも、それぞれの授業の手伝いを通し、子どもたちと交流しました。イベントでは自分で考え、自発的に動き仲間たちと助け合って進行します。学生たちにとっても、良い体験となったイベントでした。